水曜ミステリー9「検事・沢木正夫3 共犯者 殺意の三角関係!白マスクの男と鉄壁アリバイの謎!!音の出ないピアノ…復讐の旋律」(8月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
東京・東中野で心臓をひと突きされた男性の遺体が発見され、警視庁捜査一課の梨本克昭(大友康平)から連絡を受けた東京地検検事の沢木正夫(寺脇康文)は、現場に駆けつける。被害者は「東和カルチャーセンター」学長の辻川義和(大和田獏)。辺りの状況から顔見知りによる犯行が高まる中、沢木は偶然、中学時代の親友・瀬崎勝(中村橋之助)と再会する。しかも「東和カルチャーセンター」で歴史講師をしていると聞き、沢木は驚く。
調べによると、辻川はかなりのやり手だったが高圧的な物言いゆえ敵も多く、一カ月程前に催されたホームパーティーでは、辻川の顔写真にナイフが突き刺さったケーキが送り付けられていた。また女性関係も派手で、最近はフラワーデザイン講師の藤木玲奈(高橋かおり)と深い仲となっていた。殺害直前は、現場近くの喫茶店にひとりで現れたという辻川。しかも店主・丘野(ビートきよし)によれば、店に辻川宛ての電話があり、その後、白いマスクの男が現れ一緒に出て行ったという。
そんな中、捜査本部に“辻川の妻・嘉穂(国生さゆり)に男がいる”というタレコミ電話が入る。梨本の調べで、相手は心療内科医の片桐芳彦(二階堂智)であるとわかり、さらにマスクの男の容姿と一致することから容疑者として浮上する。片桐いわく、辻川のDVに関する相談を受けているうちに、付き合うようになったという。しかし誰がタレコミをしたのか?一体何のために…?
沢木と事務官の国松敏夫(嶋田久作)は、辻川の通夜に出向くが、参列者は閑散としていた。そこへ玲奈を連れた瀬崎が現れ、玲奈との結婚を真剣に考えていると宣言する。実は辻川に「玲奈から手を引け」と脅されていたという瀬崎。事件当夜には辻川から呼び出されていたが、玲奈と会うため約束をすっぽかしていた。玲奈も確かに瀬崎とホテルにいたと証言するが、瀬崎は20分ほど席から離れていたという。
瀬崎、玲奈、辻川…この3人の三角関係のもつれが事件と関係しているのか?そんな思いがよぎる中、捜査線上に意外な人物が浮かぶ。そしてそこには、思いもよらない過去の闇が隠されていた…!
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……沢木正夫は東京地検の検事である。
日夜、「人は過ちを犯すが、正せないことはない」をモットーに被疑者と向き合い、真実を見詰めている。
ある日、東京・東中野で男性の刺殺体が発見された。
被害者は「東和カルチャーセンター」学長の辻川義和。
辻川は殺害直前まで現場付近の喫茶店に滞在しており、何処かからの電話を受けて何やら頷くと、その後に現れた野球帽にマスク姿の男と共に出て行ったらしい。
おそらく、その男が犯人と思われた。
辻川はかなりのやり手だが敵も多かったようだ。
1ヶ月ほど前にはホームパーティに、ナイフが突き立てられたケーキが届けられる事件も起こっていたらしい。
しかも、辻川には妻・嘉穂が居るにも関わらずフラワーデザイン講師の藤木玲奈と男女関係にあったのである。
それだけに、辻川は用心深い性格であった。
にも関わらず、どうして警戒することなく男について行ったのだろうか?
そんな中、沢木は辻川のスクールで瀬崎勝と再会する。
瀬崎は沢木の中学時代の親友で、かつあげにあった沢木を助けたことから親交が始まっていた。
数年ぶりの再会に驚く沢木だが、さらに驚くことに。
なんと、瀬崎は辻川のもとで歴史講師を務めていたのだ。
思わぬ再会に何かを感じる沢木。
矢先、何者かの密告電話により辻川だけでなく嘉穂にも愛人が居ることが判明。
相手は心療内科医の片桐芳彦であった。
片桐によれば嘉穂が辻川からDV被害を受けており、相談されるうちに親密になったらしい。
こうして容疑は嘉穂と片桐へ。
だが、嘉穂と片桐にはアリバイがあり犯行は不可能であった。
一方、沢木は密告電話の内容よりも、その主を気に掛ける。
その夜、辻川の通夜に出向いた沢木は玲奈と共に居る瀬崎に出会う。
なんでも、瀬崎は玲奈と結婚を前提に交際しているらしい。
だとすれば、瀬崎は玲奈を巡って辻川と対立していたことになる。
これに違和感を抱く沢木。
何故なら、沢木が知る瀬崎は結婚などの決意を軽々しく口に出来る人間では無かったからだ。
ともあれ、瀬崎にも犯行動機が生まれたことで容疑が向かうことに。
しかし、犯行当夜に瀬崎は玲奈と共にホテルに一泊するとのアリバイがあった。
だが、沢木は瀬崎が数分の間だけ席を立ったと聞くや、ある確信を抱く。
辻川が誰かから受けた電話は瀬崎による物では無かったか。
瀬崎は電話で辻川を油断させ、共犯者を迎えにやり辻川を殺害させたのではないか。
直後、共犯者となりうる人物が浮上した。
嘉穂をストーカーしていた篠田洋介である。
篠田は嘉穂を想うあまり辻川を憎んでいたようだ。
例のホームパーティーのケーキも篠田の犯行であった。
そんな中、瀬崎と嘉穂に意外な接点が判明。
なんと、大学時代の瀬崎と嘉穂が交際していたのである。
しかし、ある事故により別れていた。
当時、音大に通っていた嘉穂はピアニストを目指していたのだが瀬崎の運転する車で事故に遭い、腕を負傷し夢を諦めていたのである。
責任を感じた瀬崎は嘉穂に結婚しようと提案するが、同情はいらないと嘉穂がこれを拒否。
結果、2人は別れていたのだ。
今もまだ瀬崎が嘉穂を愛していたのなら篠田と共謀することも可能である。
瀬崎と篠田は「嘉穂を守る為」に辻川を殺害したのだ。
そして、沢木が知る瀬崎ならば篠田を生かしておく筈がない。
篠田は既に瀬崎に口封じされていると思われた。
これを証明するように玲奈から「瀬崎が篠田らしき男と接触していた」との証言が飛び出した。
沢木は瀬崎に罠を仕掛けることに。
翌日、瀬崎を呼び出した沢木は「篠田の身柄が拘束された」と嘘を吐く。
これを真に受けた瀬崎は激しく動揺し、沢木と別れるや車を飛ばしてとある山中へ。
篠田は其処に埋まっている筈であった。
泡を食いつつ、土を掘り返す瀬崎。
すると、奥から篠田の遺体が出て来るではないか!!
首を傾げる瀬崎。
同時に周囲にライトが!!
沢木の命で刑事が瀬崎を尾行していたのだ。
こうして、瀬崎は身柄を拘束された。
沢木に取調を受けることとなった瀬崎は事情を明かし始めた。
嘉穂を愛していた瀬崎。
だが、事故で嘉穂の夢を絶ってしまった。
さらに、嘉穂からも拒否されたことで独身を貫いていた。
そんなある日、辻川から彼の妻を紹介されて驚いた。
嘉穂だったのだ。
嘉穂は笑顔を失っており、瀬崎はショックを受ける。
罪の意識を抱いた瀬崎は嘉穂に「今も愛している」と告げた。
すると、嘉穂は言ったのだ「今も私を愛しているのだったら、証を見せて」と。
愛している証拠を見せろと詰め寄られた瀬崎は嘉穂の為に辻川を殺害することを決意。
嘉穂のストーカーであった篠田を500万円で雇い入れた。
そして犯行当日、瀬崎は喫茶店に辻川を呼び出した。
自身はホテルで玲奈と密会し、途中で待ち合わせ場所変更と称して辻川に連絡を入れた。
この際に迎えをやると安心させることに。
その後、辻川は迎えを名乗った篠田に連れ出され隙をついて殺害されたのだ。
犯行終了後、篠田は瀬崎と合流。
瀬崎が隙を突いて篠田を殺害し、山中に埋めたのだ。
嘉穂と片桐の関係を密告したのも瀬崎であった。
最初に疑惑を向けさせ後に晴らさせることで捜査対象から外そうと狙ったらしい。
すべてを告白した瀬崎は罪に服した。
続いて、嘉穂の取調べを行う沢木。
「私が瀬崎さんを追い込んだのかもしれません」と述べる嘉穂。
嘉穂は辻川を殺したかったが、瀬崎に望んだのは別のことだったと訴える。
嘉穂は辻川と別れ、瀬崎との新たな生活を切り出すことこそをもっとも望んでいたのである―――エンド。
<感想>
「検事・沢木正夫シリーズ」ドラマ版第3弾。
ドラマ原作は、小杉健治先生による「検事・沢木正夫シリーズ」第3弾『検事・沢木正夫 共犯者』(双葉社刊)。
あらすじは次の通り。
<あらすじ>
「愛しているなら証を見せて!」女の悲痛な叫びに男はどう応えたのか? 男は昔の恋人。それも彼女の夢を潰えさせてしまった過去を持つ。犯罪の底に潜む男女の心の闇とは!? 長編検察小説・沢木正夫シリーズ第3弾!
(双葉社公式HPより)
原作となる沢木シリーズは2013年9月の時点で既に完結を迎えています。全4冊。
第1弾が『検事・沢木正夫 公訴取消し』。
第2弾が本作『検事・沢木正夫 第三の容疑者』。
第3弾『検事・沢木正夫 共犯者』。
最終話にして第4弾『検事・沢木正夫 宿命』。
シリーズに興味のある方はアマゾンさんへのリンクを本記事下部に用意したのでチェックしてみては!?
ちなみに、本シリーズはTBSさんにて榎木孝明さん主演で既にドラマ化されているようです。
シリーズは2作品制作され、「殺意の分岐点」と「公訴取消し」が存在しています。
テレビ東京版も3作目を迎え、残るは『宿命』のみとなりました。
『宿命』のドラマ化に期待しましょう!!
では、ドラマ感想を。
サブタイトル「共犯者」は「瀬崎と篠田」でもあり「嘉穂と瀬崎」でもあったんだなぁ。
そして、過去には「瀬崎と沢木」でもあった。
意味深長なサブタイでしたね。
そう言えば……結局のところ、瀬崎も嘉穂のことを理解していなかったのかもしれませんね。
この擦れ違いが悲劇を生んだのかも。
とはいえ、もうちょっとエピソードを重ねないとどうにも軽く感じられたのは難でした。
途中、沢木の罠に嵌り瀬崎が車を飛ばす中、嘉穂がピアノを弾き続けるシーンなんかはアリだとは思うけど……其処に至るまでのシーンでもっと説得力が欲しかったかもしれない。
そしたら、あのシーンの重みがもっと増しただろう。
例えば、若かりし日の瀬崎と嘉穂の楽しい時間を具体的なエピソードで描くとか。
なんだか「ただ、恋人でした」と言われても、2人の関係が上手く思い描けない。
此の点、もっと深い描写が欲しかったかなぁ。
ちなみに、今回はキャストにかなりの工夫が凝らされていましたね。
まず、「水曜ミステリー9」で放送された直近の小杉健治先生原作ドラマは2015年7月1日に放送された「保身」。
実は「検事・沢木正夫3 共犯者」のキャストのうち、中村橋之助さんと嶋田久作さんがこちらにも出演されていました。
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水曜ミステリー9「小杉健治サスペンス 保身 正義の刑事が巨大権力に挑む緊迫のドラマ!絞殺事件とひき逃げ…2つの裏に警察が隠す重大な過ち 空白4時間の謎」(7月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)でもって、本作で何よりも話題を浚ったのが瀬崎役にて橋之助さんが親子共演を果たされたこと。
実は学生時代の瀬崎を演じられたのは橋之助さんのご長男・中村国生さんでした。
流石は親子、それだけにこれ以上ないほどピッタリと役のリレーが上手く出来ていましたね。
ニュース記事によると、これには橋之助さんも大満足だったとか。
今後も国生さんの活躍に期待です。
……と書いていて気付いたのですが、本作にはこちらは苗字ですが同じ字の国生さゆりさんも出演されていたり。
これまた、意外な工夫だったのかもしれません。
◆関連過去記事
【検事・沢木正夫シリーズ】
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沢木正夫:寺脇康文
国松敏夫:嶋田久作
藤木玲奈:高橋かおり
梨本克昭:大友康平
片桐芳彦:二階堂智
斎藤:カムイ
市村みどり:水木 薫
棚橋 剛:錦はやと
篠田洋介:遠藤 要
店主・丘野:ビートきよし
辻川義和:大和田獏
辻川嘉穂:国生さゆり
瀬崎 勝:中村橋之助 ほか
(公式HPより転載、順不同、敬称略)