2015年05月19日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第23話「塔を上る男2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第23話「塔を上る男2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第23話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。

千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
五島:5人の成功者の1人だが……。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第22話「塔を上る男」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

鐘楼への登頂に挑戦していた人影が登頂後に謎の転落死を遂げた。
被害者は千葉と言う男子学生。
事前にSNSで登頂予告を出しており、これに挑戦した末の事故死と思われたが……。

登頂中と登頂後の靴が異なっていたことを圭一から聞かされた蛍は事件を疑うことに。
早速、調べ始めた蛍は鐘楼登頂に纏わる5人の成功者の存在を知る。

矢先、鐘楼で再び騒動が持ち上がる。
また別の男子学生が鐘楼登頂に挑んでいたのだ。

騒ぎを聞き、鐘楼へ駆け付けた蛍。
其処では鐘楼に挑もうとした男子学生が教師たちに取り押さえられているところであった。
男子学生の名は沼代。
沼代は千葉の友人で共に鐘楼に登る約束をしていたのだが、抜け駆けされた上に千葉に死なれたことにショックを受けたらしい。
其処で彼も鐘楼登頂を果たそうとしたようだ。

教師たちに連れて行かれる沼代。
その姿を見ていた蛍は改めて真相解明の決意を固めることに。

まず、蛍が注目したのは千葉が履いていた靴だ。
これを調べたところ、登頂中と転落後とで履いていた靴が異なっていたことが確認された。

さらに、過去に登頂に成功した5人の成功者についても調べることに。
登頂の成功者の内4人が社会的に成功していることが判明。
ところが、1人五島だけは失敗を重ねた末に行方不明であることが分かる。
五島は今、何処に居るのか!?

此処で蛍は鐘楼のある秘密に気付く。
日中こそ確認出来ないが、日没後に鐘楼の壁面に光点が浮かび上がるのだ。
それは夜間でも安全に鐘楼に登る為のルートを示していた。

蛍はこれこそが「鐘楼で灯る明かり」の噂の正体だと指摘。
さらに、千葉もこれに気付き登頂したに違いないと断ずる。
メールで楓に経緯を伝えると、その理由を突き止めるべく自ら鐘楼に登り始める―――次話に続く。

いよいよ始まった蛍と圭一の奇妙な相棒物語。
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
2015年4月8日に1巻され、更に早くも2巻が発売予定!!

さて、その23話。
サブタイは「塔を上る男2」。

やはり、前回の推理通りで良さそうですね。
加えて、今回の情報によりかなり詰められそうです。

まず、22話冒頭での被害者が千葉、加害者は五島。
おそらく、五島は鐘楼の上で生活しているのではないか。
其処を興味本位で千葉に踏み入られた為に彼を殺害した。
日没後の光点は五島が鐘楼へ出入りする際に用いていたのだろう。

さて、此処で千葉以外にも沼代が登頂を予定していることを知った五島はこれ以上鐘楼に踏み入られることを怖れると同時に遺体の処理の必要に迫られた。
其処で予めSNSで予告し教師たちに周囲を封鎖させた上で、千葉に化けて鐘楼を登頂することに。
登頂後、頂上に隠しておいた千葉の遺体をまるで転落したのかのように投げ捨てた。
こうして、千葉の死を転落死に偽装し沼代の登頂を阻止しようとした。

ところが、此処で誤算が生じた。
千葉に化けたまでは良かったが履きなれた靴だけは誤魔化せなかったのだ。
結果、圭一に靴の変化を目撃され蛍に疑念を抱かれた。

こういった流れではないだろうか。
おそらく大きくは外れていないと思われるが……。
果たして管理人の推理は正しいのか!?
次回も見逃すなかれ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第21話「怪物のセオリー2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第22話「塔を上る男」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?

死神:黒い影の男の正体。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

月曜ゴールデン「釣り刑事6 突然の逮捕!!容疑は殺人!?一家を襲う悪夢…10年前の事件は冤罪なのか!?復讐!?心に傷を持つ悲しき魚たちを救え!?」(5月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「釣り刑事6 突然の逮捕!!容疑は殺人!?一家を襲う悪夢…10年前の事件は冤罪なのか!?復讐!?心に傷を持つ悲しき魚たちを救え!?」(5月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

奥多摩の渓流で、心臓外科医・芦原良彦(川野太郎)の刺殺死体が発見された。凶器が鈴木五右衛門(中村梅雀)の所持品だったため、八重樫久吉刑事(村田雄浩)と城下香津美刑事(石川梨華)は五右衛門を逮捕し署に連行する。
五右衛門が身に覚えがないと抗議すると、八重樫は、五右衛門とは折り合いの悪い葉山紀一郎警部(佐戸井けん太)が捜査を指揮していると打ち明ける。そこへ葉山が現れ、八重樫と城下を押し退け取り調べを始める…。
なす術のない五右衛門の前に思わぬ救いが現われた。五右衛門のペンションに宿泊していた弁護士の泉加代子(国生さゆり)が弁護を買って出たのである。泉は五右衛門の妻、沙依(原日出子)に頼まれて急遽駆けつけたのだ。
今回の殺人事件は知らないことだが、五右衛門は芦原とは面識があった。
話は10年さかのぼる。当時、五右衛門は看護師・上林玖美(服部名々子)殺害事件を捜査していた。この事件の容疑者が芦原と、芦原と同僚の麻酔医・佐古泰介(斉藤陽一郎)だった。二人と玖美は男女の三角関係にあった。捜査の結果、佐古が逮捕され服役したが、最近、仮出所していることが判明した。
芦原を恨んでいた佐古が復讐を果たしたのではないか。五右衛門は泉を通して、この推理を八重樫と城下に伝える。
一方、五右衛門のアリバイを立証する三池千枝(渡辺梓)が現われ、五右衛門はようやく釈放された。だが、それも束の間、葉山はその証言に不審な点があると指摘。五右衛門は再び囚われの身に。
その頃、沙依の携帯に娘の真里奈(前島亜美)を誘拐したと脅迫電話が入る。警察に知られると真里奈の命が危ない。沙依と五右衛門は夫婦ならではの阿吽の呼吸で意思を通じさせ、真里奈救出に向かう。
誘拐犯は誰なのか? 医師殺害事件との関連は? 五右衛門は必死の推理を働かせるが・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)

鈴木五右衛門は元敏腕刑事。
少し前までは亡き妻を偲びつつ1人でペンションを経営していたが、今は従業員として雇った沙依と再婚し夫婦でペンションを営んでいる。
沙依の連れ子である真里奈との関係も非常に良好だ。

そんなある日、奥多摩の渓流で心臓外科医・芦原良彦の刺殺体が発見された。
凶器が五右衛門の所持品だったことから、五右衛門が被疑者として逮捕されてしまう。

10年前、五右衛門がまだ現役刑事だった頃に担当した殺人事件の被疑者が芦原だったのだ。
事件の顛末は次の通りである。

被害者は看護師であった上林玖美。
この玖美と三角関係にあったのが芦原と麻酔科医の佐古泰介。
五右衛門はこの2人のうちいずれかが犯人と考え、互いに厳しい取調を課した。
芦原は「身に覚えがない」と主張、佐古は「芦原に嵌められた」と繰り返した。
結果、五右衛門は芦原ではなく佐古を犯人として立件したのである。
佐古は犯人として罪に服することとなった。

この因縁があった為に、五右衛門に芦原殺害の容疑が向かったのだ。
こうして五右衛門を救うべく元同僚の八重樫久吉刑事や後輩の城下香津美刑事が動き出した。
一方、沙依も夫・五右衛門を救うべく、ペンションの客として滞在していた凄腕弁護士・泉加代子に弁護を依頼する。

拘束された五右衛門は10年前の事件の経緯から佐古が芦原を殺害し、五右衛門に罪を着せ復讐しようとしていると考えた。
五右衛門は佐古が犯人だと訴えた。

一方、加代子が凄腕弁護士の名に恥じない活躍を見せ、五右衛門のアリバイ証人を連れて来た。
証人となったのは熱帯魚店を経営する三池千枝。
だが、五右衛門には千枝の記憶が無かった。

とはいえ、アリバイ証言により無実が証明されたかに思われた五右衛門。
ところが、そのアリバイ証言に不審な点があるとして再逮捕されてしまう。

同じ頃、沙依に真里奈を誘拐したとの脅迫電話が入る。
誘拐犯は五右衛門を呼び出しているらしい。
これを伝え聞いた五右衛門は監視の隙を突き脱走してしまう。

逃亡犯となった五右衛門は真里奈を救うべく奔走。
佐古が誘拐犯に違いないと考えた五右衛門は彼の行方を追う。

そんな中、五右衛門に誘拐犯から連絡が入った。
この電話で真里奈の無事を確認し、少し安心した五右衛門。
同時に誘拐犯の背後に何やら低周波のノイズが流れていることに気付く。

だが、直後に五右衛門は逮捕されてしまうことに。

ちょうどその頃、当の佐古の服毒死体が発見された。
八重樫らは佐古が芦原を殺害し逃げきれないとした自殺を疑うが。

これにより五右衛門は息を吹き返した。
脅迫電話の背後で低周波のノイズが流れていたことが気にかかっていた五右衛門はある人物を疑う。
八重樫に同行して貰いその人物のもとへ。

五右衛門が疑った人物は千枝であった。
低周波のノイズは熱帯魚の水槽の音ではないかと考えたのだ。
この推測は的中し、店から真里奈が保護され千枝が誘拐容疑で逮捕された。

千枝の動機は意外なものであった。

10年前、芦原たちに厳しい取調を続けていた五右衛門。
その3月30日にも、芦原を連行し取調を行っていた。
ところが、この日に千枝の娘・ゆりの手術の予定が入っていたのだ。
ゆりは心臓病を患っており、芦原以外には成功率が低いとされた手術であった。
取調により芦原が手術を担当出来なくなり代わりの医師がこれに挑んだのだが失敗、ゆりは死亡してしまったのだ。

この事実を長きに渡り知らなかった千枝だが、芦原の弁護士である加代子に恩を売り聞き出そうと考えた。
其処で五右衛門のアリバイ証人を申し出たのだ。
ところが、これが皮肉にも当の関係者だったのである。

ゆり死亡に対し、五右衛門に謝罪を要求する千枝。
これに、真里奈誘拐で逆に謝罪を要求する五右衛門。

結局、どちらも謝罪することなく千枝は連行された。

芦原殺害は佐古の犯行、真里奈誘拐事件も無事に解決した。
これにより日常に戻ろうとした五右衛門。
ところが、沙依の一言に凍り付く。

加代子が客として滞在中に釣りをしていたそうなのだ。
ところが、五右衛門にとってそれはあり得ないことであった。

数日後、加代子を呼び出した五右衛門は彼女が黒幕だと指摘する。

加代子が使用したとされる釣り針が新品だったのである。
念の為、ヘモクロモーゲン結晶検査法で調べても使用した形跡が出なかったことも確認している。

つまり、加代子は釣りをしていない。
にも関わらず、嘘を吐いてまでペンションに宿泊していたのは何故か?
加代子こそが黒幕であり、沙依から弁護依頼を受ける為だ。

加代子にとって芦原は邪魔者であった。
其処で芦原と五右衛門に恨みを抱く佐古を抱き込み、芦原を殺害させ五右衛門に罪を着せたのだ。
千枝のアリバイ証言も加代子の計算の1つであった。

ところが、五右衛門が逃亡犯になってしまった。
これは千枝に真里奈が誘拐されたことが理由なのだが、それを知らない加代子の目には五右衛門が自身の手で真犯人である佐古を捕まえようとしていると映った。
こうして加代子は佐古の口封じを迫られ、これを殺害したのだ。

全て想像に過ぎないと五右衛門の告発を否定する加代子。
だが、証拠があったのだ。

佐古が加代子との取引を録音していたのである。
動かぬ証拠を突き付けられた加代子は真実を語り出した。

加代子は芦原に雇われ顧問弁護士となった。
ところが、芦原は加代子の想像以上にダーティーな仕事を繰り返していた。
その尻拭いをさせられて行くうちに加代子自身も少しずつダーティーな仕事に染まって行くように。
しかも、芦原の紹介で増やしたクライアントも同様にダーティーな人々であった。
結果、加代子の仕事はさらにダーティーな内容に特化していくこととなった。

いつしか、これを芦原に脅迫されるようになった。
芦原の為に動いたことが逆に仇になってしまったのだ。

矢先、佐古が出所して来た。
佐古は芦原に「お前が真犯人だ」と詰め寄っており、加代子はこれを利用しようと決めたのだ。

後は五右衛門の指摘通りであった。

「私は手強いわよ」
今語った内容には法的効力は無いと告げつつ、不敵に笑い連行される加代子。

ところが、あっさりと加代子は自供した。
八重樫によれば受けに回ると意外と脆かったらしい。
視聴者にとっても相当意外だ。

その自供内容を聞いた五右衛門は胸を撫で下ろすことに。
10年前の犯人は、やはり佐古だったのだそうだ。
だが、佐古は自身を犯行に追い込んだ原因が芦原にあると主張していたらしい。
それを見抜けなかったとして五右衛門を恨んでいたのだ。
つまり、佐古を立件した五右衛門は間違っていなかったのである。

そして、まだ1人被害者が残っている―――千枝だ。
五右衛門は「もう少し配慮すべきだった」と千枝に謝罪。
千枝もまたこれを受け入れ、五右衛門に謝罪する。

こうして、今度こそ事件は解決。
五右衛門は真里奈の16歳の誕生日に手製の釣竿をプレゼントするのであった―――エンド。

<感想>

「釣り刑事」のシリーズ6作目。
原作なし、オリジナル作品です。
前作までの批評(レビュー)は過去記事をどうぞ!!

ちなみにシリーズ第1作は管理人が選ぶ「2時間ドラマラズベリー賞」ノミネートに輝いた作品。

【企画】管理人が選ぶ「“2時間ドラマ”アカデミー賞&ラズベリー賞2010」ノミネート発表!!

果たして今回の感想は!?
早速、述べて行きましょう。

テーマは「冤罪の恐怖」か。
10年前に五右衛門が立件した佐古の冤罪疑惑、それに並行して本当に冤罪である五右衛門逮捕が描かれることに。
自身で冤罪の恐怖を体験した五右衛門、それだけに佐古が冤罪だった場合の罪深さに恐れ戦いたのでしょう。
実際、10年前の犯行が佐古によるものでなければ……恐ろしい事になっていたに違いありません。

そして、そんな冤罪を生んでしまった際の贖罪についても些か描かれていましたね。
五右衛門を誤って逮捕しながらも謝罪1つしない葉山。
冤罪とは関係ないものの、取調の配慮に欠けたとして千枝に謝罪した五右衛門。

内容的にはシリーズ通じて今作が一番シンプルな回でしたが、これらの対比により考えさせられました。
また、五右衛門の現役時代に基づくストーリーだった点も魅せました。
そして、家族や仲間に恵まれる五右衛門……良いね!!

何より、遂に五右衛門と沙依が結婚。
これにより、いよいよ本作がテレビ東京版の「信濃のコロンボ」になった印象。
真里奈がテレビ東京版で得られなかった2人の間の娘みたいに見える。
ある意味、TBSにて「信濃のコロンボ」が復活したと考えるのもアリかもしれない。

その一方で、ツッコミどころもありましたね。

例えば、逃亡犯となった五右衛門の身柄を確保すべく葉山がペンションに現れたシーン。
裏ががら空きであっさりと逃亡を許す。

加代子が「私は手強いわよ」と嘯く→CM明け→あっさり陥落、受けに回ると脆かった。

五右衛門と千枝の和解も予定調和っぽかったかな。

けれども、これも本作の味と言えば味でしょう。アリです。

でもって、五右衛門が竿を振るたびに次のような光景が脳裏に浮かんできて仕方がない。
五右衛門の振った竿から伸びた釣り糸が「必殺仕事人」の三味線屋みたいに悪人の首に巻き付く。
此処で五右衛門は慌てず騒がず慣れた手つきでリールを巻き始める。
「ぐぇっ!!」と悲鳴を上げる悪人だが、五右衛門はそれには構わず悪人を釣り上げる。
振り返りざまに竿をしならせ、地面に膝を着きながら叫ぶ言葉は……「釣りデカっ!!」。
同時に「ビンッ」という音と共に吊られた悪人が絶命する……。
そうです、「必殺仕事人」の三味線屋そのものです。
視聴中も何時かこれをし始めてくれるのではないだろうかとぼんやり考えてしまいました。
管理人は病気なのでしょうか……ヤバイなぁ。

さて、総評。
最初に述べたとおり、なかなか良かった。
第7弾にも期待できるでしょう。

◆関連過去記事
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<キャスト>

鈴木五右衛門:中村梅雀

城下香津美:石川梨華

鈴木沙依:原 日出子

稲田隆蔵:中本 賢

鈴木真里奈:前島亜美(SUPER☆GiRLS)
城下香那美:中島早貴(℃−ute)

三池千枝:渡辺 梓

芦原良彦:川野太郎
佐古泰介:斉藤陽一郎

葉山紀一郎:佐戸井けん太

泉 加代子:国生さゆり

八重樫久吉:村田雄浩 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


アマゾンさんにて「釣り刑事」で商品を調べてみたらこれが真っ先に出ました。
パッと見て理由が思いつかなかったのですが、やがて“ソレ”に気付くとじわじわやって来ました。

とはいえ、本書の内容は非常に真面目。
「鬼平犯科帳」好きにはオススメです!!
そんな「江戸刑事人名事典(著者・釣洋一先生)」はこちら。
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