2014年10月10日

「最強少女さゆり」第32話(37話)「実録 リコス24時」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第32話(37話)「実録 リコス24時」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その夜、さゆりとバニーは何処かよそよそしかった。
何故なら、2人は珍しく喧嘩の真っ最中だったのだ。

事の発端は夕食である。
バニーがさゆりに苦手なピーマンを克服させようとしたところ、さゆりが拒否したのだ。
その後、売り言葉に買い言葉。
互いに互いを深く傷付け合った末に、退くに退けなくなり意地の張り合いになっているのだ。

この様子に眉を顰めたのはリコスである。
彼は苦労人として感情の機微を理解している。
さゆりとバニーの喧嘩も些細な行き違いで本意でないことも分かっていた。
後は、仲直りのきっかけだけなのだが……。

こうして、リコスが一肌脱ぐことに。
リコスは自身の特異体質を利用し、一夜かけてオオカミへと変身する。

翌朝、変身を果たしたリコスはさゆりのもとへ。
さゆりがオオカミを苦手とすることを知っての上である。

「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
予想通り、さゆりは大きな悲鳴を上げた。
これを聞きつけたバニーは取るモノも取り敢えず駆け付けるや、さゆりを胸に抱え込む。
さゆりはバニーの胸元で泣きじゃくる。

緊急事態にさゆりもバニーも互いを飾るのを止めていた。
2人は自然に仲直りを果たすことに。

これを見届けたリコス。
またも一晩かけて元の姿に戻るのだが……。

この無断外泊を仲直りしたさゆりとバニー2人から責められることに。
リコスの努力は報われたものの、功労者であるリコス自身は報われない結果となったのである―――次回に続く。

コマ割りと展開が魅力の作品です。
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの32話(通算37話)。
サブタイトルは「実録 リコス24時」。

リコス視点からさゆりとバニーの喧嘩騒動の顛末が描かれました。
なかなかでしたが、折角の素材が今回は少し活かしきれていなかったかな。
こういった形でリコス視点に限定するなら、先に1話使ってバニー視点で同様の物語を描いておいて次の1話で「あの裏では実はリコスが骨折りしていたんだよ」的な展開の方が面白かったと思う。

例えば、今回の内容だと次の通り。

・バニー視点
バニー、さゆりと喧嘩。
仲直りしたいがチャンスが無い。
リコスに相談するも素っ気ない返事。
もどかしい中でさゆりの悲鳴を聞きつける(このときオオカミは見えない)。
駆け付けたことで互いに素直になれた。
仲直り。

・リコス視点
バニー、さゆりと喧嘩。
2人の心情が分かるだけに助け舟を出そう。
バニーから相談を受けるも、計画がバレてはいけないから素っ気なくあしらう。
オオカミ化、さゆりに悲鳴を上げさせる。
バニーが駆け付けてさゆりと和解。
ほっとしつつ、無断外泊でペナルティをくらい泣く。

これで良いと思うのだが。
正直、今回だけだと些か物足りないものを感じた。
もう少し濃い味でも良いかな……的な。
次回に期待!!

さて、27話で登場した謎の後輩・ハオも正式に参戦し更に世界観を広げた本作。
そんな本作ですが、コミックス1巻に続き2巻が発売予定。
1巻表紙は『ジャポニカ学習帳』をイメージした装飾の中にさゆり、バニー、リコスとメインが並ぶ可愛らしい物でしたが2巻はフォームこそ同じですが色調を変えた表紙に。
ちなみに、2014年8月5日に『ジャポニカ学習帳』のデザインが立体商標化されたことで、ツイッター上のファンから本作の表紙について不安の声が上がる一幕もありましたが、あれはあくまで「同様のデザインを用いたノートに限る」らしいので本作は対象外のようです。一安心。

そして、此処からは今後の展開予想。
最終的には仲間になりそうなインリン(あるいは後輩)だけど、さゆりについて報告しちゃうんだろうなぁ。
でもって、彼女の所属するレガード本隊がやって来る展開か。
バニーの上司である花魁課長によると、どうもこのレガードも一癖ありそう。
だとすれば、これまでの予測で唱えて来たバニーとリコスたちが連合して挑む敵はレガードになりそうか。
こんな感じ!?

インリンの報告でさゆりに目を付けたレガードが地球に飛来。
さゆりを連行しようとする。
通常ならば相手ではないが、レガードはさゆりの弱点であるお化けを使用。
しかも、周囲にまで被害を及ぼす。
此処にインリンはレガードに疑問を抱き離反。
もちろん、バニーやリコス、源さん、オヤッサンとタマちゃんらも協力してレガードに抵抗。
とはいえ、多勢に無勢で危機に陥るんだけど、其処に花魁上司たちが登場。
レガードが星々の遺産を不正使用していたとかで逮捕。
さゆりは見逃されるんだけど、バニーとリコスは帰還したかに見せて……実は地球に居るのです、的な結末とか。
でないと、リコス逮捕されちゃうし。
そして、バニーは花魁課長からさゆりとリコスの監視の名目で地球滞在の権利を得るとか。
ちなみに、さゆりがお化けが苦手なのは遺産としての記憶が残っているから……だったりして。
この妄想、果たして的中するでしょうか!?

さて、此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられない。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
【短期集中連載版】
「最強少女さゆり」第1話「さゆりと宇宙人」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第2話「さゆりとチャンバラ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第3話「さゆりとアルバムと私」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第4話「さゆりと峠とお見舞い」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」最終話(第5話)「さゆりとサヨナラの日」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【連載版】
「最強少女さゆり」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話(6話)から30話(35話)までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「最強少女さゆり」第31話(36話)「デカくて強い後輩ちゃん」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの元経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
課長:宇宙警察でのバニーの上司。花魁姿をしている。
シヤ:バニーの妹。
豪田彩花:さゆりの母、元祖・最強少女。
森:彩花が入院していた杏森病院の担当医師。
インリン・マールィ:レガード(遺産調査団)所属の宇宙人。
雑草マン:さゆりたちがこよなく愛するアニメの主人公。
グータラ大魔王:雑草マンの宿敵。
柏木さん:駐在さんにやっと出来た後輩の婦警さん。たぶん、拳銃ラブな人。
さゆり父:25話時点で名前は不明。どうやら社会的地位の高い人物のようだが。
ハオ・プトロレ:インリンの後輩。27話より登場。31話から本格参戦。
小堺さん:豪田家の隣人にして彩花の女友達。別名・手だけの人。結婚指輪をしているので人妻のようだ。

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「思春鬼のふたり」第32話「大切なふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第32話「大切なふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:

・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(必殺仕事人)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。

・夏祭り編(25話終盤から)
紡木茨:9歳にして大量殺人を行い逃亡した人物。WCOからは「最重要お掃除対象」とされている。
深森臥美:茨の大量殺人事件の発端となった人物。
紡木荊:茨の弟にして本人を殺害し茨に成り代わっている人物。
飯田華夜:白雪の友人。私立揺籃高等学校の生徒。
筒川:辻の友人。華夜のことが好き。私立揺籃高等学校の生徒。
坂田:辻の友人。私立揺籃高等学校の生徒。

<ネタバレあらすじ>

【前回までのあらすじ】

辻への恋心を確認した白雪。
白雪の友人である華夜はそんな白雪と辻を結ぶ付けるべく、夏祭りに2人を誘う。
華夜のセッティングで2人きりの祭りを楽しむことになった辻と白雪だが……。

その頃、WCOが「最重要お掃除対象」と指定している紡木茨を追っていた陸。
だが、茨と思われる刺青のミイラ死体が発見。
陸は茨を騙って犯行を続けている者が居ると結論付ける。
そして、この茨らしき人物が夏祭りに居たのである。
その正体は茨の双子の弟・荊であった。

辻は荊を狙うことに。
白雪は華夜のもとへ戻るのだが、折悪く荊と接触。
彼のターゲットにされてしまう。

これを救うべく駆け付けた陸と辻。
陸が荊と交戦する中、辻は荊に父・卓麿の仇の姿を見る。

荊に復讐しようとする辻。
だが、それはWCOの規約に違反すること―――すなわち、辻自身の死を意味していた。
これを止めた白雪であったが、その隙を突かれ辻が荊に刺されてしまう。

【今回あらすじ】

白雪の想いに応え復讐を思い留まった辻。
だが、その隙を突かれ荊に刺されてしまう。

「私のせいだ」倒れ伏す辻に縋りつき泣き叫ぶ白雪。
その隣で荊の行動に戸惑う臥美は「何てことを……」と非難の声を洩らす。
これに「仕方が無かったんだ」と返す荊。
しかし、臥美は納得しない。

臥美の視線に耐え兼ねた荊は「これまでもこうして臥美を守って来たんだ」と口走る。
さらに「そう言えばあのときだって……」と卓麿殺害について言及する。

これを聞いた臥美の表情が一変。
そのとき、茨は施設に拘束されていたのだ。
犯行可能な筈がない。

「あなたは誰!?」
目の前の荊に疑問を抱いた臥美は恐慌状態に。
そんな臥美を目にした荊は呆然自失する。

その場に存在するのは4人。
全身から血を流し俯せに倒れ込んだ辻。
そんな辻に駆け寄り泣き叫ぶ白雪。
荊が信じられず頭を抱えて錯乱する臥美。
そんな臥美の前でオロオロする荊。
さながらパニック状態で、誰1人としてこの混沌を回復する術を持たないかに見えた。

直後、こんな状況に終止符を打つ者が駆け付ける―――陸だ。
武器を手にした陸は状況を把握すると、真っ先に荊へと振り下ろす。

「あっ!?」
臥美に気を取られていた荊は無防備であった。
あっさりと首を狩られてしまった。

数時間後、病院に搬送された辻は緊急手術を受けることで一命を取り留めた。
しかし、その傍らに白雪の姿は無い。

「私が声をかけたから……」
辻の負傷に責任を感じた白雪は姿を消してしまったのだ。

意識を取り戻した辻は、この経緯を陸から聞かされショックを受ける。
むしろ逆なのだ。
白雪のおかげで辻は大切な物を失くさずに済んだのだ。
そして、辻にとって白雪もまた大切な人になっていた。
そんな白雪を失うワケにはいかない。
また、出来れば白雪の大切な人になりたい。

辻は気力で病床から立ち上がると白雪を探し求める。
これに陸は白雪宅の地図を手渡すのであった。
2人の互いを思いやる心が報われることを信じつつ―――33話に続く。

新章・夏祭り編に突入!!
今回の敵は「最重要お掃除対象」!?
気になる展開は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「コミックフラッパー」にて「モコと歪んだ殺人鬼ども」を連載中の反転邪郎先生の新作が「週刊少年チャンピオン」で連載中です。

その新作「思春鬼のふたり」はなかなかにぶっ飛んだ設定が印象的な作品。
思春期真っ盛りの主人公・辻は悪を滅する掃除人こと必殺仕事人。
そんな辻の正体を知りつつ、彼を愛するストーカー少女・白雪。
果たして、2人はどうなるのか……的なストーリー。

そんな「思春鬼のふたり」コミックスが1巻、2巻に続き3巻も発売とのことヒャッホウ(^O^)/!!
しかも「モコと歪んだ殺人鬼ども」4巻も発売。
まさに破竹の勢いの本作。

さて、その32話ですが……。

サブタイトルは「大切なふたり」。

薄々感じてはいたけど、一息に最終章的な展開になってきた印象。
これが気の所為だと良いのだけど……もしかして、もしかする?
とりあえず、その旨のアナウンスが出ていないので「続く筈」と信じたいけど……。

気にはかかるけど、本編の感想。

擦れ違うこととなった辻と白雪。
ただし、これは互いを想うが故のこと。
この状況ならば、再会さえすれば上手く行く筈。
まさか、再会して想いを確認し合った途端に新たな敵が登場……みたいな流れは流石に無いだろうし。
次回は遂に愛を口にして互いの想いを確認か!!

そして、今回は陸が大活躍。
流石はお仕置き人さんの風格を見せました。

でもって、臥美はどうなったんだろうなぁ……。
茨が別人であることには気付いたようだけど、それと目の前で荊が首を撥ねられる光景を直視するのとは別だろうし……相当なショックだろうね。
そう言えば、陸はお掃除の現場を臥美に見られても良かったのだろうか……。
まさか、臥美も口封じされているのでは……。
あくまで、白雪は特例だしねぇ。
この疑問については明かされない気がするなぁ。

おおおおおおっ、いろいろと気になる!!
果たして、次回は如何なる展開を迎えるのか……注目です!!

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)1話から30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「思春鬼のふたり」第31話「あるべきふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:

・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。

・もう1人の掃除人篇(1話から5話まで)
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。

・辻の過去篇(6話)
辻卓麿:辻の父、何者かにより惨殺される。30話にて紡木荊の犯行と判明。
辻の母:卓麿の死にショックを受け自殺。

・解体魔篇(7話から10話まで)
黒金:辻たちが通う学校の教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。

・星野銀華篇(11話から17話まで)
星野銀華:元WCOのお掃除人。だが、WCOを離脱する。
園長:辻と白雪が遊びに出かけた動物園の園長。
高倉さとみ:星野銀華に大きな影響を与えた人物。
木田雷:夜刃音珠(ヨハネス)のリーダー。
大雁江美:雷に狙われた一家の一人娘。

・黎盟高等学校演劇部篇(18話から25話まで)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。

・夏祭り編(25話終盤から)
紡木茨:9歳にして大量殺人を行い逃亡した人物。WCOからは「最重要お掃除対象」とされている。
深森臥美:茨の大量殺人事件の発端となった人物。
紡木荊:茨の弟にして本人を殺害し茨に成り代わっている人物。
飯田華夜:白雪の友人。私立揺籃高等学校の生徒。
筒川:辻の友人。華夜のことが好き。私立揺籃高等学校の生徒。
坂田:辻の友人。私立揺籃高等学校の生徒。

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「思春鬼のふたり(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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「モコと歪んだ殺人鬼ども(4) (MFコミックス フラッパーシリーズ)」です!!
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『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)

『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。
(公式HPより)


<感想>

「S&Mシリーズ」第9弾。
今回は犀川と萌絵が思わぬ「フーダニット」と「ホワイダニット」に挑むことに。

それにしても犯人の思考がまさに独特。
完璧を目指しつつ、その破壊にも魅力を覚える。
これこそが芸術家だとすれば、彼もまた芸術家だったに違いありません。

ただ、これはラストの事実にて反転する。
ラストの描写は「紀世都はすべてを知っていた」ことを示すのでしょうね。
ジオラマに人形を置いたのはどう考えても紀世都なんだろうし。
手紙の件も伏線になるのか。
もしかすると、紀世都こそが暗に黒幕となっていたのかもしれません。

だとすれば、萌絵が感じた犯人の二律背反的な思考も説明がつく。
1人の思考だと考えるから二律背反となるワケで。
犯人自身と黒幕の意志だとすれば矛盾も解消されるのだ。

こうなると、それこそ2人が好きな行動を取っていたとなる。
だからこそタイトルが『数奇にして模型(好きにしてもOKのもじり)』なのかもしれない。

ちなみに「ネタバレあらすじ」はまとめ易いように一部に改変を加えた上にかなり端折ってます。
本作を正確に味わうには、本作それ自体を読むべし!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
犀川創平:国立N大学建築学部の助教授。
西之園萌絵:犀川の恩師の娘にして犀川の教え子。犀川に好意を抱いている。
筒見:M工業大学教授。
筒見紀世都:筒見の息子。芸術家。
筒見明日香:筒見の娘。モデル。
寺林高司:M工業大学大学院生。
上倉裕子:M工業大学大学院生。


事件は奇妙な形で始まった。

模型交換会会場の公会堂にて、モデルである筒見明日香の遺体が発見されたのだ。
ところが、奇怪なことに明日香の頭部は切断されていた。
しかも、現場は鍵も内側から施錠された密室だったのである。
さらに、現場には寺林高司なるM工業大学大学院生が気絶していたのだ。
寺林は何者かに気絶させられたらしい。

当然、犯行が可能な寺林に容疑が向かうことに。
寺林は明日香殺害を否定するが……。

しかし、奇妙な点はこれだけではなかった。
同時刻、もう1つの殺人事件が発生していたのだ。

こちらはM工業大学の研究室で発生した上倉裕子殺害事件。
裕子は閉め切られた部屋の中で、何者かに絞殺されていたのだ。
出入り口には施錠が施されていた。

ところが、この部屋の鍵を寺林が所持していたのである。
こうして、寺林は裕子殺害容疑もかけられることとなった。

この謎に犀川と萌絵が挑むことに。
まず、犀川は合理的に考えて自身に容疑が向かうような状況で殺害は実行しないだろうと寺林の容疑を否定する。
その上で浮かび上がったのは明日香の兄で奇矯な振る舞いで知られる芸術家・筒見紀世都であった。

矢先、紀世都が焼死することに。
これにより彼こそが犯人だと思われたのだが……。

その頃、萌絵は紀世都犯人説に疑問を抱き寺林と共に真相を追っていた。
ところが、寺林が豹変し萌絵に襲い掛かる。

其処に駆け付けた犀川。
そう、真犯人は寺林だったのだ。

犀川によれば、一見無謀に見える寺林の行動もそれなりの理由があるらしい。
それを紐解くには彼の動機が大きなキーとなるのだ。

だが、動機の前に事件が錯綜した原因が1つある。
これを述べねばならない。
それは、明日香殺害は寺林によるものではないと言うことだ。
裕子と紀世都殺害は寺林の犯行だが、明日香は別の人物により殺害されたのだ。
しかし、頭部切断は寺林の犯行であった。

此処で寺林の動機に戻る。
ポイントは明日香の頭部が切断されていたことにあった。
寺林はずっと紀世都の等身大人体模型を作りたいとの欲望を抱えていた。
だからこそ、妹である明日香に近付いた。
それが明日香の死体を発見し爆発したのだ。

あの日、寺林は明日香の遺体を発見した直後に何者かに襲われ昏倒した。
目覚めたところ、先程と変わらず明日香の遺体が倒れている。
此処で寺林は考えた。

明日香と紀世都は兄妹として背格好が似ている。
失敗の許されない本番を前に明日香で実験を行ってはどうだろうか。
其処で一番複雑な頭部で型取りを試したのである。

此処からは寺林の立場になって考える必要がある。
寺林としては明日香の遺体の頭部を切断する必要がある。
相当な時間がかかる筈であった。
だが、切断を行うことで殺害まで疑われることは避けたい。

寺林は研究室に裕子を訪問することでアリバイを作ることを考えた。
こうして裕子を訪ねたのだが当の裕子は異常な反応を示した。

寺林はすべてを察した。
明日香を殺害し、寺林を襲撃した犯人は裕子だったのだ。
裕子は寺林を愛しており、明日香と彼の関係を疑い明日香を殺害してしまったのである。
其処に寺林が現れた為に、彼をも襲ったのだ。

裕子は寺林を殺害したと思い込んでいた。
それ故に生きて現れた彼に過剰な反応を示したのだ。

逆上した寺林は裕子を殺害してしまう。
我に返った寺林はこれで予定が狂ったことに気付いた。
何とか紀世都の型取りを行うまでは捕まりたくない。

其処で弄した策が件の殺害現場で倒れ込むことだったのだ。
疑われるだろうが、あまりにも怪し過ぎる故に牽制出来るかもしれないと考えた。
寺林にとっては時間が稼げれば良い程度の策であったが奏功することに。

ちなみに、研究室の鍵を所持していたのは裕子の遺体発見を少しでも遅らせる為である。
何故なら、寺林には明日香の頭部を型取りする作業が控えていたからだ。
寺林は公会堂で倒れ込んだのは作業を終えた後である。

これが最初の事件の全貌であった。
次いで、疑われつつも決め手に欠けるが故に自由となっていた寺林は急ぎ紀世都の型取りに乗り出した。
同時に、紀世都に罪を着せることに。

だが、犀川や萌絵が紀世都の犯行に疑惑を抱いたことで危機感を募らせたらしい。
其処で萌絵を襲ったのだ。

犀川の登場に思わぬ抵抗を見せる寺林だが、逮捕された。
後に彼はそれが当たり前とでも言うように動機について素直に述べることとなる。

そんな寺林を犀川は殺人自体が目的に転じつつあったのではないかと分析。
本来、萌絵殺害未遂は不必要な事件であった。
これは既に型取りから殺害に目的が移行していた為に起きたものだと考えたのである。

萌絵は犀川の分析に頷きつつ、寺林の犯行が何処か刹那的であることに気付く。
寺林は自身の犯行を芸術としつつ、これを破綻させるような行動を常に見せていたのだ。
究極を求めつつ、それを破壊することにも喜びを覚える―――それこそが芸術家の性なのかもしれない。
だが、何処か腑に落ちない萌絵であったが……。

一方、2人の子供を一度に失った筒見教授。
彼は自宅に置いてあるジオラマを眺めて、2体の人形に気付く。
1つは立った男性、もう1つは頭部が切断された女性を模したもの。
共に筒見には覚えのない人形であった―――エンド。

◆関連過去記事
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第10弾(最終巻)。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

超再現!ミステリー「巧妙なトリック暴け人気推理小説を超再現謎を解け&犯人は誰?超衝撃の2時間SP 大学内で連続殺人…美女が残した(秘)日記に謎を解くカギ…珍推理佐藤隆太スタジオ爆笑砂羽も紗栄子も超興奮」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

森ミステリィの名作「S&Mシリーズ」がフジテレビ系火曜21時枠にて連続ドラマ化!!タイトルは「すべてがFになる」に!!

「数奇にして模型 (講談社文庫)」です!!
数奇にして模型 (講談社文庫)





「有限と微小のパン (講談社文庫)」です!!
有限と微小のパン (講談社文庫)





「冷たい密室と博士たち (講談社文庫)」です!!
冷たい密室と博士たち (講談社文庫)





こちらはコミック版「冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))」です!!
冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))





「すベてがFになる (講談社文庫)」です!!
すベてがFになる (講談社文庫)





「すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)」です!!
すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)





こちらはゲーム版「すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER」です!!
すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER



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