2014年12月17日

『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)

『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

最強の『このミス』大賞作家、書き下ろし4編!豪華作家陣で贈る、ミステリー・アンソロジー。

TBS系にて豪華ドラマ化!『このミステリーがすごい!ベストセラー作家からの挑戦状』

2014年12月29日(月)よる9時〜案内人:又吉 直樹(ピース)×樹木 希林
歴代大賞作家4名×映画監督の豪華コラボレーション!
(宝島社公式HPより)


<感想>

「岬洋介シリーズ」で知られる中山七里先生の短編です。
公式のあらすじにもある通り、2014年12月29日にTBS系にてドラマ放送が予定されています。

タイトル『残されたセンリツ』の意味とは「旋律」と「戦慄」のダブルミーニングなのでしょう。

「旋律」は玲渾身の演奏を。
「戦慄」は玲の執念を。

それぞれ示したもので、この2つが揃うことでピアニストとしてより高度な演奏が可能になる。
これにより玲は真由に自身の生き様を遺したのでしょう。
きっと、真由も壮絶なピアニスト人生を歩むことになりそうです。

ただ、ダイイングメッセージは流石に牽強付会気味。
ドラマ化を想定しているからこそ視覚的なインパクトを求めてのソレだったのだろうと思われるが、逆に本作の印象を散漫にしている。
テーマだけで十分だったと思うだけに、勿体ない。

本作の真価はあくまで先述のテーマにある。
そんな本作は「ミステリ的な内容よりはテーマに比重を置いた作品」と理解して読むべし。

ちなみに「岬洋介シリーズ」最新作『どこかでベートーヴェン』が『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』に掲載されています。
興味のある方はチェックすべし!!

それとネタバレあらすじについては、管理人によりかなり改変されています。
本作を楽しんで頂くには本作それ自体を読むこと!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
多岐川真由:玲の娘。ピアニスト。
多岐川玲:孤高のピアニスト、被害者。
美能忠邦:美能リサイクルの社長。玲のコンサートの後援者。
安住鷹久:マネージャー
瀧本:調律師
黒岩:音楽評論家
河原崎:刑事


名高いピアニストの多岐川玲がコンサート会場内にある自身の控室にて服毒死した。
自殺、他殺の両面が疑われたが、捜査担当者となった河原崎刑事は他殺として捜査を開始する。
死亡した玲の指が傍にあった楽譜の中で「スタッカート」の「S」を指していたことに注目し、それをダイイングメッセージと考えたのだ。

河原崎は関係者への事情聴取を行う。

まずはマネージャーの安住鷹久。
次いで、瀧本だ。

安住と瀧本は共に、最近の玲の演奏が不自然であったことを指摘。
だが、本日の演奏については文句なしの最高だったと感想を述べる。
さらに、だからこそ自殺は有り得ないと他殺説を推した。

これについては玲の娘である真由も同意見であった。
さらに真由は「(玲が)逃げる為に自殺をするようなタイプではない」と断言する。

続いて、玲と対立していた評論家の黒岩。
黒岩も最近の玲のピアノの異変については気付いていた。
黒岩によれば、玲のピアノは女性ながらも男性顔負けの力強い演奏が特徴。
その特徴が最近では弱々しくなっていたそうだ。
黒岩はこれを玲が練習を怠慢した為と考えていた。
だからこそ、最近は不仲になっていたらしい。

そして、コンサートの後援者で美能リサイクルの社長である美能忠邦。
美能リサイクルは過去に水銀中毒事故を起こしており、この責任を追及する訴訟が先頃終えたばかり。
結果としては美能リサイクル側の勝訴に終わっていた。
おそらく、この訴訟で下がった企業イメージを回復すべくコンサートの後援者となったのだろうと思われた。

河原崎は玲の人となりを知るにつれ、他殺説の想いを強くする。
そんな中、玲が使用した毒物を調べた河原崎は其処に特徴的な証拠を発見。
遂に犯人を逮捕する。

犯人は美能であった。
玲の体内から検出された毒物に美能リサイクルで使用していた薬剤の成分が混入していたのである。
これが動かぬ証拠となった。

さらに、もう1つ河原崎が美能を犯人とした根拠があった。
それは玲のダイイングメッセージである。

玲は楽譜の中で「スタッカート」の「S」を指差し事切れていた。
河原崎はそれを美能忠邦を示したものと解釈したのだ。

美能忠邦のイニシャルならば「M」か「T」である。
何故、「S」を指したのか?

これには理由が存在していた。
並んでいた「T」や「M」では瀧本の苗字や安住の名前・鷹久などが該当する恐れがあったからである。
其処で玲は「スポンサー」、すなわち後援者である美能を示す「S」を指したのだ。

逮捕された美能は動機について語り出す。
なんと、玲もまた美能リサイクルによる水銀中毒事件の被害者だったのだ。
だからこそ、最近の演奏が不自然になっていたのである。

玲は「これを世間に公表する」と美能を脅迫しスポンサーにしたらしい。
だが、これで終わる筈がないと考えた美能が口封じの為に毒殺したのである。

こうして美能が逮捕され事件は解決した。

しかし、河原崎には腑に落ちないことが残っていた。
玲は何故、美能を脅迫したのか?
玲は金銭的にも裕福であり、美能を脅迫する必要など無かったのである。

河原崎は真由を訪ね、仮説をぶつける。

玲にとって水銀中毒によりピアノが弾けなくなることは死と同じであった。
玲は自身を追い詰めた美能を恨んだことだろう。

だとすれば、世間に公表すると言った社会的な復讐ではなく、もっと直接的な復讐を図ったのではないか。
例えば、殺人者として葬るような……。

そう、玲が美能を脅迫したのは彼に自身を殺害させる為では無かったか。
そして、その罪を問う為にダイイングメッセージを遺したのだ。

これに真由は頷くでもなく薄く笑う。
結局、河原崎には真相を確認する術は無い。

一方、真由は河原崎の仮説を認めていた。
ピアノに生きた玲にとって、それを奪われることは耐え難いものだったのだろう。
だから、一世一代の演奏を見せた後に殺害されるように図った。

そんな玲の生き様は真由にピアニストとしての壮絶な覚悟を植え付けた。
真由は誓う「母のようなピアニストになる」と―――エンド。

2014年12月30日追記:

2014年12月29日にドラマ版が放送されました。
ネタバレ批評(レビュー)はこちら。

「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)


追記終わり


◆関連過去記事
『カシオペアのエンドロール』(海堂尊著、宝島社刊『このミステリーがすごい!四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『黒いパンテル』(乾緑郎著、宝島社刊『このミステリーがすごい!四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『ダイヤモンドダスト』(安生正著、宝島社刊『このミステリーがすごい!四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『残されたセンリツ』が収録された「【テレビドラマ化】このミステリーがすごい! 四つの謎」です!!
【テレビドラマ化】このミステリーがすごい! 四つの謎





「どこかでベートーヴェン 第二話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7





「どこかでベートーヴェン 第一話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6





「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





『いつまでもショパン』第1回が掲載された『『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK』です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK





「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)





「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)





「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





『間奏曲(インテルメッツォ)』が収録された「このミステリーがすごい! 2013年版」です!!
このミステリーがすごい! 2013年版



posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「すべてがFになる」9話「有限と微小のパン(前編)」(12月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」9話「有限と微小のパン(前編)」(12月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

スーツケースを手にした西之園萌絵(武井咲)は、ナノクラフト社が運営する「ユーロパーク」に到着した。パーク内の貸別荘で犀川ゼミの旅行が計画されていたが、大株主である萌絵は前乗りしてナノクラフト社長の塙理生哉(城田優)と食事の約束をしていた。塙は現在のIT業界で一番の成功者と言われる人物で、かつて萌絵との縁談が浮上したこともあった。

事情を知った儀同世津子(臼田あさ美)は、犀川創平(綾野剛)に萌絵が心配ではないのか、と聞く。

萌絵を出迎えたのは、塙の秘書の新庄久美子(青山倫子)だった。久美子は萌絵をパーク内のホテルに案内すると、343と部屋番号の記された鍵を渡した。早速、部屋に入った萌絵は、電話の横のメモに書かれた不可思議なメッセージに目を留める。すぐに犀川に電話をし、それが自分の死を予告するものではないか、と話すが、犀川は単なるいたずらだから気にすることはないと答える。

塙との会食の時間になり、萌絵は久美子とエレベーターに乗り込む。久美子がエレベーターにカードキーを差し込むと、表示パネルにはなかった「B1」のボタンが現われた。地下にナノクラフトの研究施設があるが、その存在を知っているのは社内でも限られた人間だけだ、と久美子は話した。地下に着くと通路を歩き、さらに別のエレベーターで今度は1階に上がる。地上に戻ったと思いきや、エレベーターホールの外に出ると、そこは教会の内部だった。すると、塙が現われて…。
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

「ユーロパーク」はIT業界の雄・ナノクラフト社が運営する複合型アミューズメント施設。
その社長の塙と言えば、知らない者は居ない時代の寵児であった。

そんな「ユーロパーク」に萌絵の姿があった。
萌絵はナノクラフト社の大株主にして、社長の塙の元婚約者でもあったのだ。
萌絵としては塙は本来避けたい相手なのだが「ユーロパーク」が犀川ゼミの合宿先となったこともあって渋々足を運んでいたのである。

そんな萌絵の出迎えに現れたのは、塙の秘書・新庄久美子。
久美子の案内でホテルの343号室に部屋を取った萌絵。
ところが、其処で萌絵自身の死を予言するようなメモを発見する。

驚いた萌絵は犀川に連絡を入れるのだが……。
何故か、犀川は「忙しいから」と電話を切ってしまう。

犀川の態度に憮然とする萌絵。
ラウンジで自棄酒を煽ろうとしたところ、既に先客が居た。
ナノクラフトの社員・松本だ。

松本によれば「ユーロパーク」には騎士の亡霊が居るらしい。
先日も、男性が殺害されてしまったと言う。
ところが、その死体は消えてしまったそうだ。

冗談かと笑い飛ばそうとする萌絵だが、松本の様子は普通ではない。
其処に久美子が現れた。
塙が会食を申し込んで来たのだ。
萌絵はこれを受けることに。

久美子に連れられホテル内を移動する萌絵。
エレベーターに乗り込むと、パネルに隠されていた「B1」のボタンが表示される。
これはごく一部の者だけが知る秘密の場所らしい。

辿り着いた先は研究施設。
其処を抜けて今度は別のエレベーターで1階へ。

ようやく到着した先は教会であった。
と、目の前には殺害された男性の遺体が……先程の松本である。

何が何やら分からず、必死に外へと助けを求める萌絵。
人を呼び、警察に通報する。

その間に、教会の中から今度は久美子の悲鳴が!!
慌てて戻ってみると松本の遺体が消えていた。
久美子によれば松本の遺体が宙に浮き、ステンドグラスを割って消えたらしい。

そんな馬鹿な!!
絶句する萌絵だが、そんな彼女を嘲笑うかのように久美子が指差す先では実際にステンドグラスが割れていた。
松本の死体が消えてしまったのだ。

通報を受けて地元警察が到着した。
ショックを受けた様子の久美子は早々に自室に引き籠ってしまう。

萌絵は1人で事態を説明しようとするが、あまりにも非現実的過ぎて上手く説明出来る筈もない。
結局、久美子に改めての説明を求めるべくその部屋へ向かうのだが……。

なんと、中から久美子の悲鳴が!!
どうやら、何かが起こっているようだ。

慌てて刑事たちとともに萌絵が中に踏み込むと、胸を真っ赤に染めた久美子が倒れていた。
駆け寄った刑事は首を横に振る。

刑事によれば久美子の死因は刺殺。
だが、萌絵たちは確かに外で悲鳴を聞いて飛び込んだ。
当然、犯人に逃げ場はない。
犯人は何処に消えてしまったのか!?

さらに、久美子に案内を受けたエレベーターも存在が確認出来なかったと言う。

しかも、久美子の部屋には「バネと滝」と書かれたメモが置かれていた。
この意味は!?

自分が見たものは夢だったのだろうか……混乱する萌絵に救いの主が現れた。
犀川である。

密かに萌絵に接触した犀川。
犀川は萌絵の電話を受けて慌てて駆け付けたと言う。
電話でのつれない態度は何者かの盗聴を危惧してのことらしい。
犀川としては「ユーロパーク」に来ていることを伏せておきたいようだ。

犀川は萌絵の話を聞くと「まるで夢のようだ」と洩らす。
さらに、ある確信を深めたとも。

教会近くに49、萌絵の部屋番号343、久美子の部屋番号が2401。
そのすべてが7の累乗だったのだ。
すなわち、真賀田四季博士の存在である。

他にも犀川は「バネと滝」について触れる。
「バネ」と「滝」は英語に訳せば「スプリング」と「フォール」。
すなわち「春」と「秋」だ。
さらに、犀川は「ナノクラフト社製」のゲームに「夏」と「冬」を意味する謎かけを見出したと言う。
これで「春夏秋冬」が揃った―――つまり「四季」だ。

今回の事件には間違いなく真賀田四季が関わっている。
犀川は四季から逃げるべきだと訴えるが、萌絵は「対決すべき」と主張する。

その頃、塙は四季と対話していた。
「西之園さん、最期はどんな顔をするでしょう?」
尋ねる塙に四季は「神以外に物語は止められない」と告げるが―――。

一方、犀川は「重要なことは不可能な事件が実際に起こったことだ」と語っていた。
それこそが事件のポイントらしい。

自身の存在を隠し、萌絵を陰ながら監視することにした犀川。
その胸中に「もしかして萌絵は両親を追い死を望んでいるのではないか」との不安が過る。

数時間後、萌絵は塙と対峙していた。
四季の居所を問う萌絵に「素晴らしい」と応じる塙。
早くも四季の存在に気付いたことを評しているのだ。

萌絵の力を改めて知った塙は「公私共にパートナーになって欲しい」と訴える。
これを拒否した萌絵であったが、塙から差し出された飲み物を無防備に口にしてしまい意識を失ってしまう。

次に萌絵が目覚めたとき、其処はあの教会であった。
見上げれば四季が立っており、天井のステンドグラスは何時の間にか元通りになっていた。
四季は萌絵に対し「あなたが生きるこの世界は本当に現実なのかしら?」と迫る。

萌絵のトラウマ、それは両親の事故死を目の当たりにしたことであった。
衝撃を受けた萌絵は自らの世界に閉じ籠ってしまった。

果たして、萌絵は本当に犀川の教え子になっているのだろうか?
それすらも、両親の死にショックを受けた萌絵の妄想ではないのか?
萌絵の精神の均衡が揺らいで行く。

人類が求めるのはその日のパンか、それとも歴史の全てか―――。
問う四季に萌絵は―――最終話(10話)「有限と微小のパン(後編)」に続く。

<感想>

ドラマ原作は森博嗣先生「S&Mシリーズ」。
そして、今回はシリーズ第10弾にして最終作『有限と微小のパン』のドラマ化でした。
原作『有限と微小のパン』については過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。

・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマ感想を。

物凄く良かったです!!
まさにクライマックスの盛り上がり。

『有限と微小のパン』、まさか此処までドラマ化に映える作品だったとは……いや、本当に面白かった。
些か駆け足気味の展開も萌絵自身の不安定さを表現しているようで良し。
そして、萌絵は行動的な割に守られ型ヒロインであることが良く分かる回でしたね。

本作に関しては「現実感に欠ける」との評は批判に当たらない。
むしろ、それが正当な高評価に繋がる作品です。
なにしろ、それこそが……。
その意味は―――後編を視聴するべし!!

そして、後編に繋がる謎とその解のすべては、あらすじ中に盛り込まれています。
ポイントは「胸を真っ赤に染めた久美子」の描写あたりかな。
さらに分かり易く、敢えて刑事さんたちの名前は省略しています。
これは、すなわち彼らが作中では記号に過ぎないことを示しています。
でもって、舞台は「ユーロパーク」。
これに四季が関わっているとなれば……。

ただ、もう1人の意志が介在していることで複雑化しているのが重要な点です。
1つ指摘しておくと、すべてが塙の狙い通りに進んでいるワケではありません。
四季は真相を知りつつ見守っています。

それと萌絵に衝撃を与える四季。
その狙いとは!?
これも後編で明かされます。

最終回となる「有限と微小のパン(後編)」見逃すな!!

そう言えば『すべてがFになる』アニメ化も発表されています。

『すべてがFになる』がアニメ化とのこと!!

それと今回のドラマ化はシリーズ第2弾『冷たい密室と博士たち』に始まり、第5弾『封印再度』、第1弾『すべてがFになる』、第9弾『数奇にして模型』、第10弾(最終巻)『有限と微小のパン』が予定されており、各話が前後編となるので全10回が予想されています。

そんな次回は「有限と微小のパン(後編)」。
一際異彩を放ったあの人が再来。
そのとき、犀川は……。

・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
【S&Mシリーズ】
・シリーズ第1弾。
『すべてがFになる』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第2弾。
『冷たい密室と博士たち』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第3弾。
『笑わない数学者』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第4弾。
『詩的私的ジャック』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第5弾。
『封印再度』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第9弾。
『数奇にして模型』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

・シリーズ第10弾にして最終話。
『有限と微小のパン』(森博嗣著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
「すべてがFになる」1話「冷たい密室と博士たち(前編)」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」2話「冷たい密室と博士たち(後編) 【暴かれる冷たい密室の謎と哀しき殺人者の記憶】」(10月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」3話「封印再度(前編) 【呪われた仏画師一族と家宝が眠る密室の殺人】」(11月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」4話「封印再度(後編) 【50年の時を超えた殺人と封印された真相】」(11月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」5話「すべてがFになる(前編)【天才博士が仕組んだ孤島の謎】」(11月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」6話「すべてがFになる(後編)【美しき狂気の殺人者】」(11月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」7話「数奇にして模型(前編)【孤独な模型マニアの狂気】」(12月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「すべてがFになる」8話「数奇にして模型(後編)【殺人者の異常な愛情】」(12月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
超再現!ミステリー「巧妙なトリック暴け人気推理小説を超再現謎を解け&犯人は誰?超衝撃の2時間SP 大学内で連続殺人…美女が残した(秘)日記に謎を解くカギ…珍推理佐藤隆太スタジオ爆笑砂羽も紗栄子も超興奮」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

森ミステリィの名作「S&Mシリーズ」がフジテレビ系火曜21時枠にて連続ドラマ化!!タイトルは「すべてがFになる」に!!

『すべてがFになる』がアニメ化とのこと!!

「有限と微小のパン (講談社文庫)」です!!
有限と微小のパン (講談社文庫)





「冷たい密室と博士たち (講談社文庫)」です!!
冷たい密室と博士たち (講談社文庫)





こちらはコミック版「冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))」です!!
冷たい密室と博士たち (幻冬舎コミックス漫画文庫 (あ-01-02))





「すベてがFになる (講談社文庫)」です!!
すベてがFになる (講談社文庫)





「すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)」です!!
すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)





こちらはゲーム版「すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER」です!!
すべてがFになる〜THE PERFECT INSIDER



posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする