2014年10月26日

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第181話「横溢」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第181話「横溢」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<東京篇のあらすじ>

北海道編終盤にて未来と異なる道を選んだ大和。
1人東京へ向かい、欽一、泰成と共に沢田と対峙することに。
だが、軽く一蹴されてしまう。

傷心の泰成はいずこかへと姿を消す。
一方、沢田の権力を諦めきれない欽一は葉子を利用しようと目論む。
大和はと言えば、そんな欽一の行動を知り、未来たちを守るべく邪魔者全員を排除しようと決意する。

そんな中、未来は水原の死を知り東京へ。
真玉橋もまた真実を追うべく東京へと向かう。

一方、遂に大和と欽一、二郎が対決。
大和は欽一を破るも二郎に敗北する。
しかし、此処で欽一が錯乱し二郎と相討ちに。
残された大和は駆け付けた沢田により雄大が軍艦島に居ると知らされ長崎へ戻ることに。

東京に残った沢田はすべてを打ち明ける会見を行う。
だが、直後に泰成に射殺されてしまう。
当の泰成も逮捕される。

真実は大和と未来の手に委ねられた。
赴くは軍艦島、其処には雄大が居る。

いよいよ、最終章!!
さまざまな思惑が入り乱れる事件の結末は―――。

<181話あらすじ>

ボート小屋での未来との逢瀬を経て、雄大との決着を求める大和は遂に軍艦島へと上陸する。

雄大は何処に居るのか―――大和は東海林が遺した資料を思い出す。
其処には「65号棟・報国寮」の文字があった。
沢田と雄大が対峙するつもりだったとすれば……其処しかない。

複雑に入り組んだ廃墟を抜けつつ目的の「65号棟」へと向かう大和。
その胸中にこれまでの道のりが思い起こされる。

東海林の死、血塗れの500円札発見、小田切夫妻が消え、彼らを追う中でボート小屋のオヤジが殺害された。
この犯人として追われ大和と未来は泰成と共に逃亡生活に入る。
立ち塞がる関口二郎や水原たち。
厳島では未来が二郎の魔の手にかかりかけるものの、これを切り抜ける。
そして、泰成の裏切りを受けたものの水原の助けを得て東京へ。
此処で響子の存在を知り沖縄へ向かう。
沖縄では泰成の義父・鈴木と対決し、これを退けた。
次いでハリーの協力で北海道へ。
遂に関口兄弟に囚われていた小田切夫妻の救出に成功。
追い縋る二郎と幾度となく対決を続けつつ再び東京へ。
関口兄弟は落命し、沢田も露と消えた。

此処に辿り着くまでに多くの人命が失われているのだ。
廃墟の影を抜けた大和の前に明かりが射し込む。
目的の「65号棟・報国寮」である。

其処には人影が1つ―――雄大が居た。
今、大和は万感の想いを抱え雄大の前に立つ。
その手にはカッターナイフが握られていた。
雄大を斃す……大和の覚悟がカッターナイフの刃を雄大へと向ける。

そんな大和に温かい微笑みを浮かべる雄大。
大和の手から力が抜け、カッターナイフが零れ落ちた。

再会の安堵から崩れ落ちる大和。
もう会えないと思っていた父・哲也の面影を雄大に重ね号泣する―――182話に続く。

<感想>


大和、父に再会する


新章「軍艦島編」第8回です。
サブタイトルは「横溢」。

意味は「水や気力などが漲り溢れる」こと。
すなわち今回は「これまでの大和の記憶が満ち溢れたこと」。
それと同時に「雄大と再会したことで感情が溢れ出たこと」。
この2つを示唆したサブタイトルか。
ちなみに前回(180話)のサブタイが「波濤」とこちらも水に関連する物になっています。

母を知らない大和にとって肉親と呼べるのは父のみ。
その父も死亡していたと思っていた大和は常に孤独を抱えていました。
ところが、父は生きていた。
その喜びは如何ばかりだったか。
それが大和から覚悟を奪い、カッターナイフを取り落させた。
今このときばかりは大和もまた幼子のように泣きじゃくるしかないでしょう。
たとえ、その時間が短いものと知りつつも……。

切ないなぁ。

さて、176話により横溝の死の謎は解明、179話で武雄出生の秘密も解明。
こうなると残る謎は次の通りかな。

・雄大が三億円事件を起こした動機(何故、沢田に協力したか)。
・雄大が須黒からどうやって逃れたか。
・大和の母は誰か?
・雄大と大和の結末。
・夏美はどうなる?
・未来たちの去就。

果たしてどうなる!?

此処で登場人物たちの現状をまとめておきましょう。

沢田:雄大との間は決着。三億円事件について記者会見を行うも泰成に射殺される。
雄大:沢田との間は決着。軍艦島へ!?瀕死の状態。
大和:長崎へ帰還。雄大と対決か!?
欽一:大和と対決するも完敗。錯乱し夏美を盾にするも二郎により死す。
二郎:決戦の場へ到着。大和を追い込むも夏美を人質に取られ二郎と対峙。欽一から夏美を守り死亡。
夏美:決戦の場へ到着。欽一に人質に取られる。関口兄弟の終焉を看取ることに……。
未来:テレビ局から事件の真実を訴えようとするも、放送事故として処理され倒れてしまう。真玉橋と合流。
真玉橋:東海林の行動を追い、雄大のもとへ迫る……が先に未来と合流。沢田の最期を目撃。
武雄&葉子:島袋に保護され、沖縄へ?
泰成:復讐が無為だったと諭され傷心するも、記者会見場の衆人環視の中で沢田を射殺。3億円は彼が保管している筈だが……。

でもって、仮説に代わりこれまでの「作中の出来事」をまとめておきます。
良ければ参考までに。

<<作中の出来事まとめ>>

1960年、雄大と沢田は軍艦島に生活。
ところが美佐子が正当防衛の殺人を犯す。
これにより、沢田は世の中に秩序が必要と考える。

数年後、雄大が長崎から上京し竜と出会う。
同じ頃、沢田とも再会。
沢田、須黒と手を組み過激派の一掃を画策。

雄大、和子と出会う。
和子が妊娠するが事故死。
子供は無事出産(武雄のこと)。

雄大、沢田に協力し竜、響子、横溝と共に3億円事件を起こす。
その目的はこの捜査を口実にローラー作戦を行う為。
ところが、須黒が雄大と竜の口封じを図る?
この際、どうやって須黒の魔の手から逃れたかは不明。

竜が瀕死の重傷を負い、須黒を道連れに死亡。
直後、雄大は整形し鳴海鉄也となる。

同じ頃、武雄が施設へ。後に関口弘美が出産した沢田の娘・葉子も施設へ。

雄大、沖縄で鉄也として響子を見守る。

此処から雄大の不明期間が続く。
誰かとの間に大和を作る?

一方、沢田は関口兄弟と出会い彼らを引き取る。

雄大、長崎へ。
目的は息子・武雄が居る小田切家に近付く為。

横溝、鈴木により資金難に陥る。
雄大に分け前を要求するも断られ事故死する。
この死が発端となり、東海林が再捜査を開始。

並行して関口兄弟が雄大を危険視し排除に動く。
沢田と雄大密会するも、雄大偽装死。
同時に鉄也から雄大に戻る。

一方、東海林は真相に迫り二郎に口封じされる(1話での出来事)。

<<終わり>>

こんな感じだろうか?

さて、以前から映像化が予告されていた「三億円事件奇譚モンタージュ」ですが、その詳細が少し明らかになりました。

【朗報】渡辺潤先生「三億円事件奇譚 モンタージュ」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)遂に映像化!!

フジテレビ系列にてドラマ化だそうです。
放送時期や、単発のSPドラマか連続ドラマなのかまでは不明。
とはいえ、本作の内容的に単発でのドラマ化は不可能、連続ドラマが予想されます。
また、2014年9月時点で放送時期が明かされていないところを見ると、早くとも2015年春以降からの放送が予測されますが、果たして……。
いずれにしろ、楽しみです!!

変わって、現在の勢力図はこんな感じ!?

@大和
A雄大
B未来、真玉橋、島袋、響子、ハリー、武雄、葉子たち
C夏美

実にそれぞれの思惑が乱立。
関口兄弟が172話で共に斃れ、176話で沢田と泰成が消えた。
これにより、争いはほぼ大和VS雄大の親子対決に絞られた。
気になるのは夏美の去就もだが……。

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
182話に期待です!!

ちなみに「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第17巻も発売。
購入希望者は本記事下部のアマゾンさんリンクから是非!!

◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

「三億円事件奇譚 モンタージュ」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)第1話から第180話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

◆登場人物一覧

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
小田切武雄:未来の父、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
小田切葉子:未来の母、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……。104話にて横溝保の息子と判明。
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。146話にて死亡が確認される。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

響子:現代編の響子。沖縄にてバーを経営していた。80話より登場。
キャサリン:響子が経営するバーの女給。81話より登場。

ハリー・スタンレー:元海兵の幹部。現在ではヘリコプター会社を営む。95話より登場。
ケニー:現役の海兵。キャサリンに想いを寄せる。

関口二郎:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う。172話で壮絶な死を遂げる。
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。172話で落命。

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……。176話で泰成により命を落とす。
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。172話で落命。
桜井:沢田の部下で黒子の多さが特徴的な男。167話より登場するも171話で命を落とす。
美佐子:沢田の初恋の人で「四季荘」の女将。

松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。

真玉橋:ホスト風の男性だが実は警部だった。フェリーにて大和たちと乗り合わせる。
鈴木:泰成の義父。どうにも行動が腹黒い男。105話で死亡する。
関口弘美:沢田と親しいらしい関口兄弟の養母。過去編で沢田が出入りしていた風俗店の店員か?
島袋:沖縄編で登場した刑事。真玉橋の部下。
亀井:県警本部長、それと知らず沢田に情報を提供した。149話に登場。

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。
高田:128話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組のリーダー格。
シゲキ:129話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組の1人。ロンゲ。
トシオ:129話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組の1人。メカ担当。
石井:162話で登場。テレビ局のプロデューサー。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

健:真理のヒモ、関口兄弟を虐待する。後に関口兄弟に殺害される。89話より登場。
真理:関口兄弟を拾った人物、健の恋人。健同様、関口兄弟に殺害される。89話より登場。

須黒:当時の公安課刑事。強引ながらもかなりのやり手。108話より登場。

ジョージ・スタンレー:ハリーの父。裏社会と繋がり暗躍していたらしい。107話より登場。
ハリー・スタンレー:若かりし日のハリー。当時から響子を知っていた。

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◆渡辺潤先生の作品はこちら。
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土曜ワイド劇場「広域警察(5) 婚活パーティに潜入捜査!容疑者は結婚詐欺師の被害者たち?美人弁護士が追求した真実と残された片方のピアスが語った驚愕の真実!!」(10月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「広域警察(5) 婚活パーティに潜入捜査!容疑者は結婚詐欺師の被害者たち?美人弁護士が追求した真実と残された片方のピアスが語った驚愕の真実!!」(10月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

関西で結婚詐欺を繰り返してきた竹中一哉(戸次重幸)が、活動の拠点を関東に移してくる。東圭太(高橋克典)ら広域警察は、捜査情報をもとにある婚活パーティへと潜入。姿を現した竹中との接触を試みる。ところが、身柄確保も間近というその時、女性客の一人が果物ナイフで竹中に切り掛かり、会場は大混乱に陥る。慌てて女性を取り押さえる東。その間、異変を察知した竹中は逃走し、潜入捜査は失敗に終わる。
女性は、大阪で竹中に300万円をだまし取られた被害者だった。心機一転、東京で出直そうとした矢先に竹中に遭遇し、暴走してしまったらしい。
その翌日、非番だった大内孝太郎(片岡信和)が、デートで訪れた神奈川県の荒崎海岸で身元不明の女性の遺体を発見する。偶然にも第一発見者となった大内と合流するため、東は荒崎海岸へ。
遺体は、潮に乗って江ノ島から流されてきたらしい。所持品はなかったが、江ノ島駅の防犯カメラが、男と歩く女性の姿を捉えていた。その男はなんと、あの結婚詐欺師の竹中だった!
その頃、竹中は別のターゲット、村田ユキ(伊藤裕子)と会っていた。会社が立ち直れば一緒に暮らせるという竹中の決まり文句を信じているユキは、希望を託して300万円もの金を渡してしまう。さらにその晩、竹中は別の女性、看護師の戸田沙織(高橋かおり)からも200万円を受け取ることに成功する。
翌日、荒崎海岸で発見された遺体の身元が、法令破りの脱法シェアハウスに住んでいた鈴木明子(吉井怜)と判明する。警察に通報してきた同居人によれば、明子は青年実業家と結婚して玉の輿に乗ると言っていたという。明子が使用していた二畳ほどの個室には、身の回りのわずかな日用品と古い旅行雑誌、そして竹中が使っている偽名の名刺が残されていた。シェアハウスを訪ねた東は、その旅行雑誌に違和感を覚える。発行は8年前。今の旅行には役立たないし、日雇いのアルバイトをしていたという明子に、旅行ができるほどの金はなかったはずだ。そんな明子が竹中のターゲットになりえたのは、明子もまた、今の暮らしから抜け出そうと竹中の前で金のある女を演じていたからだった…。
脱法シェアハウスからの帰り道、東は男たちに絡まれている一人の女性を助ける。女性は弁護士の清水涼子(黒谷友香)。男たちは、脱法シェアハウスの運営メンバーだという。名ばかりのNPO法人を掲げる彼らが行っているのは、社会的弱者を食い物にする貧困ビジネス。ホームレスを抱え込んで生活保護を申請させた後、居住費や食費をピンハネしたり、日雇いの仕事を斡旋し、かなりの額の紹介料を搾取したり、さらには戸籍売買の噂まであるという。涼子は、そんな弱い人たちのために闘っているのだ。東は涼子を心配しつつも、その勇気と決意に心を動かされる。
その頃、当の竹中は第3の相手、加藤千夏(東風万智子)と一緒にいた。竹中は、千夏の娘ともまるで父親のように過ごすのだった…。
一方、証券会社に務めるユキは、竹中との結婚を確実にするため、とうとう顧客の金に手をつけてしまう。1千万という多額の金を準備したユキ。だが、その晩、竹中が何者かに殺害され、事態は急展開を迎える!
翌日、広域捜査課・課長の高村順一郎(大杉漣)の指揮のもと、竹中一哉および鈴木明子殺害事件の合同捜査本部が設置される。竹中殺害の凶器は医療用のメス。高村は、竹中の潜伏先から発見された騙した女性の名前と入金のメモをもとに、詐欺被害者の女性全員の情報収集を指示する。メモの内容から明子が200万円を竹中に渡していたと知った東は、家賃2万8千円のシェアハウスに住んでいた明子がどうやってそんな大金を用意できたのかを調べるため、明子の本籍地である山梨県の富士吉田市を高村とともに訪ねることに。
山梨県警での身元照会の結果、10年前から行方不明者扱いだった明子の唯一の肉親は父親。その父親は認知症を患っており、金を用立てることは愚か、意志の疎通すら不可能な状態にあった。もはや、明子が富士吉田市にいたという痕跡は、古い写真館に残されていた明子が幼い時の鈴木家の家族写真くらい。だが、その写真を見た東と高村は愕然とする。遺体確認時に決定打となった特徴的な顔のホクロが、写真の中の明子にはなかったのだ!
遺体女性は、何らかの方法で鈴木明子という名前を入手し騙っていたのだ。手引きをしたのはシェアハウスの連中か?そして、遺体の女性は何者なのか…!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

大物結婚詐欺士・竹中一哉を追って、広域捜査班の東圭太が動き出した。
だが、竹中に逃げられてしまう。

矢先、荒崎海岸で女性の水死体が発見される。
女性は竹中の被害者の1人・鈴木明子であった。
明子は竹中に200万円を貢いでいた。

当の竹中はと言えば、さらに被害者を増やしていた。
村田ユキから300万円を奪った。
戸田沙織からも200万円を奪った。

明子の身許を調べた東は明子の生活状況では竹中に貢ぐことは出来ないことに気付く。
さらに、その中で弁護士・清水涼子と出会う。

直後、竹中が何者かに殺害されてしまう。

竹中を恨む者は星の数ほどいる。
ユキや沙織らにまで容疑が向かうが……。

明子について、さらに捜査を進めた東は衝撃の事実に辿り着く。
明子は別人の名を騙っていたのである。
その本名は松前由美子であった。

矢先、沙織が死亡してしまう。
当初、竹中らを殺害したことへの覚悟の自殺と思われていたが……。

由美子と沙織に接点があることが判明。
8年前に春日弥生なる女性を含めて木曽福島を旅行していたのだ。
だが、宿泊先のお堂で失火し弥生は焼死していた。
記録上は弥生1人で宿泊した上での失火とされていた。
おそらく、沙織と由美子は弥生を見捨てて逃げ出したのだろう。
どうやら、由美子が他人の名を騙っていたのはこの事実に耐え切れなかった為のようである。

そんな中、当時の弥生の遺留品からピアスが発見される。
ピアスには「2004年11月10日」と刻まれていた。

ところが、調べたところ弥生は金属アレルギーであった。
だとすれば、沙織か由美子の物だろうか。
しかし、この2人の物でもなかったのである。
これに東は第4の人物の存在を嗅ぎ取る。

さらに調べた結果、意外な事実が判明する。
そう、第4の人物の正体が分かったのだ。
しかも、第4の人物こそは連続殺人の犯人であった。

その正体は―――涼子であった。

ピアスは涼子の物であった。
2004年11月10日は涼子が司法試験に合格した日だったのだ。
物証が出たことで涼子は罪を認めることに。

8年前、涼子は旅先で沙織たちと出会い、共にお堂に泊まった。
ところが、此処で失火してしまった。
慌てて逃げ出した涼子たちは、逃げ遅れた弥生を見捨てた。
そして弥生が焼死したことで彼女に失火の責任を背負わせたのだ。

そして現在、松前由美子は竹中に貢ぐ為の大金を捻出すべく弥生の死を利用し涼子と沙織を脅迫したのである。
これに涼子と沙織は由美子の口封じを実行した。

だが、由美子は竹中に秘密を明かしていた。
竹中は由美子に代わり涼子と沙織を脅迫した。
これに涼子と沙織は竹中をも殺害することに。
沙織は竹中に貢いだのではなく、脅迫に屈し大金を支払っていたのだ。

こうして竹中も消え、今度こそと胸を撫で下ろす涼子であったが……。

なんと、罪の意識に耐え兼ねた沙織が自首を決意することに。
これを知った涼子は沙織を殺害してしまう。

8年前の罪が、涼子に連続する更なる罪を犯させたのだ。
逮捕された涼子は「ピアスと共に良心を失った……」と後悔するように呟くのであった―――エンド。

<感想>

「広域警察」シリーズ5作目です。
前作は2013年10月19日に放送ということで、約1年前になりますね。
前作批評(レビュー)に興味をお持ちの方は過去記事リンクよりどうぞ!!

では、感想を。

前番組により22時からの放送となった本作。
結果、終了時間は24時15分となりました。
これはかなり辛かったなぁ……瞼が重いです。

さて、その内容はと言えばまさにドミノ倒し。
8年前の弥生を皮切りに、保身の為に由美子、竹中、沙織を手にかけた涼子。
遂には誰も居なくなってしまいました。
粗筋中では省きましたがインスタントカメラで撮影した写真に残された仲良しグループの結末は悲劇的なものとなりました。
ある意味、涼子が撮影者であったことこそが彼女と被写体3人の間に一線を引かせ凶行に走らせたのかもしれません。
切ないですね。

次回も期待です!!

◆関連過去記事
土曜ワイド劇場「広域警察(4)〜東京〜札幌〜登別温泉、殺人犯は何処へ消えたのか?凶器は25年前に海に沈んだはずの拳銃!?美人ホステスを苦しめた驚愕の真実とは?」(10月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「広域警察(3)〜奪われた身代金!タイムリミットは3日間!?東京〜神戸〜広島、誘拐犯を追え!!泥で汚れた浴衣美人の悲劇?刑事の執念が真実を暴く(刑事たちの執念が真実を暴く)」(11月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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土曜ワイド劇場「広域警察・ふたりの刑事 遷都1300年奈良、飛鳥、平城京をめぐる連続殺人事件!阿修羅と美少女に秘められた驚愕の真実!!」(5月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

東 圭太:高橋克典
清水涼子:黒谷友香
戸田沙織:高橋かおり
村田ユキ:伊藤裕子
加藤千夏:東風万智子
中西みどり:小川菜摘
大内孝太郎:片岡信和
水沢夏彦:南 圭介
堀警部:阿南健治
鈴木明子:吉井 怜
竹中一哉:戸次重幸
前田警部:大浦龍宇一
高村順一郎:大杉 漣 ほか
(公式HPより、敬称略)


広域捜査と言えばこの作品も。
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