2014年10月14日

「第14回松本清張賞」受賞作『銀漢の賦』(葉室麟著、文藝春秋社刊)が「風の峠〜銀漢の賦〜」としてNHKさんにてドラマ化決定!!

葉室麟先生による時代小説の傑作『銀漢の賦』(文藝春秋社刊)がNHKさんにてドラマ化されることが明らかになりました。

葉室麟先生と言えば、第146回直木賞受賞作にして先頃映画化された『蜩ノ記』(祥伝社刊)のように時代小説の傑作を多く世に送り出されている作家さん、その作風は往年の藤沢周平先生を思わせるほどのもの。
それだけに『蜩ノ記』映画化に続く『銀漢の賦』ドラマ化は時代物読者層の裾野を広げる好機となるでしょう。

ちなみに、ドラマ化される『銀漢の賦』のあらすじは次の通り。

<あらすじ>

わしはこの命を使い切ってやろう、と思う
西国のとある小藩に国替えの噂が。かつて交誼のあった家老と下級武士、2人の運命が再び交わることに。第14回松本清張賞受賞作

寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部(くさかべ)源五と、名家老と謳われ、幕閣にまで名声が届いている松浦将監(しょうげん)。幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた2人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、絶縁状態となっていた。2人の路が再び交差する時、運命が激しく動き出す。第14回松本清張賞受賞作。解説・島内景二
(文藝春秋社公式HPより)


このドラマ化です。
ドラマはNHKさん木曜時代劇枠。
ドラマ版のタイトルは「風の峠〜銀漢の賦〜」として2015年1月15日スタート予定。
気になるキャストは中村雅俊さん、柴田恭平さん他とのこと。

それにしても……主にミステリ系(ミステリー系)を扱う本ブログでこの報を取り上げた理由、既に多くの方には見抜かれていると思うのですが、実はこの『銀漢の賦』は上の「あらすじ」にもあるように「第14回松本清張賞」受賞作なのであります。

「松本清張賞」と言えば「松本清張」先生の名が冠せられており、横山秀夫先生『陰の季節』(第5回受賞作)や本城雅人先生『ノーバディノウズ』(第16回最終候補、後に「第1回サムライジャパン野球文学賞」受賞作)などに見られるようにミステリー系の印象が強いのですが……。

『ノーバディノウズ』(本城雅人著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『嗤うエース』(本城雅人著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

実は公式HPの募集要項に見られるように「ジャンルを問わぬ長篇エンターテインメント小説」が対象の賞だったりします。
言わば「メフィスト賞」に近い。
これは「知ってる人は知ってるけど、知らない人はまったく知らない」的なトリビア……は言い過ぎでも意外な情報にはなったのではないでしょうか。

というワケで『銀漢の賦』ドラマ化はもちろん、実はこの情報もまた本記事で伝えたかったことだったりします。

とはいえ、そもそも本ブログがミステリー系の情報しか取り上げないかと言えば……過去記事に時代小説も時代ドラマも結構扱ってたりするのです。
実を言うと管理人、司馬遼太郎先生はもちろんのこと藤沢周平先生とか隆慶一郎先生とか時代小説も好きなので。
もともと、歴史物とミステリーは割と相性も良いし(時代小説とは少し異なるけど「○○(史上人物)に隠されたミステリー」とか多いでしょ!?)。
下記リンク記事以外にもいろいろあるので興味があったら探してみてください。
たぶん、意外な作品が存在している筈です……ウフフ(意味深)。

『忍びの国』(和田竜著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『のぼうの城』(和田竜著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

『映画ノベライズ版 十三人の刺客』(大石直紀著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

『十三人の刺客』(谺雄一郎著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

コミック版「十三人の刺客」(森秀樹画、池宮彰一郎原作、小学館刊)ネタバレ批評(レビュー)

テレビ朝日開局55周年記念「ドラマスペシャル 上意討ち〜拝領妻始末 家族愛のため命を懸けた男の壮絶な闘い!!嫁がされた側室の女…嫁姑の争い、夫婦愛を踏みにじる非道!!傑作時代劇が今夜蘇る!!」(2月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「第21回松本清張賞」受賞作決定!!未須本有生先生『推定脅威』に!!

「第20回松本清張賞」受賞作決定!!山口恵以子先生『月下上海』に!!

「第19回松本清張賞」受賞作決定!!阿部智里先生『烏に単は似合わない』に!!

第17回松本清張賞決まる!!村木嵐さん「マルガリータ」!!

第14回受賞作にしてドラマ化される「銀漢の賦 (文春文庫)」です!!
銀漢の賦 (文春文庫)





映画化された「蜩ノ記 (祥伝社文庫)」です!!
蜩ノ記 (祥伝社文庫)





第20回受賞作「月下上海」です!!
月下上海





第19回受賞作「烏に単は似合わない」です!!
烏に単は似合わない





「松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)」です!!
松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)





「松本清張地図帖」です!!
松本清張地図帖



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魅惑の未亡人と猟奇殺人に謎の繋がりが!?映画「薄氷の殺人」は2015年1月10日日本公開とのこと!!

「魅惑の未亡人」と「猟奇殺人」……なんとも江戸川乱歩的な背徳感のある言葉です。
この2つが密接に関わり、第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞(作品賞グランプリ)&銀熊賞(主演男優賞)の2冠に輝いた中国映画をご存知でしょうか!?

その名は「薄氷の殺人」。
この「薄氷の殺人」が日本で公開されるそうです。
気になるあらすじは次の通り。

<あらすじ>

物語は1999年、男の死体の断片が六つの都市にまたがる15か所の石炭工場で発見されたことからスタート。私生活に問題を抱えた刑事ジャン(リャオ・ファン)が捜査を担当するが、容疑者の兄弟が逮捕時に抵抗して射殺されたため、真相は闇に葬られてしまう。そして2004年、しがない警備員となったジャンは、5年前と似た手口の二つの殺人事件を警察が追っていることを知り、独自の調査に乗り出す。被害者たちは殺される直前、いずれも若く美しいウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と親密な仲だった。そしてジャンもまた、はからずもウーに心を奪われていく……。
(シネマトゥデイ公式HPより)


おおおおおっ、面白そう。

謎の未亡人と過去から現在に渡る猟奇連続殺人の繋がりとは!?
あらすじを額面通りに受け取れば、ウーこそが黒幕で籠絡した相手に犯行を繰り返させていると取れますが……まだ二転三転ありそうだしなぁ。
まさかのジャン犯人説もあるのか……何しろ捜査担当者として犯人(とされる人物)の口封じしてるし。

ああっ、いろいろ気になるッッッ!!
もしも、これだけアレコレ推理しておいて全く別の展開だったらどうしよう……。
そう考えると、まさに「薄氷を踏む」気分。

思わず推理の真偽確認がしたくなる本作。
映画「薄氷の殺人」は2015年1月10日日本公開とのこと、注目せよ!!

「薄氷」繋がりで「薄氷 徳利 小」です!!
薄氷 徳利 小





「雛人形 「凰翠作 眞壽雛 薄氷(うすらい)」 平飾り 親王飾り」です!!
雛人形 「凰翠作 眞壽雛 薄氷(うすらい)」 平飾り 親王飾り



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『アガサ・クリスティー賞殺人事件』(三沢陽一著、早川書房刊)

『アガサ・クリスティー賞殺人事件』(三沢陽一著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

第三回アガサ・クリスティー賞受賞第一作
被害者は有栖川有栖。 探偵役は某著名ミステリ評論家。 そして犯人は……

作家志望の青年は、新人賞に落ち続けることに絶望し、人生最後の旅に赴く。名前を棄て、家族を棄て、友人を棄て、わずかな金と数枚の黒い服、数冊の愛読書を黒いトランクに詰め込んだ。金田耕一、明田五郎、神沢恭一、星川龍一……古今の名探偵にちなんで名乗った偽名ゆえか、青年は行く先々で奇妙な事件に出会う。恐山山中の密室殺人、盛岡の名刹を飲み込んだ謎の炎、大曲の蛇神に兄を祟り殺された妹、山形でマスコミを騒がせた少年の首なし死体――そして、旅が終わりを告げるかに思われた東京・信濃町のアガサ・クリスティー賞授賞式の会場でも悲劇は起きた! 三沢陽一、有栖川有栖、東直己、森晶麿、青柳碧人、千街晶之、笹川吉晴等々、関係者が実名で登場する授賞パーティの最中に起きた殺人事件の真相とは? 『致死量未満の殺人』で正統派本格の新鋭として好評を得た第3回アガサ・クリスティー賞作家が贈る、5篇収録の本格ミステリ連作集。
(早川書房公式HPより)


<感想>

表題作『アガサ・クリスティー賞殺人事件』と『柔らかな密室』『炎の誘惑』『蛇と雪』『首なし地蔵と首なし死体』の計5篇からなる連作短編集。

とはいえ、連作短編部分と表題作部分とが乖離している印象。
正直、連作短編部分の経験があって表題作の動機に繋がるのか……と思ったのだけど、どうも動機が先にあったようだし。
表題作によれば、旅に出たのは動機を果たす為に標的に近付こうとして賞に応募していたが上手く行かず絶望したことが理由のようだし。
なので、連作短編の渦中で有栖川先生の作品が登場すること以外には密接には関連していない印象かなぁ。
また、表題作でそれまでの夢と現実が反転する構成かと言えばそうでもないし。
この辺りがとても勿体なく感じた。

とはいえ、連作短編部分に比べて表題作がかなり面白かった。
何しろ、次の面々が登場する豪華な短編なのだから。

三沢陽一先生、有栖川有栖先生、東直己先生、森晶麿先生、青柳碧人先生、千街晶之先生、笹川吉晴先生とまさに錚々たるメンバー。
これだけでも読む価値はある。

それと表題作は肝心の動機が面白かった。
この動機には「完成してしまえば後は滅びゆくのみ。故に敢えて不完全な状態に置く」―――との日光東照宮のエピソードを思い出しました。

ちなみに「ネタバレあらすじ」はまとめ易いように一部に改変を加えた上にかなり端折ってます。
本作を正確に味わうには、本作それ自体を読むべし!!

<ネタバレあらすじ>

・『柔らかな密室』

青年は新人賞に落選し続けたことに絶望し、あてのない旅に出た。
まず訪れたのは恐山。

其処で親切な親子と出会った青年は彼らに誘われ泊まり込むことに。

親子は3人家族。
父親と兄弟2人だ。
しかし、どうやら兄弟が財産を巡り反目している様子だが……。

そんなある日、勧められ山を登った青年は内側から密閉されたテントの中に背中を刺された様子の人間を発見する。
顔こそ確認出来ないが、体格からそれは兄弟の1人であった。
どうやら、既に絶命しているらしいがテントの中には他に誰も居ない―――密室殺人であった。

青年は慌てて下山すると警察と共にとって返すことに。
すると、テントの窓が内側から裂かれ何者かが逃げ出した痕跡が残されていた。
先程、覗き込んだときはこんな痕跡は無かったのに……頭を抱える青年。
しかし、密室の謎は一向に解けない。

もしかして、テントの柔らかさを利用しテント内に予め残したナイフをテント外から拾い上げ犯行に及んだのかとも思ったが、それならば残る筈の返り血などがテントの壁には残されていなかった。
つまり、このトリックではないのだ。

悩むうちに眠りについた青年は遂にトリックを見破る。
犯人は被害者の父親と兄弟であった。

彼らは2人で偽のテントを用意した。
中には死体に偽装した父親が横たわっていた。
青年が見たのはコレである。

青年は警察を呼ぶべく下山する。
この隙にテントを片付け、本物の被害者を殺害したのだ。

青年が親切にも招かれたのは、彼が携帯電話を持っていないよそ者だったからだった。
土地の者では、このトリックが成立しないのである。

利用されたことに気付いた青年は此の地を後にする―――エンド。

・『炎の誘惑』

盛岡に流れ着いた青年は其処で円空仏なる仏像を所有する寺に宿泊することに。
円空仏は門外不出とされ滅多に拝観できない重要なモノ。
これを巡り、寺では古美術ディーラーが暗躍していた。
しかし、毅然たる態度で断りを入れる和尚の好空。
それは幾ら積まれようとも揺るがぬ好空の強靭な意志を示しているようであった。

そんな好空に青年は尊敬の念を抱く。
その夜、青年は和尚である好空の好意により円空仏を拝観することが出来た。
しかし、どこか円空仏はよそよそしい印象であった。

その夜、円空仏を収めた堂から火が出た。
火は瞬く間に燃え広がり、円空仏は消失してしまうのだが……。

青年はまたも夢で真相に辿り着いた。
そもそも青年が見た円空仏は本物だったのだろうか。
もしも、あれが「焼けたお堂に円空仏があったと証言させる為の偽物だった」としたら。

実は円空仏は数年前に盗難の憂き目に遭っていた。
しかし、管理を任された好空としてはこれを公表することは出来ない。
其処で偽物を作り、美術品に疎い素人相手に特別に拝観させてやることで誤魔化していたのだ。

ところが、古美術ディーラーが本格的に円空仏を狙いだした。
彼らはプロだ。
一目見れば偽物を見抜くだろう。
其処で好空は焼失騒動を起こすことで盗難の事実を隠蔽しようとしたのであった。

青年はまたも利用されたことを知り、此の地を後にする―――エンド。

・『蛇と雪』

大曲を訪れた青年は凛という女性から声をかけられる。
青年は凛の兄・仁にそっくりらしい。
当の仁は蛇神様を信仰しており、謎の死を遂げていたが……。

その死に疑問を抱いた青年は凛の周囲を調べた。
当時、凛は恋人がいたのだが、彼女に異常な愛情を抱く仁に妨害され別れたらしい。
凛には仁を殺害する動機があったのだ。
だが、犯行当日の凛にはアリバイがあった。

これを聞いた青年は夢の中で凛が仁を追い込んだことを突き止める。
執拗な仁の監視下から逃れたかった凛は、仁が蛇神様を信仰していることを利用した。
階段に蛇神様を模した雪像を並べたてたのだ。

信仰心の篤い仁は蛇神様を足蹴に出来ず階段が降りられなくなった。
同時にそれほどまでに凛に憎まれていることを知り、自殺したのであった。

だが、凛はこれを後悔していた。
其処で何処か兄に似ている青年に声をかけてしまったのである―――エンド。

・『首なし地蔵と首なし死体』

山形を訪れた青年は其処で少年・博一の首なし死体事件に遭遇する。
首なし地蔵の傍に転がっていた博一の首なし死体……センセーショナルなソレは当地の話題をさらっていた。
しかも、博一の父・忠による犯行とされていたのである。
何故、このような残虐な行為に及んだのだろうか?

青年は調べ始めた。
すると、其処に複雑な事情が横たわっていることに気付く。

博一の母は律子といい、美しい女性らしい。
過去、この律子を巡り2人の男が争っていた。

1人は資産家の忠、もう1人が色男の譲だ。
律子は資産家の忠のもとに嫁ぎ、博一を生んだ。
だが、忠は律子と譲の不倫を疑い譲を殺害してしまった。
そして、逮捕され刑に服していたのである。
博一殺害は忠が刑務所を出た直後の出来事であった。

ちなみに、博一は黒い瞳の可愛らしい少年。
朝夕に何やら律子からおまじないを受けていたらしい。

このおまじないに注目した青年は夢で真相に辿り着く。
律子は朝夕のおまじないと称してコンタクトレンズを博一の目に嵌めていたのだ。
特に博一の視力に難があったワケでもないに関わらず。
何故か!?

そのコンタクトは視力を矯正する目的では無く、目の色を隠す為のカラーコンタクトだったのだ。
博一の目は父親とされる忠の色とは異なっていた。
博一本来の目の色は青色だったのだ。
そう、博一は律子と譲の不義の子であった。

犯人は律子であった。
打算から資産家の忠と結婚した律子。
だが、譲と不倫を続け博一を生んだ。
忠は譲との不倫を疑いはしたが、博一が自分の息子ではないことまでは疑わなかったのだ。
そうこうしているうちに忠が譲を殺害し服役した。
ところが、刑期を終えた忠が時期に戻って来ることに。

これまでは何とか誤魔化し続けて来たのだが、忠が戻ればもはや誤魔化しきれないと判断した律子。
其処で資産家の妻の地位を守るべく博一を殺害することを選んだのだ。
だが、目の色から事実が露見することを怖れ頭部を持ち去ったのであった。

何とも言えない結論に後味の悪さを覚える青年。
ところが、ふと新聞を目にした青年は其処に自身の名と第3回アガサ・クリスティー賞受賞の記事を発見する。

・『アガサ・クリスティー賞殺人事件』

青年こと三沢は第3回アガサ・クリスティー賞を受賞した。
授賞式当日、三沢と会った人々は彼のボタンの外れかけた服装やどうにも統一感のない名刺に狼狽える。

そして、授賞式―――選考委員の1人・有栖川有栖から激賞を受けた三沢は「授賞式を舞台にミステリを書く」と宣言する。
三沢は有栖川の「学生シリーズ」の大ファン。
それだけにとても喜んでいた。

直後、トイレの個室から有栖川有栖が死体で発見されることに。
個室の壁には「死体あり」と大書されていた。
この落書きを目にした時刻から犯行時刻が推定され、三沢にはアリバイが生じたが……。

果たして誰が有栖川有栖を殺害したのか!?
授賞式に参加していた千街は笹川に真犯人の名前を伝える。
それは三沢本人であった。

三沢には「不完全な美」を愛する癖があった。
だからこそ、敢えてボタンの外れかけた服装や統一感のない名刺を好んだのだ。
そしてファンである筈の三沢が有栖川有栖を殺害したのもコレが動機であった。
彼は自身の愛する「不完全な美」を自身が好む「学生シリーズ」にも求めたのだ。
つまり、シリーズが完結されることを怖れ作者を殺害したのである。

例の「死体あり」はやはりトリックであった。
透明なペンで時間が経過すると色が浮き出る物を使ったのだ。
千街によれば、授賞式で宣言したミステリを書く為の時間稼ぎらしい。

その頃、千街の言葉通り『アガサ・クリスティー賞殺人事件』を書き上げた三沢は自身の信ずる「不完全な美」を締め括るべく自殺を遂げようとしていた―――エンド。

◆関連過去記事
【アガサ・クリスティー賞関連】
・第1回受賞作品です。
『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(森晶麿著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

『黒猫の接吻あるいは最終講義』(森晶麿著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

早川書房、アガサ・クリスティー賞を新設!!

第1回「アガサ・クリスティー賞」募集締め切られる!!果たして状況は!?

第1回アガサ・クリスティー賞第1次選考結果、発表!!

第1回「アガサ・クリスティー賞」第2次選考結果発表さる!!

第2回「アガサ・クリスティー賞」募集開始!!

第2回アガサ・クリスティー賞第1次選考結果、発表!!

第2回アガサ・クリスティー賞第2次選考結果、発表!!

第2回「アガサ・クリスティー賞」受賞作決定!!中里友香先生『カンパニュラの銀翼』に!!

第3回アガサ・クリスティー賞第1次選考結果、発表!!

第3回「アガサ・クリスティー賞」第2次選考結果、発表!!

第3回「アガサ・クリスティー賞」受賞作決定!!三沢陽一先生『コンダクターを撃て』に!!

第4回「アガサ・クリスティー賞」受賞作決定!!松浦千恵美先生『傀儡呪』に!!

「アガサ・クリスティー賞殺人事件」です!!
アガサ・クリスティー賞殺人事件





これを読めばあなたもアガサ・クリスティー通!!
「アガサ・クリスティー完全攻略」です!!
アガサ・クリスティー完全攻略





こちらもアガサ通必読の書!!
「アガサ・クリスティ大事典」です!!
アガサ・クリスティ大事典





こちらは「名探偵ポワロ 全巻DVD-SET」です!!
名探偵ポワロ 全巻DVD-SET





アガサ・クリスティを語るには下記の3作は必須!!
是非、この機会に一読を!!

「そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)





「アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)





「オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)



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