2015年時点で1週間に放送される「2時間サスペンス」の枠と言えば「月曜ゴールデン(TBS系)」「水曜ミステリー9(テレビ東京系)」「金曜プレミアム(フジテレビ系)」「土曜ワイド劇場(テレビ朝日系)」の4つ。
これに番組改編期にはテレビ朝日系にて日曜21時枠が「2時間サスペンス」の放送時間になったりします。
なので、基本多くとも5本ほどが1週間あたりの「2時間サスペンス」放送枠となるワケです。
ところが、ところが、2015年9月第3週にこのうちの2枠を同じ原作者が占めることとなりました。
「内田康夫先生?西村京太郎先生?それとも山村美紗先生?」と思われたあなた、確かにその可能性は高い。
ところが、今回は異なります。
その原作者とは笹本稜平先生なのです!!
そう、笹本稜平先生原作の「駐在刑事シリーズ(講談社刊)」と「所轄魂シリーズ(徳間書店刊)」が「水曜ミステリー9」と「日曜21時枠」で同一週に放送されることが明らかになりました。
では、それぞれについて説明して行きましょう。
まず、2015年9月16日(水)にテレビ東京系「水曜ミステリー9」で放送されるのが「駐在刑事シリーズ」第3弾「奥多摩駐在刑事3」。
そして、2015年9月20日(日)にテレビ朝日系21時枠で放送されるのが「ドラマスペシャル・所轄魂」。
それぞれ原作のあらすじは次の通り。
まず「水曜ミステリー9」で放送予定の「奥多摩駐在刑事3」の原作シリーズ『駐在刑事』(講談社刊)。
<『尾根を渡る風 駐在刑事』あらすじ>
捜査一課から駐在所長へ。奥多摩の自然と温かき人々が不遇の元刑事を変えていく……異色の「山岳+警察」小説!
「駐在刑事」ドラマ化決定! 「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)にて
警視庁捜査一課の敏腕刑事だった江波淳史(えなみあつし)は、取り調べ中に容疑者が自殺したことで青梅警察署水根(みずね)駐在所所長へと左遷された。亡くなった女性への自責の念から、江波が望んだ異動でもあった。駐在所の仕事と暮らしにも馴れ、山歩きを趣味とする江波は徐々に自らを取り戻していく。ある日、御前山(ごぜんやま)でペットの犬がいなくなったという連絡があり、山に入った江波の見つけたトラバサミが山梨で起きた殺人事件とつながっていく――。
花曇りの朝
仙人の消息
冬の序章
尾根を渡る風
十年後のメール
(講談社公式HPより)
続いて『所轄魂』。
・『所轄魂』(笹本稜平著、徳間書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
<『所轄魂』あらすじ>
警察を舞台にした父と子の物語。父は所轄署の現場の刑事で警部補。その息子はキャリア警官で警視。警視庁捜査一課の管理官である息子が、父親の上司として殺人事件の捜査本部を仕切ることに。第二、第三の被害者が出るなか、容疑者は絞りこめず、所轄の刑事たちと本庁から乗り込んできた一課の刑事たちの対立が噴出する。父子の奮闘を中心に、個性あふれる刑事たちの群像劇、捜査のマネージメントまでを描ききった出色の警察小説!
(徳間書店公式HPより)
これがそれぞれドラマとして放送されることに。
ちなみにドラマ版「所轄魂」はあらすじも既に判明していますね、次の通り。
<あらすじ>
東京・江東区の公園のボート乗り場で、若い女性の絞殺死体が見つかった。遺留品は見当たらず、身元は不明。着衣の乱れや暴行の形跡はなく、遺体を人目につきやすい場所に遺棄していることから冷静沈着な犯人による計画的犯行がうかがえた。現場に駆け付けた城東中央署刑事・葛木邦彦(時任三郎)は、遺体が靴を履いておらず裸足だったことが気にかかる。
翌朝、警視庁捜査一課の13係が出張ってきて第一回捜査会議が開かれた。13係は山岡宗男(佐野史郎)率いる優秀なチームだが、所轄刑事を消耗品のように扱う傍若無人ぶりで帳場の壊し屋ともいわれていた。しかし、葛木が驚いたのは会議に現れた管理官だった。まだ学生に見えなくもない若き指揮官こそ、葛木のひとり息子、俊史(田中圭)だったのだ!
葛木はかつて捜査一課のやり手だったが、2年前に妻が突然他界。その喪失感から、現在の所轄に異動したのだった。仕事にかまけて妻に家庭を任せていたため、なぜ俊史がキャリアを目指したのかもわからなかった。そしてもちろん管理官としてこの事件を担当することなどひと言も聞いていなかった。自らを取り巻く複雑な状況に、「とびきり厄介なヤマになりそうだ」と感じる葛木…。
その悪い予感はすぐに的中した。13係による恫喝まがいの聞き込みのせいで、地域住民から苦情が殺到したのだ。13係の刑事たちの威圧的な態度には、城東中央署の刑事からも不満が噴出する。
その後、捜査は一向に進展せず、唯一の収穫といえば、鑑識から「微細な金属の粒子が現場から採取された」との報告があったことだけ。しかし、犯人に結びつくものとは断定できなかった。
思うような成果を得られず時間だけが過ぎていく中、予期せぬ方向に事態が動き出した。江東マリーナに係留中のクルーザーのデッキ上で女性の絞殺死体が見つかったのだ。被害者は若い女性で、暴行の形跡は見当たらなかった。しかも、遺体はまたもや素足だった――!
葛木には、2つの現場が水辺というのは偶然の一致と思えなかった。犯人は、都心の盲点ともいえる運河を舟で渡り、犯行現場から遺体を運んだのではないか…!? そして被害者が靴を履いていないのは、犯人からのメッセージなのか…!? 事件はますます混迷の度合いを深めていき…!?
(あらすじ・写真共に公式HPより)
実は管理人は『所轄魂』については既読です。
公式のキャスト一覧を見て来ましたが、原作通りだとするとキャストに犯人の名がありませんね。
少し気になりました。
さて、ソレはソレとして。
原作の版元も放送局も超えつつ果たしたこの邂逅。
これぞ「2時間サスペンス」の醍醐味の1つでしょう。
と言うワケで「2時間サスペンス」ファン諸氏はチェックを怠るなかれ!!
◆関連過去記事
【笹本稜平先生著作関連】
・「挑発 越境捜査2」(笹本稜平著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『所轄魂』(笹本稜平著、徳間書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
【駐在刑事シリーズ】
・水曜ミステリー9「駐在刑事 奥多摩渓谷・殺意の夜想曲 偽装の転落死!?岩壁に残る謎の白い粉と青い羽根…罪を被って死んだ女の無念を晴らす元刑事の執念」(4月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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【越境捜査シリーズ】
・土曜ワイド劇場「越境捜査・警視庁vs神奈川県警、エリアの死角に消えた連続殺人犯!監視カメラには映らない暴走車…疑惑の警察ミステリー」(5月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・ドラマスペシャル「越境捜査 警視庁vs神奈川県警、暴走車を炎上させた空飛ぶ刑事!?あのキケンな2人が帰ってきた…本格警察ミステリー!!」(12月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)