2015年09月16日

『道徳の時間』(呉勝浩著、講談社刊)

『道徳の時間』(呉勝浩著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

【第61回江戸川乱歩賞受賞作】問題。悪い人は誰でしょう?――ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、連続イタズラ事件が発生。現場には『生物の時間を始めます』『体育の時間を始めます』といったメッセージが置かれていた。そして、地元の名家出身の陶芸家が死亡する。そこにも、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』という落書きが。イタズラ事件と陶芸家の殺人が同一犯という疑いが深まる。同じ頃、休業していた伏見のもとに仕事の依頼がある。かつて鳴川市で起きた殺人事件のドキュメンタリー映画のカメラを任せたいという。十三年前、小学校の講堂で行われた教育界の重鎮・正木の講演の最中、教え子だった青年が客席から立ち上がり、小学生を含む300人の前で正木を刺殺。動機も背景も完全に黙秘したまま裁判で無期懲役となった。青年は判決に至る過程で一言、『これは道徳の問題なのです』とだけ語っていた。証言者の撮影を続けるうちに、過去と現在の事件との奇妙なリンクに絡め取られていくが、「ジャーナリズム」と「モラル」の狭間で、伏見はそれぞれの事件の真相に迫っていく。

道徳の時間
江戸川乱歩賞の沿革及び本年度の選考経過
江戸川乱歩賞受賞リスト
第62回(平成28年度) 江戸川乱歩賞応募規定
(講談社公式HPより)


<感想>

第61回江戸川乱歩賞受賞作。

読ませるが、結末が人を選ぶかもしれない作品。
特に「起承転」までの運びが上手いだけに、あの結末には驚く筈。
これは『小説現代 9月号』(講談社刊)に掲載された短編『月に吠える兎』にも同じことが言えるかな。

おそらく、本作は「事件そのもの」ではなく「事件を調べる伏見」が物語の中心に居る「サスペンス的要素」が強い作品なのでしょう。
言わば「事件を通じて伏見がどう感じ、どう成長したか」がメイン。
なので、「事件の謎解きソレ自体」に重きを置いて見ると結末で驚かされることとなる。
あくまで「主人公が中心」と理解した上で読むと楽しめると思います。
これは、それだけ「ストーリー性が高い作品」の証左でもあるでしょう。

ちなみに本作『道徳の時間』は主に2つの事件を軸に展開。

1つ目が「13年前に発生した教育評論家・正木殺害事件」。
2つ目が「現在に発生した陶芸家死亡事件」。

1つ目は犯人が既に逮捕されており、2つ目は未だ不明の状況。

この13年の時を隔てた無関係と思われる2つの事件が「道徳の時間」というフレーズで繋がれることとなります。
当然、読者はその繋がりを想像しつつ読み進めるのですが……。
先述した通り、此の点に期待を寄せるとラストで「おやっ?」と思われる筈。
個人的にコレをいろいろ考えていたので、解決篇では「なるほど、そうだったのか!!」と頷く半面で「ええっ、そうなの……」との気持ちも残ったり。

其処で、あらすじでは敢えて「13年前の事件」のみに焦点を絞ってまとめてみました。
こちら単体では「ホワイダニット」がポイントになっています。
また当然、あらすじはまとめ易いようにかなり改変しています。
興味をお持ちの方は本作それ自体を読まれることをオススメ致します。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
伏見:主人公、ビデオジャーナリスト。
越智冬菜:伏見と共に13年前の正木殺害を追うジャーナリスト。

正木:13年前に殺害された教師。
宮本:正木の教え子の1人。教師。
向:正木の教え子の1人。正木刺殺犯。
向美幸:向の妹、消息不明。


ビデオジャーナリストの伏見は新進気鋭の若手ジャーナリスト・越智冬菜の氏名を受けて共に13年前の正木殺害事件を追うこととなった。

13年前、正木は教え子の1人で教師となっていた宮本に招かれ彼が勤務する学校で講演会を開いていた。
その最中、正木に駆け寄った人影が1つ。
正体はこれも正木の教え子の1人・向であった。
何かを感じ取ったのか宮本が間に割って入ったのだが、時既に遅く正木は刺殺されていたのだ。

逮捕された向は動機について何も明かすこともなく、ただ「これは道徳の問題なのです」とのみ繰り返していた。
そして、黙々と判決を受け入れたのであった。

ところが、冬菜によればこれに疑惑があるらしい。
衆人環視の中で向が正木に駆け寄ったのは間違いないが、本当に彼が刺したのかが不明だったのだ。
どうやら、冬菜は傍に居た宮本の犯行を疑っているようだ。

こうして、当時の事件について調べ始めた伏見。
すると、向に妹が居たことが分かった。
その名は向美幸。
だが、美幸は事件直後に姿を消していた。
当時の取材記者によれば美幸には売春の疑惑があったらしいが……。

そんな中、美幸を追った伏見は驚くべき真相に辿り着く。
なんと、冬菜こそ美幸その人だったのだ。
しかも、冬菜が事件について調べ始めたのはジャーナリストとして自身の名を売る為であった。

実は正木殺害は向の犯行で正しかった。
向の動機はそれこそ冬菜と同じく自身の名を売る為。
特に正木に恨みも何も持っていなかった。
向は小説家を志望しており、謎の動機で正木を殺害することで名を売ろうとしたのだ。

ところが、思ったよりも注目が集まらず服役しながらヤキモキしていた。
其処に名を売りたい冬菜が協力を持ちかけたのである。
向は今回のドキュメンタリーと並行して出版計画が進んでいた。

そして、冬菜にはもう1つ目的があった。
過去、彼女の客であった宮本への復讐である。
表向き聖職者として飾っていた宮本だが、実は獣だったのだ。
冬菜は13年越しにその告発を行うつもりだったのだ―――エンド。

「道徳の時間」です!!
道徳の時間





キンドル版「道徳の時間」です!!
道徳の時間





短編『月に吠える兎』が掲載された「小説現代 2015年 09 月号 [雑誌]」です!!
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「アンフェア the special ダブル・ミーニング〜連鎖 20年前の未解決事件再び!身代金要求なき連続少女誘拐と赤い傷人形の謎…犯人の目的は“私”?今夜、あの女刑事復活」(9月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「アンフェア the special ダブル・ミーニング〜連鎖 20年前の未解決事件再び!身代金要求なき連続少女誘拐と赤い傷人形の謎…犯人の目的は“私”?今夜、あの女刑事復活」(9月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

警視庁に届いた謎の人形とメッセージ。そこから始まる同時多発少女誘拐事件と議員秘書の変死事件を追ううち、事件はやがて主人公・望月陽が誘拐された20年前の事件の真実へとつながってゆく――。4年の時を経て、刑事として成長した望月が、犯人と対峙したとき、最後に下す決断とは?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

雪平が捜査本部に復帰したのと同じ頃、6歳の少女・田中明菜を初めとする少女誘拐事件が連続発生していた。
この捜査に浅野管理官が乗り出した。

浅野の部下である望月も捜査に参加。
望月は被害者の年齢から20年前の自身と重ね合わせる。
実は20年前に望月自身も誘拐事件の被害者となったのだ。
監禁された望月は犯人から腕に焼いたマイナスドライバーで傷を付けられてしまった。
しかし、当時の担当であった山路に心身ともに救われていたのだ。

複雑な想いを抱える望月。
山路のおかげで外へ向き合う力を得た望月であったが、未だ心の傷は深く心療内科医である橘鏡香のカウンセリングは欠かせないものとなっている。
そんな望月の気も知らず、誘拐事件は続き合計5件もに!!

さらに、そんな望月を嘲笑うかのように謎の人形とメッセージが届く。
其処には「再会を望む」と記されていたが……。

一方、15ヶ所もの傷を受けた男性の他殺体が発見された。
被害者は和泉進一の公設第一秘書である笠原連、死因は傷による失血死であった。
捜査に乗り出した山路であったが、こちらは上層部から圧力を受け捜査中止を余儀なくされる。

望月はと言えば、過去の自身の事件が今回の事件と関連していると仮説を立てるが浅野に否定される。
だが、捜査協力に赴いていた刈谷刑事は望月に賛同の意を示す。

そんな中、誘拐被害者たちが「通院していた」との共通点が浮上。
浅野は望月を無視し、この手掛かりを重視するように。

頑なな浅野の態度に疑問を抱く望月。
刈谷はそんな望月に浅野の過去を教える。
浅野の妹・茜もまた1995年に起こった誘拐事件の被害者だったのだ。
助け出された茜だが、精神的な苦痛は大きく保護されてから1ヶ月後に自殺を遂げていたのである。
しかも、この事件の捜査は何故か全く行われず、此の為に望月の誘拐事件に繋がったらしい。
そう語る刈谷自身も浅野や茜と幼馴染であり、当時大変なショックを受けたのだそうだ。

同じ頃、山路は命令に反し笠原殺害の捜査を続行。
数年前にホステスが薬物により急死した事件に笠原が関与していたらしいとの噂を耳にする。

一方、望月たちは20年前の事件との関連性を念頭に置き、当時の事件を調べ始める。
ところが、データ自体が削除されていた。
さらに、望月は被害者5人の容姿や雰囲気が似通っていることに気付く。

矢先、誘拐被害者の1人・田中明菜の携帯電波がキャッチされた。
携帯電波からその監禁先に辿り着いた望月と刈谷であったが、被害者を目にした望月はトラウマに苛まれ暴走。刈谷に向けて発砲しかける。

これは刈谷自身が望月を取り押さえたことで事無きを得た。
また、被害者である明菜の保護にも成功。
だが、明菜の手には既に望月と同じマイナスドライバーの傷が残されていたのである。

同時に他の4人の居所も一斉に判明。
4人全員が保護されることとなった。

保護された子供たちへ事情聴取が開始。
だが、監禁中に麻酔薬・タリルケルミンが用いられたらしく被害者たちからは犯人に繋がる情報は得られない。
そんな中、明菜は「レイちゃんが居ない」と繰り返す。

さらに、犯人から新たな人形とメッセージが届く。
これを目にした望月は「事件が終わっていない」と主張。
明菜の語る6人目の誘拐被害者・レイちゃんが居ると訴える。

手掛かりを欲する望月は20年前の事件の被害者たちを調べ始めた。
ちょうど其処へ、20年前の誘拐事件の被害者を名乗る梅川尚子が現れる。
尚子の腕には望月と同じ火傷の傷跡が残されていた。
尚子によれば、当時の彼女は家族から虐待を受けており被害届は出されていなかったらしい。
さらに「優しい声をした若い男が犯人だ」と証言する。

尚子に続き、箸本和音なる当時7歳の少女が誘拐されていたことも判明。
望月は和音に話を聞こうと箸本家を訪れるが、事件以降の和音は引き籠りになっており話を聞けない。
望月は自身の境遇を和音に語り理解を求めるが……和音は余計に委縮してしまう。
そんな和音に改めて犯人への怒りを覚える望月。

その頃、山路と望月双方の捜査に協力していた三上は共通点に気付き、山路に報告していた。
なんと、笠原殺害も「マイナスドライバーが凶器」であり「麻酔薬・タリルケルミン」が用いられていたのだ。

山路は望月と情報を共有し、共に「麻酔薬・タリルケルミン」が関わっていたことから「医療関係者」の犯行を疑う。

笠原の通院先を訪れた山路と望月は「野田なる看護師」が笠原と交際していたことを突き止める。
野田宅を訪問した山路たちだが、野田は痕跡を完全に絶っており姿を消していた。
だが、その部屋には「笠原と腕を組んで微笑む女性」の写真が!!

同じ頃、浅野は監視カメラの映像から看護師が犯行に及んだことを突き止める。

望月と浅野、それぞれの場所で犯人の写真を確認する2人。
ところが、奇しくも2人は共に同じ人物を見出していたのである。
その人物こそ、梅川尚子だったのだ!!
そう、望月たちは被疑者と既に接触していたのだ。

梅川の動機が分からず悩む望月。
そんな望月に三上は「20年前の誘拐事件の犯人を捜させる為ではないか」と仮説を述べる。

梅川は復讐の為ではなく、20年前の誘拐犯に逢いたいが為に犯行に及んだのだ。
梅川は犯人に恋をしていた。
いわゆる「ストックホルム症候群」である。
梅川の場合は日頃から虐待を受けていた為に、さらに相手に恋心を抱いてしまったらしい。

野田家から回収されたPCの解析の結果「あの声が聞きたかった」とのメモが発見される。
このことから、三上の仮説が正しかったことが明らかになった。

梅川は何処に居るのか?
山路は梅川にとって特別な場所……すなわち20年前に梅川自身が監禁されていた場所に目を付け直行する。
三上からこれを聞かされた浅野と刈谷も現場へ向かう。

その頃、当の梅川はレイちゃんと共に山路の予想通り当時の監禁場所で「もうすぐ逢える」と化粧を施しながら事件を振り返っていた。

笠原と交際していた梅川だが、いつも心にあるのは誘拐犯であった。
その象徴が例のマイナスドライバーの傷である。
ところが、これに嫉妬した笠原がその傷をフォークで上書きしてしまった。
想い出を穢された梅川は逆上し笠原を殺害。
その後、あの人に逢うべく誘拐事件を起こしたのだ。

遂にレイちゃんにも傷を刻もうとする梅川、その前に駆け付けた望月が立ちはだかる。

「お兄ちゃんの声が聞きたい!!」
何度となく叫ぶ梅川、彼女にとってそれは重要だったのだ。

望月は辛い表情を浮かべながら望月を逮捕することに。
だが、望月の背中に近付く影が……。

「餌に食らいついたな」

山路の声と共に振り向いた影の正体は浅野であった。

梅川の監禁場所は事件化されなかった為に資料に無い。
にも関わらず、監禁場所に来られたのはそもそも場所を知っている人物しか居ない。
すなわち、梅川以外には当時の犯人しか居ないのだ。

「やはり、罠だったか……」

呟く浅野は20年前の動機を語り始める。
皮肉にも、その狙いは梅川とほぼ同じであった。

もちろん、20年前の茜誘拐事件は浅野の犯行ではない。
浅野は事件を拡大させることで大規模な捜査を行わせ、茜誘拐事件の犯人を捕まえさせようと企んだのだ。
その為に、望月たちを誘拐したらしい。

「もう止めろ!!」
ところが、そんな浅野の告白を途中で遮る声が。

現れたのは刈谷であった。
そう、20年前の望月たち誘拐事件の真犯人は浅野ではなく刈谷だったのだ。
動機は浅野と同じである。

刈谷は茜の事件に責任を感じていたのだ。
刈谷は茜誘拐の現場を目撃していた。
犯人は黒い服に赤い傘を携えた人物であった。
しかし、刈谷は目の前でみすみす犯行を許した。
結果、犯人は捕まらず、茜は自殺してしまった。

其処で刈谷は自ら手を汚し、捜査を促した。
ところが、1件目も2件目も上手く行かず3件目にしてようやく捜査が始まった。
それが望月の事件であった。
だが、その望月の事件も監禁場所が何故か山路に知られてしまうこととなったのだ。

「お兄ちゃん、やっと会えた……」
「近付くな、お前の所為で真犯人が捕まえられなくなったんだぞ!!」
ふらふらと刈谷へ近づこうとする梅川を一喝する刈谷。

ショックを受けて座り込む梅川を見下ろした刈谷は「事件は時効だ」と主張し「自分は守られている」と嘲笑う。
遂には「罪なんてない、被害者なんだ!!」と叫び始めた。

これに望月は銃を抜き、罪を認めるよう迫る。
だが、それでも刈谷は罪を認めようとしない。

「あんたなんか人間じゃない」
断ずるや望月は発砲する。

弾は刈谷に当たるが、命を奪うまでには至らなかった。
刈谷は常に防弾ベストを着用していたのだ。

望月は刈谷がわざと撃たれようとしていることを知っていた。
だからこそ、命を奪わないことを確信し発砲した。
どうやら、刈谷は罪に苦しんでいたらしい。

そして、捜査記録を消したのは浅野であった。
浅野は20年前の時点で刈谷の犯行に気付いており、彼を庇っていた。
望月の監禁場所を山路に匿名で教えたのも彼であった。

こうして事件は解決し、刈谷は退職届を提出した。

同じ頃、小久保の声が震えていた。
「人を殺せと仰るので……」
その手には電話が握られており、何者かから命を受けたようだ。
慌てる小久保だが……。

望月は和音宅を足繁く訪問し彼女を励ます。

一方、三上のもとを謎の男が訪れていた。
「組織の一部で不穏な動きがある。村上の天下が何時まで続くか……」
零す男に三上は表情を硬くする。

その頃、望月は憧れの山路にトラウマを払拭したことを報告し「ようやく刑事になれた」と宣言する。
此処に望月は独り立ちしたのだ。
そして、もう1人だけ望月には自立すべき人が居る。

その日の夕刻のこと―――
「もう治療は必要ありません」
主治医である橘鏡香へ述べると望月は意気揚々と去って行く。
望月の自立すべき人とは鏡香のことであった。

残された鏡香は薄く微笑むと、服を着替え始めた。
更衣室から出た鏡香は20年前のあの日のように黒い服と赤い傘に身を包むと歩き出す―――エンド。

<感想>

「アンフェア」シリーズ外伝「ダブル・ミーニング」シリーズの第3弾。
前作は過去にネタバレ批評(レビュー)してますね。
ちなみに、劇中で登場した笠原が秘書をしていた和泉進一は前回「ダブル・ミーニング Yes or No?」にも登場したキャラクターだったりします。

金曜プレステージ「ダブル・ミーニング Yes or No? 犯人が出す究極の2択間違えたら人質殺害!?中継される殺人劇の謎 正義を問う劇場型犯罪を阻止せよ アンフェアSP最新作」(3月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、早速ドラマの感想を。

ラストの描写から、茜の誘拐犯は橘鏡香のようですね。
恐るべし鏡香、自身が犯した手口と同じ方法で被害者となった望月をどんな思いで治療していたのでしょうか?
興味でしょうか、好奇心でしょうか……何処までも深い闇が残るラストとなりました。

それと、ラストの小久保の台詞は映画版に続くものか。
さらに、三上と謎の男も映画版ですね。
ちなみに「謎の男」の正体は映画版公式HPに記載があって「東京地検特捜部長」だそうです。
でもって、彼が口にした「村上」とは「アンフェア the answer」に登場した村上のこと。
映画版冒頭でまさかの○○されてしまいます。

土曜プレミアム「アンフェア the answer 地上波初登場!雪平最後の事件−すべての答えが今夜明らかに!」(3月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、なかなかに錯綜した本作の内容をまとめてみましょう。
事件は次の通り。

20年前の連続誘拐事件。
現在の連続誘拐事件。
現在の笠原殺害事件。

このうち、20年前の連続誘拐事件は茜誘拐とそれ以外に区分される。
結果、大別すると次の4つ。

1.20年前、茜誘拐事件。
2.20年前、望月ら誘拐事件。
3.現在、連続誘拐事件。
4.現在、笠原殺害事件。

それぞれ「20年前、茜誘拐事件」は「橘鏡香の犯行」、「20年前、望月ら誘拐事件」は「刈谷の犯行」、「現在、連続誘拐事件」と「現在、笠原殺害事件」は「梅川の犯行」でした。

驚くべきことに「今回登場したゲストの殆どが犯人」との結果に。
流石は「アンフェア」を名乗るだけのことはある。

さて、此処からは各犯人について。

まず、梅川。
復讐かと思いきや「八百屋お七」的な動機でした。
しかも、今回は逢いたい相手が「過去の加害者」である点が印象的でしたね。
おそらく、刈谷は茜の死に責任を感じていた以上、同年代である梅川にもある程度の優しさを持って接していたのでしょう。
とはいえ、それは誘拐犯であるのだから、通常ならば優しさでもなんでもない。
ところが、梅川にとってはそれが綺麗な想い出となった。
此処からは普段の梅川への苛烈な虐待の様子が窺われます。

そして、刈谷。
彼の模倣が梅川の模倣を生むことに。
これはある意味で「罪の連鎖」にも繋がっていたと言えそうです。

ちなみに、20年前の時点で刈谷の行動が奏功しても捜査を攪乱していたことを考えるとあまり有効とは思えない方法でしたね。
何しろ、あれで大々的な捜査が行われれば「若い男性」が犯人になっちゃうワケだし。
犯人像が明らかに歪みそう。

そして終盤にて、梅川のもとへ先回りを図った浅野と刈谷ですが一体どうするつもりだったのか?
口封じかと思いきや、その後の刈谷たちの行動からはむしろ罪を裁かれるつもりだったようだが。
だったら、そもそも先回りしようとする必要が無い筈なんだけどなぁ……。

さらに、刈谷は罪を裁いて貰いたがっている割には「防弾ベスト着用」だし。
しかも、割と人任せです。
データベースに過去の犯行が無かった時点で浅野が庇っているのは分かっていたのだろうし、その点はどう思っていたのだろう。

でもって、その浅野ですが刈谷の犯行を知っていたのなら今回の事件に応援として呼ぶものなのだろうか?
呼ぶことでイロイロと問題が発生することも理解していた筈なんだけどなぁ……。
イロイロと気になるなぁ。

とはいえ、もっとも怖いのは自身が行った行動から次々と派生して行く流れをじっと観察していた橘鏡香なのですが。
そもそも彼女は何故、あのような事件を起こしたのか!?
もしかすると、それこそ「心療内科医としての興味」なのかもしれない。
ひょっとすると、茜の自殺も彼女が追い込んだのかも。
さらに、彼女にとって望月は格好のケースだったのかも。

そう言えば、望月は本当に一方的に巻き込まれた被害者だったんだなぁ。
刈谷にとって彼女でなければならない理由は「茜に雰囲気が似ていた」の一事に尽きるのだろうし。
此の点、父親から続く雪平と異なり望月は些か影が薄い主人公となってしまった気がします。

とはいえ、これで「ダブル・ミーニングシリーズ」も完結を迎えたと言えそう。
残るは映画版「アンフェア the end」、2015年9月現在公開中です。
本作の余韻冷めやらぬ間に鑑賞すべき……かも!?

<キャスト>

望月陽(28):北乃きい
警視庁捜査一課第一特殊犯捜査第一係所属の女刑事。20年前、自身が誘拐された過去から犯罪者を憎み、刑事になることを決意。犯罪者を許せず、熱血漢で一生懸命な性格。恐怖のためか当時の詳細は覚えておらず犯人の顔も記憶がないが、犯人がつけていた腕時計だけは覚えており、忘れぬように犯人と同じ腕時計をつけている。

山路哲夫:寺島進
所轄刑事課課長。警視。かつて特殊犯係管理官で望月の上司だったが、望月をかばって所轄にとばされた。一見、冷徹な組織人だが、実は情に厚く、望月が絶大な信頼を寄せる刑事。20年前、望月が誘拐された事件を担当した際、望月を救出した恩人でもあり、犯人らしき人物も目撃。その犯人を取り逃してしまったことが未だに引っかかっている。

小久保祐二:阿部サダヲ
警視庁捜査一課長。警察バッジを持つ政治家ともいえるほど、時流を見る目をもつ、ノンキャリ組の出世頭。上司だった山路を追い出し現在の地位に。組織の異分子に対して、強い拒絶感を示す。

三上薫:加藤雅也
警視庁刑事部鑑識課の検視官。捜査現場と推理が大好きで、どこへでも顔を出す警察オタク。時に豊富な知識・技術を駆使し、ウラで望月を手助けすることも。望月をどこか娘のように思っている。

雪平夏見:篠原涼子
警視庁捜査一課第一特殊犯捜査第一係の刑事。元警視庁捜査一課の検挙率ナンバーワンを誇った敏腕刑事。バツイチ、子持ちで大酒飲み。犯人を射殺した経験もある唯一の現役刑事。

刈谷将(36):青柳翔
警視庁捜査一課第二特殊犯捜査第4係班長。警察組織の浄化を目指しており、警察の怠慢に対して怒りを抱く。キャリア組にかかわらず、熱く行動力があり、今回の事件の捜査方針について望月と意気投合したことから、一緒に動くようになる。

浅野義典(40):中村俊介
警視庁捜査一課第一特殊犯・管理官 警視。真面目で冷静。誰も寄せ付けない雰囲気を漂わせている。望月の上司で、猪突猛進しがちな望月に手を焼いている。

梅川尚子(33):木南晴夏
看護師。今回の少女同時多発誘拐事件が起きたあと、警視庁を訪ねてくる。

謎の男:吉田鋼太郎

橘鏡香(40):吉田羊
警察病院の心療内科医。誘拐された過去をもつ望月のカウンセリングを担当している。 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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