2015年01月06日

「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめです。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:

・レギュラーキャラ
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。私立揺籃高等学校の生徒。
白雪:辻に恋焦れる少女。私立揺籃高等学校の生徒。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。演劇部所属。実はWCOのお仕置き人であった。都立確立高等学校の生徒。

・もう1人の掃除人篇(1話から5話まで)
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。

・辻の過去篇(6話)
辻卓麿:辻の父、何者かにより惨殺される。30話にて紡木荊の犯行と判明。
辻の母:卓麿の死にショックを受け自殺。

・解体魔篇(7話から10話まで)
黒金:辻たちが通う学校の教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。

・星野銀華篇(11話から17話まで)
星野銀華:元WCOのお掃除人。だが、WCOを離脱する。
園長:辻と白雪が遊びに出かけた動物園の園長。
高倉さとみ:星野銀華に大きな影響を与えた人物。
木田雷:夜刃音珠(ヨハネス)のリーダー。
大雁江美:雷に狙われた一家の一人娘。

・黎盟高等学校演劇部篇(18話から25話まで)
神条くん:都立確立高等学校の演劇部員。
砂織零子:黎盟高等学校演劇部の部長。
灰猫硝:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の息子・レアティーズ役。
赤川真人:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王弟・クローディアス役。
折葉メイ:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。王妃・ガートルード役。
廻部連:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣の娘・オフィーリア役。
安土礼雄:黎盟高等学校演劇部の部員の1人。大臣・ポローニアス役。

・夏祭り編(25話終盤から)
紡木茨:9歳にして大量殺人を行い逃亡した人物。WCOからは「最重要お掃除対象」とされている。
深森臥美:茨の大量殺人事件の発端となった人物。
紡木荊:茨の弟にして本人を殺害し茨に成り代わっている人物。
飯田華夜:白雪の友人。私立揺籃高等学校の生徒。
筒川:辻の友人。華夜のことが好き。私立揺籃高等学校の生徒。
坂田:辻の友人。私立揺籃高等学校の生徒。

<あらすじ>

辻はWCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人。
悪があればこれを物理的に排除(抹殺)する。

そんなある日、辻は同級生の少女・白雪にお掃除現場を目撃されてしまう。
本来ならば目撃者は口封じしなければならない。
だが、白雪は過去に辻がお掃除した人間の娘であった。
以来、白雪は辻の熱心なストーカーになっていたのである。

意外な白雪の素性に驚いた辻は口封じを思い留まり、白雪と共に学生生活を送ることに。

◆関連過去記事
「思春鬼のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)1話から30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「思春鬼のふたり」第31話「あるべきふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第32話「大切なふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第33話「共にあるふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」最終話(第34話)「いつまでもふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「ザ・ファイブ −選ばれた復讐者−」(2013年、韓国)

「ザ・ファイブ −選ばれた復讐者−」(2013年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

夫と娘に囲まれ、幸せな日々を過ごしていたウナ。だがある日、謎の連続殺人鬼が自宅を襲撃、目前で夫と娘を惨殺されたあげく、ウナ自身も車椅子の身となってしまう。すべてを失った彼女は、犯人への復讐だけを生きる糧とし、きわめてまれな血液型である自らの臓器を提供するという条件で仲間を募る。やがてそれぞれの理由で移植臓器を必要とする4人の男女がそろい、ウナ自身を加えた《ザ・ファイブ》は復讐へと突き進んでいく。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
キム・ウナ:普通の主婦だったが夫と子供を殺され復讐を誓う。
ソンイル:ウナの夫、無惨に殺される。
ガヨン:ウナの娘、惨殺される。

チョルミン:ウナの担当医師。娘の病気に悩んでいる。
デホ:暴力亭主。妻の病気に悩んでいる。
ナムチョル:建物侵入のエキスパート。
ジョンハ:母の病気に悩んでいる。

ヘジン:ウナが出会った女性介護士。
オ・ジェウク:芸術家。


その日、ごく普通の女子高生であるキム・ガヨンは街中で先輩を見かけて声をかけた。
それは何気ない行動であった。

ところが、声をかけられた当の先輩は気まずそうに眉根を寄せる。
実は彼女は援助交際中だったのだ。
このことは黙っておくようにと言い含められたガヨンは素直に頷く。
その目の前で、先輩は男と一緒に消えて行った。

そして、その日から先輩は行方不明になったのだ。
だが、先輩に口止めされていたガヨンは何か意味があるのだろうとあの日の事を誰にも告げなかった。

ところが数日後、母・ウナと外出していたガヨンはあの日の男を見かけ声をかけてしまう。
流石に心配になって先輩の様子を聞く為である。
これに男は驚愕したような表情を浮かべつつ、ウナとガヨンの車のナンバーを心に留める。

その夜、父・ソンイルも加え家族団欒を楽しむガヨンたちが何者かに襲撃を受ける。
楽しいひと時は瞬く間に惨劇の場となった。
ソンイルは血溜に沈み、ガヨンも暴行される。
同様に暴行されたウナは意識を失う寸前に相手の顔を見た。
犯人は1人―――その顔は「あの男」であった。

「あの男」―――オ・ジェウクは芸術家であった。
彼の興味はすべて自身の芸術作品に注がれている。
それらはすべて特別でなければならないのだ。

ジェウクは文字通り魂の籠った材料を求めた。
そして目を付けたのが「人間」だ。
生きた状態で解体部品を採取する……それが彼のやり方である。

小さい人骨は粉末状に砕き粘土に加えて陶製の人形にする。
大きい人骨はジェウクの最高傑作「エンジェル」の骨組みに使う。
「エンジェル」は組み立てられた骨で形作られた「奇怪な天使」なのだ。

そう、ジェウクは人を殺害し材料にしていたのだ。
ガヨンの先輩もこの材料に用いられたのである。

しかし、ガヨンはそれと知らずに声をかけてしまった。
ジェウクは自身の犯行に繋がる痕跡を消すべくガヨンたち一家皆殺しを図ったのだ。

次にウナが意識を取り戻したとき、世界は一変していた。
ソンイルとガヨンは死亡。
ウナ自身も下半身不随の重傷を負っていたのである。

ウナは「あの男」への復讐を心に誓った。
其処で「あの男」を探すべく、車椅子に乗りナイフを隠して探し回った。
ところが、この行動によりウナは警察に連行されてしまう。

ウナは必死に「あの男」を捕まえるように訴えるが、担当刑事は聞く耳を持たない。
彼にとってはウナの訴えよりも、その日の昼食のメニューの方が大事だったからだ。

ショックを受けたウナはやはり誰にも任せられないと確信し、車椅子でも復讐が果たせるよう拳銃を購入することにした。
ところが、バイヤーに騙され金を奪われてしまう。

次々とウナを襲う理不尽。
ふと、此処でウナは昏睡中の出来事を思い出す。
彼女の枕元で担当医師のチョルミンが「この人の臓器があれば……」と項垂れていたのだ。

実はウナは極めて稀な血液型の持ち主であった。
ウナはこれを利用して仲間を集めることを思いつく。

「復讐に協力してくれれば、これを果たした時点で臓器移植に同意する」と条件を持ち出すのだ。

この取引にチョルミンが乗った。
チョルミンは娘の為に臓器を求めていたのである。

さらにチョルミンの口添えで3人のメンバーが加わることに。

まず、妻の病気に悩む腕っぷしが自慢のデホ。
建物侵入のエキスパートのナムチョル。
母の病気に悩むジョンハである。

こうして、ウナは自身を加えた5人で「ザ・ファイブ」を結成。
「あの男」への復讐に動き出す。

一方、ウナは担当の女性介護士・ヘジンと出会う。
ヘジンは病気により余命幾許もない身体であった。
だからこそ、他者の世話をすることでその恐怖を紛らわせているらしい。
そんなヘジンに励まされるウナ。

そんな中、ウナの記憶をもとに容疑者を突き止めることに成功した。
すなわち「あの男」ことジェウクに辿り着いたのだ。

確証を得たいウナは仲間たちと共にジェウク周辺を探る。
其処で浮かび上がったのはジェウクの異常性であった。
彼らはジェウクの動機を知ったのである。

こんな奴は生かしてはいけない。
「ザ・ファイブ」の面々に義憤と共に連帯感が芽生え始めた。

矢先、「ザ・ファイブ」に犠牲者が出ることに。
建物侵入のエキスパートであるナムチョルがジェウク宅に侵入していたところを殺害されたのだ。
ジェウクは自宅に監視カメラを仕掛けており、リアルタイムで監視していた。
「エンジェル」には若い女性以外必要ないとするジェウク。
ナムチョルは拷問を受けた挙句、分解され燃やされてしまった。

さらに、ジェウクはウナの存在に気付いた。
ジェウクは躊躇なくこれを襲うと殺害してしまう。
だが、実際にジェウクに殺害されたのはウナではなくヘジンであった。
ヘジンはウナの行動を支持しており、彼女を守るべく身代わりになったのだ。

事態を察したウナは、ジェウクが想像以上の怪物であることを認め、これ以上の犠牲者を防ぐべく「ザ・ファイブ」解散を決める。
そして、1人でジェウクとの対決に挑む。

残されたメンバーたち。
だが、彼らにとってウナの敵討ちは他人事では無くなっていた。
デホの呼びかけでチョルミン、ジョンハも再集結する。

ジェウクに挑むウナだが、あっさりと敗れてしまう。
其処にデホが駆け付けた。

真っ向勝負を避けたジェウクはその場を逃走。
これをデホがバイクで追跡、一騎打ちの末にこれを気絶させ捕まえる。
ウナ宅にジェウクを運ぶデホだが……。

ジェウクは目覚めていた。
隙を突かれたデホはジェウクに拘束され命の危機に。

しかし、事あるを予期していたウナはジェウク宅に居た。
「エンジェル」を盾にとり、デホを解放するよう脅す。
ジェウクはデホを捨て置き、自宅へと戻ることに。

ジェウク宅にて彼と対峙したウナは彼の芸術作品を次々と破壊して行く。
「うわわわぁぁぁぁぁぁぁぁ、芸術がぁ、芸術がぁぁぁぁ」
絶叫するジェウクは逆上してウナに飛び掛かる。

これを阻止するべく立ち向かうのは……ジョンハだ。
だが、ジェウクの前にあっさりとのされてしまう。

1対1となったウナとジェウク。
もはや、ウナに対抗手段はない。
ウナはジェウクに殴られ続ける。

しかし、ウナはふと笑いを浮かべた。
困惑するジェウク。

ウナの視線を追えば、其処には「エンジェル」が吊られていた。
そして「エンジェル」の下にはガソリンが滴っていた。
まさか……。

愕然とするジェウクを横目に、ウナは何時の間にか手にしていた着火済みのライターを投擲する。
それは狙い違わず「エンジェル」に届く。
「エンジェル」はあっという間に劫火に包まれた。

「ああああああああああああ、くそっ、くそっ!!」
人形に続き「エンジェル」までもが破壊され、ジェウクは憤激。
もはや許せぬとばかりにウナの首を絞める。

ぐったりと力尽きた様子のウナ。
その目にジェウク越しに迫る「エンジェル」の姿。
「エンジェル」はジェウクの背中に触れると止まった。

同時にジェウクが仰向けに仰け反る。
その胸からは「エンジェル」の骨格が突き出ていた。
炎により釣り糸が切れた「エンジェル」が自由落下しジェウクに突き刺さったのだ。

倒れ込むジェウク。
既に息は無い。

「起きなさいよ。何で(こんな簡単に)死ぬのよ」
絶命したジェウクを揺さぶり続けるウナ。
ジェウクは彼自身の芸術作品に貫かれ何処か満足そうに見えた。
それがウナを余計に苛立たせる……。

とはいえ、こうして復讐は終わったのである。

動けないウナのもとに「ザ・ファイブ」の面々が集まって来た。
いよいよ約束の時だ。

だが、メンバーに喜びの色は無い。
デホはジェウクと死闘を繰り広げ、彼自身も負傷している。
ジョンハもジェウクにやられた傷により足を負傷している。

唯一、無傷のチョルミンはウナを殺す注射器を手に躊躇していた。
そんなチョルミンの手からウナが注射器を奪い、胸に刺す。

「ああああああああっ、駄目だぁ、駄目だぁっ」
叫びながらウナの手から注射器を取り戻すチョルミン。
だが、薬液は既にウナの体内に流れ込んだ後であった。

急速に意識を失うウナ。
「やっと、家に帰ることが……」
それが、この長い戦いを終えた彼女の最後の言葉だった。
メンバーたちはその壮絶な死を悼み、すすり泣く。

そして、長い月日が流れた。

移植手術の後、チョルミンの娘は驚異的な回復を見せた。
今は元気に走り回っている。

デホの妻も回復し、今は彼の子供を妊娠している。
デホは煙草を止めることにした。

ジョンハの母も回復し、ジョンハは親孝行に忙しい。

すべてはウナの願いが為した奇跡なのかもしれない―――エンド。

<感想>

その衝撃は映像でしか伝わらない!!
そう断言出来るほどの衝撃作。
ともかく「凄い」の一言。

それが本作「ザ・ファイブ −選ばれた復讐者−」。
2013年の韓国作品でヒロインは「私の名前はキム・サムスン」など幅広い役をこなす名女優キム・ソナ。

ジャンル的にはサスペンス作品。
なんでもWEBコミックが原作とのことだけあって内容は過激かつセンセーショナル。
それでいてインパクトのみならず深さも備えている。

あらすじについては「ネタバレあらすじ」をご覧頂きたいが、まず特筆すべきは導入部。
キム・ソナ演じるウナの家庭が災害としか言いようのない男により崩壊に追いやられてしまう。
其処に特段の理由は無い。
偶然にもウナの娘・ガヨンが男の秘密の一端をそれと知らずに掴んでしまったことが原因である。
この不条理。

そして、復讐に目覚めたウナによるチーム結成の経緯。
不条理(犯人)に立ち向かおうとするウナだが、さらなる不条理(怠慢や欺瞞)に襲われそれすら叶わない。
そんな中、方向性こそ異なるものの、病というこれまた不条理と戦う人々と出会う。
最初こそは報酬をちらつかせ協力させるのだが、その内に共に不条理と戦う仲間として連帯感が芽生え同志となる。
この流れが秀逸。

其処から不条理(犯人)に一致団結して立ち向かう。
傷付き倒れつつも、遂に不条理を破るのだが……この不条理を討ったのも、また世の不条理だった。
あの結末は因果応報と捉えるべきだが、その応報があの時点まで働かないこと自体が不条理である。
そして、「何で(こんな簡単に)死ぬのよ」と叫ぶウナ。
その言葉には「楽には死なせない」との復讐心以外にも世の不条理への憤りが表現されているのだ。

このように、とかく本作は不条理と戦う人々がテーマとなった作品。

世の不条理に鬱屈とした気持ちを抱えている方。
この作品はそんな方への応援歌とも言えるに違いない。
是非、視聴して欲しい。

それにしても、この作品は日本でも映像化されないだろうか。
その際、チョルミン役は正名僕蔵さんだとイメージに合致するなぁ。

ちなみに、ネタバレあらすじはかなり改変しています。
是非、本作そのものを視聴するべし!!

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