年末ドラマスペシャル 科捜研の女「白骨死体は30年前に夜逃げした親友!?涙と執念のDNA型鑑定!東京〜大阪1100キロの大捜査!繁華街の大爆破 迫る女探偵の罠〜マリコの過去が明白に!!」(12月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
京都市内の山道の工事現場から、白骨死体が発見された。工事のため地盤を掘削していたところ、土中からドラム缶が見つかり、そのドラム缶の中から赤茶色の液体と共に人骨が出てきたという。
現場に駆けつけた榊マリコ(沢口靖子)は、頭がい骨の状態から20歳以下の女性の骨であることを見抜くが、直後、骨と共に見つかった錆びた針金製のブローチを見て、がく然! そのブローチは30年前の中学時代、なんとマリコ(上白石萌歌)自身が手作りし、親友の川喜多京子にあげたものだったのだ。
マリコも京子も当時は横浜に住んでいたが、ある日、学校で2人はケンカ。夜になってマリコが京子の自宅まで謝りに行ったところ、彼女はガラス工場を経営していた父・修一(下條アトム)らに連れられて夜逃げした後で、それきり行方がわからず連絡も取ることができなかったのだ。
発見された白骨遺体は、横浜から夜逃げした後、何らかの事件に巻き込まれて京都で殺された京子なのか…!? かつての親友かもしれない白骨死体を前にしたマリコに、土門刑事(内藤剛志)は「お前の仕事は科学で真実を掴み出すことだろう。それが、どんなにつらい真実でも」と叱咤する声をかける。そんな土門の言葉に、マリコは決意の面持ちでうなずく…。
検視の結果、被害者は首を絞めて殺されたことが判明。さらに赤茶色の液体を分析したところ、“炭酸カリウム”と“ヘム(血中ヘモグロビンの分解物質)”とわかる。つまり犯人は被害女性を絞殺した後、遺体を溶かすために炭酸カリウムと共にドラム缶に入れ、そのドラム缶を深夜、工事現場に勝手に埋めたものと推測された。その結果、骨だけが溶けずに残ったようだ…。
そんな中、マリコの周囲を姫川みずき(有沢比呂子)という名の探偵が探っている事実が浮上。ところが、マリコが対面する直前、その女性探偵が事務所ごと爆破される! 狙われたのは、みずきなのか、それともマリコなのか…!? はたして、マリコの過去は事件とどうつながっていくのか…!?
(テレビ朝日公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……京都市内山道にある工事現場から白骨死体が発見される。
掘削工事を行っていたところ、ドラム缶に埋められた人骨が発見されたのである。
早速、駆け付けたマリコたち科捜研の面々。
被害者は遺骨の状態から20歳以下の女性であると判断された。
さらに、遺体からは炭酸カリウムで溶かした痕跡が見受けられた。
と、此処で遺体の所持品を目にしたマリコが驚くことに。
なんと、其処には30年前の中学時代にマリコが自分で作った針金製のブローチがあったのだ。
そのブローチはマリコが30年前に親友であった川喜多京子にプレゼントした物だったのである。
当時、マリコは横浜在住であった。
京子は不器用なマリコと異なり、何事もソツなくこなすタイプ。
タイプが違えど、不思議と2人は馬が合った。
京子の父・修一は「川喜多硝子」の経営者。
マリコは工房にも出入りし、従業員の田所勉さんとも親しくしていた。
其処で友情の証としてマリコが京子に、京子がマリコにブローチを送り合ったのである。
ところが、ある晩にマリコは京子と喧嘩してしまった。
喧嘩の原因はもう思い出せない。
たぶん、些細なことだったのだろう。
しかし、同時に衝撃的な事件が起こった。
マリコはその夜の内に仲直りしようと謝罪すべく「川喜多硝子」へと向かった。
だが、京子は家族ごと姿を消してしまったのだ。
マリコにも事態はすぐに呑み込めた……夜逃げだ。
川喜多硝子は経営状態があまり良くなかったらしい。
以来、京子とは一度も会っていない。
この記憶はマリコにとって、ほろ苦いものとして奥底に封印されていたのだが……。
こうして、30年を経て意外な形で甦ったのである。
マリコが所持していた京子から貰ったブローチも何処に消えたものやら、マリコは知らない。
当時はあれほど大切にしていた物なのに……。
鮮明に京子について思い出したマリコ。
もしかして、遺体は京子なのか!?
ショックを受けるマリコだが、土門らに励まされ捜査を開始する。
まずは、川喜多家のことを知る人間を探すこと。
これは従兄弟の佐藤学を見つけることが出来た。
佐藤によれば川喜多家には他に親戚らしい親戚は居ないらしい。
しかも、その行方はやはり知らないとのことであった。
マリコは遺体が京子のものか確認するべく、佐藤からDNA情報を貰い受ける。
一方、川喜多硝子の跡地へと向かうことに。
其処はマリコの知る光景とは全く異なっていた。
川喜多家が夜逃げした後に、須磨なる人物が土地を購入。
須磨の妻が経営する中華料理屋などを経て、また何か起業する予定のようだ。
そんな中、遺体と京子のDNA型が一致しないことが判明。
遺体が京子ではないことに、マリコはひとまず胸を撫で下ろす。
だが、此処で問題が生じた。
つまり、この事件に京子が何等かの形で関わっていることになるのだ。
土門は30年前から20年前の間に横浜で京子に関連する失踪者を絞り込む。
該当したのは、当時18歳の短大生であった磯島忍。
早速、マリコは忍の父親である磯島伸介のもとへ。
磯島によれば、忍は京子とも親しくしていたらしい。
忍の失踪当日も京子が訪ねて来ており、何やら泣いていたと言う。
しかも、忍の失踪日と川喜多家の夜逃げした日が同日だったのである。
磯島は「忍を殺した川喜多家が逃げ出したのだ」と主張する。
遺体のDNA型が磯島のそれと合致。
これにより、遺体が磯島忍であると断定された。
だとすると、磯島の言葉が信憑性を帯びて来るが……。
磯島忍殺害について大々的な報道が行われ、同時に例のブローチについても報じられた。
これを目にした田所が出頭して来る。
どうやら、例のブローチに見覚えがあったらしい。
川喜多家については何も知らないと述べる田所。
だが、「京都聖パウロ教会」のステンドグラスの修復者が川喜多修一ではないかと口にする。
あれだけの腕は彼以外考えられないらしい。
修復者から辿ってみたところ「坂野硝子工芸」が浮上する。
川喜多修一は坂野硝子工芸に勤務していたのだ。
修復者は田所の予想通り修一であった。
ところが、修一も京子の行方は全く知らないらしい。
修一が「坂野硝子工芸」に勤務を始めた頃、妻が京子を連れて出て行ってしまったそうだ。
どうも30年もの間、家族とは連絡を取っていないようだ。
忍について尋ねてみるも、修一は黙秘を貫く。
此処でマリコがはたと気付いた。
炭酸カリウムはガラス細工の原料になる。
しかも、修一は横浜から京都までよく仕事で足を運んでいたらしい。
まさか、修一が……不安に駆られるマリコ。
と、そんなマリコを調べている存在が。
その名は姫川みずき。
どうやら、探偵のようだ。
気になったマリコはみずきに連絡を入れる。
みずきは「ある依頼によりマリコと会いたい」と主張、午後10時に姫川探偵事務所を指定する。
訝しがりつつも、マリコは同僚である相馬と共に姫川探偵事務所を訪れる。
ところが、その目の前で姫川探偵事務所が大爆発を遂げる!!
これにより、みずきは爆風に煽られ死亡。
マリコは相馬と話していたことでタイミングがずれ、危機一髪で難を逃れる。
助かったマリコはドアに爆発物が仕掛けられていたと考える。
それはダイナマイトであった。
どうやら、犯人がドアを開くと爆発するように仕掛けたらしい。
さらに、爆破現場から忍が着用していたコートの断片が発見される。
どうも、爆発物を固定する際にコートの切れ端を使用したようだ。
つまり、先の事件と今回の爆破事件は同一犯によるものなのだ。
此処で相馬が大活躍。
まず、ダイナマイトに仕掛けられた電池から犯人らしき人物の指紋を検出することに成功。
さらに、姫川探偵事務所にピッキングの痕跡を発見。
しかも、みずきが事務所に防犯カメラを仕掛けていたことまでも突き止める。
此処から、犯人がピッキングにて事務所内に侵入し内側からドアに爆弾を仕掛けたことが分かった。
ただ、防犯カメラ映像も破損しており修復に時間がかかるようだ。
矢先、みずきの事務所内にあった依頼人名簿の復元に成功。
其処には「京都府内 ○原京子 旧姓:川喜多」とあった。
さらに、同封されていたらしき資料からは中学時代のマリコの写真が……。
これを目にしたマリコは「京子が危ない」と叫ぶ。
此処に土門たちも加えて、京子捜索が始まった。
名簿にあった所在地付近を探すマリコ。
すると、偶然通りかかった少女に当時の京子の面影を見出す。
少女を追ったマリコは導かれるように「三原家」へ。
少女は京子の娘だった。
「○原」とは「三原」だったのだ。
こうして、30年ぶりに再会を果たした京子とマリコ。
しかし、再会を喜ぶ暇もなく驚愕の展開が!!
三原家に心当たりのない宅配物が届いていたのである。
まさか……と疑ったマリコが調べたところ、案の定、宅配物に偽装した爆弾であった。
犯人が宅配業者を偽って殺害を目論んだらしい。
間一髪のところで難を逃れた京子。
爆弾はみずき殺害に使用された物と同じであった。
京子によれば、みずきを雇ったのはマリコのことを思い出し懐かしがって会いたくなった為らしい。
しかし、どうも京子は何かを隠しているようだ。
さらに、マリコは京子宅に複数のガラス細工を発見する。
マリコは京子に真実を問い質す。
そのとき、京子は……。
マリコは京子から聞き出した情報から被疑者を特定した。
しかし、犯行を立証するには証拠に欠けていた。
そんな中、三原家付近の防犯カメラ映像から偽宅配業者が発見。
さらに、復元した探偵事務所の防犯カメラ映像から犯人らしき姿を発見する。
だが、共に背中しか映っておらず人物を特定するには程遠かった。
これに対しマリコは「骨格認証」を実行に移す。
それぞれの映像から骨格を抜き出し、これを調べたところ同一人物と判明。
しかも、マリコが被疑者と睨んでいた人物の後ろ姿とも合致する。
マリコが犯人と断じた人物とは京子の従兄弟・佐藤学であった。
当時、佐藤は京都にある大学の大学院理工学部に通う学生。
佐藤は京子を通じて忍と面識があったのだ。
「骨格認証」に加え、爆弾から検出された電池の指紋が決め手となり佐藤は逮捕された。
30年前、佐藤は忍に邪な感情を抱いており、横浜に帰郷した折にこれを呼び出すと欲望を果たそうと襲い掛かった。
だが、激しく抵抗されたことで逆上し殺害してしまったらしい。
佐藤は川喜多硝子にて炭酸カリウムを盗み出すと、京都へ戻り遺体発見現場に埋めたのだ。
ところが数日前、みずきがやって来て佐藤に忍の消息を尋ねた。
佐藤はシラを切ったが内心で焦っていた。
其処でみずき殺害を目論み、これを爆殺。
続いて依頼人と思われる京子殺害をも企んだのである。
「忍を成仏させる為だったんだ!!」
コートの切れ端を爆弾に用いたのはその為だったのだ。
叫ぶ佐藤は罪が露見したことに歯噛みして悔しがるのであった。
何故、みずきは佐藤に忍の消息を尋ねたのか?
これには京子がマリコに語った内容に秘密があった。
30年前、京子はマリコと喧嘩してしまった。
これについて忍に相談したところ、忍は仲直りを勧めた。
これが磯島が目撃した泣いていた京子の理由である。
まさか夜逃げすると思っていなかった京子はこれに応じた。
ところが、京子はブローチを忍のもとに忘れてしまった。
京子はブローチを取りに行くと申し出たが、忍が少し遅くなるけど届けるからと告げたのだ。
この際に、忍が佐藤宅に寄ることを聞かされたらしい。
そして、現在。
京子は忍の遺体発見の報道を目にしたのである。
なんでも忍は例のブローチを所持していたと言う。
此処で思い出したのが従兄弟の佐藤学である。
まさか……。
京子はマリコの消息を調べるよう依頼していたみずきに追加で佐藤と忍についても調べるよう頼んだのだ。
ところが、これがみずきを殺してしまうこととなったのである。
さらに、マリコが持っていたブローチは京子の手に渡っていた。
あの夜、マリコは京子たちが夜逃げしたことを知り愕然とした。
もう仲直りも出来ないと思ったマリコは一縷の望みを込めて「ゴメン」と書き残すと共にブローチを京子宅に置いたのだ。
あの後、京子は修一たちにも内緒で一度戻っていた。
其処でブローチとメッセージを確認しマリコを許したのだと言う。
後日、聖パウロ教会に京子が居た。
その前には修一が居る。
2人は互いを許し合い、30年ぶりに和解する。
その姿はまるで割れたガラスが修復されるようであった。
その午後、骨格認証の鑑定書をマリコに求める土門は呟く。
「今回の事件は骨で始まり、骨で終わったなぁ」と。
忍の遺骨発見で始まり、骨格認証で終わったこの事件―――奇しくも土門の言葉通りであった。
さて、こうなると気になるのはマリコと京子の喧嘩の原因。
その真相とは―――友情を誓ったブローチにあったのだ。
マリコから京子に贈ったブローチ。
それはマリコ手製の物だったが、出来が非常に悪かった。
これを京子が身に着けることを恥ずかしがったことが原因だったのである―――エンド。
<感想>
「科捜研の女シリーズ」誕生15周年を締めくくる年末の2時間10分拡大スペシャル!!
ということで久しぶりの「科捜研の女シリーズ」のネタバレ批評(レビュー)です。
2011年10月放送以来だから、3年ぶりになるのかな。
・
科捜研の女スタートスペシャル「法務省から来た女!疑惑の検事!隠された銃弾の秘密!!京都〜奈良を結ぶ冤罪の罠!?」(10月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)そんな今回ですが、なかなか手堅くまとまってましたね。
やっぱり「科捜研の女」は面白い。
容疑者も従兄弟の佐藤、磯島、田所、修一の4人に絞られてたし、見易かった。
何よりテンポが良い。
そして、相馬君大活躍!!
みずき関連のお手柄はもちろんのこと、マリコが爆死を免れたのも相馬君のおかげでしょう。
でもって、30年前はかなりクールな印象だった京子と騒がしい印象だったマリコ。
ところが、30年後には見事にキャラが逆転。
これの月日の流れが為せるワザでしょうか。
何より、ファンには朗報も。
ラストでちらっと報じられていましたが、スペシャル第2弾が2015年に放送決定とのこと。
これまた楽しみです。
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