2014年10月07日

「最強少女さゆり」第31話(36話)「デカくて強い後輩ちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第31話(36話)「デカくて強い後輩ちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

基本、悪党の居ない「最強少女さゆり」世界で唯一、悪党と呼べる人物が居る……それは誰か!?
そう、窃盗の常習犯・ヤスである。

そんなヤスが今日も今日とてトボトボと歩いていた。
どうやら、雑草マンに浪費しその日の食事にも事欠く有様となったようだ。

困った、困ったと繰り返すヤス。
本来ならばこんなときは豪田家に厄介になりに行くところなのだが、バニーからジャケットの件で目を付けられておりそれも叶わない。
こうなったら、久しぶりにメタボを利用してやろうか……などとかなり悪辣なことにまで想いを巡らせていたそのとき。

「せんぱ〜〜〜い、探してたんですよぅ」
見知らぬ人影に声をかけられた。
相手はヤスよりもかなり大柄な筋肉隆々の女性、明らかに強そうだ。
しかも、ヤスがインリンから盗んだジャケットと同じ物を着ている。
おそらく、インリンの関係者だと思われたが……。
まさか、取り返しに来たのか!?

ギョッと怯えるヤスに、相手は自身の名を名乗る。
彼女の名はハオ・プトロレ。
どうやらレガードでのインリンの後輩らしい。

ハオは「ちょっと見ないうちにこんなに変わってしまって……」と涙ながらにヤスを指差す。
どうやら、ジャケットでインリンを識別しているらしく、相手がヤスだと理解できていないようだ。
これに気付いたヤスの目が光る。

ヤスは「(自分が)実は男だったんだよ」と告げたのを皮切りに「男は変身も出来るからこの姿に変わってしまったんだ」と嘘八百を並べ立てる。
明らかなデマカセなのだが、ハオはこれを素直に受け止め「私が来たからには大丈夫」と請け負うことに。

早速、ハオはヤスの為に食事を提供する。
これを堪能しつつ「へっへっへっ、財布が出来た」と内心で黒い笑いを零すヤス。

「おっかいもの〜〜〜、おっかいもの〜〜〜」
其処に買い物帰りのさゆりとバニーが通りがかった。
レガードのジャケットを目にしたバニーに緊張が走る。
もしや、例のオデコ(インリンのこと)が分かるのでは……と考えたバニー。
さゆりを残し、不意討ち気味にハオを攻撃する。

しかし……。

これに足技で応酬するハオ。
その力量はほぼ互角。
バニーの攻撃もハオの攻撃も互いに有効打を見出せない。

そのうちにバニーに気付いたヤスがそそくさと逃亡。
「どこ行くんですか、せんぱ〜〜〜い」
未だにヤスをインリンと信じ込むハオはこれを追って逃走する。

思わぬ展開に絶句するバニー。
まさか、あのヤスがレガードの娘の先輩?
ってことは、ヤスもレガードなの?
状況が全く呑み込めないバニーは大混乱である。

同じ頃、当のインリンはと言えば……そんなこととは露知らずコンビニのバイトに勤しんでいたのであった―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの31話(通算36話)。
サブタイトルは「デカくて強い後輩ちゃん」。

どうやらレガードの先輩後輩は揃って思い込みが強い勘違い系キャラのようです。
というワケでインリンの後輩・ハオが登場しました。
このハオ、どうやら騙されやすい点を除けば戦闘能力を含めかなり優秀な様子。
しかし、憐れインリンとは再会できず、ヤスの舌先三寸に騙され軍門に屈することに。
一方、先輩であるインリンも勘違い系に加え苦労人キャラが追加されつつあるようです。

そして、ヤスが何時の間にか謎の大物と化して行っている……。
同時に悪役街道まっしぐらと言った印象。
やっぱり「ポートピア連続殺人事件」のあの系譜を継ぐ名前だからだろうか。
それくらい、ヤスの行動が恐るべきものとなっている。
これは……さゆりの鉄拳制裁の対象になりそうか!?

それにしてもヤス……ハオを手駒と化したその力量は相手に恵まれていたとは言え明らかに恐るべきもの。
その豪胆さを持ちつつも何故、彼が未だに成功していないのかが分からない。
そのうちハオを連れて怪しげな会社を起業して、さゆりたちの前に立ちはだかりそうな勢いすら感じるなぁ。

さて、27話で登場した謎の後輩・ハオも正式に参戦し更に世界観を広げた本作。
そんな本作ですが、コミックス1巻に続き2巻が発売予定。
1巻表紙は『ジャポニカ学習帳』をイメージした装飾の中にさゆり、バニー、リコスとメインが並ぶ可愛らしい物でしたが2巻はフォームこそ同じですが色調を変えた表紙に。
ちなみに、2014年8月5日に『ジャポニカ学習帳』のデザインが立体商標化されたことで、ツイッター上のファンから本作の表紙について不安の声が上がる一幕もありましたが、あれはあくまで「同様のデザインを用いたノートに限る」らしいので本作は対象外のようです。一安心。

そして、此処からは今後の展開予想。
最終的には仲間になりそうなインリン(あるいは後輩)だけど、さゆりについて報告しちゃうんだろうなぁ。
でもって、彼女の所属するレガード本隊がやって来る展開か。
バニーの上司である花魁課長によると、どうもこのレガードも一癖ありそう。
だとすれば、これまでの予測で唱えて来たバニーとリコスたちが連合して挑む敵はレガードになりそうか。
こんな感じ!?

インリンの報告でさゆりに目を付けたレガードが地球に飛来。
さゆりを連行しようとする。
通常ならば相手ではないが、レガードはさゆりの弱点であるお化けを使用。
しかも、周囲にまで被害を及ぼす。
此処にインリンはレガードに疑問を抱き離反。
もちろん、バニーやリコス、源さん、オヤッサンとタマちゃんらも協力してレガードに抵抗。
とはいえ、多勢に無勢で危機に陥るんだけど、其処に花魁上司たちが登場。
レガードが星々の遺産を不正使用していたとかで逮捕。
さゆりは見逃されるんだけど、バニーとリコスは帰還したかに見せて……実は地球に居るのです、的な結末とか。
でないと、リコス逮捕されちゃうし。
そして、バニーは花魁課長からさゆりとリコスの監視の名目で地球滞在の権利を得るとか。
ちなみに、さゆりがお化けが苦手なのは遺産としての記憶が残っているから……だったりして。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
【短期集中連載版】
「最強少女さゆり」第1話「さゆりと宇宙人」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第2話「さゆりとチャンバラ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第3話「さゆりとアルバムと私」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第4話「さゆりと峠とお見舞い」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」最終話(第5話)「さゆりとサヨナラの日」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【連載版】
「最強少女さゆり」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話(6話)から30話(35話)までネタバレ批評(レビュー)まとめ

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの元経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
インリン・マールィ:レガード(遺産調査団)所属の宇宙人。
雑草マン:さゆりたちがこよなく愛するアニメの主人公。
グータラ大魔王:雑草マンの宿敵。
柏木さん:駐在さんにやっと出来た後輩の婦警さん。たぶん、拳銃ラブな人。
さゆり父:25話時点で名前は不明。どうやら社会的地位の高い人物のようだが。
ハオ・プトロレ:インリンの後輩。27話より登場。31話から本格参戦。
小堺さん:豪田家の隣人にして彩花の女友達。別名・手だけの人。結婚指輪をしているので人妻のようだ。

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『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)

『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝があった。その名は、「天地の瓢」と「無我の匣」。「無我の匣」には鍵がかけられており、「天地の瓢」には鍵が入っている。ただし、鍵は「瓢」の口よりも大きく、取り出すことが出来ないのだ。
(公式HPより)


<感想>

「S&Mシリーズ」第5弾。

これまた芸術家の業か。
その動機は後のシリーズ第9弾『数奇にして模型』に続くようなモチーフになってます。
ただし、こちらのポイントは「無我の匣」と「天地の瓢」の謎。
これがなかなかになかなかなトリック。
ある種、ミステリのご法度に挑んだと言えるか。

同様の作品を上げるとすれば、あるシリーズものの短編『JAXAでの殺人』がこれに該当するかな。

登場人物の面では瀬戸千衣の存在に注目かな。
この人物、実は……詳しくは『有限と微小のパン』を読むべし。

ちなみに「ネタバレあらすじ」はまとめ易いように一部に改変を加えた上にかなり端折ってます。
本作を正確に味わうには、本作それ自体を読むべし!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
犀川創平:国立N大学建築学部の助教授。
西之園萌絵:犀川の恩師の娘にして犀川の教え子。犀川に好意を抱いている。
香山風采:50年前に謎の死を遂げた日本画家。
香山林水:風采の息子。
香山マリモ:林水の娘。
儀同世津子:犀川の異母妹。
瀬戸千衣:世津子の友人だが……。


「天地の瓢」と「無我の匣」なる品がある。
「天地の瓢」には「無我の匣」の鍵が納められているが「天地の瓢」の口が狭過ぎる為に鍵を取り出すことは不可能だ。

ところが、50年前にこれらの所持者であった香山風采は鍵を手に入れると密室で謎の自殺を遂げていた。
現場には凶器も見当たらなかったと言う。

犀川の異母妹・世津子を通じこの存在を知った萌絵は興味を惹かれ調査を開始する。

矢先、風采の息子・林水もまた風采同様に密室で謎の死を遂げたのであった。
これまた凶器は消えていた。
林水の娘・マリモらが疑われることとなるが……。

この謎に犀川、萌絵が挑むことに。

犀川はあっさりと謎を解く。
しかし、それは萌絵のお気に召すものではないらしい。

密室の正体は気圧によるものであった。
気圧によって扉が塞がれたのだ。

そして、消えた凶器の謎。
これは「天地の瓢」と「無我の匣」にあった。

「天地の瓢」の中の鍵はお湯で融解する金属で出来ていた。
「天地」が示す通り逆さまにして「無我の匣」に溶けた金属を流し込むと……。
「無我の匣」の底には凶器となる短剣の型があり、短剣が出来上がるのだ。
「無我」が示すのは「我を失う」、すなわち「死ぬこと」であった。
現場から消えた凶器の正体はコレだったのだ。

これこそが両者の秘密。
この秘密を知った者は死に誘われるらしい。
現に風采と風水は死を選んでしまった。
つまり、自殺である。

もしかして先生も……萌絵が不安がる中、犀川は自分は大丈夫と告げる。
芸術家だからこそ影響を受けたらしい。
犀川は事件を解決しながらも表沙汰にしない道を選ぶ。

一方、犀川たちを巻き込む発端となった世津子は隣家に引っ越してきた瀬戸千衣と親しくなる。
千衣は世津子に教えられた犀川の存在に興味津々の様子だが―――エンド。

◆関連過去記事
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第9弾。
『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第10弾(最終巻)。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

超再現!ミステリー「巧妙なトリック暴け人気推理小説を超再現謎を解け&犯人は誰?超衝撃の2時間SP 大学内で連続殺人…美女が残した(秘)日記に謎を解くカギ…珍推理佐藤隆太スタジオ爆笑砂羽も紗栄子も超興奮」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

森ミステリィの名作「S&Mシリーズ」がフジテレビ系火曜21時枠にて連続ドラマ化!!タイトルは「すべてがFになる」に!!

「封印再度 (講談社文庫)」です!!
封印再度 (講談社文庫)





「有限と微小のパン (講談社文庫)」です!!
有限と微小のパン (講談社文庫)





「冷たい密室と博士たち (講談社文庫)」です!!
冷たい密室と博士たち (講談社文庫)





こちらはコミック版「冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))」です!!
冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))





「すベてがFになる (講談社文庫)」です!!
すベてがFになる (講談社文庫)





「すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)」です!!
すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)





こちらはゲーム版「すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER」です!!
すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER



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