2014年10月06日

『新・世界の七不思議』(鯨統一郎著、東京創元社刊)

『新・世界の七不思議』(鯨統一郎著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

来日中のペンシルベニア大学教授ジョゼフ・ハートマンは、古代史の世界的権威。同じく歴史学者である早乙女静香と京都へ旅行しようとしてはキャンセルの憂き目に遭い、毎晩うらぶれたバーで飲むことに。しかし、バーテンダー松永の供する酒肴に舌鼓を打ちつつ聴く宮田六郎と静香の歴史検証バトルは、不満を補って余りある面白さであった。奇想天外なデビュー作品集『邪馬台国はどこですか?』の姉妹編が登場!
(東京創元社公式HPより)


<感想>

名作『邪馬台国はどこですか?』(東京創元社刊)の姉妹編。
シリーズには他に『新・日本の七不思議』(同社刊)がある。

このシリーズの醍醐味は、これまで歴史の常識とされてきた出来事がバーを舞台に繰り広げられる宮田と静香の論争で何時の間にやら引っ繰り返される点。
この大胆な仮説と解釈が面白い!!
ただ、その為には一定の説得力が必要となり、これが『邪馬台国はどこですか?』が名作となった由縁であり、『新・世界の七不思議』と『新・日本の七不思議』がそう呼ばれない理由だろう。

『新・世界の七不思議』は着眼点と発想は面白いんだけど、説得力が『邪馬台国はどこですか?』に比べると弱いんだよなぁ……。
まぁ、読み物としては充分にアリなんだけど。
だが『新・日本の七不思議』、あれは流石にどうなんだろう……。

ちなみに各作品の印象は次のようになる。

『邪馬台国はどこですか?』:史料とサプライズのバランスに優れた快作。一編一編が単独で成立。
『新・世界の七不思議』:サプライズ偏重、説得力に欠ける。さらに、連作短編としてまとまって居るので各作品単独では弱い。
『新・日本の七不思議』:史料偏重、面白みに欠ける……というかこれは流石に眉を顰めるだろう。

順番で言うと刊行順通り『邪馬台国はどこですか?』、『新・世界の七不思議』、『新・日本の七不思議』の順で好きかな。

なお、『新・日本の七不思議』最大のサプライズは語られた仮説の内容よりも、宮田と静香が交際し始めていたことだったりする。
正直、『邪馬台国はどこですか?』を読んでいれば別に読まなくても良い……かもしれない。

ええ〜〜〜っと、イロイロと言っちゃいましたが、そんな『新・世界の七不思議』の収録作は次の7作品。

・『アトランティス大陸の不思議』
・『ストーンヘンジの不思議』
・『ピラミッドの不思議』
・『ノアの方舟の不思議』
・『始皇帝の不思議』
・『ナスカの地上絵の不思議』
・『モアイ像の不思議』

好き嫌いがあると思うので各作品についての評は省略する。

個人的には『邪馬台国はどこですか?』に収録された『悟りを開いたのはいつですか?』が良かった。
あの意外な結論(実はまだ開かれて……)には度胆を抜かれたものだ。
他には明智光秀謀叛の動機について触れた『謀叛の動機はなんですか?』も秀逸(実は織田信長による……)だった。
ちなみに、この『謀叛の動機は〜〜〜』や『邪馬台国は〜〜〜』の後日談的な物語が『新・日本の七不思議』に掲載されているけどやっぱり初出には敵わないかな。
それだけ『邪馬台国はどこですか?』が如何に凄い作品かが分かるだろう。

結論、とりあえず『邪馬台国はどこですか?』は読んでおくべし!!
他は……『新・世界の七不思議』まではアリ。

ちなみに、そんな『新・世界の七不思議』に収録された『ストーンヘンジの不思議』がドラマ化されることに。
「歴史(ヒストリカル)カクテル」とのタイトルで2014年10月8日(水)24時45分から放送予定。

鯨統一郎先生『ストーンヘンジの不思議』(『新・世界の七不思議』収録、東京創元社刊)がドラマ化!!その名も「歴史(ヒストリカル)カクテル」とのこと!!

どちらかと言えば『邪馬台国はどこですか?』の収録作品をドラマ化して欲しかったかなぁ。
それと、『新・世界の七不思議』は連作短編の流れを活かしたラストのサプライズこそが最大の肝でもあるので『ストーンヘンジの不思議』単独でのドラマ化となると些か破壊力に欠けるかも。

とはいえ、これが好評ならば連続ドラマ化も狙えるかもしれない……というワケで『邪馬台国はどこですか?』ファンは注目せよ!!

<ネタバレあらすじ>

とりあえず、お試しとして『ストーンヘンジの不思議』と『新・世界の七不思議』のラストを簡単にまとめてみた。
これに興味を持たれた方はチャレンジを!!

・『ストーンヘンジの不思議』

来日中のジョゼフ・ハートマン教授は歴史学者。
彼は同じく歴史学者で美女の早乙女静香に夢中。
出来れば彼女の案内で、もう1つ夢中になっている京都観光を楽しみたいのだが……いつもそれが叶うことはない。

そんなハートマンだが、他にも夢中になれることが出来つつあった。
それが静香に紹介されたバーのカクテルと、其処で繰り広げられる宮田の大胆な歴史解釈である。

そして、今回は「ストーンヘンジ」が取り上げられることとなった。
宮田は「ストーンヘンジ」を全く知らなかったのだが、バーテンの松永や静香から聞いた情報だけで思いも寄らぬ仮説を唱え始めた。

なんと、宮田は「ストーンヘンジ」が「空を支える為の施設」だと主張したのだ。
それは「杞憂」の逸話に繋がる「空が落ちて来る」との思考から必要とされた「祭祀的施設」との結論である。

さらに、宮田は驚くべき仮説を口にする。
なんと、「ストーンヘンジ」が「日本に渡来し鳥居になったに違いない」としたのだ。
その証拠が「トリイ」という名前だ。
それは「トリリトン」が訛ったものなのだ―――。

以降、ピラミッドが日本に渡来し盛り塩になったなど……さまざまな仮説を提唱する宮田。
これを聞くハートマン教授はその都度、新鮮な驚きをもたらされていた。

しかし、そんなハートマン教授にさらに宮田は驚きを与える。

宮田は言う―――もしかして、すべてが逆なのではないか。
ストーンヘンジが日本に渡来し鳥居になった。
ピラミッドが日本に渡来し盛り塩になった。
これまではそう思っていた。
だが、海外から渡来したのではなく、すべてが逆転しており日本発祥だとしたら。

これを聞いたハートマン教授はあまりに大胆な仮説ながら、その魅力に抗えないのであった―――エンド。

◆関連過去記事
【書籍関連記事】
「白骨の語り部 作家六波羅一輝の推理」(鯨統一郎著、中央公論新社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ関連記事】
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【その他】
邪馬台国はどこですか?

鯨統一郎先生『ストーンヘンジの不思議』(『新・世界の七不思議』収録、東京創元社刊)がドラマ化!!その名も「歴史(ヒストリカル)カクテル」とのこと!!

「新・世界の七不思議 (創元推理文庫)」です!!
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)





シリーズ第1弾にして名作の1つ「邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)」です!!
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)





シリーズ第3弾「新・日本の七不思議 (創元推理文庫)」です!!
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第1弾「白骨の語り部 - 作家六波羅一輝の推理 (中公文庫)」です!!
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第3弾「京都・陰陽師の殺人―作家六波羅一輝の推理 (中公文庫)」です!!
京都・陰陽師の殺人―作家六波羅一輝の推理 (中公文庫)





第4弾「小樽・カムイの鎮魂歌(レクイエム)―作家六波羅一輝の推理 (中公文庫)」です!!
小樽・カムイの鎮魂歌(レクイエム)―作家六波羅一輝の推理 (中公文庫)





第5弾「湯布院・産土神の殺人 - 作家六波羅一輝の推理 (中公文庫19-5)」です!!
湯布院・産土神の殺人 - 作家六波羅一輝の推理 (中公文庫19-5)





第6弾「作家 六波羅一輝の推理 - 秩父夜祭・狼の殺意 (中公文庫)」です!!
作家 六波羅一輝の推理 - 秩父夜祭・狼の殺意 (中公文庫)



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「思春鬼のふたり」第31話「あるべきふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第31話「あるべきふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:

・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(必殺仕事人)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。

・夏祭り編(25話終盤から)
紡木茨:9歳にして大量殺人を行い逃亡した人物。WCOからは「最重要お掃除対象」とされている。
深森臥美:茨の大量殺人事件の発端となった人物。
紡木荊:茨の弟にして本人を殺害し茨に成り代わっている人物。
飯田華夜:白雪の友人。私立揺籃高等学校の生徒。
筒川:辻の友人。華夜のことが好き。私立揺籃高等学校の生徒。
坂田:辻の友人。私立揺籃高等学校の生徒。

<ネタバレあらすじ>

【前回までのあらすじ】

辻への恋心を確認した白雪。
白雪の友人である華夜はそんな白雪と辻を結ぶ付けるべく、夏祭りに2人を誘う。
華夜のセッティングで2人きりの祭りを楽しむことになった辻と白雪だが……。

その頃、WCOが「最重要お掃除対象」と指定している紡木茨を追っていた陸。
だが、茨と思われる刺青のミイラ死体が発見。
陸は茨を騙って犯行を続けている者が居ると結論付ける。
そして、この茨らしき人物が夏祭りに居たのである。
その正体は茨の双子の弟・荊であった。

辻は荊を狙うことに。
白雪は華夜のもとへ戻るのだが、折悪く荊と接触。
彼のターゲットにされてしまう。

これを救うべく駆け付けた陸と辻。
陸が荊と交戦する中、辻は荊に父の仇の姿を見ることに。

【今回あらすじ】

父の仇である荊を目の前にした辻は復讐心に囚われていた。
一方、当の荊は辻たちの目的が臥美ではなく、自身にあると知り余裕を取り戻す。
決着を求めて、事情を明かさず臥美と白雪をその場に残した2人は森の中へ移動する。

しかし、此処に1つの問題があった。
WCOの規約上、荊をお掃除するのは陸の仕事なのだ。
これに辻が介入すると規約違反とみなされ粛清されてしまう。

だが、今の辻にそんなことは関係ない。
辻は荊をお掃除すべく全力で戦闘を開始する。

そんな辻の真意に気付き戦闘の現場へ駆け付けるべく急ぐ陸。
しかし、既に戦闘の現場では決着が……。

なんと、覚悟を決めた辻の猛攻に荊が耐え切れず屈していたのだ。
後はナイフを突き立てるだけで辻の完勝である。
同時に、それは辻が次のWCOのお掃除対象となることを示していた。

と、この場に白雪を人質にした臥美が乱入する。
どうやら、心配になって様子を見に来たところ、こんなことになったので荊を助けようとしているようだ。

「こいつは人殺しだ」と告げる辻だが、臥美はこれを信じようとしない。
むしろ「茨君を助けなければこの娘を殺す!!」とまで宣言する。

これに躊躇する辻。
そんな辻に白雪は「こんなのいつもの辻君じゃない」と叫ぶ。
これまでの辻は正当なお掃除対象のみを手続きに沿って排除して来た。
だが、今回に限っては私怨に囚われていると指摘したのだ。

これを聞いた辻はナイフを捨てようとする。
ところが、隙を突いて荊に刺されてしまうのであった―――32話に続く。

新章・夏祭り編に突入!!
今回の敵は「最重要お掃除対象」!?
気になる展開は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「コミックフラッパー」にて「モコと歪んだ殺人鬼ども」を連載中の反転邪郎先生の新作が「週刊少年チャンピオン」で連載中です。

その新作「思春鬼のふたり」はなかなかにぶっ飛んだ設定が印象的な作品。
思春期真っ盛りの主人公・辻は悪を滅する掃除人こと必殺仕事人。
そんな辻の正体を知りつつ、彼を愛するストーカー少女・白雪。
果たして、2人はどうなるのか……的なストーリー。

そんな「思春鬼のふたり」コミックスが1巻、2巻に続き3巻も発売とのことヒャッホウ(^O^)/!!
しかも「モコと歪んだ殺人鬼ども」4巻も発売。
まさに破竹の勢いの本作。

さて、その31話ですが……。

サブタイトルは「あるべきふたり」。

物凄い展開になって来たなぁ。
まさか、またも森に入って戦うことになるとは……。
一旦、水入りになったので花火の会場とか別の舞台かと思ったんだけど。
これだと、夏祭りの意味があまり無いかなぁ。
ちなみに荊にとっては陸に続く連戦で、これは相当疲弊していても不思議ではない。

そして……臥美黒幕説は今回で消えたねぇ。
とはいえ、臥美はかなり大胆な娘さん。
まさか、白雪を人質に取るとは……。
これだけの行動力だと、もしも荊が茨を殺したことを知れば荊を殺しかねないなぁ……。

気になるのは辻の今後。
少なくとも今回の荊の攻撃で絶命は無いだろうし、白雪の呼びかけで復讐は思い留まったようだ。
だとすると、これからも辻はWCOでお掃除人として戦い続ける……みたいな流れかな。
でもって、そんな辻を白雪が愛している、と。

おおおおおおっ、いろいろと気になる!!
果たして、次回は如何なる展開を迎えるのか……注目です!!

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)1話から30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

登場人物一覧:

・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。

・もう1人の掃除人篇(1話から5話まで)
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。

・辻の過去篇(6話)
辻卓麿:辻の父、何者かにより惨殺される。30話にて紡木荊の犯行と判明。
辻の母:卓麿の死にショックを受け自殺。

・解体魔篇(7話から10話まで)
黒金:辻たちが通う学校の教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。

・星野銀華篇(11話から17話まで)
星野銀華:元WCOのお掃除人。だが、WCOを離脱する。
園長:辻と白雪が遊びに出かけた動物園の園長。
高倉さとみ:星野銀華に大きな影響を与えた人物。
木田雷:夜刃音珠(ヨハネス)のリーダー。
大雁江美:雷に狙われた一家の一人娘。

・黎盟高等学校演劇部篇(18話から25話まで)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。

・夏祭り編(25話終盤から)
紡木茨:9歳にして大量殺人を行い逃亡した人物。WCOからは「最重要お掃除対象」とされている。
深森臥美:茨の大量殺人事件の発端となった人物。
紡木荊:茨の弟にして本人を殺害し茨に成り代わっている人物。
飯田華夜:白雪の友人。私立揺籃高等学校の生徒。
筒川:辻の友人。華夜のことが好き。私立揺籃高等学校の生徒。
坂田:辻の友人。私立揺籃高等学校の生徒。

「思春鬼のふたり 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
思春鬼のふたり 1 (少年チャンピオン・コミックス)





「思春鬼のふたり(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
思春鬼のふたり(2) (少年チャンピオン・コミックス)





「思春鬼のふたり(3) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
思春鬼のふたり(3) (少年チャンピオン・コミックス)





「モコと歪んだ殺人鬼ども 1 (フラッパーコミックス)」です!!
モコと歪んだ殺人鬼ども 1 (フラッパーコミックス)





「モコと歪んだ殺人鬼ども 2 (フラッパーコミックス)」です!!
モコと歪んだ殺人鬼ども 2 (フラッパーコミックス)





「モコと歪んだ殺人鬼ども 3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)」です!!
モコと歪んだ殺人鬼ども 3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)





「モコと歪んだ殺人鬼ども(4) (MFコミックス フラッパーシリーズ)」です!!
モコと歪んだ殺人鬼ども(4) (MFコミックス フラッパーシリーズ)



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ドラマスペシャル「警視庁捜査一課9係 9周年特別企画 最強の捜査チームVS命を懸けた殺人者たち 動機なき同時多発殺人と身元不明の血痕」(10月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマスペシャル「警視庁捜査一課9係 9周年特別企画 最強の捜査チームVS命を懸けた殺人者たち 動機なき同時多発殺人と身元不明の血痕」(10月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

バス事故で死傷者を出す不祥事を起こした旅行会社社長・御手洗(阪田マサノブ)と、食中毒による被害者を出した食品会社社長・百瀬(田崎トシミ)が相次いで殺害された。御手洗を殺害した犯人の井川(石田佳央)、百瀬を殺害した江尻(嶋本勝博)はともに自殺。被疑者自殺で捜査も終了するはずだったが、倫太郎(渡瀬恒彦)は“何か”に引っかかる。

その思いは9係のメンバーも同じだった。自殺した犯人の井川と江尻は同じ病で余命いくばくもなく、ともに家族を抱え金に困っていた。さらに被害者の顧問弁護士がスピンドクターとして有名な女性弁護士の恵理子(高岡早紀)。そして、バス事故と食中毒という2つの事件を、亜紀(原田佳奈)という女性記者が徹底的に追及していた。メンバー全員が疑問を抱えていることを確認した9係は捜査に乗り出す。

倫太郎と直樹(井ノ原快彦)は、亜紀に話を聞くが、過激な記事で殺人事件を誘発したとしても罪になるのか、と開き直る。倫太郎は亜紀の取材能力の高さに疑問を抱くが、亜紀の上司・瀬戸山(林泰文)も守秘義務を盾に口を濁す。

志保(羽田美智子)と村瀬(津田寛治)は弁護士の恵理子のもとへ。恵理子は2人の犯人に心当たりもなく、担当する会社の経営者2人を失い、その対応に追われている、と言うだけで取りつく島もない。

しかし、犯人の江尻と井川の遺族を訪ねた青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)は、2人が事件を起こす前に大金を手に入れていたことをつかむ。ということは、2人は何者かに金で依頼され、犯行に及んだのか?
青柳らはバス事故と食中毒の両方にかかわっている被害者を、志保らは被害者2人に接点はないか、経歴の洗い直しを。そして、倫太郎と直樹は亜紀の情報源がどこにあるのか、改めて捜査を開始する。

やがて百瀬が公にしていた経歴がウソであることが判明。そして亜紀を尾行した直樹は、取材先で倫子(中越典子)と出くわしてしまう。尾行には失敗したが、倫子と亜紀の意外な関係を知り、直樹は少しだけ亜紀に近づけたかに思えたが…。

さらに第3の殺人事件が発生し、事件はさらに混迷していく。2人の経営者の殺害と犯人の自殺、そして第3の事件の関係は?すべての事件に隠された真実、そして裏で糸を引いていた意外な人物とは?
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

旅行会社「アポロンツアー」社長・御手洗が何者かに殺害された。
「アポロンツアー」は経費削減の為に不適切なメンテナンスを行いバス事故で死傷者を出しており、御手洗は多くの人間から恨みを買っていた。
また、「アポロンツアー」社内でも滝田専務と権力闘争を繰り広げていたらしい。

この捜査に倫太郎ら9係メンバーが立ち上がった。

次々と容疑者が浮かぶ中、倫太郎らが注目したのは反「アポロンツアー」の急先鋒として猛威を奮っていた出版社・新文明館発行の雑誌『週刊潮流』。
『週刊潮流』ではたびたび御手洗の非を追及する記事を世に送り出していた。

この記事を書いた記者が夏目亜紀。
亜紀の記事には内部情報に精通して居なければ不可能なほど詳細な情報が記されていた。
倫太郎は亜紀の情報源を気に掛ける。

同じ頃、御手洗殺害現場の防犯カメラ映像から井川なる男性が急浮上。
緊急手配された井川だが矢先に自殺してしまう。
井川は病気で余命幾許も無い状態にも関わらず、家族に出処不明の1000万円を残していた。
倫太郎は井川が何者かに雇われ御手洗を殺害したのではないか……と推測する。
一方、井川の息子は父の死も知らず車の玩具で無邪気に遊ぶのであった……。

そんな中、食中毒による被害者を出した食品会社「百瀬フーズ」の社長・百瀬が殺害された。
こちらの犯人・江尻も直後に自殺。
ところが、江尻もまた井川と同様に出処不明の1000万円を手に入れていた。

事件は直接の加害者2人が共に自殺を遂げたことで終結を迎えた。
だが、倫太郎はこの結末に不満を抱く。
奇しくも、直樹ら他のメンバーもこれに賛同。
こうして、9係が独自の捜査を続けることに。

倫太郎らが次に注目したのは「アポロンツアー」と「百瀬フーズ」の顧問弁護士・久松恵理子。
ヤメ検の弁護士・大河原がボスを勤める大河原法律事務所に所属する恵理子はやり手で有名であった。
ところが、そんな恵理子がこの2件についてだけは手をこまねいていたのだ。
特に『週刊潮流』の亜紀に対してはクレームを出してはいたものの、効果を示していなかった。

亜紀を訪ねた倫太郎たち。
『週刊潮流』編集長・瀬戸山もこれに立会う。
倫太郎は亜紀に記事の情報源を明かすよう迫るが、亜紀も瀬戸山も口を噤む。

情報源に拘る倫太郎は直樹に亜紀の尾行を依頼。
亜紀は山梨県勝沼にある葡萄園を訪問し経営者の樫村と談笑する。
此処で直樹は意外な再会を果たす。
味覚障害に苦悩し東京を離れていた倫子がこの葡萄園で働いていたのだ。
倫子によれば、亜紀はこの葡萄園に良く来るらしい。

その頃、百瀬の経歴に虚偽があることが判明。
大学卒業を謳っていた百瀬だが、3年の折に中退していた。
どうやら、YTCなるサークルに所属していたのが原因らしい。
このYTCなるサークルは男女間の交際のみに特化したサークルだそうだが……。

そんな中、亜紀が死体で発見される。
どうやら、ビルの屋上から突き落とされたようだ。
亜紀の手には擦過傷が残されており、どうやら突き落とされた際に手摺に掴まったのだが蹴落とされたようだ。
倫太郎は擦過傷の分析を依頼する。

亜紀の過去について調べたところ、10年前に兄を亡くしていたことが判明。
亜紀の兄は司法修習生の夏目克典。
なんと、その死には御手洗が関わっていた。

10年前、御手洗は父の跡を継ぎ「大東旅行」なる会社を経営していた。
だが、従業員に過酷な労働を強いた為に観光バスの運転手が居眠り運転を起こしていたのだ。
この被害者は克典であった。
しかも、克典の恋人こそが恵理子であった。

そう、恵理子と亜紀は裏で繋がっていたのだ。
亜紀の情報源は恵理子だったのである。

恵理子によれば、亜紀は御手洗に兄の復讐を果たす為に『週刊潮流』で攻勢を強めていた。
しかも、御手洗を決定的に追い詰める材料を手に入れつつあったらしい。
加えて、亜紀は御手洗と百瀬を殺害した犯人を探っていたらしいが……。

矢先、亜紀殺害の犯人逮捕を望む恵理子から御手洗と百瀬についての情報が幾つか寄せられた。

まず、御手洗と百瀬が同時期にYTCに所属していたことが判明。
しかも、25年前の8月25日に2人は勝沼にぶどう狩りに出向いていたらしい。
さらに、亜紀は誰かにワインを渡そうとしていたようだ。

ワインに「勝沼」。
思わぬところで樫村へと繋がる情報が出て来たワケだが……。

『週刊潮流』で江尻と井川が臨床試験を受けた最新鋭の医療機器の特集を行っていたことが明らかに。
しかも、2人は共に取材を受けていたにも関わらず記事にはなっていなかった。
どうやら、没にされたらしい。

さらに25年前に樫村の1人娘・百合香が謎の遭難死を遂げていたことが判明する。
それは御手洗と百瀬が勝沼に居た8月25日のことであった。
亜紀も百合香の死の真相を追っていたことが分かり、どうやら御手洗たちが百合香の死に関与しているようである。

亜紀の手の擦過傷から「フッ素樹脂」が検出された。
どうやら、亜紀の手を蹴った人物はトレッキングシューズを履いていたらしい。

亜紀が25年前にYTCが使用したコテージの利用記録を調べていたことが明らかに。
これを調べた直樹はコテージの利用記録から意外な人物の名前を発見する。

亜紀が誰かに渡そうとしていたらしいワインの購入元を突き止めることに成功。
その製造者でワイナリーのオーナー・小杉は25年前に経営不振に陥っていたが、謎の大金で持ち直していた。小杉を追及したところ、百合香の死亡直後に現場付近を歩いていたことを口外しないことを約束に、ある人物から報酬を受け取っていたことが分かる。
小杉によれば百合香の死には3人の男が関わっていたらしい。
2人は御手洗と百瀬、残る1人は……。

井川の息子が所持していた車の玩具が発売前の品であることが判明。
同じ物が『新刊潮流』編集部にも……。

そう、残る1人は……『週刊潮流』編集長・瀬戸山であった。
瀬戸山は樫村を呼び出すと25年前の真相を告白し始める。

25年前、瀬戸山は趣味の野草採集の為に山に居た。
ところが、急な豪雨に遭遇した。
このままでは遭難しかねないと困っていたところを、通りがかった百合香に救われた。
百合香は他にも御手洗と百瀬を連れていた。
後に判明することだが、御手洗と百瀬は百合香に悪戯しようとして尾行していたところ、豪雨に遭遇し立ち往生していたそうである。
しかし、百合香はそんな2人をも救おうとした。

だが、御手洗たちは百合香を無視し好き勝手な行動を繰り返し、遂には崖で足を滑らせてしまう。
これを助けた百合香だが、代わりに足の骨を折ってしまった。
しかし、山崩れが起こることを怖れた御手洗たちは百合香をその場に残し逃げ出してしまう。
残された百合香と瀬戸山。
百合香は瀬戸山に助けを求めるが……瀬戸山は助けを求め縋る百合香を蹴落としたのだ。
憐れ、百合香は崖下の川へと転落、溺死してしまう。

真相を聞き憤る樫村に、ナイフを突き付け殺害しようとする瀬戸山。
其処に倫太郎たちが駆け付ける。
倫太郎たちはこれまでに調べた内容を告げる。

小杉に大金を払って口封じしたのは御手洗と百瀬。
だが、先頭に立って交渉したのは瀬戸山だったのだ。

それから25年、『週刊潮流』の記事によりダメージを受けた御手洗と百瀬は、25年前の秘密を盾に瀬戸山に記事を取り下げるよう脅迫して来た。
瀬戸山は追い詰められた。
そして、瀬戸山が取った手段とは……人を雇い御手洗たちを殺害させることであった、

井川と江尻を雇った黒幕は瀬戸山だったのである。
瀬戸山は特集記事で知った井川と江尻に秘密裏に接触しこれを雇ったのだ。
瀬戸山の指紋と井川の息子が所持していた発売前の車の玩具の指紋が一致したことが動かぬ証拠となった。

さらに、亜紀殺害も瀬戸山の犯行であった。
亜紀は瀬戸山の行動に気付き、自首を迫った。

一旦、応じるかに見えた瀬戸山。
だが、隙を突いて亜紀を屋上から突き落とそうとする。
辛うじて手摺に掴まった亜紀であったが、瀬戸山は無情にもトレッキングシューズで蹴落とした。
まるで、25年前の百合香と同じように。

全てを暴かれた瀬戸山。
だが、彼は罪を認めるでもなく「俺は正義だ。悪の御手洗と百瀬を殺したんだ。やるべきことをやったんだ!!」と主張する。

これを一喝する倫太郎。
御手洗、百瀬、瀬戸山を救おうとした百合香。
井川や田尻らの背後に隠された真実を突き止めようとした亜紀。
百合香も亜紀も信念のもとに行動し命を落とした。
そんな2人に比べれば、瀬戸山に正義がある筈は無かったのだ。

こうして事件は解決した。

その夕方、搾り立てのぶどうジュースを口にした倫子に味覚が戻る。
その場に立会い倫子と抱き合って喜ぶ直樹。

2人の様子を遠くから眺めやりつつ「ありがとう」と呟く倫太郎であった―――エンド。

<感想>

水曜21時に放送されていた「警視庁捜査一課9係」の2時間スペシャルです。
実に2006年から放送開始された本作。
今年はその9年目となっており、本作は「シーズン9(警視庁捜査一課9係 2014)」の最終回となっています。

では、ドラマの感想。

なかなか面白かったですね。

2006年の最初の頃なんてあんなにバラバラだった9係が今は此処までまとまっている―――初期から視聴し続けて来た視聴者としては感無量です。
しかも、倫太郎を中心としつつ、彼に促されなくとも事件の真相に迫る様は良かった。
阿吽の呼吸によるチームプレイも良し。

そして、瀬戸山の足掻きと豹変も凄かった。
粘る、粘る。
井川と江尻への報酬を用意出来そうな人物が、22時前の時点で瀬戸山か大河原くらいしか居なかったのでキャストにもあった瀬戸山が犯人だろうと目星をつけてはいたがあの土俵際からの粘りには驚いた。

この粘る瀬戸山を次々と登場しながら突き止めた事実で追い込んで行く9係メンバー。
このリズミカルな追及も見所でしたね。
さらに、思わぬところで決め手となった車の玩具も印象的でした。

ただ、御手洗はともかく亜紀が記事で百瀬を攻撃していた理由がよく分からないかなぁ。
亜紀と恵理子が復讐を目論んでいたのは御手洗の筈だし。
百瀬の件については亜紀自身がジャーナリストとして社会正義を行おうとして、これに恵理子が支援したということで良いのだろうか。
それならば納得できるけど。

とりあえず、次の「シーズン10」にも期待したいな!!

<キャスト>

久松恵理子:高岡早紀
瀬戸山和義:林 泰文
夏目亜紀:原田佳奈
樫村幸作:中山 仁
御手洗文孝:阪田マサノブ
百瀬重行:田崎トシミ ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


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