2015年08月09日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第35話「崖の下の呪い家3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第35話「崖の下の呪い家3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第35話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」に登場。
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。

和也:蛍の弟。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

圭一の死の謎を突き止めるべく、彼が調べていた展望台(19話「消える人々」参照)を訪れた蛍たち。
圭一は展望台から消える人々について調べていたのだが、蛍は彼らが展望台から突き落とされたと推理し展望台下の廃屋に目を付けた。
早速、廃屋へ向かった圭一だが、廃屋それ自体に捕まってしまうことに。
此の廃屋は突き落とされた被害者たちを吸収し意志を持って霊を取り込むようになっていたのだ。
しかも、生者に対しても例外は無く殺害してまで吸収していたのである。
迂闊に近づけない蛍だが圭一を救うべく、ある人物に注目した―――そう、世界改変すら可能な力を持った桃園霧子である。
桃園の協力を得ようと足掻く蛍だが……。

当の桃園の反応はかなり鈍いものであった。
廃屋の場所まで聞き出しておきながら動くつもりは無いようだ。
しかも、驚くべきことに彼女は自身の絶大なる力に気付いてさえいないようである。
どうやら、桃園は無意識のうちに他者に影響を与え自身に跪かせて居たようだ。

これでは到底、桃園の協力は望めない。
困り果てた蛍は桃園自身の意志はともかく廃屋へ連れて行く方法を模索することに。

その頃、捕らえられた圭一は廃屋と同化しつつあった。
それにより廃屋の記憶を垣間見る圭一。
数人の男たちが見える、どうやら廃屋を訪れた「十二人委員会」のメンバーらしい。
だが、その顔は窺えない。
彼らは犯罪者を展望台から突き落とすことで制裁に代えると語っていた。
やはり、圭一の推理は正しかったのだ。
と、メンバーの1人が唐突に「赤木圭一」と口にした。
驚く圭一だが、その意図は分からない……。

一方、蛍は必死に桃園誘導作戦を実行に移していた。
まずは、挑発作戦。
これは蛍が桃園のプライドを傷付けることで、蛍から目が離せないように仕向け廃屋へ誘き出す作戦だ。
ところが、これはあっさり看破されてしまう。

それどころかさらに事情を問い詰められることに。
「事情によっては力になるから」と歩み寄りを見せる桃園に、蛍は「信じて貰えないだろうが……」と勇気を振り絞って全てを明かした。

圭一が行方不明になったこと。
その圭一が幽霊となって戻って来たこと。
見場の事件、鐘楼の事件などなど。

蛍は心のうちを偽ることなく打ち明けた。ところが……。

「あら?あなたって不思議ちゃんだったのね」
これを聞くや桃園が冷笑を浮かべた。
その手には何処に隠していたのかボイスレコーダーが握られている。

蛍は気付いた……桃園に嵌められたのだ!!
蛍の告白が録音されたソレをプラプラと鼻先で振り回す桃園、弱味を握ったと大喜びである。

それは普段の冷静な桃園とは思えぬほどの燥ぎようであった。
反面、蛍の表情が冷めて行く。
蛍は最後の手段を取ることを決意したのだ。

放課後、自席に戻った桃園はお気に入りのアクセサリーが無くなっていることに気付いた。
まさか―――慌てて蛍の教室を訪れた桃園は彼女の机の中を覗き込む。すると……。

「返して欲しければ廃屋まで来るように」とのメッセージカードが残されていた!!
逆上した桃園は廃屋へと駆け出す。

一方、桃園を呼び出した蛍は廃屋前で彼女の到着を待ち構えていた。
ところが、現れたのは廃屋の解体業者であった。
前々から解体話が出ていたようだが、蛍と楓たちが動いたことで実際に決定したようである。
しかし、これでは圭一が救い出せなくなってしまう。

焦る蛍の目に遠くから怒りの形相で駆け寄って来る桃園の姿が!!
その勢いは凄まじく、直ぐにでも到着しそうだ。

これを見ていた蛍はイチかバチかの大勝負に出る。
詰め寄って来た桃園をギリギリで躱して、廃屋へと押し出したのだ。
バランスを崩した桃園はよろめきながら玄関に触れた。
途端、あっと言う間に廃屋が崩れ落ちた。

桃園VS廃屋は桃園の圧勝であった。
敷地内にすら足を踏み入れていない。

絶句する蛍と解体業者をよそに、桃園は異変を気に留めるでもなくアクセサリーの返却を迫る。
呆然としつつアクセサリーを返却する蛍。

同時に瓦礫の中から圭一が現れた。
どうやら無事だったようだ。
ほっと胸を撫で下ろす蛍の前で、桃園は怒りも露に背中を向けて去って行く。
それを恐る恐る見送る蛍。
もはや、桃園は蛍の顔すら見ようともしなかった。

なんとか、圭一を助け出すことが出来たが今回の代償はあまりにも大きかった。
桃園を敵に回してしまったことに、明日以降の学園生活を思い浮かべ戦々恐々とする蛍であった―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻に続き、早くも3巻が発売予定!!

さて、その35話。
サブタイは「崖の下の呪い家3」。

やはり、桃園を廃屋に連れ出すことが争点となりました。
そして、桃園VS廃屋は桃園の圧勝に。
圭一も無事に助け出されました。

とはいえ、桃園が自身の力を認識していなかったとは想定外でした。
だとすると、桃園の周囲では以前から超常現象が起こっている筈なのですが、彼女は全くソレを意識していなかったことに。
今回も廃屋が瓦解しているにも関わらず、気にも留めていません。
これが桃園の日常なのでしょう。

つまり、桃園自身が任意に力を奮っているワケではない。
となると、その発動には何らかのルールが存在している、あるいは桃園が認識した周囲にのみ無作為に発生するのか。
おそらく後者だと思われます。
だからこそ、「聖マルス学園」内にも関わらず、桃園が関知しなかった見場事件や鐘楼事件が放置されていたんですね。

それにしても、これは恐ろしい。
本人の任意でない以上、場合によっては悪意を持つ者に利用される可能性がありそう。
桃園自身の性格上、かなり困難を伴うとはいえ結果として起こり得るのは奇しくも蛍で実証済み。
こうなると、次回以降は蛍と桃園との関係回復が主眼となりそうか。

そして、やはり「十二人委員会」の仕業でしたね。
メンバーの口から圭一の名前が出て来ていましたが、これはおそらく「十二人委員会」と敵対しており監視されていたからでしょう。

次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第31話「謎の桃園2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第32話「節の反抗期」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第33話「崖の下の呪い家」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」に登場。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介 未解決事件の死者が復讐殺人!?美女の口元に現れた5年分の嘘…静電気で見える暗号文と、絶対に指紋が残るペンの謎!!」(8月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介 未解決事件の死者が復讐殺人!?美女の口元に現れた5年分の嘘…静電気で見える暗号文と、絶対に指紋が残るペンの謎!!」(8月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

片岡悠介(寺島進)は警視庁の“お荷物”部署・再捜査班に追いやられた“鼻つまみ者”の刑事で、口うるさい母・美知恵(吉行和子)と2人暮らしをしているバツイチ男。“カタブツ美女”の奥村澪刑事(原沙知絵)と、いじめられることで潜在能力を開花させる、“ドM”な浅野直樹刑事(金子貴俊)、事なかれ主義で“定時退勤”がモットーの姉川恵津子班長(あめくみちこ)と共に、エリート刑事たちに解けなかった迷宮入り事件の謎を解き明かしてきた。

ある日、悠介は科捜研技官の一二三祐希(吉田羊)から呼び出しを受ける。ある殺人事件の遺留物を調べていたところ、5年前に死んだ男の指紋が出たというのだ。その事件は料理人の二階堂隆二(池田政典)が刺殺されたもので、彼にしつこく言い寄られていた女性・桜木春美(三浦理恵子)に容疑がかかっていたが、その春美の亡き夫・桜木敏彦(原田龍二)の指紋が、現場から検出されたのだ。
実は、敏彦は5年前に料理評論家の前島美雪(瀬戸早妃)が刺殺された事件で容疑者として追われていたが、警察の包囲をかいくぐって逃亡。その数日後、崖から海に飛び込み自殺を図り、被疑者死亡で捜査は一旦終結となっていた。新たな事件の被害者・二階堂はかつて敏彦の下で働いていたが、敏彦の死後、店の看板を掛け変えて、自らの店をオープンしていた。また二階堂は、春美に好意を抱いていた様子で、殺害される直前に春美の家に押しかけて騒ぎを起こしていたことがわかっていた。

5年前に死んだはずの桜木敏彦が生きていたとすれば、二階堂殺害事件の様相はまったく変わってくる…。敏彦の指紋の件を捜査一課が真剣に取り合ってくれないことに苛立つ一二三から「“再捜査の鬼”のあなたなら食いつくでしょ?」といわれ、そのとおりすぐに食いついた悠介。二階堂殺人事件を捜査中の本田勇蔵刑事(不破万作)を訪ねたところ、取調室にいる春美の顔を見て驚く。「俺が高校3年のときに猛烈アタックして惜しくも敗れ去った、春美ちゃんだ!」――。春美はなんと、悠介がその昔、片思いしていた相手だったのだ。
突然、現れた悠介に戸惑う春美。悠介は、春美が見せた、あるクセから二階堂の事件に関して嘘をついていることを見抜く。春美の夫・敏彦がまだ生存しており、二階堂殺害にも関わっているはずだと確信した悠介は、5年前の前島美雪殺害事件の再捜査を開始する。すると同じ5年前に、もうひとつの未解決事件があったことが発覚して…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

5年前、料理評論家の前島美雪が刺殺された。
この容疑者とされたのが美雪に酷評されていた料理人・桜木敏彦。
追われた桜木は妻・春美と娘を残し姿を消した。
数日後、崖上から桜木の衣服が発見された。
桜木は崖から身を投げたとされ、被疑者死亡で事件は幕引きを迎えた。

そして現在―――片岡悠介は警視庁特命捜査対策室、通称・再捜査班に所属する刑事である。
片岡は、部下である奥村澪刑事と浅野直樹刑事と共に3人で数々の事件を解決して来た。
前作からは「班長」として姉川恵津子がこれに加わり、皆で一丸となって事件解決にあたっている。

そんな中、二階堂隆二なる男性が刺殺された。
容疑者とされたのは二階堂に言い寄られていた春美であった。
二階堂は桜木の下で働いており、春美に好意を寄せていたらしい。
春美自身は強く拒否していたが、二階堂は聞く耳を持たなかったようである。

誰もが春美の犯行を信じる中、ただ1人・片岡だけは彼女を信じる。
春美は片岡の学生時代のマドンナだったのだ。

ところが、此処で驚くべき事態が発生した。
なんと、二階堂殺害現場の遺留品から桜木の指紋が検出されたのだ。
桜木は5年前に死亡している筈であった、これは一体どういうことなのか!?

桜木が生きているとすれば、美雪殺害についても新事実が浮かぶのではないか。
こうして、片岡が再捜査に乗り出した。

すると、美雪の背後に「神崎フーズ」の神崎涼子が存在していたことが判明する。
涼子は桜木の店を買収するべく、美雪を使って酷評記事を書かせたのだ。
どうやら、涼子は同様の手口で事業を拡大して来たらしい。

さらに、片岡は5年前の桜木の行動を調べ秩父市に辿り着く。
どうも桜木は秩父の酒造会社・吾妻酒造に出入りしていたようだ。

これを訪れた片岡は銀行から出向して来ている専務・川田や蔵人の矢崎日名子から話を聞くことに。
すると「吾妻酒造」の後継者・早苗が桜木に好意を寄せていたことが分かる。
ところが、当の早苗は5年前から消息不明になっていた。
もしや、桜木と早苗は共に逃げているのか?

片岡は二階堂が所持していた手帳からページが1枚消えて居ることに注目。
そのページに意味があると考えた片岡は手帳の復元を依頼。
静電検出装置で筆圧を読み取ってみると「イザクニシロ 山国」との文字が浮かび上がった。

これに悩む片岡に母・美知恵が力を貸す。

「イザクニシロ」は「139246」で「東経139度」。
「山国」は「サンゴク」で「359」、すなわち「北緯35度」を示してた。
つまり「東経139度、北緯35度」の場所を指していたのだ。
それは埼玉県秩父市山中であった。

山に分け入り辺りを調べたところ、埋められた痕跡を発見する片岡。
掘り返してみると、其処から東早苗の遺骨が発見された。
どうやら、他殺のようだ。
しかも、早苗の遺骨の傍には万年筆が落ちていたのだ。

5年前、吾妻酒造が涼子の買収工作に遭っていたことが判明。
桜木と同様に美雪を利用して窮地に追いやっていたらしい。
もしかすると、涼子が早苗を殺害したのではないか。

涼子の部屋から凶器の包丁が押収。
さらに、早苗の遺骨傍に落ちていた万年筆の握り手から涼子の指紋が検出された。
こうして、涼子が美雪と二階堂殺害犯として追われることに。

ところが、当の涼子が刺殺されてしまった。
この容疑者として春美が身柄を拘束されてしまったのだ。
だが、桜木と思われる人物が現場から逃亡する姿が目撃されたことで容疑は一転して桜木へ向かう。

これに疑惑を抱く片岡はもう1度事件を振り返る。
涼子が何らかの事情で美雪を殺害した。
このとき、二階堂が涼子に協力したのだろう。
後に、二階堂は涼子を脅迫した。
其処で涼子が二階堂を殺害したのだ。
此処までは間違いない。
だが、早苗殺害だけがどうにも宙に浮く。

何と言っても万年筆の握り手部分にのみ涼子の指紋が残っていたのが不自然なのだ。
涼子はわざわざ指紋を拭った上で早苗の死体の傍に万年筆を残したことになる。
自然に考えれば第三者の工作を疑うべきだろう。

直後、逃亡生活を送っていた桜木が逮捕された。
桜木は全ての犯行を否定する。
これに片岡は確信を得た。

万年筆の指紋が犯人の工作だとすれば、犯人は涼子の指紋をどうやって万年筆に付けたのか?
なにしろ、涼子はツイスト式のボールペンを愛用していたのだ。
何処かの席で涼子に万年筆を使用させたのかもしれないと考えた片岡は録画映像を視聴し犯人を突き止めた。

犯人は「吾妻酒造」の川田であった。
川田が涼子に万年筆を渡すシーンがバッチリ残っていたのだ。
これに罪を認めた川田は全てを告白する。

涼子は川田を利用し「吾妻酒造」乗っ取りを図っていた。
ところが、早苗にこれを勘付かれたのだ。
早苗は川田の裏切りを察するや告発すると騒ぎ出した。

しかも、川田は早苗を愛していた。
だが、早苗は桜木を愛していたのだ。
川田は早苗を激しく憎んだ。

其処で、川田は早苗を殺害。
念の為、涼子の指紋が付着した万年筆を遺体の傍に残した。
ところが、早苗の遺体を山中に埋めるところを美雪に目撃されてしまった。

川田は万年筆の件で涼子を脅迫し美雪殺害を唆した。
涼子は二階堂の協力を得て美雪を殺害。

しかし、今度は二階堂に脅迫された。
またも川田が殺害を唆し、涼子が二階堂の口を封じたのだ。

そして、涼子を殺害したのも川田の犯行であった。

川田が逮捕され、事件は解決した。
桜木と春美は改めて共に暮らし始めたそうである―――エンド。

<感想>

「再捜査刑事・片岡悠介」の第8弾、オリジナルシリーズなので原作はありません。
前作は2015年1月31日に放送されているので、実にほぼ半年ぶりの続編となります。
これまでのシリーズについてはネタバレ批評(レビュー)がありますね。
興味のある方は、過去記事リンクよりどうぞ!!

では、第8弾の感想を。
香織離脱後の第2作目となりました。

さて、此処で今回を振り返ってみましょう。
時系列順に順序立てると発生している事件は次の通り。

まず、早苗殺害。
これを目撃され美雪殺害。
美雪殺害を脅迫され二階堂殺害。
全ての罪を着せるべく涼子殺害。

全部で4件ほどか。
犯人はそれぞれ、早苗と涼子が川田の犯行、美雪と二階堂が涼子の犯行でした。
川田と涼子が5年前と現在で2件ずつの犯行に及んだことになります。
それにしても、こうして振り返ると早苗から二階堂あたりまでは「ピタゴラスイッチ」を思い出させるほどの流れ具合ですね。

では、此処からイロイロ気になった点を。

早苗の遺体遺棄現場ですが5年も経過しているのに掘り返した痕跡を発見し埋めた場所が分かった不思議!!

遺棄現場と言えば、二階堂の手帳に早苗の遺体遺棄現場の暗号が残されていたワケだが、二階堂が早苗の遺体の場所を知っているのは何故なのだろう?
目撃したのは美雪であって二階堂ではないワケだし。
誰かが二階堂に教えたのか?
いや、二階堂に教える必然性は無い筈なのだが。
何故、二階堂はこれを知り得たのか……謎だ。

そうそう、川田の遺体遺棄現場を深夜にこっそりとあの服装で見届ける美雪は行動力があるなぁ……。

でもって、川田の犯行を断定したのは万年筆だけじゃん!!
「神崎社長から受け取った万年筆は早苗さんに渡した」と川田が供述したら、それを崩すことは不可能なのではないか。
あれで川田の犯行は断定出来ないような気がするが。

川田と言えば、涼子に容疑が向かうように工作したと主張していたがイロイロ無理があるような。
あれは涼子の自滅だろうに。
そもそも、涼子が証拠品を大事に保管している必要が無いんだよなぁ……。
なんで、保管していたんだろ。

二階堂と川田のキャラも近かったなぁ。

それと、涼子が川田の命令に従う必要が無いような気がする。
早苗の遺体が発見されて一番困るのは当の川田だろうに。

他にもイロイロありますが、第9弾はどうなるのか……次回にも期待!!

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<キャスト>

片岡悠介:寺島 進
奥村 澪:原 沙知絵
浅野直樹:金子貴俊
姉川恵津子:あめくみちこ
一二三祐希:吉田 羊
片岡美知恵:吉行和子
桜木春美:三浦理恵子
桜木敏彦:原田龍二
神崎涼子:黒田福美
矢崎日名子:遊井亮子 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


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