2015年03月11日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第93話「自白」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第93話「自白」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

蒲生夏喜:強盗殺人の被疑者。
植野真理子:蒲生の弁護士。
流木:被害者。森羅の知人。

<93話あらすじ>

流木への強盗殺人容疑で逮捕された男・蒲生夏喜が罪を認める自白を始めた。
ところが、奇妙なことに蒲生は「自分はやっていないが罪は認める」と主張していた。
蒲生の弁護士であった植野真理子はこの奇妙な自白に頭を抱える。

一方、被害者である流木と蝶マニアとして知人だった森羅は蒲生の主張を聞くや真実を明らかにすると動き出した。

そもそもの事件は次の通りである。

その日、流木は体調を崩し早めに帰宅した。
流木には妻と小学生になる息子が居たが、妻はパート、息子は学校で留守だった。
1人家に居た流木は蝶の標本を眺めていた。

其処に流木の在宅を知らなかった蒲生が盗みに入り発見された。
蒲生は流木をリビングで痛めつけ、その隙に屋内を物色。
其処で6万円を盗み出した。

その後、流木が玄関前で刺殺体で発見された。
凶器は流木宅で使用されていた包丁。
玄関前では格闘の痕跡が残されており、包丁が床に突き刺さった跡や金属製の傘立てが転がっていた。
流木の息子は飼育係で難を逃れたが、係が無ければ下校時と重なり被害を受けていた可能性もあったと言う。

さて、此処から検察側と弁護側で主張が異なる。

まずは検察側だ。

蒲生は台所で6万円を盗み出し、流木の反撃を怖れて包丁を手に入れた。
一方、流木は蒲生を逃さないようにと玄関に先回りし傘立てで武装した。

逃げようとした蒲生がこれに遭遇。
格闘の末に、蒲生の包丁が流木を刺殺したとのシナリオだ。

続いて弁護側。

蒲生は台所で6万円を盗み出し、ベランダ側から逃走。
その後に何者かが流木家に侵入し、これを殺害したとのシナリオである。
流木は会社でリストラ担当になっており、多くの者に恨まれていたのだ。

これを聞いた森羅は共に矛盾があると指摘する。

検察側の主張通りならば、蒲生が返り血を浴びない筈がない。
ところが、その形跡が無かったのだ。
また、流木がわざわざ危険を冒してまで玄関前に移動した理由が分からない。
通報すれば良いだけだ。

弁護側の主張通りならば、第三者は殺意を持ちながら凶器を用意していなかったことになる。
痛めつけるだけが目的ならば、それは蒲生により達せられている。

いずれにしても不可解な点が残るのだ。
森羅は傘立てを調べ、真相に辿り着く。

呼び出された蒲生に真相を突き付ける森羅。
それは「蒲生が流木殺害犯である」ことであった。
ただし、殺害の経緯が些か異なっていた。

ポイントは流木の息子の下校時間だ。
蒲生の侵入を許し負傷した流木。
ふと、外を見遣れば子供たちが下校している。
此処で流木は息子が飼育係であることを知らなかった為に「すぐに帰って来る」と思い込んでしまった。

息子と蒲生が遭遇すれば息子が危険である。
其処で流木は台所から包丁を手に取ると玄関に先回りし、帰宅する息子を守ろうとしたのだ。

流木は包丁を手に蒲生に襲い掛かった。
これに蒲生が傘立てで応戦する。

流木が握った包丁が傘立てに振り払われ床に刺さった。
このとき、偶然が重なり蒲生の傘立てに包丁が引っかかった。
蒲生はこれを確認し流木を刺殺する。

傘立ての距離の分だけ返り血は浴びない。
流木が玄関に移動した理由も息子の為であった。
矛盾点はすべて解消されたのだ。

では、蒲生が「不完全な自白」を行ったのはどうしてか。
蒲生は罪の意識に耐え兼ねていたのだ。
其処で自分以外の架空の真犯人を作り罪の意識から逃れようとしたのだ。
これを森羅は手厳しく糾弾するのであった―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2015年4月号掲載「93話 自白」です。

「なるほど、こう来たか」との感じですね。
中盤で明かされた「流木がリストラ担当者であり罪の意識に悩んでいたこと」がすなわち終盤の「蒲生の罪の意識」に繋がる点は素晴らしかった。

実は、流木がリストラ担当であったことから「流木の自殺」だと思ってました。
例えばこんな感じです。

リストラしたことに罪の意識を抱えた流木。
そんなある日、蒲生が盗みに入り被害に遭う。
心に続き身体を傷付けられた流木は強盗犯にやられたように偽装した自殺を決意。
突発的に玄関へ回り込むと傘立てに包丁をセットし自殺する。
これを発見した蒲生は流木とほぼ同じ境遇の持ち主。
流木の残された家族への配慮や流木自身への同情から、すべてを受け入れるワケには行かないが一部を認めてあのような「自白」になった的な展開。

此の点で想定外でしたね。
次回にも期待!!

ちなみに、あらすじでは良さを伝え切れてません。
本作自体を読むべし!!

なお、講談社さんから『少年マガジン+』に代わって『少年マガジンR』が2015年4月20日に新創刊されることが判明。
この『少年マガジンR』にて加藤元浩先生『Q.E.D. 証明終了』が『Q.E.D. iff-証明終了-』として再始動!!
こちらも見逃すな!!

城平京先生『虚構推理』がコミカライズ!!新創刊される「少年マガジンR」(講談社刊)にて連載開始!!

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