水曜ミステリー9「嫌われ監察官 音無一六2〜警察内部調査の鬼〜 “深読み”の天才は刑事の敵!?15年前から届いた悪魔の告発文!!“時が止まった”母子を救え!!」(11月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
警察署長・植松栄作(佐久間哲)が首吊り自殺を図る。通夜には、警視庁捜査一課警部補の早乙女ちとせ(京野ことみ)らの姿があった。しかし警視庁人事一課の監察官・音無一六(小日向文世)が現れると、まわりから一六を非難するささやきが…。一六が植松署長を死に追い込むほど厳しい取り調べをしたという噂が広まっていたのだ。実は一六は警務部に届いた≪植松署長の昇進の裏には重大な秘密がある≫という告発文により取調べを行っていた。警察組織全体を揺るがす大事件に発展するかもしれない…刑務部長の千住遼子(田中美佐子)と一六は覚悟を新たにする。
そんな中、15年前に起きた女子高生・岡崎若葉(園部莉子)ストーカー殺人犯の木嶋優一(阿部亮平)が出所直後に刺殺される。ちとせらが捜査にあたるが進展のないまま3か月が経過。一六はそんな捜査員たちの職務怠慢を監察するため捜査会議へ。そこには、自殺した植松署長のひとり息子で巡査の拓実(窪塚俊介)の姿もあった。ちとせと拓実は、まず若葉の父親である政治家・岡崎忠彦(枡毅)を訪ねるが、早く事件を忘れたいと追い返されてしまう。
その後、監察のため追ってきた一六と共に、若葉の元交際相手でレストラン経営者・須賀慎司(山中聡)を訪ねると、出所後に優一が須賀の前に現れ、しつこく若葉のことを聞いたことを知る。そんな中、一六は数日の監察により捜査員の“深読み力”の足りなさを感じていた。
ある日、一六は優一の冤罪を訴えるビラを配る義母・康子(りりィ)のもとへ出向く。その時、2人は言いがかりをつけてきた若者に絡まれ、一六はケガを負ってしまう。ちとせの助けで事はおさまるが、それでも康子はビラを配り続けると言う。母親の思いを察し康子のもとを後にした一六は、植松署長の告発文についてちとせに打ち明ける。一六と千住警務部長は、告発文はストーカー殺人と優一の刺殺事件に関わっていると考えていた。そこにちとせを巻き込むわけにはいかなかったと言う。真意を知ったちとせは調査に加わることに。
翌日、須賀の店が食品偽装を行っているという一六が突き止めた事実を、捜査本部で報告するちとせ。洗い直しを始めると、事件前夜、須賀が木嶋の遺体が入る程の冷蔵車を借りていたことが判明。さらに須賀の父親の証言により、15年前、須賀が女子高生を使って美人局をしていたことがわかる。
一六とちとせは任意同行のため須賀の家に向かうが、そこにいたのは絶命した須賀だった…。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。音無一六は警視庁人事一課の監察官である。
警察の警察とでもいうべき仕事である監察官だが、一六はその厳しい姿勢により周囲から疎んじられていた。
そんな彼を理解し支持するのは刑務部長の千住遼子や警視庁捜査一課警部補の早乙女ちとせなどごくわずかである。
そんなある日、一六の監察対象となっていた警察署長・植松栄作が首吊り自殺してしまう。
植松には恣意的な捜査を行った疑惑があったのだ。
投書でこれを報された一六は植松に厳しい聴取を行っていた。
その結果の植松の自殺であった。
これにより、一六は周囲から批判を浴びることに。
その事件こそが15年前に起きた女子高生・岡崎若葉殺害事件であった。
この事件では若葉に付きまとっていた木嶋優一による犯行とされていた。
ストーカーの末の殺人とされたのだ。
木嶋は逮捕され、罪を否定していたが有罪判決を受け服役していた。
若葉の父は代議士の岡崎忠彦。
岡崎は木嶋の犯行であると決め付け、圧力をかけた。
これにより植松は木嶋を犯人とした上で捜査を行っていたのだ。
木嶋の義母・康子は判決後も息子の無実を訴えていたが……。
その木嶋が出所直後に何者かに殺害されてしまう。
この事件の捜査をちとせが担当。
だが、3ヶ月が経過するも犯人が皆目見当もついていない状態であった。
これを見かねた一六が遂に参戦することに。
まずは若葉の交際相手であったレストラン経営者・須賀慎司のもとへ。
すると、出所した木嶋が須賀を付け回していたことが明らかに。
どうやら、木嶋は須賀を疑っていたようである。
一六たちも須賀の周辺を調べたところ、須賀が食品偽装を行っていることが判明。
しかも、15年前に須賀が若葉を利用し美人局を行っていたことも分かる。
さらに木嶋殺害も須賀の犯行であることが断定された。
矢先、須賀が何者かに殺害される。
犯行現場には糠床が残されていたが……。
此処に一六は15年前の事件にすべての根幹があると判断。
若葉殺害は木嶋以外の犯行として再捜査を開始する。
すると意外な事実が判明。
若葉は忠彦の実娘ではなく、その妻・光枝の連れ子だったのだ。
もしかして、忠彦が年頃の若葉に良からぬ想いを抱いたのではないか……と考える一六。
ちなみに光枝は糠床が得意らしい。
さらに、ちとせが須賀宅から音声データを手に入れたことで事件は解決に向けて一気に加速することに。
そんな中、岡崎家の家政婦・長谷川弥生が忠彦の息子・正彦と共に姿を消した。
同時に忠彦自身も姿を消してしまう。
一六は慌てて康子のもとへ。
実は弥生は木嶋の恋人であった。
15年前、弥生は友人の若葉が須賀と美人局を行っていることを知り、更生させるよう恋人の木嶋に依頼した。
木嶋は熱心に若葉の説得を行ったが、これがストーカー行為とみなされたのだ。
その為に木嶋が犯人とされてしまったのだ。
弥生は責任を感じ康子に協力していた。
岡崎に家政婦として潜入し情報を収集し時を待っていたのだ。
そして今回、康子の依頼に応じ正彦を連れ出すと人質にしつつ忠彦を呼び出したのである。
その頃、康子は忠彦に正彦を人質にしつつ若葉殺害を認めるよう詰め寄っていたが……。
駆け付けた一六はそんな康子の推測を否定する。
一六は事件の全貌を語り出す。
まず、木嶋殺害は須賀の犯行で間違いない。
どうもいろいろ不正を嗅ぎ回る木嶋が邪魔だった為らしい。
では、当の須賀を殺害したのは誰か?
一六によれば、その人物こそが若葉殺害の犯人でもあるらしい。
その犯人は……光枝であった。
まずは15年前の若葉殺害である。
当時、須賀と共に美人局を行っていた若葉。
これを叱りつけた光枝だが、揉み合う内にローリング階段落ちで若葉を殺害してしまう。
この事実を須賀に知られてしまった。
実は殺害直前に若葉は須賀の留守電に吹き込んでいたのだ。
これこそちとせが回収した音声データであった。
以降、光枝は須賀に脅迫され続けていた。
そして、遂に須賀の口を封じたのだ。
証拠は須賀殺害現場で発見された糠床であった。
「糠床がどうしたって言うんだ!!」
光枝の犯行が信じられない忠彦は声高に否定するが……。
一六は糠床に含まれる常在菌について語り出す。
それは個人差があり、DNAと同じような結果をもたらすらしい。
つまり、光枝の糠床かどうかが常在菌により判別出来るのだ。
これに光枝は犯行を認めた。
一六は若葉の美人局は光枝への反抗だったことを告げ、本当は寂しがっていたことを告げる。
これに光枝は泣き崩れるのであった。
真相が明かされ、康子は正彦を解放することに。
数日後、植松の自殺の真相も明らかに。
告発文は植松自身によるものであった。
彼自身が木嶋を犯人とすることに強い抵抗を感じていたらしい。
それを後悔しての自殺だったのだ。
同じことを繰り返してはならない。
一六は強く決意するのであった―――エンド。
<感想>
「嫌われ監察官 音無一六〜警察内部調査の鬼〜」シリーズ第2弾。
原案は「金曜プレステージ 財前一二三」で知られる酒井直行先生。
そう言えば、名前が漢数字との共通点がありますね。
「財前一二三」のときも思ったけど「一六」の「2」って、面白いなぁ。
酒井先生と言えば、次のニュースも過去記事がありましたね。
・
「医療捜査官 財前一二三」原作で知られる酒井直行先生がご当地キャラクター「あみたん娘」を題材にした小説を手掛けられるとのこと。では、ドラマの感想を。
既に述べましたが、レギュラーキャラの名前がすべて数字に関連していますね。
主人公が一と六、五月女ちとせが五と千(千歳)、七尾政和が七、二宮満が二、千住遼子も千か。
それ以外にも池田昇一郎が一だったり。
こういったところに遊び心が感じられます。
そして内容も遊び心が満載でしたね。
まさかラスト付近で真顔での「糠床」連呼による犯人告発。
あれはツボでした。
他にも見事なローリング階段落ちなど、枚挙に暇がないほど。
ちなみに若葉の行動に一六が強く同情していましたが、やったことがやったことだけになかなかフォローは厳しいように思いました。
若葉にはそういった気持ちもあった程度で良かったんじゃないかなぁ。
◆関連過去記事
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「医療捜査官 財前一二三」原作で知られる酒井直行先生がご当地キャラクター「あみたん娘」を題材にした小説を手掛けられるとのこと。<キャスト>
音無一六:小日向文世
五月女ちとせ:京野ことみ
木嶋康子:りりィ
植松拓実:窪塚俊介
岡崎忠彦:升毅
岡崎光枝:芦川よしみ
須賀慎司:山中聡
池田昇一郎:佐々木勝彦
桜井善之:大谷亮介
岩森剛:やまもとまさみ
高木和弘:坂田聡
長谷川弥生:細野今日子
七尾政和:石丸謙二郎
二宮満:小野武彦
千住遼子:田中美佐子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)