ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
40歳の誕生日を迎えた不二子(吉田羊)がイライラMAX状態の中、マヤ(多部未華子)と代官山(大倉忠義)はサプライズのお祝いを企画。思惑通りの不二子のリアクションにマヤがほくそ笑む中、とあるパーティ会場で事件が発生した。犠牲者はIT企業に勤務する大隣(ダイアモンド☆ユカイ)。彼の専務昇進祝いのパーティの最中、サプライズ企画に驚いて心臓発作を起こしたのだという。パーティの仕切り役で、大隣の次の部長になることを確実視されていた部下の脇本(柏原収史)は大ショック。ワンマン気質の大隣のせいで昇進を阻まれていたことを恨んでいるサチ(赤間麻里子)や、大隣に借金があった当日の料理の担当者・有美香(入山法子)らが容疑者候補として挙がる中、マヤはサプライズのはずのシャンパンファイトの直前に大隣が高級時計などを外していたことに注目する。
そして、大隣の死因がアレルギーのショック症状による窒息死だったことが判明。恋人だったシェフの有美香への疑いが深まる一方で、脇本が仕掛けた過去のサプライズパーティの映像を見たマヤは犯人を特定するに至るが、物証も動機もないと不二子から却下されてしまう。そんな中、由良(石井正則)が思いがけない情報を仕入れてきた。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複アリ)。
不二子が40歳の誕生日を迎え、青空署の面々は気が気ではない。
どうやら不二子は歳を重ねるたびに機嫌が悪くなるらしい。
当然、今日この日もご機嫌斜めである。
そんな不二子に対し「君子、危きに近寄らず」とばかりに距離を取りつつ窺う有栖川たち。
其処へ空気の読めない2人が誕生日祝いのケーキを持参してやって来た。
やって来たのは、もちろんマヤと代官山だ。
代官山は不二子の様子に気付くことも無く陽気に「ハッピーバースデイ!!」と歌っている。
その隣ではマヤがニヤニヤといやらしい笑いを浮かべていた。
どうやら、空気を読めないのはマヤと代官山の2人ではなく代官山1人のようだ。
マヤは分かった上で意地悪をしているのだ。
不二子の怒りの導火線には既に火が点いている。
後は何時爆発するかだ。
有栖川係長たちが悲鳴を上げようとしたそのとき、救いの電話が鳴った。
その内容は事件発生の報である。
こうして、不二子たちはサプライズ誕生日パーティーを切り上げて現場へ向かうことに。
ところが、奇しくも向かった先もサプライズパーティーの会場であった。
被害者はIT企業「ネクスト・エッジ」の部長・大隣。
大隣はこの日に専務昇進が決まり、そのサプライズパーティーの真っ最中の死だったらしい。
何でも、大隣がケーキの箱に触れると同時に煙が出て、それに合わせて周囲がシャンパンシャワーで大隣を祝った。
すると、中から激しく咳き込む声が聞こえ、煙が晴れると共に大隣の死体が発見されたのだそうだ。
不二子たちは事故、他殺両面で捜査を開始し関係者への聴取を行う。
まず、パーティーを企画した大隣の腹心の部下・脇本。
脇本は9年に及び大隣に尽くし、これにより大隣の次の部長と目されていた。
他に、昇進の邪魔をされ大隣と脇本を憎んでいたサチ、当日の料理担当者である有美香たちである。
そんな中、マヤは大隣が財布、携帯電話、高級腕時計を何故か外していたことに注目するが……。
一方、大隣の死因が判明。
ピーナッツアレルギーによるショック症状による窒息死であった。
つまり、何者かが大隣に何らかの方法でピーナッツを摂取させたのだ。
こうして、料理担当であった有美香に疑惑が集中するのだが……。
ところが、大隣は当日の料理に手を付けていなかったことが判明。
その殺害方法が大きな謎となってしまう。
これにマヤが挑戦することに。
マヤはサプライズパーティー当日の映像に意外な物を発見する。
なんと、ケーキから煙が出た際に何者かが大隣にハンカチを渡していたのだ。
これによりトリックを解明出来た。
犯人は事前にハンカチにピーナッツ成分を染み込ませた物を用意し、これを大隣に使用させたことで殺害したのだ。
さらに、映りこんだ手が「結婚指輪をしていない男性の手」であったことから、唯一独身男性である脇本が犯人と断定する。
だが、脇本は大隣の腹心の部下であり、大隣により次期部長の座も約束されていた。
大隣を殺害する動機が無いのだ。
行き詰ったマヤ。
しかし、由良からの情報が新たな局面をもたらした。
何でも、大隣は「サプライズにはサプライズ」との信条の持ち主で「サプライズパーティーを用意された際にはサプライズ返し」で応じていたらしい。
さらに、有美香から大隣が脇本に宛ててワインを用意していたことを聞き出す。
他にも、サチからサプライズパーティーの前日に脇本が意気消沈していたとの情報が飛び込んだ。
此処で公園でグルグルを行うマヤ。
遂に脇本の動機に行き当たる。
マヤは不二子たちの前へ脇本を呼び出した。
まず、マヤはサプライズパーティー当日に限っての大隣の不審な点を挙げる。
大隣はあの日に限って安物のスーツを着込んでいた。
さらに、財布、携帯電話、高級腕時計を事前に外していた。
そう、大隣はまるでシャンパンに濡れることを知っていたかのように対策していたのだ。
しかも、あの日の大隣のリアクションは完璧過ぎた。
此処からマヤは脇本が大隣にサプライズパーティーの内容を漏洩していたと指摘する。
おそらく、これまでも脇本は大隣にサプライズの内容を教えていたのだろう。
脇本はこれを利用し大隣を殺害したのだ。
ケーキから煙が吹き出した途端、脇本は大隣にハンカチを渡した。
ところが、そのハンカチにはピーナッツ成分が染み込ませてあった。
これを口にした大隣はアレルギーを発症し絶命したのである。
だが、脇本は証拠が無いと主張する。
これに不二子が反論した。
提示されたのは「ピーナッツオイルの購入履歴」だ。
其処にはパーティーの前に脇本がピーナッツオイルを購入したことが記録されていた。
この不二子による援護射撃を受けて、マヤが動機を追及する。
脇本はパーティーの前日に大隣から次期部長が自分では無いことを知らされた。
脇本は大隣に裏切られたと考え復讐したのだ。
だが、これは大隣の嘘であった。
大隣は脇本にサプライズ返しを行おうとしていたのだ。
大隣が用意していたワインを開封し中身を飲み干したマヤたち。
其処には「脇本を次期部長に推薦する」と記されていた。
これこそ、大隣が脇本へ向けたサプライズだった。
脇本の献身は大隣に評価されており、部長に推されることで報われようとしていたのだ。
つまり、脇本の犯行は無意味だったことになる。
これに錯乱した脇本は割れたワインの瓶を振り回す。
此処でマヤの鞭が炸裂、脇本は逮捕されることに。
大隣は脇本を信じていた。
だが、脇本は大隣を信じることが出来なかった。
それが事件の原因だったのだ。
そして、反目し合っているかに見えた不二子とマヤであったが、不二子はマヤの捜査能力を信頼していた。
だからこそ、脇本の犯罪を立証できたのである。
さて、改めて不二子のサプライズ誕生日パーティーが行われた。
マヤの指名を受け、何故か意気揚々とケーキの蝋燭を吹き消す代官山。
途端にケーキが破裂!!
代官山は衝撃にのたうつことに。
もちろん、この仕掛けはマヤの仕業である。
あまりのことに絶句する不二子。
「サプライズ返し……」
そっと呟くマヤ、それは不二子に向けての彼女なりの感謝の表現だったのかもしれない―――5話に続く。
<感想>
原作は七尾与志先生「ドS刑事シリーズ」。
2015年4月時点でのシリーズは既刊4冊、それぞれ第1弾『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』、第2弾『ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件』、第3弾『ドS刑事 三つ子の魂百まで殺人事件』、第4弾『ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件』となっている。
過去には第1弾『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』をネタバレ書評(レビュー)してますね。
・『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』(七尾与志著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
そのドラマ版。
今回は2組の上司と部下を通じ「信頼」が描かれることに。
まず「大隣と脇本」、それに「不二子とマヤ」。
あらすじにもある通り、大隣は脇本を信じていたが脇本は大隣を信じることが出来なかった。
一方、反目し合っているかに見えた不二子とマヤだが、不二子はマヤの捜査能力を信頼していた。
では、マヤはとなりますが素直では無い物の不二子を上司として認めている……筈です、たぶん。
おそらく不二子がマヤの援護射撃を行うとのサプライズに対し、マヤがラストで彼女なりのへそ曲がりの感謝を伝えることに。
それがあの「サプライズ返し」だったのでしょう。
そう言えば、腹心の部下である脇本だからこそ大隣の性格は良く知っていた筈なのですが、よほど裏切りが許せなかったのでしょう。
こちらは悲しい擦れ違いでした。
うむ、かなりキャラクターが定着して来て面白くなった印象です。
◆「七尾与史先生」関連過去記事
【ドS刑事ドラマ版】
・「ドS刑事」第1話「攻撃系女子とピュア巡査バディの痛快ポリス・コメディー!潜入捜査で女装しなさい」(4月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドS刑事」第2話「連続放火殺人!だけど合コンに潜入しなさい!?爆走ポリス・コメディ!」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドS刑事」第3話「恐怖の連続放火にマヤの怒り爆発!恨みの連鎖の謎を解く涙のドS攻撃!」(4月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドS刑事」第4話「囚われの少女は超ドS!?マヤVSリトルマヤ究極の対決 疑惑の誘拐事件!」(5月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【著作関連】
・『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』(七尾与志著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『死亡フラグが立ちました!』(七尾与史著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『キルキルカンパニー』(七尾与史著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ関連】
・「超再現!ミステリー」(日本テレビ系、2012年)まとめ
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