「金田一少年の事件簿R」第5弾は「蟻地獄壕殺人事件」!!
心理実験を舞台に事件が……
【「蟻地獄壕殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
馬江田準樹:西東大学心理学部教授。実験の主催者。
巳月七生:高校2年生。赤色
祝木桐彦:大学4年生。オレンジ色
彩世泉:大学3年生。ベージュ
華形拓人:大学2年生。黄色
舞谷かえで:大学2年生。エメラルドグリーン
蜂倉柊太:大学3年生。灰色
司吉里子:高校3年生。黒色
草薙蓮:1年前に溺死体で発見された人物。
いつき陽介:フリーライター、何かと金田一と繋がりのある人物。
高遠遙一:「地獄の傀儡師」として知られる金田一少年の宿敵。
マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼っているふくろう。
<あらすじ>
・前回はこちら。
【あの人が参戦!!】「蟻地獄壕殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
取り敢えず「蟻地獄壕殺人事件」の部屋割りは次の順となっている。
東ブロック(東から西の順):空室、馬江田、空室、蜂倉(金田一と交代)、巳月、空室、彩世、美雪。
西ブロック(東から西の順):いつき、華形、金田一(蜂倉と交代)祝木、空室、司、空室、舞谷。
以上の16室があり、2部屋ずつが合流する点には小広間が存在。
その小広間同士が合流する点にも別の小広間がある。
これを繰り返しつつ中央にある大広間へと続いている。
いわば、トーナメント表のような作りなのだ。
此の点を踏まえて本編スタート!!
「地獄の傀儡師」こと高遠が事件に関与していた。
この事実は金田一たちを震撼させた。
尚更の事、事件解明の必要性を感じ取った金田一は急ぎ推理を進める。
まず、色彩心理テストが与えた影響が各人を部屋に引き籠らせたと断定する。
各人のトラウマを刺激することで動きを鈍らせていたらしい。
と、其処で蜂倉のバイタルサインが異常を計測。
突如として警報音を響かせる。
慌てて確認すると、蜂倉が誤ってバイタルリストを外してしまったとのこと。
どうやら、過失だったらしい。
ほっと安堵の溜息を吐く金田一たち。
ふと、バイタルサインのデータ画面を眺めた金田一はあることに気付く。
其処には泉殺害時と華形殺害時の前後におけるそれぞれのバイタルサインが示されていた……。
これに犯人は「あの人だ」と確信した金田一は物的証拠を求めて司の部屋の前の小広間へ。
金田一は錠から指紋を採取し、更なる確証を得た。
その夜、大広間では食事が行われた。
逸早く席を立った舞谷かえで。
後を追うように金田一も席を離れる。
それから数十分後、祝木が自室へ戻ろうとしていた。
用心深い祝木は自室に繋がる小広間を全て封鎖する。
これにより、祝木の部屋、華形の遺体が眠る小広間、泉の遺体が眠る小広間の3部屋以外は完全に遮断されることに。
もはや、誰もこの空間には侵入出来ない筈である。
安心した祝木は自室に戻ると高鼾をかき始める。
ところがギッチョン!!
其処に犯人が侵入し祝木殺害を試みる。
ところが、またまたギッチョン!!
そんな犯人の裏をかくように金田一までもが祝木の部屋に登場するのであった―――8話に続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第5弾は「蟻地獄城殺人事件」……ではなく「蟻地獄壕殺人事件」です!!
どうやらタイトルが「蟻地獄城」から「蟻地獄壕」へと変更になった様子。
「城」ではなく「壕」であることに深い意味があるのだろうか。
だとすれば「蟻の巣」状の連結構造(トーナメント表)に何かありそうだが……。
そんな「蟻地獄壕殺人事件」の第7話。
第3の犯行に及ぼうとした犯人を金田一が補足しました。
遮断されていた筈の祝木の部屋に犯人と金田一が何故、侵入出来たのか!?
この謎は今回における金田一の行動を追えばすぐに分かります。
まず、金田一は3つの行動を取りました。
1つ目、色彩心理により参加者が部屋に籠っていたことを指摘。
2つ目、犯行前後の参加者全員のバイタルサインを確認。
3つ目、司の部屋に直結する小広間の錠から指紋採取。
1つ目により、参加者は壕内をうろうろしない。
つまり、泉や華形たちの遺体を移動させることが可能。
2つ目により、泉と華形のバイタルと同じ数値を示していた人を発見。
つまり、犯行直後にリストを被害者から外し犯人自身が着用することで殺害時刻を誤認出来た。
3つ目により、小広間からある人物の指紋を発見。
これについては以前に触れた金田一の物以外が検出されたことが判明すれば良い。
誰の物か確認する必要は無い。
これにより、犯人が司が部屋から出て来ることを怖れ施錠していた事実が分かる。
さて、此処で勿体ぶっても仕方がないので、まずは犯人を確定させる。
2つ目により、これは舞谷かえでと断定出来る。
泉や華形と同じ数値で表示されているので。
加えて1つ目により、殺害時刻が実際と異なることも分かる。
同時に、殺害場所についても誤認の可能性が浮上し、かえでが泉と華形の遺体を動かしたことも分かる。
何故、これが必要だったかを考えた上で3つ目。
かえでは司に合流されることを怖れていたことも分かる。
それが意味するところは1つ。
かえでが泉の遺体に隠れ、全員をやり過ごしたからである。
このトリックについては5話で既に述べたので参照のこと。
同時に、かえでが司を封殺すべく施錠したことについても触れている。
・【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
で、問題の遮断された祝木の部屋にかえでと金田一が登場出来た理由。
これは先のトリックの応用であろう。
かえでが華形の遺体に隠れ、金田一が泉の遺体に隠れていたのだろう。
これはもちろん逆でも良い。
とりあえず、祝木をやり過ごし閉鎖空間の中に紛れ込むことが肝要なのだ。
どうやら、これによりかえでの犯行とその方法については解明出来たと言えそうだ。
さて、此処からはいろいろ気になった点を。
まず、金田一が後発で2つの遺体の1つに隠れたワケだが、2分の1の確率でかえでが既に隠れた遺体を引き当てた筈なのだが、その際はどうするつもりだったのかが気になる。
個人的にはかえでは祝木の部屋にほど近い華形のソレに隠れたのだろうと思うのだが……。
もしも、まかり間違えていたらなかなかな状態に陥りかねないような。
そう言えば、かえでが華形の遺体に隠れていたとすると、それより遠い泉の遺体に隠れた金田一はかえでの行動を把握出来ないのではないかとの謎も残るなぁ……。
どうなんだろ。
そもそも、かえでは華形殺害時に並行して祝木も殺害しておけば泉の遺体1つで事足りたんだよなぁ。
泉殺害と華形殺害を同日に行ったかえでが、なんで此処だけはわざわざプロセスを分けたのか?
そして、金田一と蜂倉の部屋交代にどんな意味があったのかの謎も残されてますね。
そう言えば、草薙蓮の苗字は「薙」と「凪」のどちらなのか問題もある。
今回の祝木によれば草凪で正解なのだろうか。
さらに華形に続き祝木の部屋へとあっさり侵入したかえで。
蟻地獄壕では個室に鍵は付いていないのだろうか……気になる。
でもって、高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。
さて、これらの謎について解が提示されるのか!?
此の点も含めて次回以降に注目!!
ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。
そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
・綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?
◆「蟻地獄壕殺人事件」関連過去記事
・「蟻地獄壕殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【あの人が参戦!!】「蟻地獄壕殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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・「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。