ネタバレあります、注意!!
第12話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第11話「初恋と殺人装置3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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緑川家は代々、名刑事を輩出して来た名門の家系である。
特に楓の祖父・緑川宗達は推理能力に長けた名刑事として数々の難事件を解決した。
その孫として楓は祖父を誇りに思うし、祖父に恥じない孫でありたいと望んでいる。
だから、楓は少女探偵として多くの事件を解決に導いて来たのだ。
そんな楓が「コイツは何かを隠している」と直感した相手が居る。
他ならない赤木蛍だ。
実山殺害事件に何時の間にか介入し、事件が終われば居なくなっていた。
だが、楓は覚えている。
自身が犯人に襲われた際に、蛍が助けに現れたことを。
何故、それを隠すのか。
そして、蛍は普段こそ隙だらけに見えるが、その実隙が無い。
しかも時折、中空に向けて会話しているのだ(注:相手は圭一です)。
周囲に人が居る気配はない(再び注:見えませんが圭一が居ます)。
おそらく、何者かと通信機で連絡を取り合っているのだろう(三度注:相手は圭一です)。
絶対に何かがあるのだ。
楓は蛍の秘密を暴こうと決意を固めていた……。
さて、当の蛍はと言えばそんな楓の視線をひしひしと感じ取っていた。
明らかに疑念を抱かれているようである。
蛍には探られて痛む腹は無い。
かといって、探られるのは気持ちの良い物ではない。
第一、圭一の件がある。
正直に説明することも出来るが、説明したところで信用されないだろう。
だとすれば、敢えて知らぬふりを決め込むしかない。
こうして、蛍は楓の視線を感じつつ日常生活に集中することとした。
しかし、楓が諦める様子はない。
四六時中、監視されることに……。
それは下校途中の今も続いていた。
そんな中、蛍は猫の鳴き声を気に留める。
どうにも不自然なのだ。
その声はある一方から集中して聞こえて来るようなのである。
つまり、猫が何処かに集まって鳴き声を上げていることになる。
とはいえ、蛍は楓の監視下にあり動けない。
何かあったのではないか……と考えた圭一は1人で鳴き声を追うことに。
鳴き声のもとは廃病院であった。
しかも、鳴き声を上げていた猫はすべて独眼猫である。
これは何かあったに違いない。
圭一が骸骨にうっすらと汗をかく中、2階から口笛が聞こえて来る。
慌てて駆け付けてみると、男が倒れていた。
男には既に息が無い。
どうやら刺殺されたようだ。
死後、1日以上は経過しているだろう。
周囲の様子と防御創から、2人の男が揉み合い殺人に発展したようである。
その頃、蛍はと言えば圭一が実山を助けられなかったと後悔していたことを思い出していた。
実体が無い圭一には常人よりも出来ることが増えた反面、出来ないことも増えていたのだ。
圭一が悲しむ姿を見たくないと思った蛍は力を貸すべきだと決意する。
楓の前の蛍が急に走り出した。
(撒くつもり!?にゃろ〜〜〜)
猛スピードで駆けて行く蛍を追走する楓。
だが、角を曲がったところで見失ってしまう。
一方、蛍はと言えば角を曲がり死角となった隙に塀の向こうに身を隠していた。
楓が過ぎ去ったことを確認した蛍は圭一が向かった廃病院へ。
さて、こうして合流した蛍と圭一。
死体を発見した蛍は顔を顰める。
周囲には悪臭が立ち込めていたのだ。
どうやら、被害者が死後に大便を洩らしていたらしい。
通報すべく携帯で連絡を取ろうとする蛍。
ところが……。
「あっ、あんた何を!!」
折悪しく、何をどうしたのか楓がその場に駆け付けてしまう―――次話に続く。
いよいよ始まった蛍と圭一の奇妙な相棒物語。
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
さて、その12話。
サブタイは「探偵女と病院と殺人」。
というワケで「探偵女」こと楓に加え「病院」での「殺人」発覚と相成りました。
まずは緑川楓。
名刑事を輩出する家柄の末裔とのこと。
刑事になる為に少女探偵として修行中といったところか。
そんな楓に「只者ではない」と疑惑を抱かれた蛍。
果たして、どうなるのか!?
名探偵を目指す楓にとって事件を発掘する蛍の能力は貴重なもの。
なにしろ、飛躍的に手掛けられる案件の数が増える。
楓としては蛍の能力を欲する筈、これで仲間になりそうな感じか。
とはいえ、気になるのは圭一のこと。
これを明かすことなど出来る筈もない。
あくまで蛍の能力として楓に納得させるのかなぁ。
もしかすると「実は蛍も探偵を志している」と思わせて楓に探偵仲間として認められるパターンもありか。
あるいは「同業を志すライバル」となるか。
いずれにしろ、まずは楓に「蛍が探偵志望である」と思わせ、ピンチを乗り切る展開になりそうではあるが。
これにより、今後は楓経由で事件が舞い込んだり導入部など展開の幅も広がる……か。
あるいは楓も含めて蛍、圭一とのトリオになるのか。
此の点も注目ですね。
いろいろ、展開自体が妄想出来るなぁ……気になる。
そして病院での殺人発覚。
問題は圭一の検死能力が何処まで信用出来るかだな。
蛍の指摘もあったが、圭一は死者であるが為に嗅覚が効かないらしい。
圭一経由の視覚情報は信頼出来るが、その他の情報の信憑性は今後のポイントになるかもしれない。
それと被害者が大便を洩らしていたことも気になる。
通常のパターンだと糞尿を洩らすのは絞殺の特徴。
刺殺でも括約筋が緩むことで洩らすこともあるそうだが、今回がこれに該当するか。
それ如何で防御創も含め意外な展開に繋がるかもしれない。
なにしろ、場所が廃病院だし。
此の点も注目。
次回も見逃すなかれ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第10話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第11話「初恋と殺人装置3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
獣を連れた男:圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。