土曜ワイド劇場「検事・朝日奈耀子(16)医師&検事〜2つの顔を持つ女! 殺意のファンレターが暴いた美人ラジオDJの裏の顔!!レントゲンに写らない骨折の謎を玉子焼きが解く」(5月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
東京地検の朝日奈耀子(眞野あずさ)は、医師免許を持つ異色の女検事。よき相棒である検察事務官・大山聡(内藤剛志)らとともに連日、多くの事件を担当している。
耀子の検事室に、人気ラジオパーソナリティーの田代いづみ(石川梨華)が、放火殺人容疑で送致されてきた。“桑原いづみ”の芸名で朝の人気番組を担当しているいづみは、被害者の平沢明代(山下容莉枝)と12年前から因縁の関係にあった。いづみにとって明代は父を殺した女で、明代にとっていづみは息子が亡くなるきっかけとなった憎き女だったのだ――。
12年前、当時18歳だったいづみは高校からの帰宅途中に、平沢明代の息子・直樹(小野寺拓海)に襲われた。悲鳴を聞いて駆けつけたいづみの父・健太郎(井上高志)が、逃げようとした直樹を投げ飛ばし、後頭部を強打した直樹は死亡。それから3年後、刑期を終えて出所した健太郎を、直樹の母・明代が刺殺したのだ。
懲役9年の刑を受け、今から1カ月前に出所した明代は、人気ラジオパーソナリティーとして活躍中のいづみに憎しみを抱き、いづみを中傷するハガキをラジオ局に送りつけ、「過去をバラされたくなければ金をよこせ」と彼女を脅迫していた。そんな矢先に明代が殺害され、いづみが容疑者として逮捕されたのだ。というのも、明代の殺害現場から逃げ去るいづみの姿が目撃されていたほか、明代の遺体の下からいづみ愛用のストップウォッチが見つかるなど、状況証拠がすべていづみの犯行を示していたのだ。
だがいづみは、耀子の取り調べに対して容疑を否認。その際、いづみの左手首をかばう仕草を見て耀子は違和感を抱くが、いづみは「痛くなんかありません!」と強く否定する。明代は自分が身に着けていたスカーフを使って絞殺されていたのだが、抵抗する被害者の首を絞めて殺した際に、いづみは手首を痛めたのだろうか…!?
疑問を抱いた耀子は、ラジオ局ディレクター・宮下博之(天宮良)や放送作家・鎌田卓(松本実)から話を聞く。するといづみは、事件の前から左手首を痛めていたことがわかった。その一方で、神奈川・三崎漁港で食堂を営むいづみの母・喜美江(山本陽子)は、「娘は左手首を負傷したことなどない」と断言する。
いったいどちらの証言が正しいのか…!?耀子がいづみの左手首の精密検査をした結果、衝撃の事実が浮かび上がった!!
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから……(一部、重複アリ)我らが朝日奈耀子は医師免許を持つ異色の女検事である。
検察事務官・大山聡と共に多くの事件の真相解明に日夜戦っている。
そんな耀子が今回担当した事件は平沢明代放火殺害事件。
明代はスカーフで絞殺された後に、放火されていたのだ。
この犯人とされたのは「人気ラジオパーソナリティ・桑原いづみ」として活躍中の田代いづみである。
明代といづみの間には12年に渡る深い確執があった。
発端は12年前の明代の息子・直樹殺害事件。
当時、大学生だった直樹は18歳のいづみにストーカー行為を行っていた。
そんなある日、いづみは帰宅途中に直樹に襲われた。
これに駆け付けたいづみの父・健太郎が直樹を投げ飛ばし殺害してしまったのだ。
健太郎は自首し罪を償うこととなった。
その3年後、今度は出所した健太郎を明代が刺殺したのだ。
明代は懲役9年の球形を受け、1ヶ月ほど前に出所したばかりであった。
その頃、いづみはと言えばラジオの人気パーソナリティーとなっており、これに明代は激怒。
どうやら執拗にいづみに付きまとっていたらしい。
いづみは健太郎のことを周囲に隠しており、これも明代の攻撃材料となったようである。
追い詰められたいづみが明代を殺害したのかと思われたのだが……いづみは犯行を否認する。
左手首を庇ういづみの様子に何かを感じ取る耀子。
いづみと働いていたラジオ局ディレクター・宮下博之や放送作家で資産家の息子としても知られる鎌田卓によれば「以前からいづみは左手を庇っていた」らしい。
ところが、いづみの母・喜美江は「いづみが左手を怪我したことなどない」と否定する。
相反する2つの供述に、耀子は医師としていづみの精密検査を行う。
すると、いづみが「RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)」であることが分かった。
すなわち、明代殺害時にはいづみは既に左手首に痛みを覚えており絞殺は不可能だったのだ。
こうして、いづみの容疑は晴れることに。
とはいえ、喜美江は何故、いづみの左手首について嘘を吐いたのだろうか!?
ラジオ番組のパーソナリティーに戻ろうとしたいづみ。
だが、今回の事件により健太郎の存在が知られバッシングされてしまう。
これに便乗するようにいづみに代わりパーソナリティーとなっていた早乙女永美までもがいづみの追い落としを図る。
しかも、いづみがまだ何かを隠していると見たカメラマンの横井武がスクープを狙い四六時中監視する。
矢先、今度は横井が何者かにより殺害される。
犯人は横井の死をマイコプラズマ肺炎による病死と偽装するが、耀子の目は誤魔化せなかった。
横井は確かにマイコプラズマ肺炎を患っていたが、死の原因は枕による窒息死だったのだ。
横井がいづみを追っていたことを知った耀子は彼が何かを掴んでいたと確信。
遂にいづみから12年前の真相を聞き出すことに成功する。
いづみによれば直樹を殺害したのは健太郎ではなく、いづみ自身だったのだ。
これを健太郎が庇っていたらしい。
この際に、いづみが左手首を痛めていた為に喜美江が嘘を吐き庇っていたのだ。
だが、耀子はいづみの供述と直樹の遺体の傷が合致しないことに不審を抱く。
どうやら、真犯人が居たようだ。
そんな中、いづみ追い落としの風は強まるばかり。
これに反対していた宮下が何者かに殺害されてしまう。
宮下の所持していた「いづみについての脅迫文」を調べた耀子。
すると、これが早乙女の手によるものと判明。
早乙女は本名を永島美和と言い、夫殺害容疑で逮捕された過去があった。
これを隠し、あわよくばいづみの座を奪おうと暗躍していたらしい。
当然、いづみを支持する宮下は邪魔な筈だ。
だが、早乙女には鉄壁のアリバイが存在していた。
一方、関係者の中に最近になって急に奇妙な咳を繰り返すようになった人物が……。
これこそ鎌田であった。
そう、横井のマイコプラズマ肺炎が殺害時に感染したのだ。
耀子に取調を受けた鎌田は全ての犯行を認める。
実は鎌田は大学受験時に直樹に依頼し替え玉受験を行っていた。
これを明代に脅迫されていたらしい。
「出来の悪い、か・ま・たくぅ〜〜〜ん」
あの夜、明代に揶揄された鎌田は激情に駆られ明代を殺害した。
ところが、この一部始終を横井にスクープされていた。
新たな脅迫者となった横井だが、口封じに殺害されることに。
ある事情により、いづみに降板して欲しいと考えていた鎌田。
其処で邪魔になった宮下をも殺害したのだ。
そして、ある事情……実は12年前の直樹殺害の真犯人こそ鎌田だったのである。
鎌田は明代だけではなく直樹にも脅迫されており、殺害の機会を狙っていたのだ。
いづみたちにより負傷した直樹に止めを刺したのであった。
特に悪びれるでもなくあっさりと罪を語る鎌田。
罪を問う耀子に対しても「強力弁護団が結成されんだから大丈夫、うひっ!!」と反省の色も無い。
これに耀子が「いづみさんは健太郎さんと卵焼きの最後の1切れを分かち合うことも出来なくなったんですよ!!」と一喝する。
「そんなに怒んなくてもいいじゃんかよ〜〜〜うぇっ、うぇっ!!」
これまでに反し、何故か急に萎縮したかと思うと泣き出す鎌田なのであった―――エンド。
<感想>
「検事・朝日奈耀子シリーズ」第16弾。
シリーズ前作などについては感想の後に過去記事がありますね、興味のある方はどうぞ!!
では、ドラマの感想を!!
思わぬ感染により接点が生まれ犯行が露見する点などは米澤穂信先生『満願』(新潮社刊)収録のある短編を思い出しました。
・
『満願』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)とはいえ、本ドラマは予防対策とマスクの重要性について語る作品なのでしょう。
大事です、予防対策!!
そして「RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)」とか「マイコプラズマ肺炎」とか耀子の医師キャラを活かそうとしていたのは分かるのですが……ラストの鎌田が全てを持って行きましたね。
ドラマの内容よりも鎌田のインパクトの方がよほど大きい。
今、こうして本作を振り返り思い出せるのは鎌田だけだ。
ラスト20分、怒涛の新事実ラッシュも鎌田の前では霞む。
明代による「か・ま・たくぅ〜〜〜ん」もなかなかだったが、鎌田自身のインパクトの前には一歩も二歩も譲るだろう。
ある種、飛び道具だよ……断言しよう、本作は「鎌田」が語り継がれるだろう。
なにしろ鎌田はあのインパクトの瞬間、完全に主役を喰ってた。
「卵焼きが云々〜〜〜」とイマイチ内容が伝わりづらい説諭よりも「うひっ!!」のインパクトと来たら!!
むしろ、「卵焼き云々」で何故、急に鎌田が萎縮するのかが全く分からなかったほどだ。
もう、鎌田が全てだよ!!
このドラマの登場人物の1人が鎌田ではなく、鎌田こそがこのドラマだったんだよ!!
それが隠された真実だったんだよ!!
その前には卵焼きのエピソードもスクランブルエッグになってしまったんだよ!!
そりゃそうだよ!!
次回も鎌田が登場することに期待(錯乱気味)!!
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朝日奈耀子:眞野あずさ
大山 聡:内藤剛志
田代いづみ:石川梨華
田代喜美江:山本陽子
早乙女永美:秋本奈緒美
平沢明代:山下容莉枝
宮下博之:天宮 良
宮崎礼子:大島さと子
鎌田 卓:松本 実
横井 武:小林正寛 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)