2015年02月13日

【あの人が参戦!!】「蟻地獄壕殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【あの人が参戦!!】「蟻地獄壕殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第5弾は「蟻地獄壕殺人事件」!!
心理実験を舞台に事件が……


【「蟻地獄壕殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

馬江田準樹:西東大学心理学部教授。実験の主催者。
巳月七生:高校2年生。赤色
祝木桐彦:大学4年生。オレンジ色
彩世泉:大学3年生。ベージュ
華形拓人:大学2年生。黄色
舞谷かえで:大学2年生。エメラルドグリーン
蜂倉柊太:大学3年生。灰色
司吉里子:高校3年生。黒色

草薙蓮:1年前に溺死体で発見された人物。

いつき陽介:フリーライター、何かと金田一と繋がりのある人物。
高遠遙一:「地獄の傀儡師」として知られる金田一少年の宿敵。

マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼っているふくろう。

<あらすじ>

・前回はこちら。
【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

取り敢えず「蟻地獄壕殺人事件」の部屋割りは次の順となっている。

東ブロック(東から西の順):空室、馬江田、空室、蜂倉(金田一と交代)、巳月、空室、彩世、美雪。
西ブロック(東から西の順):いつき、華形、金田一(蜂倉と交代)、祝木、空室、司、空室、舞谷。

以上の16室があり、2部屋ずつが合流する点には小広間が存在。
その小広間同士が合流する点にも別の小広間がある。
これを繰り返しつつ中央にある大広間へと続いている。
いわば、トーナメント表のような作りなのだ。

此の点を踏まえて本編スタート!!

泉に続き、華形までもが殺害された。
金田一は「蟻地獄壕」での実験そのものに違和感を抱くように。
其処で、参加者で旧知でもあるいつきに馬江田へ実験の本当の狙いを確認するよう依頼する。

その間、金田一は美雪に「今回の事件が全て仕組まれているようだ」と口にする。
さらに、華形殺害における小広間の施錠自体に何か意味がある筈と述べるが……。
金田一によれば、それこそ「殺人プロトコル」らしい。

暫くして、いつきが金田一に合流。
戻って来たいつきの報告は衝撃的な内容であった。

まず、この実験を主導したのは馬江田ではなかったのだ。
馬江田はあくまで依頼者から金で仕事を引き受けたに過ぎないらしい。
なんでも、馬江田には借金があり、この実験に協力してくれれば報酬を支払うと約束されたそうである。

その実験の依頼者こそ「色彩心理ラボ」。
馬江田によれば「蟻地獄壕」を実験場にすることから参加者の人数、果ては参加させるメンバーの特徴まで指定されていたらしい。
しかも、必ずいつきを参加者に加えるようにと指示があったそうなのだ。

いつきの参加に、メンバーの特徴を指定していたこと。
これらは恣意的に金田一を参加者に加えることを可能にしていた。
すなわち、「色彩心理ラボ」の責任者が金田一を招いたことに他ならない。

此処に金田一はある人物の名を思い浮かべる。
それは「色彩心理ラボ」を名乗った人物の正体だ。

その名は―――金田一の宿敵にして「地獄の傀儡師」こと高遠遙一である!!

その頃、当の高遠は同じ「蟻地獄壕」にて金田一が自身の関与に気付いたであろうことを察していた。
どうやら、高遠はある目的の為に敢えて金田一を巻き込んだようだが―――7話に続く。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第5弾は「蟻地獄城殺人事件」……ではなく「蟻地獄壕殺人事件」です!!

どうやらタイトルが「蟻地獄城」から「蟻地獄壕」へと変更になった様子。
「城」ではなく「壕」であることに深い意味があるのだろうか。
だとすれば「蟻の巣」状の連結構造(トーナメント表)に何かありそうだが……。

そんな「蟻地獄壕殺人事件」の第6話。

遂に黒幕の正体が判明。
その名は「地獄の傀儡師・高遠遙一」。
どうやら、今回も高遠が用意した犯罪となる様子。

ちなみに、新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。

さて、此処で本編の内容に話を戻して。
気になるのは金田一少年が口にした「殺人プロトコル」の正体。
「プロトコル」の意味は「対象となる事項を確実に実行する為の手順」のこと。
いわば今回の犯行が「手筈通りに進められている」ことに他ならない。
つまり、泉と華形の殺害もそれ単体で完結しているワケではなく、次なる犯行の下ごしらえに過ぎないとの意味であろう。
これは泉と華形殺害により次の祝木殺害の準備がある程度整ったことを指している。

具体的に泉と華形が殺害されたことで何が変化したか。

・毛布をかけられた泉の遺体が小広間に放置。
・毛布をかけられた華形の遺体が小広間に放置。
・金田一と蜂倉の部屋が交換された。
・小広間ごとに施錠されているとの刷り込みが為された。

これくらいか。
注目したいのは泉と華形の遺体が小広間に放置されている状態であること。
これにより、金田一と祝木の部屋から大広間まで向かうには遺体が置かれた小広間を2つ経由しなければならないこととなっている。
犯人の狙いはまさに此処であろう。
だからこそ、わざわざ遺体を移動させたのだ(読者視点では泉と華形共に自室内で殺害されたことは判明している)。

だとすると……次の祝木の遺体も移動されるのかどうかが気になる。
これまで同様に遺体移動することで効果を発揮するトリックなのか。
それとも、これまでの泉と華形の遺体2つで成立するトリックなのか。

此の点でトリックの内容が異なって来る可能性がある。
ただ、前回述べた通り華形殺害時に既にトリックと思しき物が使用されており、おそらくこれの延長線上にあるトリックが使用されると思われるのだが……。
詳しくは5話の過去記事をどうぞ!!

【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

ただ、高遠の関与が明らかになったことで「蟻地獄壕」自体の構造にも目を向ける必要があると思う。
こうなると、2話時点で検討した「泉の部屋は東ブロックに見せかけて西ブロックの地下にあるよ説」をさらに進めて「蟻地獄壕自体が平屋に見せかけて東ブロックと西ブロックが地階と1階の2層になってるよ説」も活きて来るかもしれない。

いずれにしろ、今のところは舞谷犯人説を推す。
そう言えば……舞谷が犯人として華形の部屋にどうやって忍び込めたのかが謎だ。
此の点も含めて次回以降に注目!!

ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。

そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!

綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?

◆「蟻地獄壕殺人事件」関連過去記事
「蟻地獄壕殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ

「金田一少年の事件簿R(1) (講談社コミックス)」です!!
金田一少年の事件簿R(1) (講談社コミックス)





こちらはキンドル版「金田一少年の事件簿R(1)」です!!
金田一少年の事件簿R(1)





「金田一少年の事件簿R(2) (講談社コミックス)」です!!
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「金田一少年の事件簿R(3) (週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿R(3) (週刊少年マガジンKC)





「金田一少年の事件簿R(4) (週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿R(4) (週刊少年マガジンKC)





「金田一少年の1泊2日小旅行(1) (講談社コミックス)」です!!
金田一少年の1泊2日小旅行(1) (講談社コミックス)





こちらはアニメ版サウンドトラック!!
「金田一少年の事件簿R オリジナルサウンドトラック」です!!
金田一少年の事件簿R オリジナルサウンドトラック





「高遠少年の事件簿 (少年マガジンコミックス)」です!!
高遠少年の事件簿 (少年マガジンコミックス)





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こちらはゲーム。「金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海」です!!
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シリーズの1つ「金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(上)(週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(上)(週刊少年マガジンKC)





「金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(下)(週刊少年マガジンKC)」です!!
金田一少年の事件簿 錬金術殺人事件(下)(週刊少年マガジンKC)





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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。


◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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「三億円事件奇譚 モンタージュ」第192話「終熄」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第192話「終熄」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<東京篇のあらすじ>

北海道編終盤にて未来と異なる道を選んだ大和。
1人東京へ向かい、欽一、泰成と共に沢田と対峙することに。
だが、軽く一蹴されてしまう。

傷心の泰成はいずこかへと姿を消す。
一方、沢田の権力を諦めきれない欽一は葉子を利用しようと目論む。
大和はと言えば、そんな欽一の行動を知り、未来たちを守るべく邪魔者全員を排除しようと決意する。

そんな中、未来は水原の死を知り東京へ。
真玉橋もまた真実を追うべく東京へと向かう。

一方、遂に大和と欽一、二郎が対決。
大和は欽一を破るも二郎に敗北する。
しかし、此処で欽一が錯乱し二郎と相討ちに。
残された大和は駆け付けた沢田により雄大が軍艦島に居ると知らされ長崎へ戻ることに。

東京に残った沢田はすべてを打ち明ける会見を行う。
だが、直後に泰成に射殺されてしまう。
当の泰成も逮捕される。

残された大和は発端の地・軍艦島にて雄大と対峙する。
雄大から過去の真実を聞き出した大和は満足すると共に死を選ぶ。
これを止めようとする雄大だが、彼の命の火は病により既に途絶えていた……。

いよいよ、最終章!!
さまざまな思惑が入り乱れる事件の結末は―――。

<192話あらすじ>

軍艦島の一画に、血の海に沈んだ大和と雄大の姿を発見した未来。
ヘリから急ぎ降りると真玉橋と共に駆け寄ることに。
しかし、大和は意識を失った状態であった。

そして、未来にとって波乱の夏休みが終わった―――。

新学期が始まり、未来は孤独の渦中にあった。
クラスメートの好奇の目線に曝され、囁かれるのは厳しい批判と根拠のない誹謗中傷ばかりである。

大和の父・雄大が三億円事件の犯人であったこと。
そんな親子と未来が共に暮らしていたこと。
だったら、未来はその三億円で育ったのではないか。
そもそも、そんな男と一緒に生活するのはどうなのか。
ヒソヒソ、ゴソゴソ。

そのすべてに反論したい未来だが、それをグッと堪える。
それだけの成長を未来は遂げていたのだ。

放課後、未来のもとを真玉橋が訪れた。
未来の現状を心配したのである。
そんな真玉橋に未来は礼を述べつつ、大丈夫と強がる。
これを見抜けない真玉橋では無い。
未来の成長を眩しく見守りつつ、唯一の救い大和の生存に想いを馳せる……。

そう、大和は一命を取り留めていた。
だが、あれ以来、未だに目を覚ましていなかった。

……と、其処に大和が入院していた病院から連絡が入る。
どうやら、大和が目を覚ましたらしい。
朗報に喜ぶ未来を連れて真玉橋は病院へと急ぐ。

だが、辿り着いてみるとどうにも様子がおかしい。
どこか騒々しいのだ。

一路、大和の病室へと駆け込む未来。
其処でその理由を知ることに。

ベッドはもぬけの殻であった。
大和は意識を取り戻すなり、未だ癒えぬ身体を抱え姿を消したのだ。

未来から笑顔が消えた。
次いで、未来は床に跪いた……。

一方、病院を抜け出した大和はふらふらと夜の闇に消えて行く―――193話に続く。

<感想>


次回最終話、病院を抜け出した大和はどうなる!?


新章「軍艦島編」第19回です。
サブタイトルは「終熄」。

その意味は「終結、終焉」を示します。
すなわち、大和と未来が巻き込まれた事件は今回を以て完全に終息を迎えることに。
残された次回はあくまでアフターエピソード(後日談)となりそうです。

さて、気になるのはこの後日談。
可能性は2つ。

1つ目、冒頭時間経過無し。消えた大和を未来が発見しハッピーエンド。
2つ目、冒頭から数年後に移動。大和が雄大と同じ立場になり遠くから未来を見守るエンド。

さて、いずれのエンドになるのか。
ただ、いずれにしろ180話「波濤」にて大和は未来と関係を持っており、ラストはこれに関わるものとなる筈。

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第180話「波濤」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

1つ目の場合ならば「大和も加えて赤ん坊を抱く未来たち一家」でラスト。
2つ目の場合ならば「赤ん坊を抱える未来を遠巻きに眺める大和」でラスト。

如何なるラストになるか……注目です。
そして後日談と言えば、夏美、泰成、土門あきら、響子とハリー、ケニーとキャサリン、小柳翔太と茜、美佐子ら、これまでの登場人物たちのその後も気になる。
すべては次回明らかに、見逃すな!!

此処で本作に纏わる謎が明かされた各回のメモ。

176話:横溝の死の謎が判明。
179話:武雄出生の秘密が判明。
184話:雄大が三億円事件を起こした動機が判明。
189話:鳴海鉄也誕生の経緯が判明。
190話:大和の母判明。

此処で登場人物たちの現状をまとめておきましょう。

沢田:雄大との間は決着。三億円事件について記者会見を行うも泰成に射殺される。
雄大:沢田、大和との間は決着。軍艦島で病没。
大和:長崎へ帰還。雄大と対決後に自決を図るも一命を取り留め姿を消す。
欽一:大和と対決するも完敗。錯乱し夏美を盾にするも二郎により死す。
二郎:決戦の場へ到着。大和を追い込むも夏美を人質に取られ欽一と対峙。欽一から夏美を守り死亡。
夏美:決戦の場へ到着。欽一に人質に取られる。関口兄弟の終焉を看取ることに……。
未来:沢田の最期を見届け長崎へ。大和の真意を悟り軍艦島へ。日常に戻る。
真玉橋:未来と共に沢田の最期を見届け長崎へ。軍艦島へ。日常へ戻る。
武雄&葉子:島袋に保護され、長崎へ。日常へ戻る。
泰成:復讐が無為だったと諭され傷心するも、記者会見場の衆人環視の中で沢田を射殺し逮捕される。

でもって、仮説に代わりこれまでの「作中の出来事」をまとめておきます。
良ければ参考までに。

<<作中の出来事まとめ>>

1960年、雄大と沢田は軍艦島に生活。
ところが美佐子が正当防衛の殺人を犯す。
これにより、沢田は世の中に秩序が必要と考える。
沢田、上京し刑事の道を志す。

数年後、雄大が長崎から上京し竜と出会う。
同じ頃、沢田とも再会。

雄大、和子と出会う。
和子が妊娠するが事故死(暴徒鎮圧に巻き込まれる)。
子供(武雄)は無事出産するが親権は得られず武雄は施設へ。
雄大、自暴自棄になる。

そんな雄大の様子を見かねた沢田。
雄大の発案により過激派の一掃を画策、須黒に承認を得る。

雄大、沢田に協力し竜、響子、横溝と共に3億円事件を起こす。
沢田の目的はこの捜査を口実にローラー作戦を行う為。
雄大の目的は和子殺害に関わった暴徒に復讐すること。

ところが、須黒が雄大と竜の口封じを図る。
沢田は雄大たちを庇おうとするも、竜が瀕死の重傷に。
死を覚悟した竜が須黒を道連れに死亡。

雄大は竜を巻き込んだことを後悔、関係者を陰ながら守るべく整形し鳴海鉄也となる。
雄大、沖縄で鉄也として響子を見守る。

関口弘美が出産した沢田の娘・葉子が施設へ。
数年後、沢田が関口兄弟と出会いこれを引き取る。

十数年後、葉子が武雄の存在を知り接近するも、これと本気の恋に落ちる。
武雄と葉子、結婚。
未来生まれる。

同じ頃、雄大が鉄也として長崎へ移住し武雄たちに接近。
武雄を介して恵里と知り合い、これに惹かれて結婚する。

2年後、大和生まれる。

十数年後、横溝が鈴木により資金難に陥る。
雄大に分け前を要求するも断られ事故死。
この死が発端となり、東海林が再捜査を開始。

並行して関口兄弟が雄大を危険視し排除に動く。
沢田と雄大密会するも、雄大偽装死。
同時に鉄也から雄大に戻る。

一方、東海林は真相に迫り二郎に口封じされる(1話での出来事)。

<<終わり>>

こんな感じだろうか?

さて、以前から映像化が予告されていた「三億円事件奇譚モンタージュ」ですが、その詳細が少し明らかになりました。

【朗報】渡辺潤先生「三億円事件奇譚 モンタージュ」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)遂に映像化!!

フジテレビ系列にてドラマ化だそうです。
放送時期や、単発のSPドラマか連続ドラマなのかまでは不明。
とはいえ、本作の内容的に単発でのドラマ化は不可能、連続ドラマが予想されます。
また、2015年1月時点で放送時期が明かされていないところを見ると、早くとも2015年夏以降の放送が予想されますが、果たして……。
いずれにしろ、楽しみです!!

とりあえず、今回はここまで。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
193話に期待です!!

ちなみに「三億円事件奇譚 モンタージュ」最新第18巻も発売。
購入希望者は本記事下部のアマゾンさんリンクから是非!!

◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

「三億円事件奇譚 モンタージュ」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)第1話から第180話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第181話「横溢」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第182話「再燃」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第183話「禍福」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第184話「常闇」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第185話「暗涙」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第186話「一葉」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第187話「決行」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第188話「咆哮」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第189話「生存」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第190話「母親」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「三億円事件奇譚 モンタージュ」第191話「思慕」(講談社『週刊ヤングマガジン』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

◆登場人物一覧

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
小田切武雄:未来の父、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
小田切葉子:未来の母、突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。
伊藤恵里:大和の母で故人。190話の回想にて登場。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せていたが……。104話にて横溝保の息子と判明。
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。146話にて死亡が確認される。
夏美:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。14話より登場。

土門:過去編の土門その人。足を洗い東海林とは友情を築いていた。47話時点では既に死亡している、病死らしい。享年70歳。
土門あきら:46話で登場した土門の孫娘。未来より1つ年下の17歳。

響子:現代編の響子。沖縄にてバーを経営していた。80話より登場。
キャサリン:響子が経営するバーの女給。81話より登場。

ハリー・スタンレー:元海兵の幹部。現在ではヘリコプター会社を営む。95話より登場。
ケニー:現役の海兵。キャサリンに想いを寄せる。

関口二郎:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う。172話で壮絶な死を遂げる。
眼鏡男:関口に指示を与えている男、どうも謎の男と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。172話で落命。

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……。176話で泰成により命を落とす。
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。関口に指示を与える人物と同一人物らしい(42話)。88話にて関口の双子の兄・欽一と判明。172話で落命。
桜井:沢田の部下で黒子の多さが特徴的な男。167話より登場するも171話で命を落とす。
美佐子:沢田の初恋の人で「四季荘」の女将。

松葉杖の男:30話で登場、小田切家を訪ねたシルエットの人物。48話で川崎雄大と判明。

朝霧:46話で登場、沢田の部下らしい。45話で石川を殺害したのは彼。64話で関口に殺害される。

小柳翔太:61話で登場、負傷した大和と水原を助けた。以後、大和と行動を共にする。
茜:61話で名前のみ登場、翔太の彼女で社会人らしい。69話で大和たちを匿う。

真玉橋:ホスト風の男性だが実は警部だった。フェリーにて大和たちと乗り合わせる。
鈴木:泰成の義父。どうにも行動が腹黒い男。105話で死亡する。
関口弘美:沢田と親しいらしい関口兄弟の養母。過去編で沢田が出入りしていた風俗店の店員か?
島袋:沖縄編で登場した刑事。真玉橋の部下。
亀井:県警本部長、それと知らず沢田に情報を提供した。149話に登場。

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった。実は過去篇の東海林。
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。
夏美の母:関口と男女の関係にある。
水原の祖母:44話より登場。その自宅は東京での大和たちの活動拠点となっている。
石川:東海林の同僚、45話にて登場。同話にて朝霧に口封じされてしまう。
東海林の息子:45話にて登場。東海林の一人息子だが東海林とは折り合いが悪かったらしい。
高野:65話で登場。関口に協力し証拠を隠滅した。69話で関口に殺害される。
高田:128話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組のリーダー格。
シゲキ:129話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組の1人。ロンゲ。
トシオ:129話で登場。北海道の沢田の別荘に居た3人組の1人。メカ担当。
石井:162話で登場。テレビ局のプロデューサー。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話にて登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を持っていた。後に1話で殺害された老刑事が彼と判明(37話)。
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

健:真理のヒモ、関口兄弟を虐待する。後に関口兄弟に殺害される。89話より登場。
真理:関口兄弟を拾った人物、健の恋人。健同様、関口兄弟に殺害される。89話より登場。

須黒:当時の公安課刑事。強引ながらもかなりのやり手。108話より登場。

ジョージ・スタンレー:ハリーの父。裏社会と繋がり暗躍していたらしい。107話より登場。
ハリー・スタンレー:若かりし日のハリー。当時から響子を知っていた。

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