「金田一少年の事件簿R」第5弾は「蟻地獄壕殺人事件」!!
心理実験を舞台に事件が……
【「蟻地獄壕殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
馬江田準樹:西東大学心理学部教授。実験の主催者。
巳月七生:高校2年生。赤色
祝木桐彦:大学4年生。オレンジ色
彩世泉:大学3年生。ベージュ
華形拓人:大学2年生。黄色
舞谷かえで:大学2年生。エメラルドグリーン
蜂倉柊太:大学3年生。灰色
司吉里子:高校3年生。黒色
草薙蓮:1年前に溺死体で発見された人物。
いつき陽介:フリーライター、何かと金田一と繋がりのある人物。
マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼っているふくろう。
<あらすじ>
・前回はこちら。
【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
取り敢えず「蟻地獄壕殺人事件」の部屋割りは次の順となっている。
東ブロック(東から西の順):空室、馬江田、空室、金田一、巳月、空室、彩世、美雪。
西ブロック(東から西の順):いつき、華形、蜂倉、祝木、空室、司、空室、舞谷。
以上の16室があり、2部屋ずつが合流する点には小広間が存在。
その小広間同士が合流する点にも別の小広間がある。
これを繰り返しつつ中央にある大広間へと続いている。
いわば、トーナメント表のような作りなのだ。
此の点を踏まえて本編スタート!!
西ブロックに居た華形のバイタルに異常を計測した馬江田は、華形の部屋に一番近いいつきに確認を依頼することに。
ところが、華形の部屋は無人であった。
いつきは馬江田に合流すべく中央の大広間へと向かうのだが……。
部屋から2つ目の小広間(彩世泉の遺体がある部屋)前で思わぬ足止めを喰らうことに。
どうも、小広間の内側から施錠されているようなのだ。
これでは動けない。
この報を聞いた馬江田は小広間の内側から解錠すべく東ブロックへ向け出発。
ところが、馬江田自身も部屋から2つ先の小広間にて動けなくなってしまった。
この小広間も内側から施錠されていたのだ。
突破するにはこれも内側から解錠して貰うしかない。
其処で馬江田は解錠可能であり直近の部屋である金田一を呼び出す。
呼び出された金田一は内側から解錠し、馬江田と合流を果たす。
ところが、今度は小広間の大広間側出口が開かない。
大広間側から施錠されているのだ。
馬江田と金田一は美雪と巳月を呼び出し、外側から解錠して貰う。
此処で4人が合流した。
大広間を抜け、西ブロックへ。
辿り着いたのはいつきが立ち往生している泉の遺体が置かれた小広間前だ。
ところが、こちらもいつき同様に内側から施錠されていた。
当然、中には入れない。
これが解錠可能なのは蜂倉と祝木の2人のみ。
連絡を取り内側から解錠して貰うこととなった。
ところが、その途中が騒がしい。
どうやら、蜂倉と祝木の部屋に繋がる小広間に何かがあったようだ。
そうこうしている内に、蜂倉と祝木が小広間(泉の遺体がある)の内側から鍵を開けた。
此処で2人が1つ前の小広間に華形の遺体があったことを告げる。
いつきも加わり、慌てて、その場へ駆け付ける金田一と馬江田たち。
すると、蜂倉と祝木が述べた通りの華形の遺体を其処に発見する。
危険を感じた馬江田は未だ合流していない司と舞谷に連絡を入れる。
まずは司。
ところが、司は「怖いので出たくない」と部屋に籠ることを宣言してしまう。
残るは舞谷。
こちらは呼びかけに応じ、華形の遺体のもとへ駆け付ける。
取り敢えず、司を除く生存者が集まった。
馬江田たちは現状で犯行可能な者を絞り込もうとする。
それは余りにも明白であった。
馬江田は施錠した扉に阻まれていた。
金田一も同様。
美雪と巳月も同じ。
いつきも同じ。
司と舞谷も同様だ。
この状況下で何の拘束もなく犯行が可能なのは……蜂倉と祝木しかいない。
蜂倉と祝木は互いに互いを疑い、罵り合う。
険悪な雰囲気に互いの部屋を離してはどうかとの提案が為された。
これに舞谷は「いっそのことブロックを分けるべきだ」と主張。
結果、蜂倉が金田一と部屋を交代することとなった。
金田一はと言えば、これ以上の悲劇を防ぐことを「ジッチャンの名にかけて」と宣言する―――6話に続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第5弾は「蟻地獄城殺人事件」……ではなく「蟻地獄壕殺人事件」です!!
どうやらタイトルが「蟻地獄城」から「蟻地獄壕」へと変更になった様子。
「城」ではなく「壕」であることに深い意味があるのだろうか。
だとすれば「蟻の巣」状の連結構造(トーナメント表)に何かありそうだが……。
そんな「蟻地獄壕殺人事件」の第5話。
なんとも不思議な事態に。
何故か、犯人はあちこちの小広間を施錠して回っていました。
そもそも、この犯人は遺体をあちこちに運ぶし、小広間を施錠して回るし、パワフルな上にアクティブ。
壕内をうろうろしていて目撃されたら完全に怪しい人とされてしまう……これはかなりリスキーな行動だ。
にも関わらず、犯人はそんな行動を取った。
そのリスクを負ってまで行った「小広間を施錠して回る」との行動に意味があるとすれば、それは「犯人自身が容疑圏外へ逃れる為」しかありえない。
すなわち、其処にはトリックが存在しており、蜂倉と祝木は犯人ではない。
だとすれば、このトリックは何か。
此処で思い起こして欲しいのが、犯人のもう1つのリスキーな行動である「やたら遺体を動かしている」こと。
この遺体移動にも意味がある筈。
となると……ほら、見えて来た。
今回、蜂倉と祝木に容疑が向けられた理由は何だったか。
それは泉の遺体がある小広間が内側から施錠されていたから。
つまり、彼ら以外に小広間を内側から施錠することが出来れば良い。
ちなみに、この小広間の錠は糸では工作不可能であることが既に示されており内側からの施錠しかあり得ない。
でもって、泉殺害前と殺害後とでこの小広間にどのような変化が起こったか。
泉の遺体が安置されたのだ。
しかも、ご丁寧に毛布で遺体が確認出来ない状況で。
こうなると、もう答えは1つだろう。
犯人は泉の遺体と共に毛布に隠れて、金田一たちをやり過ごすことが出来た人物になる。
その人物は金田一たちが小広間を通過後にこっそりと抜け出したのだろう。
これが可能なのは誰か。
金田一と美雪は犯人ではない。
馬江田と巳月は金田一たちと同行していたので犯人ではない。
いつきは糸で工作不可能である以上、犯人ではない。
蜂倉と祝木はこのトリックを行う必要が無いから犯人ではない。
可能なのは司と舞谷の2人だ。
さて、いずれが犯人か。
メタ的に見れば、2話時点で司が自室に籠った後に大広間で黒い影が何やら想いを巡らす描写がある。
これに従えば司が消える。
残ったのは……舞谷だ。
現状、舞谷が犯人である可能性は非常に高い。
また、4話の描写から司の部屋に繋がる小広間が外から施錠可能であることも判明している。
あの描写が差し挟まれたことに意味があるとすれば、やはり舞谷犯人説に繋がるのではないか。
舞谷としてみれば自身が行動するにあたり、もっとも近くの部屋に居る司に目撃されることは避けたい。
だとすれば、あの小広間を施錠し行動を封殺したと思われる。
実際は、司は部屋に籠ってしまった為に無意味となったこの行動が後程になってクローズアップされることで犯人指摘に繋がるかもしれない。
いずれにしろ、舞谷犯人説を推して行きたく思う。
これにより、2話時点で推理したトリックは残念ながら消えたか。
さて、こうなると舞谷が提案した蜂倉と金田一の部屋交代が物凄くきな臭くなる。
4話の華形の発言により、祝木が次なる犯人のターゲットであることは判明している。
此の点に注目して行くべきだろう。
そう言えば……舞谷が犯人として華形の部屋にどうやって忍び込めたのかが謎だ。
此の点も含めて次回以降に注目!!
ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。
そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
・綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?
◆「蟻地獄壕殺人事件」関連過去記事
・「蟻地獄壕殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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・「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
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