2015年05月14日

2015年5月16日、公開セミナー「ミステリー×インターネット」が紀伊國屋書店札幌本店で開催とのこと!!

公開セミナー「ミステリー×インターネット」が紀伊國屋書店札幌本店で2015年5月16日(土)に開催されるそうです。

これは北海道情報大学さんによる「平成27年度公開講座」の第1弾。
「ミステリとインターネットの関係性」について「テクノロジーのミステリへの影響」などを含めて、諸岡卓真先生、谷口文威先生、大森滋樹先生が講演されるそうです。

諸岡卓真先生は北海道情報大学経営情報学部先端経営学科准教授。
ミステリ評論家として活躍されており、その著書『現代本格ミステリの研究「後期クイーン的問題」をめぐって』で「第11回本格ミステリ大賞」評論・研究部門ノミネート、「第64回日本推理作家協会賞」評論その他の部門候補に。また『日本探偵小説を読む 偏光と挑発のミステリ史』により「第14回本格ミステリ大賞」評論・研究部門ノミネートを果たされています。

谷口文威先生は北海道情報大学経営情報学部先端経営学科准教授。
情報工学を専門とされています。

大森滋樹先生は評論家として活躍される傍ら、大森葉音の筆名で『果てしなく流れる砂の歌』、『プランタンの優雅な退屈』などミステリ作家としても知られています。

これは講座の内容が気になる。
特にテーマが興味深い。

何と言っても、テクノロジーの発展はミステリの形を大きく変えて行きました。
古くは蓄音機や飛行機、新しくは携帯など。
それは世界を大きく広げる反面で、制約を課す結果にもなりました。

例えば携帯電話。
基地局がある限り何処からでも電話で繋がることが出来る反面で、陸の孤島での孤立感を弱めることに。
孤島で事件が発生したときに「何で携帯で助けを呼ばないの?」との疑問が生じ、これについてのエクスキューズを作者が用意する必要が生まれたワケです。
言わば、シチュエーションに説得力を持たせるにあたってのハードルが増えた。
これを違和感なく作中で説明しなければならないのは骨です。

そう言えば、近年のテクノロジーの発展は繋がりを深める方向に特化しているような印象があります。
中でもインターネットの登場はミステリの形を大きく変えました。
メールやSNSなどは人と人との繋がりに新たな側面を与えた上で、犯人と被害者の間に新たな繋がりやトリックを生み出すこととなりました。

そんなテクノロジーとミステリの関係については過去記事でも何度か取り上げていますね。

腕時計型モバイル端末が登場!!「スマートウォッチ」に注目せよ!!

科学技術とトリックの割り切れない関係―――Xacti DMX-CA100

このテクノロジーとミステリの関係について語られるとなれば……ミステリファンにとって興味は尽きない筈。
公開セミナー「ミステリー×インターネット」は紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンにて2015年5月16日(土)15時から16時30分まで。
事前申込不要、参加無料とのことで興味のある方は要チェック!!

◆関連過去記事
第14回本格ミステリ大賞(小説部門、評論・研究部門)発表!!栄冠はどの作品!?

第11回本格ミステリ大賞(小説部門、評論・研究部門)発表!!栄冠はどの作品!?

第64回日本推理作家協会賞ノミネート発表される!!

「日本探偵小説を読む」です!!
日本探偵小説を読む





「現代本格ミステリの研究― 「後期クイーン的問題」をめぐって [北海道大学大学院文学研究科研究叢書17]」です!!
現代本格ミステリの研究― 「後期クイーン的問題」をめぐって [北海道大学大学院文学研究科研究叢書17]





「果てしなく流れる砂の歌」です!!
果てしなく流れる砂の歌



posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリイベント情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的 科学の力で凶悪犯を追いつめる特別捜査チーム誕生!周波数の解析、ガムの付着粉…情報を武器に誘拐犯から子供救え」(5月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的 科学の力で凶悪犯を追いつめる特別捜査チーム誕生!周波数の解析、ガムの付着粉…情報を武器に誘拐犯から子供救え」(5月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

奥多摩山中で約2年前に遺棄された人骨の一部が発見され、翌日、警視庁で捜査一課長・岩瀬泰司(西村雅彦)を中心に捜査会議が開かれる。大量の行方不明者リストを前に捜査員が頭を抱えている中、「身元なら特定できた」という声が。声の主は藤江康央(伊原剛志)。情報を武器とし、ありとあらゆる方法で犯罪者を追い詰めていく“現代捜査の最後の砦”犯罪科学分析室。室長である藤江は、長期研修から戻ってきたばかりの東大法学部出キャリアだ。藤江曰く、骨はレーザーで焼き切られたもので、2012年に中国やマカオで発見された死体と酷似しているという。その時使用されたレーザーメスが、日本のある食肉倉庫に納品されていたことを掴んだ藤江、倉田剛士(手塚とおる)、大石浩平(皆川猿時)、天城久美子(佐藤めぐみ)ら捜査員は、倉庫内から血液反応を検出。その他にも証拠を見つけ出し、骨は危険な取材をしていたフリー記者・加藤正一郎(北嶋テツヤ)のものだと判明する。一日で被害者を突き止めたことに、岩瀬は悔しさを隠せない。その後、残された銃から覚せい剤密輸の罪で逮捕・拘留中のリュウ・カイエイ(佐伯新)の指紋も見つかり、殺人容疑で再逮捕されることに。

加藤が出入りしていた文久出版に向かった藤江と倉田は、編集長(西沢仁太)から、母親の面倒を見るため、この仕事から手を引くと言っていたことを聞く。また加藤をよく知る記者・西方彰(笠原秀幸)は、加藤はトラブルだらけでフォローが大変だったと振り返る。

そんな中、内閣官房副長官補・前田哲也(宍戸開)の甥御・重田悠斗(須田瑛斗)が誘拐されたとの一報が入る。重田邸に駆けつけた藤江は、前田から事件の指揮をとって欲しいと頼まれる。官房長・曽根慶三(長谷川初範)から活躍ぶりを聞いたのだという。悠斗の父親・孝蔵(佐藤一平)のもとには「リュウ・カイエイを釈放しろ」という脅迫状が届いていた。その時、犯人から孝蔵の携帯に連絡が入る。しかも警察の存在を悟られており、犯人は「余計な手出しをすれば子供を殺す」と忠告。持病を持つ悠斗の身を案じるが、犯人が告げたリュウの釈放期限は、無情にも“明日夜7時”だった。

その頃、大石が脅迫状にある手がかりを発見する。さらに誘拐3日前に、悠斗が父親の会社の事務員と名乗る女性に声をかけられ、公園で過ごしていたことが判明。誘拐犯はリュウの再逮捕前から誘拐の準備を進めていたのだ。そこで藤江らは警察内部に内通者がいると睨むが、刻々とタイムリミットが迫り…。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

奥多摩山中で遺体が発見された。
約2年前に遺棄されたものと見られ他殺と思われた。

この捜査に警視庁捜査一課長の岩瀬泰司が乗り出した。
まずは被害者の身許特定である。
ところが、遺体には特定出来るような点が残されていなかった。

岩瀬が次の方法を模索する中、1人の男が颯爽と現れた。
その男の名は藤江康央、犯罪化学分析室長である。
犯罪化学分析室はさまざまな最先端技術を駆使し事件を分析するエキスパート部署。
そのトップである藤江によれば被害者の身許を特定出来たと言う。

藤江が注目したのは被害者の遺体処理方法であった。
其処には骨をレーザーで焼き切った痕跡が残されていたのだ。
これと同じ方法を用いた事件が過去に起こっていたのである。
その際に使用されたレーザーメスは日本でも限られた施設にしか置かれていない。

此処からある食肉倉庫を特定。
藤江は部下たちと共に倉庫内を調べ、血液反応を検出した。
この血液や遺留品から被害者がフリー記者の加藤正一郎であると突き止めたのだ。

被害者が特定されたことから捜査は飛躍的な進展を見せた。
結果、被疑者としてリュウ・カイエイを拘束することに成功する。
だが、どうやらリュウの背後には黒幕が居るらしい。

藤江は加藤が出入りしていた文久出版へ。
記者の1人である西方彰によれば、加藤は何か大きなネタを掴んでいたらしいが……。

矢先、内閣官房副長官補である前田哲也の甥・重田悠斗少年が誘拐されてしまう。
誘拐犯はリュウの釈放を要求し、期限を翌19時までと指定して来た。

急がなければ悠斗の身が危ない!!
藤江は此処でも活躍し、梶原の特定に成功する。
だが、梶原は口封じに射殺されてしまった。

あまりに素早い敵の行動に内通者の存在を確信する藤江。
しかし、これにより梶原の関与は明らかになった。
藤江は梶原の周囲を調べ、悠斗が最初に連れ込まれたと思われる建物の特定に成功する。
さらに、犯人の関係者と思われるグループの張り込みを開始。

グループに対し水道業者に扮し潜入捜査を行う藤江たち。
しかし、これは空振りに終わる。

一方、グループの出したゴミを調べたところ、悠斗が噛んだと思われる「EMガム」を発見する。
「EMガム」とはスマホゲームで人気の「エターナルモンスター」とタイアップしたガムのこと。
ガムに付随したおまけのカードに記載されたQRコードをスマホで読み取ることでモンスターを手に入れることが出来るのだ。
悠斗はこれの大ファンだったらしい。

藤江は同じゴミの中に「EMガム」を購入したコンビニのレシートを発見。
コンビニの防犯カメラ映像から犯人と思しき女性を発見する。

同じ頃、当の悠斗は2人の男女と共に車で移動していた。
男女の名は竹内と細田ゆみえ。
このゆみえこそ、藤江が防犯カメラ映像に認めた女性であった。

その頃、西方が何者かに接触し殺害されてしまう。
西方の所持品から、藤江は西方が加藤の跡を継ぎODAに纏わる不正を調べていたことに気付く。
どうやら、加藤はこれで誰かを脅迫し大金を手にしたものの殺害されたらしい。
そして、西方は正義感からこれを告発しようとし殺害されたようだ。

加藤、梶原、西方と既に3名が殺害されている。
犯人はかなり冷酷な人物だ。
おそらく悠斗を生かして返すつもりは無いに違いない。

迫るタイムリミットにリュウの釈放が決定される中、藤江はイチかバチかの大勝負に出た。
誘拐犯人に対し悠斗が生きている証拠を見せろと写真をメールで送るよう迫ったのだ。

藤江の狙いは写真のExif情報であった。
スマホやデジカメで撮影された写真には撮影場所の位置情報が機種により記録されているのだ。
このExif情報により、藤江は誘拐犯が千葉県木更津市のある家に潜伏していることを突き止めた。

藤江は千葉県へ向かう。
ところが藤江らが踏み込んだところ、中では竹内が死亡していた。

その頃、タイムリミットになりリュウが釈放されていた。
犯人の指示により、リュウを乗せたクルーザーが発進するが沖に出た途端に爆発してしまう……。

この様子を隠れ家から眺めつつ笑い声を上げる男。
彼こそ黒幕の1人・平沢芳雄であった。
その傍らにはゆみえと悠斗の姿も。

平沢は竹内に払う報酬を惜しみ、彼を射殺したのだ。
他にも平沢は悠斗宅に警備員に扮し出入りし情報を掴んでいた。
犯人たちは内通者以外にもこうした地道な方法で情報を掴んでいたのだ!!
黒幕の1人でありながら意外とケチだぞ、平沢!!

そんな平沢の笑いが凍り付いた。
何時の間にか彼の背後に藤江たちが立っていたのだ。

藤江はExif情報とは別に、エターナルモンスターのメーカーにある依頼を行っていた。
実はエターナルモンスターのメーカーでは、QRコードを読み取った端末に自動でアクセスし顧客情報をマーケティングに利用していたのである。
藤江は悠斗が「エターナルモンスター」にアクセスすることを見越してスマホの情報の監視を依頼していたのである。
これが図に当たった。

ゆみえはぐずる悠斗を宥める為に「エターナルモンスター」の利用を許した。
Exif情報から千葉県木更津市の監禁場所を特定した藤江たち。
其処から、今度はエターナルモンスターにアクセスしたスマホの位置情報を追跡し平沢の隠れ家に辿り着いたのだ。

平沢に投降を勧める藤江。
抵抗する平沢だが敢え無く逮捕されることに。

「人間の感情がお前の敗因だ……」
平沢に告げる藤江、ゆみえと悠斗の思わぬ行動が平沢の想定外だったのだ。

翌日、内通者として前田が問い詰められていた。
加藤の遺品となったUSBから平沢や梶原と共に前田が映った写真が発見されたのだ。

平沢と梶原の不正行為を揉み消した前田。
これを知った加藤は前田を脅迫した。
前田はリュウに命じ、加藤を殺害させた。
ところが、藤江の活躍でリュウが捕まってしまった。
其処で、これを解放させようと誘拐事件を起こしたのだ。
さらに、これに西方が気付いた為に口封じしたのであった。

「証拠が無い」
シラを切ろうとする前田。
だが、藤江に隙は無かった。

合図と共にやって来た人物を目にした前田は絶句する。
其処に居たのは、クルーザーと共に海の藻屑となった筈のリュウであった。

リュウは生きていたのだ。
実は藤江は秘密裏にリュウと取引し真相を告白させていたのである。
此処に前田は罪を認め逮捕されることに。

こうして、藤江の活躍で事件が解決したのであった―――エンド。

<感想>

新シリーズ「犯罪科学分析室」第1弾。
原作は月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事シリーズ」で知られる濱嘉之先生『電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央』。
文庫版が講談社から、単行本版とキンドル版が新潮社から刊行されています。

<あらすじ>

著者は元公安部――その経験だけで、小説がこんなに面白くなるはずがない。

本庁の捜査は「24」を超えた! パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。臨場した捜査官が発した至急報は、誘拐犯を追尾する、視えない静かな大捜査網の開幕を告げた――。華麗な一族の蹉跌、大企業が墜ちた奈落、腐臭を放つTVキー局幹部。驚愕のリアリティが疾走する、次世代警察小説の誕生!
(新潮社公式HPより)


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さて、ドラマの感想。

全体的になかなか面白かったですね。
藤江、渋いし格好いい!!
また、そんな藤江のもとに集ったメンバーも個性的で良かった。

その一方で、なかなかにツッコミどころも多いドラマでした。

まさか、黒幕の1人が警備員に扮して主人公の前をうろついていたとは!!
ある意味、ロールプレイングゲームで「大魔王が最初の街の武器屋のオヤジとして主人公の様子を窺ってた」のと同じくらい衝撃でした。
あれだけ部下が居るのに、何故、自らが出向いたのか平沢!!
そもそも、前田が内通しているのに出向く必要があるのか平沢!!
終盤に黒幕としてポッと出ることを避けたのか平沢!!
視聴者にとても優しいのか平沢!!

それと「エターナルモンスター」のメーカーは利用規約に自動アクセスすることをきちんと明記しているのか!?

本編とは別にこういったところばかりが妙に気になったのは何故なのだろうか……。

そして「Exif情報」と言えば「相棒season11(eleven)」第4話「バーター」でも取り上げられていましたね。

「相棒season11(eleven)」第4話「バーター」(10月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)

さて、総評。
ツッコミどころも多かったけど、エンタメ作品としては及第点だと思う。
シリーズ化して欲しい!!

◆関連過去記事
月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事 鬼コバと恐れられた刑事が世田谷の駐在に!高級住宅街に渦巻く嘘と裏切り…消えた息子が目撃した衝撃的真実!その意外な結末とは」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事2 鬼コバと怖れられた刑事が世田谷の駐在に!高級住宅街にうず巻く見栄と欲望…紙袋に2千万円!父が隠し通した衝撃的真実とは?」(4月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

藤江康央:伊原剛志
倉田剛士:手塚とおる
大石浩平:皆川猿時
天城久美子:佐藤めぐみ
竹内義彦:小林且弥
重田孝蔵:佐藤一平
赤西:中上雅巳
重田悠斗:須田瑛斗
編集長:西沢仁太
リュウ・カイエイ:佐伯新
曽根慶三:長谷川初範
平沢芳雄:森田順平
細田ゆみえ:滝沢沙織
前田哲也:宍戸開
岩瀬泰司:西村雅彦 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


ドラマ原作「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央 (講談社文庫)」です!!
電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央 (講談社文庫)





単行本版「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央」です!!
電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央





単行本版のキンドル版「電子の標的―警視庁特別捜査官・藤江康央―」です!!
電子の標的―警視庁特別捜査官・藤江康央―





「世田谷駐在刑事」です!!
世田谷駐在刑事





「鬼手 世田谷駐在刑事・小林健 (講談社文庫)」です!!
鬼手 世田谷駐在刑事・小林健 (講談社文庫)