「実は私は」第88話「生徒会長の仕事に密着しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。
ネタバレあります、注意!!登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
現実は冬到来の中、作中では卒業式のシーズンに。
というワケで、早速卒業式が行われていた。
卒業生の背中を眺めつつ、いよいよ3年生になったことを実感する朝陽。
同時にある決意を抱く。
葉子とは両想いになれた、残るは葉子を無事に卒業させることだ。
朝陽は「後1年、なんとしても守り抜く」と誓う。
それにしても……と朝陽は卒業式にも関わらず妙に自身が冷めていることに気付いた。
それもその筈、朝陽には卒業生の知り合いが居ないのだ。
「部活動に励めば良かったかな」と少し寂しさを感じる朝陽だが……次のアナウンスに驚愕する。
「続きまして卒業生挨拶。卒業生代表、生徒会長・銀華恋」
そう、3年生には華恋が居たのだ。
不覚にも、すっかりそのことを失念していたのである。
慌てる朝陽……だが、続くアナウンスにまたも驚愕することに。
「続いて在校生送辞。在校生代表、生徒会長・銀華恋」
なんと、華恋は器用にも卒業生と在校生を同時にこなしていたのである。
「ええええええええっ!!」
厳粛な式のムードの中、それをぶち壊しにする叫び声を上げた朝陽は周囲から注意されてしまう。
数時間後、もはや勝手知ったる生徒会室に朝陽と葉子の姿があった。
どうやら、今年も華恋は卒業しないようで引き続き生徒会長を担うとのことであった。
本人もそれこそが本懐とばかりに晴れやかな笑顔を浮かべている。
しかし……華恋は本来、源二郎や桐子の同級生。
葉子から見れば親世代なのだが……本人にその自覚は無いらしい。
それどころか、体良く茜に利用されているようだ。
明らかに茜の被害者である。
これに未だ気付かぬ本人に代わって涙を流す朝陽と葉子。
と、噂をすれば影。
其処に当の茜が現れる。
茜は何やら忙しそうな様子。
扉越しに「おい、今日は月刊・目安箱の日だぞ!!」と言い置くと早々に立ち去ってしまう。
これに「ああ、ああ」と箱を取り出す華恋。
箱には目安箱と書かれている。
華恋によれば、生徒たちの意見や悩みを目安箱で募集しラジオにてDJ形式で答えていると言う。
これも生徒会長の仕事の1つで、番組は人気なのだそうだ。
迂闊にもまったく知らなかった朝陽と葉子は華恋の好意でラジオ放送を見学することに。
ブースは生徒会室である。
天井からマイクがするすると降りて来ると、華恋はヘッドフォンを装着する。
その前には目安箱に投函されたハガキの束……と、掌サイズの遠隔操作式・茜が1人。
「可愛い、アレ欲しい!!」
この茜に強い興味を抱く葉子。
ところが、ミニ茜は葉子に向け「ポンコツ」とにべもない。
どうやら毒舌はオリジナル同様のようである。
しょげ返る葉子を他所にラジオは進行。
早速、目安箱の悩みに答える華恋。
ここらは手慣れたものだ。
まず1件目、常連の「ゲンちゃん」さんから。
娘が家に帰って来ないとの悩みである。
「ゲンちゃん」で「娘について相談」まさか……朝陽の脳裏に額に傷を抱えた大男が過る。
これに「また同じ質問ねぇ」と眉を顰めつつ、とりあえず待つよう答える華恋。
どうやら、源二郎からで間違いないようだ。
おそらく、これまでも同じ質問を繰り返し続けて来たのだろう。
続いて2件目、「桜子」さんから。
担任教師に恋しており、どうして良いか分からないらしい。
これに「想いはいつか必ず届くわ」と熱く励ます華恋。
そして3件目、「恋するSMD」さんから。
これまでの華恋の言葉を聞き勇気付けられたので、想い人にアタックするとの内容だ。
待てよ……恋するSMD。
まさか……SMDとは嶋田では!?
だとすれば、想い人とは生体ユニット姿の涼のことではないか!!
「早まるなよ……嶋!!」
嫌な予感に囚われた朝陽は生徒会室を飛び出して行く。
数十分後、何やら騒ぎを見つけた朝陽はそっと覗き見ることに。
その中心では、嶋が警察に連行されて行くところであった。
その隣では涼がげっそりと痩せ細った表情で座り込んでいる。
何が起こったかは一目瞭然であった。
遅かった……涙を流しつつ自身の無力を悔やむ朝陽。
そんな朝陽を見つけた嶋は叫ぶ。
「お前と同じことをしただけなのに何故〜〜〜」
その声は何処までも空高く反響して消えて行った―――89話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、9巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!
その88話。
サブタイは「生徒会長の仕事に密着しよう!」。
久しぶりの銀華恋メイン回です。
今回も面白かった!!
作中、DJ華恋に相談を持ちかけたのは「ゲンちゃん」、「桜子」、「恋するSMD」の3人。
このうち「ゲンちゃん」は源二郎、「恋するSMD」は嶋と判明。
おそらく、残る「桜子」はサクラのことでしょう。
だとすると、サクラが恋する担任教師とは……明里のことか。
おおう、前々からサクラは明里のことが好きなのかも……と触れていましたが、俄然、現実味が増したか。
これは……サクラと明里の恋愛回も来そうだなぁ。
朝陽と葉子がカップル成立した今、周囲にも恋の嵐が吹き荒れるか!?
そう言えば、それぞれに相手が居るんだよね。
まず岡はみかんが好きでアプローチ中。
そして嶋は涼が好きで堪らない。
但し、涼は男なのでそれには答えられない。
もしかすると、性格は違えど妹の渚とカップルになる可能性があるのでは……。
渚は世話焼きタイプだし、意外な関係になるかも。
残る男性キャラは獅狼なんだけど、獅穂のライバル繋がりで凛、あるいは此処で華恋だったりして!?
とはいえ、無理に全員をカップル化する必要はない。
あくまで自然に結びついてくれると読者としても嬉しいなぁ。
「実は私は」のキャラにはいつも笑顔で居て欲しいし。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス9巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋。
うむ、此処までは予想通り。
そして9巻は渚とみかんのコンビが登場。
表紙はヒロインとの法則は守られました。
しか〜〜〜し、そのうち朝陽と葉子の表紙も有り得るのだろうか……。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
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黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。