「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」シーズン1 6話「危険なフライト」ネタバレ批評(レビュー)です。
ネタバレあります、注意!!<あらすじ>
警察無線で、小型機墜落事故の一報を聞きつけたホームズ。現場に行くと、乗客3人とパイロットが全員死亡しており、乗客のうちのひとりは事故前にレンチで殴られて死んでいたことが分かる。父親から食事に誘われながらも断る口実を探していたホームズは、積極的に事件の捜査を始める。調査の結果、亡くなった乗客たちは有名法律事務所の弁護士であることが判明。彼らは食品会社の集団起訴を担当していたらしく……。
(公式HPより)
<ネタバレあらすじ>
・前回はこちら。
「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」シーズン1 5話「死の天使」ネタバレ批評(レビュー)ワトソンがホームズの父と会食することとなった。
もちろん、ホームズも同席の予定である。
これにホームズは面白くない。
拗ねた調子で「どうせ、あいつは来やしないぞ」と断言するホームズ。
ワトソンは「また、またぁ」と冗談半分に聞いていたが……。
と、警察無線を聞いていたホームズが顔色を変える。
小型セスナ墜落の報を聞き付けたのだ。
まるで会食から目を背けるように現場に出向くホームズ。
現場にはグレッグソン警部と航空捜査官モリナーリが居た。
警部によれば、小型セスナ墜落は単なる事故で事件性は無いとのことであったが……。
現場を一目見たホームズがこれを否定する。
墜落現場には4体の死体が横たわっていた。
その中の1つが、出血の状態から明らかに墜落前に殺害されたものだったのだ。
まさか、飛行中に何者かが被害者を殺害し、これが原因で墜落したのか?
さらに、ホームズは現場にあった摩耗の無い真新しい砂に興味を示す。
ホームズの発見により事件性が認められ、捜査が開始。
墜落したセスナを管理する航空機チャーター会社「キースター航空」オーナーのチャールズ・クーパーによれば、搭乗していたのは次の4人。
パイロットのジョー・ニューウェル。
弁護士事務所代表のデブリン。
その部下で弁護士のエリー・ウィルソン。
そして、殺害された被害者は同じく弁護士のハンク・ジェラードであった。
部下のバーツと共にジョーの死を惜しむクーパー。
彼の事務所からは強い接着剤の匂いがした……。
グレッグソンの調べでデブリンたちが「カーマントフーズ」相手の訴訟を引き受けていたことが判明。
「カーマントフーズ」では甘味料に発がん性物質が含まれていることが分かり、訴えられていたのだ。
だが、「和解」を主張するデブリンと「あくまで争うべき」と主張するハンクの間で揉めていたらしい。
まさか、デブリンがハンクを殺害したのか?
そんな中、ブラックボックスが回収され事態が明らかに。
其処にはハンクを怒鳴りつけるデブリンとこれを執成そうとするエリー、騒ぎに驚くジョーの声が録音されていた。
これを聞いていたホームズは肝心のハンクの声がないことに注目。
デブリンは携帯電話でやって来なかったハンクを怒鳴っていたに違いないと指摘する。
だが、墜落現場にはハンクの遺体もあった。
これが何を意味するか。
すなわち、デブリンやエリーの認識ではハンクは搭乗していなかったのだ。
おそらく、セスナには最初から死体となったハンクが積まれていたに違いない。
しかし、搭乗していたジョーら3人はこの事実を知らなかった。
デブリンは既にハンクが死亡していることを知らないから、意見の対立が原因でサボったものと思い込み、携帯で彼を叱りつけた。
もちろん、ハンクが電話に出られる筈も無く留守番電話に吹き込んだものだろう。
これを執成そうとエリーが座席を移動した。
ところが、移動先にはハンクの死体が隠されておりセスナのバランスが崩れた。
そして、墜落したのだ。
つまり、殺人犯は搭乗していなかったことになる。
俄然、やる気を出すホームズ。
一方、会食の時間が近付くワトソンは気が気でない。
結局、捜査にかこつけ会食をサボろうとするホームズに怒ったワトソンは1人で出向くことに。
ところが、其処で待っていたのはホームズの父親を騙る真っ赤な偽物であった。
なんと、ホームズの言葉通り父親はドタキャンしたのであった。
これに呆れ果てるワトソン。
その頃、ホームズはと言えばセスナ機が管理されていた倉庫付近の防犯カメラ映像からハンクが太った男と言い争っていた事実を突き止める。
相手の正体が分からず悩むホームズ。
これに帰宅したワトソンが助言する。
太った男の腰にはインスリンポンプが提げられていた。
つまり、男は糖尿病なのだ。
しかも、社員証から「カーマントフーズ」の役員・エドと判明する。
早速、エドを追及するホームズ。
訴訟を防ぐ為に、強硬派のハンクを殺害しただろうと指摘するが……当のエドはこれを否定。
実は、エドこそがハンクに協力していた内部告発者だったのだ。
確かに上からの命令で訴訟を避けようと動いてはいたが、それでも殺していないらしい。
エドが重度の糖尿病であることから握力の問題でハンクを機内に運び込めないと察したホームズは彼の言葉を認める。
ホームズは角度を変えることに。
注目したのは例の砂だ。
あれは墜落現場付近の砂では無い。
だとすれば、セスナにあったものとなる。
もしかして、誰かが砂を燃料タンクに詰まらせようとしたのではないか。
つまり、誰かがセスナを墜落させようと砂を仕掛けたのだ。
ところが、飛行機に工作していたところをハンクに目撃されてしまった。
其処で口封じにこれを殺害し、機内に隠した。
いずれ墜落するのである、隠すにはもってこいであった。
後は海の上で墜落すれば証拠は隠滅される。
ところが、重量の偏りで犯人の想定より墜落が早まったのだ。
犯人の狙いはハンクではなく、飛行機を墜落させることにあった。
だとすれば、むしろジョーが狙われたのだ。
ホームズはバーツを疑う。
実はバーツもまたジョー同様にパイロットであった。
しかも、彼はマイアミ担当。
さらに、バーツの機はマイアミから戻ると常に66ポンド重くなっていた。
66ポンドはキロに直すと30キロ。
販売するにはキリが良い数字だ。
そう、バーツはコカインの密輸を行っていたのだ。
ジョーはバーツの行動を内部告発しようとして殺害されたに違いない。
一方、ホームズがこの事件に執着する理由が明らかに。
それは会食から逃げる為では無かった。
ホームズは飛行機が苦手だったのである。
あまりにも目端が利きすぎる為に周囲の挙動を疑い過ぎて怖くて乗れないらしい。
コンプレックスから執着していたのだ。
矢先、クーパーがバーツから電話があったと名乗り出る。
クーパーによればバーツは罪を認め逃げ出すと言っていたらしい。
そんなクーパーの身体からは強い接着剤の匂いが……。
バーツが姿を消したことが確認された。
ハンク殺害の凶器と思われるレンチがバーツ宅に残されており、クーパーの供述を裏付けた……かに見えた。
しかし、ホームズはそれがおかしいと指摘する。
レンチには一度、水中に捨てられた痕跡があったのだ。
真犯人がバーツに罪を着せるべく回収したものだろう。
また、バーツは自宅に大金を隠していた。
逃げ出す人間が金を置いて行く筈がない。
ホームズはバーツは密輸の黒幕に口封じされ遺棄されたと考える。
だとすれば、犯人は嘘を吐いたクーパーしか居ない。
その頃、ワトソンはと言えば偽者のホームズ父の正体を突き止めていた。
彼は役者のアリステルで、個人的にホームズ親子と付き合いがあるらしい。
ワトソンはホームズが中毒となった原因を問う。
これに「アイリーンかもしれない」と述べるアリステル。
彼も事情には詳しくないが、ホームズが譫言で口にしていたらしい。
同じ頃、クーパーが取調を受けていた。
だが、頑強に犯行を否定する。
これを見ていたホームズはクーパーがコップの水を何杯も飲み干すことに気付いた。
ホームズは指摘する。
クーパーはバーツと争いになり負傷した。
しかし、通院すると履歴が残る。
其処で傷口を接着剤で塞いでいたのだと。
さらに、バーツの遺体はレンチを捨てた場所と同じだろうと断言。
レンチの痕跡から汽水域だとしたら、ジャマイカ湾かアリーポンドフォームしかないとまで告げる。
これに観念したクーパーは罪を認めるのであった。
こうして事件は解決。
ところが、ホームズとワトソンの関係に一波乱が。
アイリーンの名をワトソンから尋ねられたホームズが激怒したのだ―――6話了。
<感想>
「現代版シャーロック・ホームズ」と言えば2つの作品が挙げられます。
1つが英国「SHERLOCK(シャーロック)」、そしてもう1つが米国「エレメンタリー」。
本作「エレメンタリー」はワトソンが女性との大胆なアレンジを加えた「現代版シャーロック・ホームズ」なのです。
その第6話。
2つの内部告発がテーマでした。
お菓子会社と航空機会社の内実に触れられましたね。
これに関連してハンクの殺害が目的とミスリードしつつ、実際はジョー殺害が目的との流れも流石でした。
そして、いよいよ出て来た「アイリーン」の名前。
この「エレメンタリー」ではアイリーンの秘密が凄いです。
なにしろ、彼女こそが……なんだもんなぁ。
アレには本当に驚いた。
当批評(レビュー)で本作に興味を抱かれた方は、是非、本作を視て欲しい。
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