『インデックス』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。
ネタバレあります、注意!!<あらすじ>
捜査一課に戻るなら、あの仲間たちを呼び戻したい。
池袋署強行犯捜査係担当係長・姫川玲子。所轄に異動したことで、扱う事件の幅は拡がった。行方不明の暴力団関係者。巧妙に正体を隠す詐欺犯。売春疑惑。路上での刺殺事件……。終わることのない事件捜査の日々のなか、玲子は、本部復帰のチャンスを掴む。気になるのは、あの頃の仲間たちのうち、誰を引っ張り上げられるのか──。
(光文社公式HPより)
<感想>
『小説宝石』に不定期に掲載された短編を集めた短編集。
収録作品は『アンダーカヴァー』『女の敵』『彼女のいたカフェ』『インデックス』『お裾分け』『落としの玲子』『夢の中』『闇の色』の8編。
とはいえ、『夢の中』と『闇の色』はセットの作品。
『彼女のいたカフェ』と『落としの玲子』は小短編なので、実質的なボリュームは6編くらいかな。
ただ、ファンにとっては気になる『インビジブルレイン』以降の玲子が描かれているので見逃せない短編集となっている。
『彼女のいたカフェ』と『落としの玲子』以外の短編については過去にネタバレ書評(レビュー)しているので、詳しくは各記事リンクをご覧頂くとして大きな流れをまとめて行く。
まず『アンダーカヴァー』。
これは『インビジブルレイン』後、玲子が所轄に異動した当時の物語。
なので『ブルーマーダー』よりは前。
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『アンダーカヴァー(「宝石 ザ ミステリー」掲載)』(誉田哲也著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)続いて『女の敵』。
これも『ブルーマーダー』より前。
『ストロベリーナイト』に登場したあの人を思い起こす作品。
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『女の敵』(誉田哲也著、宝島社刊『誉田哲也 All Works』収録)ネタバレ書評(レビュー)そして『彼女のいたカフェ』。
これも『ブルーマーダー』より前。
本作の内容については後述のネタバレあらすじ参照のこと。
で、この後に長編『ブルーマーダー』事件が発生。
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『ブルーマーダー』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石』連載)まとめ直後に『インデックス』。
『ブルーマーダー』事件の余波が意外な犯罪を浮かび上がらせる。
表題作。
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『インデックス』(誉田哲也著、光文社刊『宝石 ザ ミステリー2』掲載)ネタバレ書評(レビュー)そして『お裾分け』。
これまでの所轄での手柄と今泉の引きで玲子が本庁に復帰。
新生・姫川班結成!!
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『お裾分け』(誉田哲也著、光文社刊『宝石 ザ ミステリー3』掲載)ネタバレ書評(レビュー)次が『落としの玲子』。
JTのサイト「ちょっと一服ひろば」で公開された作品。
今泉との遣り取りを通じ、旧・姫川班メンバーの誰かが呼び戻されることが示唆された。
そして『夢の中、闇の色』。
遂に旧メンバーが新生・姫川班に合流。
そのメンバーこそ……あの人だった。
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『夢の中、闇の色』(誉田哲也著、光文社刊『小説宝石 2014年9月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)と言った流れになっています。
『夢の中、闇の色』を読む限り、旧メンバーは今後も合流する予定の様子。
当然、シリーズから目が離せません。
<ネタバレあらすじ>
『彼女のいたカフェ』
ブックカフェに勤務する未冬には憧れの人が居た。
とはいえ、相手は異性では無い。
同性―――すなわち女性である。
彼女はまるで風のように店へとやって来ると颯爽と去って行く。
時には司法について書かれた本を手に数時間を過ごすこともある。
それがともかくカッコいいのだ。
その頃、未冬は仕事について真剣に悩んでいた。
当時としては珍しかったブックカフェ。
未だ慣れない仕事に悩みも多かった。
果たして、この職場で自分は働き続けられるのだろうか?
そんな未冬にとって彼女の存在はとても大きかった。
辛い時も泣きたい時も毅然とした彼女の姿に励まされ続けて来たのだ。
ところが、ある頃からか彼女が全く来店しなくなってしまった。
しかし、その頃には未冬も仕事に慣れ、何時しか周囲から頼られるほどになっていた。
そして、今の未冬がある。
とはいえ、此処まで来られたのも彼女が居たからだ。
未冬はいつか彼女に会いたいと常々思っていた。
そんなある夜のこと。
未冬は彼女に出会った。
だが、その日の彼女は未冬が知る彼女とは異なっていた。
髪を振り乱しながら先を行く男に追い縋ると、これを背後から取り押さえたのだ。
そして、未冬は知った。
彼女が姫川玲子なる刑事であることを。
どうやら玲子は痴漢を追跡し捕まえていたらしい。
後からやって来た他の刑事から「またお前かよ〜〜〜手順を踏んでくれよ〜〜〜」と罵られつつも、これに屈せず堂々と応じる玲子。
そんな姿に店に来ていた頃とは違うけど、カッコいいと改めて憧れる未冬なのであった―――エンド。
◆「誉田哲也」先生関連過去記事
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