2015年05月30日

ツナミノユウ先生『つまさきおとしと私』が2015年7月23日に遂にコミックス発売!!『蝉丸残日録』も同時発売とのこと!!

先週(2015年5月17日)の段階で重大発表があるとされていた『つまさきおとしと私』。
その重大発表の内容が5月24日に明らかにされました。

遂に、遂に、ファン待望のコミックス化です!!
なんと、2015年7月23日(木)発売予定とのこと。
「ひゃっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい」と作中の咲なみのテンションで喜んでしまいそうな朗報。

この『つまさきおとしと私』とは「余った靴のつまさきを斬り落とす妖怪・つまさきおとしのとし君」と「そんなとし君と出会った少女・長妻咲」の物語。
こう聞くとスタジオジブリの感動作っぽい展開が浮かぶと思いますが、ソコはソレ。
管理人好みの作品だけに一筋縄ではいかない作品となっています。
詳しくは過去記事をご覧になられたい。

今、ツナミノユウ先生『つまさきおとしと私』が面白い!!

それにしても、いよいよとし君と咲の軌跡が一冊にまとめられるのかと思うとファンとしては嬉しい。

ちなみに、このコミックスが発売されることで注意事項が。
過去記事の時点(2015年1月)だと全話が無料で確認出来ていたんですが、今回のコミックスに収録されるにあたって過去作が1話から13話までを除き非公開となっているようです。
とはいえ、13話まででも本作のエッセンスは充分に伝わるかと思うので興味を持たれた方は是非確認を!!

さらに、同じくツナミノユウ先生による『蝉丸残日録』(講談社刊『月刊モーニングtwo』連載中)の1巻も同日発売とのこと。

こちらは、カフカ『変身』のように蝉に変身してしまった会社員の生活をコミカルに描いた作品で2015年5月現在も蝉丸は元気(?)に出勤中。
どうやら、蝉になってしまった故に寿命を気にし過ぎて健康コンプレックスに陥りつつも、同僚と愉快な日々を送っているようで今月号ではスポーツクラブの会員登録を果たしています。
そして、ウスバさんは良いキャラです。

そんなツナミノユウ先生ワールドが楽しめる2作品。
もう1度、繰り返します。
共に2015年7月23日(木)発売予定とのこと、見逃すな!!

そう言えば……ふと思ったのですが『つまさきおとしと私』と「かみなりおこしは和菓子」は語呂が似てますね、テヘッ!!

◆関連過去記事
今、ツナミノユウ先生『つまさきおとしと私』が面白い!!

遂にコミックスに!!
2015年7月23日(木)発売「つまさきおとしと私: KCx」です!!
つまさきおとしと私: KCx





こちらも2015年7月23日(木)発売「蝉丸残日録(1): モ-ニング」です!!
蝉丸残日録(1): モ-ニング





ツナミノユウ先生による「彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))」です!!
彗星継父プロキオン(1) (KCx(ITAN))





「彗星継父プロキオン(2) (KCx(ITAN))」です!!
彗星継父プロキオン(2) (KCx(ITAN))





「彗星継父プロキオン(3)<完> (KCx(ITAN))」です!!
彗星継父プロキオン(3)<完> (KCx(ITAN))





キンドル版「隠慎一郎の電気的青春(1)」です!!
隠慎一郎の電気的青春(1)



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「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第25話「鬼のいる村」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第25話「鬼のいる村」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第25話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第24話「塔を上る男3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

静香のお見舞いに訪れた蛍と圭一。
静香は蛍の機転により一命を取り留めた(16話から18話「桐島静香の秘密」参照)ものの、日頃の疲れが祟ってか入院を余儀なくされていたのだ。

蛍に礼を述べつつ、圭一の調査から手を引くよう伝える静香。
その挙動に静香が圭一関連で何か目星を掴んでいると考えた蛍は隙を突いて、静香のメモ帳を盗み見る。

すると、其処には山木巡査長の名と赴任先が。
さらに、どうも山木との連絡が取れていないようなことが記されていた。

圭一によれば、山木巡査長は派出所時代の彼の上司らしい。
清廉な人柄で、仕事の傍ら病床にあった母の介護に明け暮れていたと言う。

その山本が何かを握っているのか?
蛍は直接山本の赴任先を訪れる。

其処は山深き中にある小さな集落であった。
まさに鄙びた村と呼ぶに相応しい。

早速、派出所に山木を訪ねる蛍だが彼は生憎留守の様子。
代わりに応対した住人によれば、子供の誘拐事件が発生しており対応にかかり切りなのだそうだ。

山木に恩を売れば情報を引き出し易くなると考えた蛍は圭一と共に調査に乗り出す。
すると、草むらの中から奇妙な手が。

見てみれば、山奥の何処かから伸びている手のようだ。
すなわち、この手もまた幽霊なのだ。

そんな手に導かれるように山へ分け入って行く蛍と圭一。
すると、何か墓のような場所へ辿り着く。
子供が埋められているのでは……と考えを巡らす蛍だが、圭一も地下に潜れない以上は確認が取れない。

取り敢えず情報の1つとして片隅に留めつつ、山木を訪ねることに。
ところが、折角面会した山木は蛍を無視しようとする。
蛍が圭一の妹だと知っても態度は同様であった。
これに焦った蛍はつい山奥の墓について情報を洩らしてしまう。

途端、山木を含めた村人たちの態度が豹変。
山木は蛍が犯人しか知り得ない情報を知っていたことを根拠に身柄を拘束。
一方で、村人たちは蛍が語った場所へ捜索に。

すると、その地面から子供と思しき遺体が発見される。
しかも、その場所は村に伝わる生贄を捧げる場であった。

山木はこの情報を聞くや蛍の弁明を聞かずに逮捕してしまう。
そんな山木の態度を訝しむ圭一が、ふと蛍の顔を見ると血に塗れていた。
それは圭一だけが知る死のビジョンであった―――次話に続く。

よもやの蛍ピンチ!?
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
2015年4月8日に1巻され、更に早くも2巻が発売予定!!

これを記念して木々津克久先生のサイン会が書泉グランデ2Fコミックフロアにて開催されるとのこと。
2015年6月14日14時からだそうで、ファンは要チェックすべし!!

さて、その25話。
サブタイは「鬼のいる村」。

これ、山本は蛍を助けようとしているんだろうなぁ。
この村自体が生贄信仰のある危険な土地柄で其処から余所者である蛍を早く脱出させようとして身柄を確保したように見える。
圭一の目にしたビジョンも蛍に迫る危機を示したものでしょう。

おそらく、村では恒常的に子供を生贄に差し出していた。
山木はこれを阻止しようと奔走。
今回も消えた子供が生贄に捧げられることを防ごうと探している。
其処に蛍がやって来た。
山木は蛍を村から帰る様に仕向けた。
ところが、此処で蛍は村の秘密に関わる内容を喋ってしまった。
今度は蛍の命が危ない。
其処で犯人として拘束し身柄を守ろうとしているのではないでしょうか。

ただ、圭一の件について山木は何かを隠しているようだ。
おそらく圭一消息不明がPNDの犯行と知りつつ、病床にあった母の為に取引に応じ隠蔽したのだろう。

気になるのはこの取引の内容。
当時、病床の母が居たにも関わらず現在の山木は田舎の村に赴任している。
これが何を示すのか!?

山木の母は全快したのか、それとも故人となったのか。
此処に山木が行った取引が隠されているように思えます。

次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第21話「怪物のセオリー2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第22話「塔を上る男」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第23話「塔を上る男2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第24話「塔を上る男3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)

「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)

「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?

死神:黒い影の男の正体。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。

「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿 (1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿 (1) (少年チャンピオン・コミックス)





こちらはキンドル版「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿 1 (少年チャンピオン・コミックス)





「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿(2) (少年チャンピオン・コミックス)





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[まとめ買い] ヘレンesp



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2015年05月29日

「英国一家、日本を食べる」7話「魚屋の魚屋」(5月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」7話「魚屋の魚屋」(5月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<7話あらすじ>

東京都民1300万人の胃袋を満たす東京中央卸市場・築地市場。水産物については世界最大級の規模を誇り、日々世界各地からやってくる水産物が取引されている。マイケルたちは、この築地市場に、すし屋のアキラに連れられて見学にやってきた。活気に満ちた市場の中で見るもの全てが珍しく、一家の気分は高揚していた。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)

駅のホームに立ち尽くすマイケル、リスン、アスガー、エミル。
電車を待っているようだが、構内アナウンスによれば2分ほど遅れているようだ。

「2分くらいで謝る必要ないのにねぇ」
ふと感想を口にするアスガー、彼の母国では日常茶飯事の出来事なのだ。
ところが、マイケル一家の周囲の人々はアナウンスにより苛立ち始めている。

息子の感想を受けて、マイケルは「それが国民性なんだよ」と語り出す。
どうやら、日本人は外国人から見ると「せっかち」な民族らしい。

と、説明していたマイケルも周囲に釣られて何やらイライラし始めた。
見れば2分の筈が既に超過しているではないか。

此処で再びアナウンスが、どうも5分の遅れに延長らしい。
もう耐え切れないとばかりに「ぐわ〜〜〜っ」と苛立つマイケルに笑うアスガーたち。

その翌朝、国内外から水産物が集まる「築地市場」を彼ら一家は訪れていた。
紹介された寿司屋のアキラの仕入れに同行したのだ。
そのアキラもまたせっかちなようで、マイケルは「なっ!!」とアスガーたちにサインを送る。

せっかちなアキラは早速、市場内へマイケルたちを案内。

アキラによれば築地市場に並べられた海産物は新鮮な物だから海の匂いしかしないそうだ。
さらに、1800トンもの海産物が取引されるらしい。
実にマイケル2万2500人分の重量だ。

と、此処でアキラがマイケル一家に注意事項を伝える。
築地市場内では売り物に触ったり、トラックに便乗したりするのは禁止なのだ。
これを破ると厳罰が待っているらしい。

「そんなことをする奴が居るんですか!?」
けしからんとばかりに怒るマイケルは「ルールを破ったら太刀魚の切り身にされるかも……」とアスガーたちを脅しつける。

さらに、アキラから「自分の身は自分で守るように」との言葉を貰い、遂にマイケルたちは市場デビューを果たした。

其処はまさに異郷であった。
軒に並ぶ店の膨大な数に圧倒されつつ、店頭に並ぶ海産物に驚きの声を上げる。
興奮気味のマイケルはもちろん、何時の間にやらアスガーまでもが「スゲ〜〜〜、スゲ〜〜〜」と連発していた。

そんな彼らの様子が珍しかったのか、1軒の店主がウニを勧めて来た。

実はマイケルはウニにトラウマがあった。
過去に食べたところ「トイレの洗剤みたいな味」がしたのだ。
必死に拒否するマイケルだが、アスガーにやり込められ渋々口にすることに。
すると……マイケルは一口するなり踊り出した。
以前、食べたものとは別格の味だったのである。

ほくほく顔のマイケル、その前でアキラが何やら魚を触っている。
どうやら、死んだ魚に針を通しているようだ。
アキラによれば鮮度を保つ為らしい。

言っている傍から、アキラは次の場所へ。
今度はマグロの競りが開始されるらしい。
此処では1匹のマグロに1億円の値がつくこともあると言う。

マイケルはマグロと聞いてある豆知識を口にする。
昔の日本人はマグロの脂身を食べず猫の餌にしていたのだそうだ。
これに「勿体ない」と呟くリスン。

続いてアキラはマグロの養殖について語り出した。
彼によればマグロの完全養殖にも成功し、後は大量生産を待つだけの状況らしい。

と、その間に競りの現場に到着。
ところが、マイケルはその光景に度胆を抜かれた。

彼らは何やら謎の言葉で遣り取りしていたのだ。
しかも、独特の掛け声がそれに混ざっている。
アキラに聞けば、彼でさえその意味は分からないのだそうだ。

こうして興味深い時間はあっという間に過ぎ去って行った。
移動の新幹線の時間が迫る中、また見に来たいと述べたリスンにアキラは複雑な表情を浮かべる。
築地市場は移転が決まっているのだ。
この光景も見納めなのである。

少し寂寥感に苛まれるマイケルとエリンだが、そんな気分を吹き飛ばす事態が!!
見れば市場内を行き来するトラックにアスガーとエミルが乗っているではないか。

あれほど言い聞かせたのに!!
激怒したマイケルは彼らを追いかけるのだが、その背後にはこれまたルールを破られ激怒している市場の人々の姿があった。

こうして、こってり絞られたマイケルたち。
慌てて駅へと駆け込むが、マイケルたちが乗る筈だった「こだま号 名古屋行」は目の前で発車して行く。
そう、マイケルたちは乗り遅れたのだ。

「流石だね、時間ピッタリだ」
マイケルの言葉が無人のホームに響く―――エンド。

<感想>

原作はマイケル・ブース著『英国一家、日本を食べる』と『英国一家、ますます日本を食べる』(共に亜紀書房刊)。
NHKさんにて毎週木曜日0時40分から1時まで放送中、全24話予定。

前半はマイケル一家を中心としたカートゥーンパート、後半はトシ視点のドキュメンタリーパートからなる。

この7話のテーマは「鮮度」ではないでしょうか。
カートゥーンパートでは「築地市場」を中心に、実写パートでは「仲卸の人々が食べるシチュー」などでコレが説明されていました。
特に実写パートでの「鮮度を重視し寿司ネタごとに仕入れ先が異なる店」は凄かった。

ちなみに、アキラも再三口にしていたこの「鮮度」、実は冒頭でマイケルが述べていた「せっかち」に繋がります。
「鮮度を保つ」=「早めに調理し、早めに食べること」でもあります。
それこそ「せっかちさが美味さの秘訣」なワケです。
これは同時に「適した時間に食べる」=「タイムリーな時期に食べる」ことでもある。

すなわち、本作「英国一家、日本を食べる」の旨味も此の点にあるような気がします。
タイムリーな話題を適した時期に適した状態で提供する。
例えば、今回では「築地市場の移転」について触れられていたのがコレ。
「築地市場」は2016年11月上旬に豊洲への移転が決まっています。
すなわち「築地市場」は、2015年の今だからこそ語ることの出来る話題なのです。
これにより「面白さの鮮度」も期待出来る作品なのだと思います。

◆関連過去記事
「英国一家、日本を食べる」1話「新宿・思い出横丁」(4月16日)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」2話「最高の天ぷら」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」3話「日本料理の神髄」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」4話「力士サイズになる料理」(5月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」5話「第五の味覚」(5月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」6話「世界一硬い魚」(5月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

原作「英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)」です!!
英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)





キンドル版「英国一家、日本を食べる 亜紀書房翻訳ノンフィクション」です!!
英国一家、日本を食べる 亜紀書房翻訳ノンフィクション





同じく原作「英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)」です!!
英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)





キンドル版「英国一家、ますます日本を食べる 亜紀書房翻訳ノンフィクション」です!!
英国一家、ますます日本を食べる 亜紀書房翻訳ノンフィクション





こちらは同作者によるシリーズ最新作「英国一家、フランスを食べる」です!!
英国一家、フランスを食べる



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