<あらすじ>
加賀藩・前田家の末裔で石川県警捜査一課の前田勝利(三宅裕司)は、検挙率ナンバーワンを誇り“金沢のコロンボ”と呼ばれている。しかし、未だ独身で母・光江(野際陽子)と二人暮らし中だ。
ある日、勝利は結婚披露宴に出席。そこで知り合った須藤直美(とよた真帆)とバーへ行くことに。いつもの観察眼で直美が金アレルギーであること、娘がいること、さらに結婚相談所で働いていることを見抜く勝利。直美を自宅まで送り、娘の里奈(宮地真緒)も紹介され、勝利は新たな出会いに心を弾ませる。
翌日、勝利は警視庁と石川県警の合同特別捜査本部で、久しぶりに警視の上野雅(浅野ゆう子)と再会する。雅は警察庁から警視庁捜査一課に出向中で、警部補の早見大吾(長田成哉)と共に事件の捜査で金沢に来たという。一週間前、東京で結婚式直前に花嫁・鍵山いずみ(斎藤ナツ子)が刺殺され、遺体にはドレスに不似合いな加賀繍(かがぬい)の髪飾りが置いてあった。加賀繍の髪飾りの線から捜査をするため、雅たちは金沢にやって来たのだ。
早速、加賀繍の職人をあたるが、その最中、勝利に殺人事件の一報が入る。金沢のホテルで、花嫁が刺殺されたというのだ。現場に駆けつけた勝利は、被害者が前日に出席した披露宴の花嫁・佐久間星香(友咲まどか)であることに気づく。しかも遺体には東京の事件と同じ加賀繍の髪飾りが…。関係者に話を聞くと、星香にしつこく言い寄っていた清水竜太(出合正幸)という男が浮かび上がる。清水は星香の高校時代の先輩で、清水が東京の会社に就職するまで付き合っていたという。さらに清水は2年前に金沢に戻っていた。勝利、雅は清水に話を聞くが犯行は否認する。
東京と金沢の事件は、刺創の形状が一致し、同じ柄の加賀繍の髪飾りが残されていたことから、同一犯による連続殺人事件の可能性が高まる。そして清水は東京にいた頃、鍵山いずみと同じ会社に勤めていたという情報も入る。
勝利と雅は星香の周辺を洗い出すため、直美が経営する結婚相談所へ向かう。星香はここで結婚相手を見つけたが、直美の話ではストーカーに悩んでいたという。一方、いずみもかつて芸妓の修行で金沢に住んでいた時期があることが判明。さらにいずみも金沢でストーカーに悩んでいたとの情報を得る。いずみが金沢にいた時期と、金沢に戻った清水とは1年間重なる期間があることも分かる。
清水への疑いが強まるなか、いずみも直美の結婚相談所に登録していたことが明らかに。直美やスタッフの谷口洋一(吉田大蔵)の協力を得て、殺害された二人と会ったことのある男性を調べると三人が浮上する。そして、その三人が参加するお見合いパーティーに、雅が参加者として潜入することになるが…。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
加賀百万石で知られる前田家。
その末裔は石川県警捜査一課にて刑事となっていた。
名は前田勝利、検挙率ナンバーワンを誇り“金沢のコロンボ”と呼ばれる名刑事である。
しかし、そんな勝利にも弱点があった。
何故か未だ独身なのである。
どうやら、その原因は女心への疎さにあるらしいのだが……。
ちなみに、勝利は「謎は全て解いてみせる……利家公の名にかけて!!」とは言わないので要注意。
そんなある日、佐久間星香の結婚披露宴に出席した勝利は須藤直美と出会うことに。
直美は結婚相談所を経営しており、今回の結婚を取りまとめた立役者であった。
勝利はいつものように直美の生活環境を推理。
直美が金アレルギーであること、娘がいるが独身であることを見抜く。
普段ならばこれで顰蹙を買うところなのだが、今回ばかりは異なっていた。
直美はそんな勝利を「凄い!!」と褒め称え好意を抱いた様子。
女性からこうして素直な好意を寄せられた経験が少ない勝利は動揺しつつも大喜びだ。
そんな勝利に直美は娘・里奈を紹介。
思わぬ展開に勝利は「結婚」を意識するように。
同じ頃、本庁から石川県を訪れた上野雅警視の姿があった。
雅は一週間前に東京で発生した鍵山いずみ殺害事件で捜査に赴いていたのだ。
いずみは結婚式直前に刺殺されており、遺体には市松模様で加賀繍の髪飾りが置かれていた。
久しぶりの雅との再会を喜ぶ勝利。
実は勝利に好意を寄せた数少ない女性の1人が雅だったのだ。
そんな雅のご指名で彼女の捜査に協力する勝利。
早速、加賀繍の職人を調べるが遺体の傍にあった市松模様の髪飾りの製作者は見つからない。
矢先、またも結婚式直前で花嫁が殺害されてしまう。
被害者はあの星香、現場には今回も加賀繍の髪飾りが落ちていた。
こうして、星香といずみ殺害は連続殺人事件と判断されることに。
捜査の中で、星香にストーカーが居たことが判明。
星香の高校時代の先輩・清水竜太が容疑者として浮上するが、清水は犯行はおろかストーカーさえも否定する。
もしかして別にストーカーが存在するのか!?
勝利はいずみと星香の共通点に注目し、2人が共に直美の結婚相談所を利用していたことを突き止める。
こうして、直美やその部下・谷口洋一の協力を得ることに。
特に谷口は「いずみと星香が共にオリゾンの香水を使用していた」と、かなり2人について詳しい様子。
そんな谷口によれば「怪しい人物が3人居る」そうだ。
ワイン好きの村上謙一、潔癖症の青木栄治、写真が趣味の矢島正人だ。
彼らの中にストーカーが居るかもしれないと考えた勝利たち。
其処で雅が加賀繍の髪飾りを着用し、彼らが参加するお見合いパーティーに潜入することに。
雅に対しそれぞれの反応を示す3人。
中でも、特に反応を示したのは矢島正人だ。
雅は矢島宅に招かれることに。
一方で、そんな雅をライバル視する女性が居た。
彼女の名は池園ひかり、元厚労省の役人で今はカナユメグループを運営する池園雄治の1人娘であった。
ひかりもまた加賀繍に造詣が深いらしいが……。
ひかりに牽制されつつ、矢島宅を訪れた雅。
すると、矢島が本性を露に。
矢島は雅に襲い掛かるが……あっさりと返り討ちに。
どうやら、矢島はこれまでにも同様の手法で家に誘い込んだ相手を襲っていたらしい。
だが、ストーカーでは無いようだ。
此処で勝利が谷口こそがストーカーなのではと気付いた。
谷口は「いずみと星香が共にオリゾンの香水を使用していた」など必要以上に詳し過ぎたのだ。
早速調べたところ、谷口こそがストーカーだったことが明らかに。
ところが、当の谷口が何者かに殺害されてしまう。
勝利は谷口がストーキング中に星香殺害犯を目撃し脅迫した為に口封じされたと推測する。
一方、清水が違法薬物で逮捕された。
同時に彼のアリバイも確認された。
ストーカーは犯人ではなかった。
こうして捜査は振出に。
勝利は再び加賀繍の髪飾りを追う。
すると、引退した森という職人が3本製作したことが判明。
注文主が「池園ひかり」を名乗っていたことが分かった。
そう、あの池園ひかりだ。
さらに調べたところ、ひかり、いずみ、星香の父親が共に親しいことが発覚する。
3人共に池園を中心に「カナユメグループ」が運営する「老人介護施設カナユメホーム」に関わっていたのだ。
しかも、ひかりが3日後に海外留学することも判明。
雅はひかりが「海外逃亡するつもりでは」と指摘。
だが、勝利は他の人物による犯行を疑う。
「カナユメグループ」について調べた勝利。
すると、3年前に「カナユメグループ」を担当している「太陽監査法人」の公認会計士が謎の自殺を遂げていた。
その名は川上、500万円を持ち出した不祥事の責任を取っての自殺だったそうだ。
だが、その死亡翌日には娘の結婚式を控えていたこともあって他殺も疑われる死だったと言う。
さらに、市松模様が公認会計士の印と判明。
此処で勝利は川上の遺族が娘たち相手に復讐していると結論付けた。
川上の遺族を調べたところ、直美こそが妻だったことが明らかに。
雅は直美を容疑者とするが……。
勝利はモンブランを食べて「栗だと思いきや五郎島金時だった」ことから真相を看破する。
直後、ひかりと連絡が取れなくなり直美も姿を消した。
勝利と雅はひかりのもとへ。
其処では里奈がひかりを殺そうとしていた。
そう、妻である直美に動機がある様に娘である里奈にも動機があるのだ。
勝利は「栗だと思いきや五郎島金時だった」経験からこれに気付いたのだ。
そして、もう1つ根拠があった。
星香殺害時、金粉が現場の周囲に撒き散らされていたのだが、数時間後に勝利が直美と出会った際にはアレルギーが出ていなかった。
つまり、直美は現場に近付いても居ないのだ。
だからこそ、里奈しか居なくなったのである。
里奈によれば、池園たちの不正に気付いた川上はこれを告発しようとし殺害されてしまった。
其処でこの復讐をすべく、その娘たちを殺害しようとしていたらしい。
いずみ、星香までは成功したが、其処で谷口に犯行を目撃され脅迫された。
其処で口封じに殺害したのだ。
里奈はその場で逮捕されることに。
池園たちも川上殺害で逮捕された。
直美は里奈を止められなかったことを悔い、彼女を待つらしい。
結果、勝利はフラれた形となった。
肩を落とす勝利を励ましつつ再会の約束を交わす雅であった―――エンド。
<感想>
「金沢のコロンボ」シリーズ第2弾です。
内田康夫先生「信濃のコロンボ」を想起させるタイトルですが原作は無し。オリジナル作品です。
ちなみに、勝利は前田利家の子孫との設定なんですね。
とはいえ、「謎は全て解いてみせる……利家公の名にかけて!!」とは言わないキャラクターのようです。
では、ドラマの感想を。
前作が楽しめただけに、今回はかなり微妙かなぁ。
何と言っても展開がイマイチだった点が大きいが、他にもイロイロある。
例えば「直美と出会った時のまさにホームズ然とした推理力がその後に発揮されない」。
これは大きいかなぁ。
あの推理力がたびたび発揮されていれば良かったのに。
あれでは設定を説明しただけになってしまう。
むしろ、あの推理力でいきなり犯人を看破するんだけど、その犯人が何者かに殺害されてしまって……的な展開の方が良かったのではないか。
他にも加賀繍の髪飾りの件があまり活きていない点やモンブランから真相を看破するのもかなりモヤモヤ。
ただ、金アレルギーが「犯人特定の決め手」になるかと思いきや「犯人ではない決め手」になるとは意外でしたね。
此の点は良かったと思います。
それと前回は揶揄してしまいましたが、いっそ行動の全てが事件解決に繋がっていた方が面白かったのではないでしょうか。
<キャスト>
前田勝利:三宅裕司
上野雅:浅野ゆう子
前田光江:野際陽子
須藤直美:とよた真帆
池園雄治:大和田伸也
須藤里奈:宮地真緒
森修造:村野武範
山本政之:山崎大輔
刈谷哲司:吉満寛人
矢島正人:半田健人
佐久間敦:伊藤正之
早見大吾:長田成哉
若田部敦:秋山真太郎
村上謙一:山田ルイ53世(髭男爵)
青木栄治:ひぐち君(髭男爵) ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)
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