ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。
ジル・サイモン:ジャンガ側の凄腕交渉人。
<92話あらすじ>
・前編はこちら。
「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第91話「ホリデー(前編)」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
軍事独裁政権が樹立しているサーダンと、その隣国・ジャンガの間では長きに渡り扮装が続いていた。
それは深刻化し、日常的に市民生活を脅かす事態に発展していた。
ジャンガ側の国民は疲弊し続けていたのだ。
この事態を打開すべく、ジャンガ側は凄腕交渉人として名高いジル・サイモンのもと国連による調停に向けて動き出した。
調停を実現させるには5つの常任理事国、すなわち、アメリカ、フランス、イギリス、ロシア、中国の全員一致での了承が必要となる。
これはほぼ不可能とされていた。
この不可能を実現すべく、ジルは森羅に協力を要請した。
すべてはジャンガ国民の平和の為に―――こうして、森羅も乗り出すことに。
ジルは卓越した手腕により、アメリカ、フランス、イギリスの了承を取り付けた。
残るはロシアと中国の2ヶ国である(此処までが前編の内容)。
これ以上、プラチナ鉱山の利権を用いることは余計な火種を生みかねない。
ジルは別の方法にての説得を迫られた。
まず、中国に対してはサーダンへの感情に訴えることにした。
そもそも2国は対立していたのである。
さらに、停戦後のインフラ設備への参入を約束し了承を得た。
残るはロシアだ。
この説得を森羅が引き受けた。
森羅は「敵の敵は味方だ」と成功に自信を見せる。
一方、サーダン側の外務次官はジルたちに対し焦りを募らせていた。
何としても阻止せねばならない……覚悟を決めた次官は最大の脅威となり得る森羅の排除を選択する。
森羅を尾行する次官とその部下たち。
手には拳銃が握られている。
森羅を射殺する気なのだ。
当の森羅は何やら高層ビル内へ。
追跡する次官たち。
その前で森羅はエレベーターで上層階へ。
次官たちも後を追う。
ところが、森羅を見失ってしまう。
と、森羅は何時の間に下に居たのか下層のフロアから現れた。
さらに、扉の奥へと消えて行く。
階段越しにこれを確認する次官たち。
森羅が消えたのは下から数えて5段目、すなわち5階のようだ。
遂に追い詰めたぞ……舌なめずりする次官たちは銃を手に5階の扉を開き突入する。
ところが、其処に居たのはロシア大使であった。
思わぬ乱入者、しかも武装済みに大使は激怒。
こうして、ロシアもジルに協力を約束する。
実はすべて森羅の計画であった。
森羅は遠近法を活かして、パースを仕掛けた絵を用意し1階奥の扉に消える様子を5階と誤認させたのだ。
もちろん、尾行とその意図に気付いてのことであった。
これで5ヶ国をクリアしたかに思われたのだが……。
此処でサーダンの次官が最終手段に出た。
森羅で駄目ならばジルを狙えば良いのだ。
なんと、ジルは車ごと爆弾で吹き飛ばされてしまう。
どうにか一命を取り留めたジル。
だが、ジルの負傷により各国の思惑はまとまらなくなり始めた。
このままでは調停の実現は不可能だ。
涙を流し悔しがるジルに、森羅は最後の手段を教える。
そして、調停決議の日がやって来た。
各国の代表は「今回は見送るべき」と決めていたが……。
その前に車椅子も痛々しいジルが現れる。
ジルはその状態で必死に各国代表を説得。
「利害ではなく、平和を」と訴える。
ジルがジャンガ側に立ったのには理由があった。
ジルは強者ではなく弱者の味方を目指したのである。
これに各国代表は心打たれた。
此処に調停決議がなった。
その夜、ジャンガ国民は爆音が聞こえないことに気付いた。
空を見上げれば満面に続く星空。
「たまにはこんな休日もいいな」
「この休日がずっと続けばいいのに」
口々に呟くジャンガ国民。
彼らは知らない、此の平和が暫くの間、続くことを。
そして、その平和が1人の男の奮闘によってもたらされたことを。
ジャンガに久しぶりの「静かな休日」が訪れた―――エンド。
<感想>
「月刊少年マガジン」2015年1月号掲載「92話 ホリデー(後編)」です。
国際世界を舞台に壮絶な調略戦が繰り広げられた後編です。
ジルの狙いを知り、これを見事にサポートした森羅。
そして、ジルの想いに応えた各国代表。
良かったです。
正直、あらすじでは良さを伝え切れてない。
本作自体を読むべし!!
◆関連過去記事
【「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」シリーズ】
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年6月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年7月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年8月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(「月刊少年マガジン」2012年9月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 67話 ガラスの楽園・前篇(「月刊少年マガジン」2012年10月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 68話 ガラスの楽園・後編(「月刊少年マガジン」2012年11月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 69話「螺旋の骨董品店」(「月刊少年マガジン」2012年12月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 70話「4枚目の鏝絵」(「月刊少年マガジン」2013年1月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 71話「足摺厚焼き卵店」(「月刊少年マガジン」2013年2月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 72話「Nobody」(「月刊少年マガジン」2013年3月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 73話「グラウンド」(「月刊少年マガジン」2013年4月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録 74話「二笑亭」(「月刊少年マガジン」2013年5月号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第75話「ダイヤ泥棒」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年6月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第76話「レース」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年8月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第77話「掘り出し物」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年9月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第78話「バッグ ストーリー」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年10月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第79話「その朝、8時13分」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第80話「香木」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第81話「ゴンドラ」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年1月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第82話「ライオンランド(前篇)」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年2月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第83話「ライオンランド(後篇)」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年3月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第84話「兆し sign」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第85話「アステカのナイフ」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年5月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第86話「爆破予告」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年7月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第87話「幸運」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年8月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第88話「キジムナー」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年9月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第89話「空き家」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年10月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第90話「プラクルアン」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年11月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第91話「ホリデー(前編)」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B.番外編 M.A.U. “ブラック・マーケットの魔女”の事件目録 箪笥の中の幽霊」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年6号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
【「Q.E.D.証明終了」シリーズ】
・「Q.E.D.証明終了(「月刊少年マガジン+(プラス)」2012年3号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了(「月刊少年マガジン+(プラス)」2012年4号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 金星(「月刊少年マガジン+(プラス)」2013年5号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 初恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年7月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 失恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年6号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 巡礼」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年10月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 陽はまだ高い」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 代理人」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2014年8号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
「C.M.B.森羅博物館の事件目録 コミック 1-19巻 セット (講談社コミックス月刊マガジン)」です!!
C.M.B.森羅博物館の事件目録 コミック 1-19巻 セット (講談社コミックス月刊マガジン)
C.M.B.森羅博物館の事件目録 コミック 1-19巻 セット (講談社コミックス月刊マガジン)