2015年05月08日

「実は私は」第110話「進路について考えてみよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第110話「進路について考えてみよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その夜、朝陽は進路票を前にあれやこれやと考えあぐねていた。
どうにも具体的になりたいものが浮かばないのだ。
出来れば葉子と同じ進路を……と聞いてみもしたが、葉子は恥ずかしがって教えてはくれなかったのである。

さて、どうするべきか……困った朝陽は明里に相談を持ちかける。
すると、明里は「もう少し軽く考えて見ろ」と指摘。
例として嶋の進路票を見せる。
其処には……「第1希望」として「一夫多妻」と記載されていた。
明らかに何かを誤っているようだ。
実は朝陽もこれを知っていたからこそ、真剣に悩む羽目に陥ったのだ。
これを聞いた明里は「では、他者の意見を参考にしてはどうか」と奨めることに。

こうして、朝陽は友人たちの進路を参考にすることに。

まずはサクラ、実家の肉屋を継ぐべく大学で経営学を学ぶつもりらしい。
岡はと言えば近所の大学に進学予定。
みかんは「朝陽のお嫁さん」……は冗談で就職を予定していると言う。
獅穂はと言えばカリスマ痴女の娘としての実力を身に着けるべくそちらの方面に進むつもりのようだ。
それぞれに既に進路を定めていたのだ。

1人、定まっていないことに焦りを抱く朝陽。
廊下を歩けば涼が茜と渚から吊し上げを喰らっていた。
ああ言う大人にはなりたくない……そんな思いを強める朝陽。

そう言えばと渚にも進路を問う。
すると、渚は宇宙アイドルになるのが夢だと応じる。
なんでも、地球と宇宙の架け橋になるべく努力しているらしい。

これまた意外な答えを聞いた朝陽であったが「なるほど」と頷くことに。
自分のしたいことに素直になれば良いのだ。
あるいは自分が何をするべきか。

教室に戻った朝陽は葉子と言葉を交わす。
朝陽がしたいことは葉子との結婚である。
その為にはまず自分をしっかりと持つ必要がある。
では、何を為すべきなのか!?

と、此処で朝陽の悩みを聞き付けた茜が乱入。
朝陽がなるべきは「ヒーローだ!!」と主張する。
どうやら、茜による朝陽プロデュースが行われるようで―――111話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、11巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

ちなみに遂に「実は私は」がアニメ化されるとのこと。
これについては制作会社や監督さん、キャストなどが少しだけ判明。
登場人物に黄龍院凛らの名前が無いことを見ると、序盤をアニメ化する予定なのかな。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

その110話。
サブタイは「進路について考えてみよう!」。

遂に朝陽も進路について悩むように。
本作、きちんと作中時間が進んでいるんだよなぁ……。
と言うことは、卒業が1つの区切りとなるワケで何時かは祭も終わってしまうのかぁ。

少し切なくなりましたが、次回は茜による朝陽の「ヒーロープロデュース」が行われる様子。
これが本気なのか、それともからかうつもりなのか……いずれかでかなり展開も異なりそうだなぁ。
それにしても、葉子の進路は何なのか……これも気になる。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス11巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子。
そして11巻は―――獅穂と凛がコンビで表紙に!!
緑苑坂弓は選ばれませんでした……源二郎涙。
今後はヒロイン2人のコンビで表紙になるのかな!?

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第100話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第101話「デートしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「実は私は」第105話「恋をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「実は私は」第107話「歯医者に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「実は私は」第109話「誇りを取り戻そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。

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「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第22話「塔を上る男」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第22話「塔を上る男」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第22話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。

千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第21話「怪物のセオリー2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「こんなところに来やがって!!」
夜の暗闇の中、何者かが殺人を犯していた。
果たして、誰が誰を何処で殺害したのか―――それは後々語られることに。

一方、蛍は今日も圭一と共に登校していた。
校門を潜り校舎へと抜ける道に差し掛かったところ、目の前に学生による人だかりが。
見れば学生たちの視線は一様に空中を向いている。
釣られて蛍が首を上げると、其処には鐘楼の外壁を素手で登る男性の姿が!!

「危ない!!」
思わず口にしてしまった蛍。
だが、人だかりは騒ぎこそすれ彼を止めようとはしていないようだ。

鐘楼を登頂中の男性の名は千葉。
彼もまた聖マルス学園の学生で、SNS上で今日のこの行動を予告していたらしい。
其処で物見高い学生たちが見物しているのだそうだ。
何でも、見物客の1人によれば鐘楼を登頂するチャレンジは今までにもあったことなのだそうだ。

知ってみればどうといったことはない。
蛍は驚いて損したと溜息を洩らす。

その間にも千葉は登頂を終えてしまった。
鐘楼の頂上に立った千葉が一度、奥に引っ込んだ。
そして再び現れたかと思った途端、千葉は前のめりに転落し地面に叩きつけられてしまうことに。
高さが高さである、即死であった。

センセーショナルな事件を目撃してしまった蛍は衝撃も冷めやらない。
周囲では千葉の死は事故死として解決されようとするが……。

そんな中で圭一が奇妙なことを言い出した。
千葉の靴が登頂前と転落後で異なっていたと言うのだ。

間違いないと断言する圭一。
これが事実ならば、千葉は登頂後にわざわざ靴を履き替えたことになる。
事故死に不審を抱いた蛍は独自の調査を始める。

まずは圭一の言葉が正しいことを証明しようとする蛍。
登頂中の千葉を撮影した写真を集めようと奔走するが、そのどれもが遠景過ぎて確認出来ない。
どうも、事前にSNSで予告されていたことで教師たちが周囲を立入禁止にしていたことで誰も近づけなかったことが影響したようだ。

また、鐘楼自体は鍵が壊れているのか中へ入ることが不可能であることも分かった。
頂上へ向かうには千葉のように外壁を上るしかないワケだ。

蛍はより詳細な情報を求めて聞き込みを続ける。
すると、楓と行き会うことに。
どうやら、楓もまた個人的に事故を調べているようだ。

楓によれば鐘楼の登頂はこれまでにも行われており、過去に5人の成功者が居たと言う。
さらに、あの鐘楼には曰くがあり頂上部が光ると不吉なことが起こる前触れとされているらしい。
そして、実際に千葉の転落死の3日前に頂上部の光が目撃されていたのだ。

科学全盛の時代にねぇ……と噂を笑い飛ばす楓。
だが、圭一の存在を知る蛍にはそれが出来ない。

矢先、鐘楼でまたも騒ぎが起こる。
また別の男子生徒が鐘楼の外壁を上り始めたのだ―――次話に続く。

いよいよ始まった蛍と圭一の奇妙な相棒物語。
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
2015年4月8日には早くも1巻が発売されています!!

さて、その22話。
サブタイは「塔を上る男」。

冒頭で起こった殺人事件の被害者こそ千葉でしょう。
3日前の鐘楼の頂上で目撃された光こそ犯人が明かりを手にその場所に居た証拠だとすれば、千葉は3日前の時点で既に殺害されていた可能性もあるか。

では、千葉が鐘楼を上っていたことはどう説明するのか?
これは次の2点からある仮説が立てられます。

まず、鐘楼登頂前と転落死後で千葉の靴が変わっていたとのこと。
また、登頂中の千葉が確かに本人であると確認されていないこと。

この2点から、蛍の前で登頂していた千葉と思われる人物は偽物の可能性が高い。
おそらく、先述した通り千葉は鐘楼の上で既に殺害されていた。
そして千葉に扮した犯人が鐘楼を登頂し、事故に偽装して上から千葉を突き落としたことになります。
これを可能にする為に、SNSで予告を行い付近を立入禁止にして近くから確認出来ないように仕組んだのでしょう。

また、このトリックが用いられたとすると、鐘楼の内側から登れないことを利用し当の犯人は未だに鐘楼の頂上に隠れている可能性が高い。
夜の闇を待って外壁沿いに逃げ出すつもりなのでしょう。

となると、ラストで鐘楼に挑み始めた男性はこれを知っており犯人を捕まえようとしているのか?
此の点が謎ですね。

そもそも、千葉が殺害される動機も謎です。
ただ、こちらは仮説も立てられる。
冒頭の犯人の台詞からは鐘楼の頂上に千葉が現れたことに不都合があったように聞こえます。
さらに、鐘楼に纏わり頂上に光が目撃されると良くないことが起こるとの噂にも意味がある筈。

この「良くないこと」の内容にもよりますが、鐘楼の頂上には犯人にとって隠しておくべき秘密が眠っているのではないでしょうか。
そもそも、鐘楼の中から頂上へ向かうことが出来ない時点で不自然。
これも犯人の仕業でしょう。
明らかに人を近付けないようにした工作だと思われます。
もしかすると、頂上には白骨死体が眠っている……とかかも。

そして、これまでも千葉と同様に登頂者にこれを発見されるたびに口封じが行われていたのかもしれません。
こうして鐘楼に纏わり被害者が出たことから「良くないこと」が起こるとの噂になったのか。
あるいは逆に、鐘楼に近付いて欲しくない犯人が敢えて噂を流し牽制したのか。
いずれにしても鐘楼の頂上で目撃される明かりは其処に人が居たことを示す筈です。

では、犯人は誰か?
少なくとも千葉に扮し鐘楼の外壁を上ることが出来る人物。
今回に限れば、過去に成功した5人のうちの誰かの可能性が高いと思われますが……どうなる!?
次回も見逃すなかれ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第21話「怪物のセオリー2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)

「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)

「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?

死神:黒い影の男の正体。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。

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