2014年10月30日

水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 弁護士 水木邦夫 残り火〜孤高の弁護士が挑む最後の法廷〜3連続通り魔殺人は死刑か冤罪化?凶器・目撃者すべての証拠がクロ!逆転裁判を勝ち取れるか!?」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 弁護士 水木邦夫 残り火〜孤高の弁護士が挑む最後の法廷〜3連続通り魔殺人は死刑か冤罪化?凶器・目撃者すべての証拠がクロ!逆転裁判を勝ち取れるか!?」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

都内で若い女性を狙った通り魔殺人が3件連続で発生。犯人として相浦純也(山中崇)が逮捕された頃、かつて冤罪を多く扱う敏腕弁護士だった水木邦夫(伊東四朗)のもとに立花孝久(渡辺いっけい)が訪ねて来る。立花の息子は冤罪を苦に自殺。その担当弁護士が水木だった。以前母親を助けてくれた純也は人殺しが出来る青年ではない、冤罪ではないか…と訴える立花。妻・信子(水野久美)を亡くして以来引退していた水木だったが、救って欲しいという立花の思いと、幻なのか水木の前に現れた信子の励しにより、再び弁護士バッジを手にするのだった。

純也の担当弁護士となった水木は本人と接見。犯行を否認する純也は、現場近くでスーツ姿の男と遭遇、凶器に指紋があったのは偶然拾い上げたためと答えるが、警察には取り合ってもらえなかったという。
そんなやりとりの中で、水木は、純也が何か大切なことを心に秘めているのではと感じ始める。

水木の事務所で働く助手・戸田裕子(奥山佳恵)は、未遂に終わった第3の事件の被害者・香月由紀菜(三津谷葉子)のもとへ。しかしパーカーを着た男に襲われたという由紀菜は、純也の証言に対し激しく反論する。一方立花は、水木に協力すべく純也の自宅を訪ねる。寝たきりの祖父・純蔵(品川徹)と2人で暮らす家から顔を出したのは隣人の服部淳美(大島蓉子)。純也に代わり純蔵の世話をしていた。仕事を辞め介護に専念している純也。今は純蔵の年金で暮らしていると話す淳美は、逮捕直前、庭で純蔵らしき人影を見たという。純蔵は1人で立てる体ではないのだが…。

初公判の日。水木は第3の事件と他は別もので、土川検事(相島一之)が挙げた証拠も確証を得ないものと主張する。パーカー男の証言も、情報による思い込みではないかと…。そんな中、立花は純蔵の弟・光蔵に関する情報を得ていた。玩具屋を継いだ光蔵だったが店は潰れ、借金を残したまま行方不明に。水木は、光蔵が純也の秘密と関係あるのではと睨む。

数日後、証人尋問に現れたのは第3の事件の目撃者・町沢博一(上杉祥三)。水木が追求すると、“通り魔”という言葉を先に口にしたのは町沢だったことが判明する。「通り魔に襲われた」という由紀菜の証言は、町沢の言葉に誘導された思い込みだったのだ。さらに水木らは、傍聴席に現れた由紀菜の隣人・沼田和代(西田薫)からマンションで耳にしたという話を聞く。それは今回の事件を揺るがす重要な内容だった…!
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

若い女性を狙った通り魔事件が連続で発生していた。
被害者は3人、そのうち第1の被害者・石本里香と第2の被害者・塩見万里江は死亡していた。
唯一、負傷に留まったのは第3の被害者・香月由紀菜のみであった。

この犯人として、相浦純也という男性が逮捕された。
純也が夜な夜な外出する姿が目撃されていたこと。
第一の犯行現場に純也のハンカチが落ちていたこと。
第三の犯行現場付近で由紀菜の血が付いたナイフを持って立っていたこと。
これらにより純也の犯行は誰の目にも明らかと思われたが……。

同じ頃、かつて敏腕として名を知られていたが妻の死に伴い引退していた弁護士・水木邦夫の前に依頼人が訪れていた。
その名は立花孝久。
立花には孝之なる息子が居たが野上小夜への痴漢冤罪により自殺していた。
この弁護を担当したのが水木だったのだ。
水木は奮闘したが多数の証人が現れたことが悲劇の引き金となっていた。

立花はそんな水木に純也を助けて欲しいと依頼する。
純也には寝たきり状態とされる祖父・相浦純蔵が居た。
純也は純蔵の介護の為に仕事を辞め、今は純蔵の年金で生活していた。
立花によれば、それほど祖父想いの純也が人殺しなど出来る人間ではないと言うのだ。

これを受けた水木は妻・信子の面影に励まされつつ、再び法廷に立つことに。

純也は無実を主張。
由紀菜の血が付着したナイフについては犯人と思しき男が落として行った物を拾ったと述べる。
だが、夜な夜な出歩いていた理由やハンカチについては黙して語ろうとしない。
どうやら、何かを隠しているようだ。

対して、唯一生存している被害者・由紀菜は純也が犯人で間違いないと頑強に主張する。

矢先、初公判を迎えることに。
水木は土川検事相手に一歩も退くことなく丁々発止の戦いを繰り広げる。
由紀菜の供述は目撃者とされる町沢博一の誘導によるものだと繰り返したのだ。
そもそも、当初の由紀菜は通り魔の犯行だとは訴えていなかったのである。

その頃、純蔵に実弟が居ることが明らかに。
光蔵と言う名の弟は玩具屋を継いだものの店が潰れ借金を負った為に失踪していた。

数日後、公判は意外な展開を迎えていた。
水木の調査により、由紀菜の供述が偽証であることが判明したのだ。
なんと、由紀菜は通り魔ではなく交際相手との痴情のもつれからの負傷であった。
純也がナイフを拾った相手こそ由紀菜の交際相手だったのだ。
これを伏せる為に由紀菜が偽証したのであった。
つまり、由紀菜の事件は通り魔事件とは無関係だったのである。

さらに、水木は寝たきりの筈の純蔵が動けることに気付く。
車椅子が使われていなかったのだ。

此処から水木は純也の外出の理由などを解明する。
純也が深夜に外出していた理由、それは徘徊している純蔵を探す為であった。
第一の犯行現場にあったハンカチも純蔵を探している途中に落とした物であった。

こうして、純也を犯人としていた事実が全て異なっていたことが明らかとなった。
これにより、純也は無罪を勝ち取る。

しかし、水木はそんな純也が隠している最大の秘密に気付いていた。
きっかけは立花が手に入れた光蔵の写真である。
その写真にあった人物こそ、他ならぬ現在の純蔵だったのだ。

そもそも寝たきりの筈の純蔵が動き回っていることが不自然であった。
すなわち、其処には純蔵と光蔵の入れ替わりが為されていたのである。

これを水木に指摘された純也は病死した純蔵の遺言で光蔵を純蔵として介護していたことを認める。
それは兄・純蔵が弟を想って純也に託したものらしい。
当の純蔵は死後に純也の手で庭に埋められていた。

この秘密があった為に純也は光蔵の徘徊を誰にも相談出来なかったのである。
水木は純也の苦労を想い、重荷を下ろすように告げる。
純也は年金詐取などの罪で出頭しようとするのだが……。

何者かの密告により純也は逮捕されてしまう。
密告により純也が逮捕されたことを知った水木はまだ事件は終わっていないと呟く。

その夜、1人の女性とフードの男が擦れ違った。
男は通りすがりざまに女性へとナイフを構えようとして、隠れていた水木に押し留められた。
女性は気付かず鼻歌まじりに行き去ってしまう。

「あいつは……あいつだけは許せないんです!!」
水木に手を掴まれつつ涙ながらに訴えるフードの男。
そのフードの下から現れたのは立花であった。
そして、立花が狙った女性こそ彼の息子・孝之を痴漢冤罪に追いやった野上小夜だったのである。

立花はすべてを打ち明け始めた。
事の発端は孝之の死に遡る。

孝之は野上小夜により痴漢として告発され、耐えられずに命を絶った。
立花は孝之の無実を信じていた為に、小夜の誤解ではなく罠に嵌められたのではないかと疑った。
そして小夜を調べて驚くべき事実に行き当たったのだ。

なんと、小夜や石本里香、塩見万里江らによる罠だったのだ。
表には出て来なかったが証人となっていたのは里香や万里江であった。
つまり、小夜の仲間が証言していたのだ。

立花は息子が彼女たちに殺されたと考えた。
其処で復讐に乗り出したのだ。
そう、通り魔事件の犯人は立花。
関係性が見出せず通り魔とされていた事件は復讐を動機とする連続殺人だったのだ。

ところが、里香と万里江が殺害されたことで怯えた小夜が何処かに隠れてしまった。
立花は肝心の小夜への復讐が出来ず苛立っていたところ、それを知ることに。

身に覚えのない第3の通り魔事件が発生し、純也が犯人として逮捕されてしまったのだ。
世の誰が知らずとも立花だけは純也が犯人ではないことを知っている。
そして、立花は純也に孝之を重ね合わせ救わねばと決意した。
其処で水木に依頼したのだ。

純也を年金詐取で密告したのも立花であった。
無罪となった純也は解放された。
ところが、此処で皮肉にも立花は小夜を見つけたのだ。

復讐したいが純也にアリバイが無ければまたも疑いを招きかねない。
其処で年金詐取で逮捕させることで完璧なアリバイを用意しようとしたのであった。

これに水木が気付いたからこそ、立花に先回りできたのである。

復讐に失敗し自殺を図る立花。
そんな立花を水木は「孝之君がそれで喜ぶとでも!?」と諭す。

翌日、立花は出頭することに。

一方、水木はこの事件をきっかけに再び弁護士活動を行うことを決意する。
純也や立花のような人々を一人でも救う為に―――エンド。

<感想>

原作は小杉健治先生『残り火』(双葉社刊)。
あらすじは次の通り。

<あらすじ>

墨田・江東地区連続殺人事件の容疑者として相浦純也が逮捕された。縁あって純也の無実を信じる立花孝久からの弁護依頼を受けたのは、水木邦夫弁護士だった。妻を亡くし、生ける屍となっていた水木にとって再起を賭けた闘いだ。はたして、純也の無罪を証明できるのか、そして、真犯人は!? 驚愕の法廷ミステリー!
(双葉社公式HPより)


小杉先生原作ドラマ化と言えば、先の「検事・沢木正夫」に続く「弁護士・水木邦夫」となります。
ふと思ったのですが、どちらも名前に「木」と「夫」が入っていますね。
しかも、「沢」に続いて「水」だったりする。
主人公らのネーミングにも何か理由があるような気がします。

水曜ミステリー9「検事・沢木正夫 第三の容疑者 完黙する3人目の男と死者が残した謎の言葉!2つの事件が交差する逆転法廷」(9月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、ドラマ感想を。

重厚なストーリーの中で複数の事件が錯綜、そんな中で暴かれた真実は「悲しき家族の愛情」でした。
本作、かなり良かったです。

キャストも好演でした。
特に伊東四朗さんと渡辺いっけいさんが良し。
そう言えば、伊東四朗さんによる「刑事・近松丙吉シリーズ」と同様に本作もシリーズ化して欲しいものだ。

ちなみに「冤罪と見せかけて実は……」的な展開があるのではないかと疑いながら視ていたのは「相棒season13」3話「許されざる者」の後にこちらを視たからでしょう。
思わぬミスリードになったものだなぁ……。

「相棒season13」第3話「許されざる者」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 偽証法廷〜刑事が越えた一線 奇妙な死体!?妻に迫る連続殺人犯の魔の手!証拠能力ゼロ衝撃の逆転判決!!(信じた友は連続殺人犯!?刑事が踏み越えた許されざる一線!守るべきものは正義か?それとも…)」(4月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「検事・沢木正夫 第三の容疑者 完黙する3人目の男と死者が残した謎の言葉!2つの事件が交差する逆転法廷」(9月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

水木邦夫:伊東四朗
立花孝久:渡辺いっけい
相浦純也:山中崇
水木信子:水野久美
土川検事:相島一之
戸田裕子:奥山佳恵
香月由紀菜:三津谷葉子
相浦純蔵:品川徹
町沢博一:上杉祥三
服部淳美:大島蓉子
糸田政彦:冨家規政
武藤泰三:久保晶
立花の母:森康子
藤川達夫:井上肇
野上小夜:小野麻亜矢 ほか
(公式HPより転載、順不同、敬称略)


ドラマ原作「残り火」です!!
残り火





沢木正夫シリーズ第2弾「第三の容疑者ー検事・沢木正夫 (双葉文庫)」です!!
第三の容疑者ー検事・沢木正夫 (双葉文庫)





シリーズ第1弾「公訴取消し―検事・沢木正夫 (双葉文庫)」です!!
公訴取消し―検事・沢木正夫 (双葉文庫)





シリーズ第3弾「検事・沢木正夫 共犯者 (双葉文庫)」です!!
検事・沢木正夫 共犯者 (双葉文庫)





シリーズ最終巻「検事・沢木正夫 宿命 (双葉文庫)」です!!
検事・沢木正夫 宿命 (双葉文庫)





「偽証法廷 (双葉文庫)」です!!
偽証法廷 (双葉文庫)





同名タイトル作品はこちら。
赤カブ検事シリーズで知られる和久峻三先生の「偽証法廷 (光文社文庫)」です!!
偽証法廷 (光文社文庫)





2014年10月29日

「相棒season13」第3話「許されざる者」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season13」第3話「許されざる者」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season13」第3話「許されざる者」(10月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

「ミステリーでしょ、ねっ、ミステリーでしょ」
その日、朝イチから米沢が熱心に繰り返していた。
その視線の先では、右京(水谷豊)と甲斐(成宮寛貴)が「ふむふむ」と頷きながら立っている。
米沢が先程から「ミステリーだ」と主張しているモノとは一体!?

話は先夜にまで遡る。
出版社に勤める長谷川重徳(夙川アトム)という男性がマンションの自室で殺害された。
死因は絞殺、死亡推定時刻は同夜21時から23時の間と思われた。
その遺体には左頬に傷が残されていたが、これは数日前の傷で死亡時のものではないことが確認されている。
なお、現場は激しく荒らされており、一部には物取りによる犯行説も囁かれていた。

さて、ミステリーなのは此処からであった。

長谷川殺害現場のマンションが大きな密室となっていたのだ。
表口からは防犯カメラにより出入りが監視されている。
裏口からは合鍵が作れない鍵でしか入れない。
ところが、いずれにも部外者の出入りが確認されなかったのだ。

つまり、犯人は煙のように出入りを行ったことになる。

さらに右京の興味を惹く事柄があった。
長谷川重徳の名に聞き覚えがあったのである。
それもその筈、長谷川は3年前に発生した強盗殺人事件の容疑者であった。
しかし、長谷川は裁判の結果により無罪となっていた。

3年前の強盗事件、その被害者は山本可奈という女性。
可奈は現場付近の花屋で働いていた。
その日も仕事を終え帰宅しようとしたところを何者かに襲われたらしい。

その現場からバイクで逃げ去る長谷川の姿が目撃されていたのだ。
これにより長谷川が逮捕された。

この弁護を引き受けたのが人権派で知られる女性弁護士・永井多恵(片岡礼子)。
若年ながらもやり手な人物である。

多恵により証言の曖昧さが指摘され、長谷川の容疑は引っ繰り返された。
これにより長谷川は無罪となったのだ。

その後、付近で病死した堀内なる男性の所持品から可奈の腕時計が見つけ出されたことで、堀内こそが犯人だと目されていたが……。

早速、殺害現場となった長谷川宅を訪問した右京。
まるで何かを探し回った跡のような現場の様子に、甲斐は眉を顰める。
そんな中、右京は灰皿のような奇妙な器、海外不動産について書かれた雑誌、さらに長谷川自身が3年前の事件について出版した本などに目を留める。

次いで長谷川が働いていた出版社の上司・佐野を訪問した右京たち。
佐野によれば「長谷川の左頬の怪我は階段から転落した際に出来たもの」だそうだ。
そう語る佐野の拳には青黒い腫れが……。

今度は永井多恵弁護士のもとへ。
多恵は裁判後も長谷川と交流があったらしい
21時から23時のアリバイを尋ねたところ、秘書の高木によれば事務所に居たとのことだが……。

右京は3年前の事件こそが今回の事件の発端だと断定。
犯人とされた堀内の所持品を調べる。
すると、堀内の遺留品であった新聞紙が千葉版であることが判明。
日付から堀内に可奈殺害は不可能であることが分かる。
堀内を知る人物によれば「堀内は腕時計は拾った物」と語っていたそうだが、どうやら事実だったようだ。

3年前に可奈が勤務していた花屋を訪れた右京たち。
すると、其処には長谷川宅に置かれていた灰皿のような奇妙な器が……。
その正体は灰皿型の花のアレンジメントであった。
此の店のオリジナル品らしい。

これにより、右京は長谷川と可奈に接点があったと断ずる。
だとすれば、長谷川が可奈殺害の真犯人である可能性が高くなった。
当然、可奈の遺族による復讐殺人の可能性も浮上することに。

右京は可奈の遺族である父親に注目。
山本宅を訪問する。
これを聞かされた多恵は右京たちに同行を申し出る。

可奈の父・山本は麻痺を患っており、松葉杖生活を余儀なくされていた。
右京から長谷川こそが真犯人である可能性を伝えられた山本は「犯人を無罪にしたのかぁ」と多恵に憤ることに。
多恵は言葉もない。

矢先、長谷川の携帯から通話履歴が復元された。
其処からサンデー出版の編集者の電話番号を見出した右京。
確認したところ、長谷川のある企画が却下されていたことが分かる。

右京が向かった先は佐野のもとだ。
右京は長谷川の左頬の傷が佐野に殴られたものだと指摘する。
佐野の指に腫れがあったのは此の為だったのだ。
つまり、佐野が長谷川を殴りつけるような出来事があったことになる。

これを指摘された佐野はポツリポツリと事情を明かし始める。
長谷川は佐野に「自身が真犯人だ」との内容を本にする企画を提案していたらしい。
やはり、長谷川こそが犯人だったのだ。

だが、もはや長谷川は一事不再理により裁かれることはない。
これを知った上で長谷川は大金を欲しており、これを告白本として出版しようとしたのだ。

長谷川は可奈殺害について次のように語っていたと言う。
花屋で働いていた可奈を見初めた長谷川。
其処でデートに誘おうと声をかけた。
曖昧に断った可奈だが、佐野は可奈が同僚と身体を寄り添わせている光景を目撃する。
長谷川はこれに裏切られたと逆上、可奈を殺害してしまったのである。

長谷川の無実を信じ応援していた佐野は衝撃を受けた。
そして、怒りのあまり殴ってしまったのである。

直後、伊丹たちが佐野の身柄を拘束する。
何でも長谷川が殺害される前日に自宅前にて何者かと揉み合っていたとの証言が得られたのだそうである。
その際に「やっぱりお前だったのか、殺してやる!!」と男が叫んでいたらしい。
其処で佐野が疑われたのだ。

しかし、佐野はこれを否定。
右京もまた佐野が犯人ではないと指摘する。
犯人は「やっぱりお前だったのか」と長谷川に告げている。
佐野ならば数日前に既に知っている以上、この言葉は該当しない。

これに佐野は「ある人」に真相を伝えたことを打ち明ける。
長谷川を許せなかった佐野は可奈の父・山本に真相を教えたのだ。

山本が400万円を何者かに支払っていたことが判明する。
「殺してやる!!」との声の主は山本であった。

佐野から真相を聞いた山本は長谷川に詰め寄った。
だが、長谷川は開き直り山本を軽くあしらった。
半身が不自由な山本では長谷川を殺せない。
其処で山本は闇サイトで殺し屋を雇ったのだ。

こうして事件は山本の雇った殺し屋の犯行として幕を下ろそうとしていたが……。

事情を右京から聞かされた多恵は「なるほど、そういったプロの方なら合鍵が作れない扉でも開けてしまう方法を知っていたんでしょうね」と感想を口にしつつ、弁護士を辞めると洩らす。
これに右京の表情が動いた。

数時間後、右京は「犯人は本当にマンションに出入りしたのだろうか」と疑問を挙げていた。
其処にこそ密室トリックを解くカギが隠されているらしい。

さらに右京は当日の防犯カメラの映像に注目。
其処には外から帰宅した長谷川が映っていた。
その靴は光を反射している。
しかし、現場から押収された靴は光を反射しないものであった。

翌昼、右京たちは多恵を呼び出した。

防犯カメラの映像に映っていた長谷川は反射材を使用した靴を履いていた。
しかし、現場から押収された靴は反射材を使用していない。
つまり、長谷川は自宅で靴を履きかえたのだ。
長谷川は表口から帰宅すると、靴を履きかえカメラを避けつつ裏口からこっそりと抜け出したのである。

そう、犯人がトリックを弄しマンションを出入りしたのではない。
被害者である長谷川こそが人目につかないようにマンションを出入りしたのだ。
犯人は外で長谷川を殺害後に、裏口から遺体を現場に運ぶだけで良かった。

長谷川は何故、このようなことをしたのか。

長谷川は海外不動産を購入すべく大金を欲していた。
告白本もこの為である。
其処で犯人は長谷川に上手い話があると窃盗を持ちかけた。
長谷川は自身のアリバイ作りの為にこっそりと行動したのだ。

この犯行が可能なのは長谷川から信頼されており、彼を騙し得る人物―――すなわち多恵である。

多恵は長谷川宅の裏口が合鍵が作れないタイプの扉であることを知っていた。
これは彼女こそが犯人だったからである。

右京の告発に多恵は犯行を認める。
数日前、長谷川は佐野に殴られたと多恵に相談を持ちかけた。
其処で長谷川は大胆にも可奈殺害を認めたのだと言う。
反省する様子もない長谷川の態度に多恵は「とんでもないことをした」と後悔した。
其処でトリックを用いて長谷川を殺害したのだ。

多恵の自宅から長谷川の毛髪が検出され、多恵の犯行が明らかになった。
こうして、今度こそ事件が解決したかに思われたが……。

右京は多恵が嘘を吐いていると指摘する。
多恵が長谷川を殺害したのは別の動機があると言うのである。

長谷川宅は必要以上に荒らされていた。
あれは何かを探していたからに違いない。
そう告げた右京は多恵の狙いが告白本の原稿にあると断言する。

さらに右京は懐からメモリーカードを取り出す。
なんでも長谷川はサンデー出版に既に原稿を届けていたらしい。
右京は其処にとんでもない記述を見出したと述べる。

なんと、多恵は初めから長谷川の犯行を知っていたのである。
その上で、長谷川を無罪にするように立ち回ったのだ。
これが暴露されれば、多恵の人権派弁護士としての看板に傷がついてしまう。
だからこそ、多恵は長谷川の告白本出版阻止を余儀なくされたのであった。

「あなたは法律の専門家でありながら、守るべき法を破ったんですよ」
右京の一喝に多恵は肩を落とすのであった。

その夜、花の里。
右京の手には長谷川がサンデー出版の担当者に渡した筈のメモリーカードが握られていた。

「それ、杉下さんのだったんですか!?」
「ええ……非常手段ですよ」
驚く甲斐に、悪戯っ子の表情を浮かべる右京。
右京は多恵の自供を引き出す為に証拠だと偽ったのだ。

花の里の夜は淡々と過ぎて行く―――第3話了。

<感想>

シーズン13第3話。
脚本は金井寛さん。

サブタイトルは「許されざる者」。
「許されざる者」は長谷川かと思いきや……実は多恵でした。
いや、正確には2人ともだから「許されざる者たち」こそが正しいか。

そして「犯人がマンションに出入りしたのではなく、被害者がマンションを出入りした」との逆転のロジックも面白かったですね。
麻耶雄嵩先生のあの作品を思い出しました。

そして逆転と言えば「法を破るなんて!!」と多恵を諭していた右京こそが「捜査のルールを破っていた」との諧謔的な結末も意外性がありました。
ある意味、許されざるは右京でもあるのか……。

それにしても「相棒」界の人権派弁護士にまた1人加わるかと思われた多恵でしたが、こんな形で退場するとは。
元祖・武藤弁護士、弁護士に転身した瀬田に続くことは出来ませんでしたね。

そう言えば「弁護士」、「冤罪事件」、「そう思わせて実は真犯人」との流れで「相棒シーズン1」8話「仮面の告白」を思い出した。
他にも「法曹界」、「冤罪事件」、「秘密の隠蔽」と言えば「相棒シーズン4」9話「冤罪」にも近いかもしれないな。
いずれも薫ちゃんが活躍するエピソードでしたが、本作はその甲斐享版と言えるのかもしれない。

ただ大筋や流れ自体は面白かったんだけど、細かい点に不満も残る。
特に良く分からないのは「反射材使用と未使用による靴のロジック」。
あれ、長谷川が履いて帰宅したからには反射材使用の靴も土間にこそ無くても靴箱にはある筈。
だとすれば、単に「帰宅後に明日を控えて靴を入替えただけ」の可能性も残るのではなかろうか。
あれにより、秘密裏に抜け出したとは言い切れない気がする。

そう言えば、外部犯が難しいとなった時点でマンション住人による内部犯行説が検討されなかったのも不満が残るか。
少なくともこの可能性が潰されていれば、上記の靴と「他に方法は無い」との消去法で「秘密裏に抜け出した」もアリだとは思うけど。

他にも「裏口の鍵が複製不可を知っていたから多恵が犯人」も無理。
そもそも多恵は長谷川と交流があったとの設定だし、聞かされてた可能性も残る。
殺害前日に引越ししてその話題を耳にする時間が無かったとかでもない限りは断定出来ない筈。

同様に「長谷川に指示することが出来るのが多恵しかいない」とも言い切れない。
それこそ、長谷川は大金を欲していたワケだし金額次第で動く可能性も残される。

などなど「犯人ではなく被害者が犯行現場を出入りした」との大筋自体は面白かっただけに、それを活かす伏線が弱い点が本当に勿体ない。
それ以外のロジックについても同様に伏線が弱い(論理の飛躍)が多い印象かなぁ。
もう少し繊細にロジックを詰めてくれれば……もっと良かったと思う。

とりあえず、今週はきちんと視聴出来たことが何より嬉しい。

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「サイレーン」第66話「突入 その2」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第66話「突入 その2」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第65話「突入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

レナとアイを誤認したことで混乱したカラ。
そんなカラの隙を突き、銃を抜いた里見だが……カラの体術の前に善戦虚しく捕まってしまう。

拘束され別荘内へと連行される里見。
向かった先は別荘内の浴槽である。
其処には縛られたアイが監禁されていた。

アイが逃げ出したワケでは無いことを確認し、首を傾げるカラ。
其処ではたともう1人の存在に気付く。

里見にレナへと連絡を取るよう迫るカラ。
しかし、里見がこれに応じる筈もない。
里見は少しでも時間を稼ぎレナを逃がそうとするが……。

その頃、当のレナは里見の意に反し別荘内へと忍び込んでいた。
其処でカラが常用している薬を発見する。

一方、里見の時間稼ぎを察したカラはアイを人質にする。
アイの命を盾に取られた里見は、抗すべくもなくレナへと連絡を入れることに。

すると、すぐ隣の部屋から着信音が聞こえて来るではないか。
愕然とする里見だが―――67話に続く。

早川書房刊『ミステリマガジン』や『週刊文春』でも取り上げられた本作。
目的を果たすべく逃げるカラを里見が追う。
追い付くことが出来るのか……今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。

その第66話。
サブタイトルは「突入 その2」。

猪熊に変装し里見を射殺し、その様子を録画することで痴情のもつれの犯行を偽装しようとしたカラの目論見は頓挫することに。
とはいえ、アイは拘束されており里見も虜となった以上、未だにカラ優位。

これに逆転するにはレナの活躍しかない。
そのレナの携帯が鳴り響きましたが、おそらくその場にはもう居ないか。
たぶん、この状況下だとレナが地下室の猪熊を解放するしかカラへの対抗手段ないだろうし。

携帯が鳴り勝利を確信しつつ隣室を確認するカラ。
しかし、其処には誰も居ない。
不審に思うカラの前に人影が……慌てて追いかけると助け出された猪熊の一撃で大逆転!!との展開だと予想する。
ただ、カラの薬にも何かありそうだなぁ。

一方、先日ふと思ったのですが61話で明かされたカラの動機に1つ疑問が生じています。
それは……女性マネージャーの「自信」はともかく、高槻とおるの「優しさ」を得た割にカラが全く優しくないこと。
これはもしかして、打倒カラの伏線か?
此の点で精神的に矛盾を突いて彼女の動機を奪い自己崩壊を引き起こさせるのだろうか。
だとすると、かなり丁々発止の遣り取りになりそう。

それにしても、カラ篇が終了したとして次のエピソードはあるのか、それともカラの終焉を以て本作も完結するのか……此の点も気になるところ。

ちなみにカラですが、ラストは燃え盛る別荘と共に生死不明になりそうな予感。
でもって、里見と猪熊が街中でカラっぽい人を見かけてエンド的なホラーテイストの結末と予想。
あるいはカラは何処にでも居る的なラストか。
だとすると、やはりカラ篇終了が本作の完結となるのだろうか。
確かに綺麗にまとまるけど、出来れば里見と猪熊で他のエピソードなども読みたいなぁ。

おっと、気が早いか。
それもこれも今後の展開次第かな。

さて、いずれにしても里見とカラの対決はすぐ其処。
果たして里見は猪熊を助けることが出来るのか。
次回に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻、4巻に続き5巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第60話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「サイレーン」第61話「動機」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第62話「11歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第63話「15歳」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第64話「橘カラになりたい」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第65話「突入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。

遂に発売。「サイレーン(1) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(1) (モーニングKC)





「サイレーン(2) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(2) (モーニングKC)





「サイレーン(3) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(3) (モーニングKC)





「サイレーン(4) (モーニングKC)」です!!
サイレーン(4) (モーニングKC)





「サイレーン(5) (モ-ニングKC)」です!!
サイレーン(5) (モ-ニングKC)





「レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)」です!!
レンアイ漫画家(5)<完> (モーニング KC)



posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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