2015年09月23日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめです。

ネタバレあります、注意!!

これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」に登場。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能見(能美):「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第31話「謎の桃園2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第32話「節の反抗期」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第33話「崖の下の呪い家」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第35話「崖の下の呪い家3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第36話「緑川楓の誤算1」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第37話「緑川楓の誤算2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第38話「騙された死神」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第39話「恋する桃園」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第40話「フックマン」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻。3巻に続き、早くも4巻が発売予定!!

さて、31話から40話までの振り返りを。

31話にて「謎の桃園」編が完結。
2度目の死神登場に続き、蛍、楓に続く色つきキャラ・桃園霧子が初登場することに。

32話は「節の反抗期」。
意外性のあるオチが面白い一篇です。

33話から「崖の下の呪い家」編が開始。
2度目の桃園霧子登場と「十二人委員会」の新たな謎が浮上。

36話、37話は「緑川楓の誤算」。
窮地の楓を蛍が救うことに。

38話は「騙された死神」。
3度目の死神登場、シリーズ屈指の名エピソード。

39話は「恋する桃園」。
3度目の桃園霧子登場、これまたシリーズ屈指の名エピソードに。

40話は「フックマン」。
蛍、楓、桃園に次ぐ青葉が登場!?

今のところ、以上のような流れで展開中。
そんな中、メインストーリーはやはり圭一の死の謎。
これに関連しては「10人と1匹の獣」「PND」「十二人委員」といったキーワードが並ぶことに。
とはいえ、未だ謎の部分も多い。

さらに、赤木蛍、緑川楓、桃園霧子、青葉と色が名に含まれるキャラが登場中。
おそらく、黄色のキャラも登場し5人で「十二人委員」と抗すると思われるが……。

今後も見逃すなかれ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

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「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

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「デザイナーベイビー」1話「ノゾミ」(9月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「デザイナーベイビー」1話「ノゾミ」(9月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<1話あらすじ>

ノーベル賞間近と言われる近森博の赤ちゃん・ノゾミが城南大学病院から誘拐された。ノゾミは産まれて一週間の新生児。妊娠8か月の捜査一課刑事・速水悠里(黒木メイサ)は、日村(神保悟志)に呼び出され、ノゾミの母・優子(安達祐実)の監視役を命ぜられる。年下の相棒・土橋福助(渡辺大知)と夫婦を装いながら産科病棟に潜入、関係者のアリバイを探り始める。そして速水は須佐見医師(渡部篤郎)に疑いの目を向ける。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

<ネタバレあらすじ>

その日、城南大学病院産婦人科では近森優子が担当医の崎山典彦と共に取材に応じていた。
優子が子供を出産したことがニュースとなっていたのだ。
優子は元アスリート、夫は天才物理工学博士として名高い近森博である。
2人の間には長男・新がおり、生まれた女児は2人目の子供であった。
また、崎山は生殖医療の権威で優子が不妊治療の末の出産だったことも話題性を呼んだのだ。

同じ頃、病院の裏口では産婦人科教授・須佐見誠二郎が1人の女性と揉めていた。
女性の正体は岸田トモ、彼女は不本意ながらも妊娠した子供を流産により失っていた。
須佐見にその責任を追及していたのだ。
須佐見はそんなトモに何やら説明を重ねているが、トモの激情は静まらない。
怒りに任せたトモはその場を後にする。

それから数十分後、取材を終え自室へ戻った優子は顔色を変えた。
其処に居た筈の娘が消えたのだ。

こうして誘拐事件が発生。
警視庁捜査一課特殊班捜査係の係長・日村健吾らが捜査に乗り出した。

だが、産婦人科という「特別な場所」だけに捜査は難航する。
特に、事情聴取の段階で優子と看護師の間で供述が異なってしまった。

看護師は「優子の部屋に居た赤ん坊が誘拐された」と主張。
当の優子は「育児室に居た赤ん坊が誘拐された」と主張したのだ。

そもそもの犯行現場が異なってしまっては捜査自体も混乱してしまう。
其処で日村は信頼するエースを招聘した。

その名は、速水悠里。
特殊班捜査係のメンバーであるが、妊娠8ヶ月となり産休を一週間後に控え庶務課へ異動している人物である。

渋々、命令に従った悠里は捜査に参加するや見事な手腕で優子の嘘を認めさせることに成功する。
優子は誘拐の責任を感じ、少しでも罪の意識から逃れようと犯行現場を偽っていたのだ。

こうして犯行現場が特定され、犯行時間も絞り込むことが出来た。
これによりアリバイの無い関係者が生じることに。

誰あろう須佐見である。
その時間帯、須佐見はトモと別れた直後で休憩していたところであった。
トモについて語ることを避けた須佐見は日村から疑いの目を向けられる。

一方、悠里はこの見解に否定的であった。
営利目的ではなく、赤ん坊を欲しがった者の犯行ではないかと考えていたのだ。

これを受けた日村は城南大学病院にて流産死産した患者のリストに目を付ける。
この動きを察した須佐見は「まさか……」と思い至る。
そう、トモの犯行を疑ったのだ。

早速、須佐見は岸田家に連絡を入れた。
すると、夫である岸田裕也の背後に赤ん坊の声が聞こえるではないか。
岸田によれば、帰宅したところトモが見知らぬ赤ん坊を連れていたらしい。
誘拐犯は岸田トモだったのだ。

須佐見の動きを密かに監視していた日村も岸田トモの存在を確認、捜査員を岸田宅へ走らせるが既にもぬけの空であった。
トモは須佐見によれば不妊治療を担当したが流産した患者だそうだが……。

事態を受けて近森一家が城南大学病院は集まった。
取り乱す近森の姿を目にした優子は倒れてしまう。

倒れた優子を介抱する悠里。
優子によれば赤ん坊の名は「望」を予定していたらしい。
また、「望」は体外受精で授かった子供なのだそうだ。

心痛を抱える優子の姿に同じく心を痛める悠里。
ふと思い至った悠里は夫である下地浩介へと連絡を入れた。
実は浩介は再婚、先妻との間に悠介なる14歳の息子が居る。
ちなみに、悠里と悠介の仲はお世辞にも上手く行っているとは言えない状態であった。
一言、二言、言葉を交わし通話を終えた悠里の目の前を救急患者が通り過ぎて行く。

「流産しないんですよね」
タンカで運ばれて行く妻、それに付き添い必死に叫ぶ夫。

「遺伝子操作でもしたかな」
そんな夫婦を横目に医療関係者らしき女性が呟く。

「あるいは、遺伝子の選別、着床前診断か……いや、デザイナーベイビーだって作れるのではないか?」
何やら続ける女性、その正体は胚培養室に勤務する山原あけみであった。
その姿に何かを感じる悠里。

一夜明けたが岸田の行方は杳として知れなかった。
日村が次に採用した方法は「須佐見を監視し岸田からの接触があれば岸田を説得すること」であった。
岸田は流産の件で須佐見を恨んでいる、必ず接触すると考えたのだ。
こうして、悠里が須佐見と共に待機することとなった。

この狙いは図に当たる。
岸田は抱えた不満をぶつけるように須佐見に連絡を入れて来た。

「あんた、あのとき言っただろ?ミスは無かったってな」
叫ぶ岸田に言葉を失う須佐見、彼に代わって悠里が優子を演じつつ交渉に乗り出す。
しかし、岸田は優子(実は悠里)へも不満をぶつける。

「2度も流産してやっと授かった子だったんだぞ!!絶対にあり得なかったんだ!!」
またも耳にした「絶対にあり得なかった」との言葉に疑問を抱く悠里。

「体外受精で生んだ子なんです!!」
だが、悠里は優子から聞いた情報を用いて岸田との会話を繋ぐ。

「今日の昼12時、新宿東口地下街だ」
結果、遂に岸田は具体的な金額を提示し須佐見に身代金を運ぶように命令する。

こうして、岸田との接点が生じた。
一方で、悠里は岸田家の死産に謎があるのではと考え始める。

その頃、岸田たちの潜伏先を監視する謎の男の姿が。
男は城南大学病院の院長秘書・有吉久美から誘拐について情報を手にしているようだが。

同じ頃、優子は残された長男・新に語りかける。
「望はあなたの為に作った子供なの」と―――2話へ続く。

<感想>

ドラマ原作は岡井崇先生による同名作品。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

タイトルにもなっている「デザイナーベイビー」の意味は「生まれて来る前に遺伝子に調整を施し両親が望む子供を手に入れる方法」のこと。
此処での調整は「健康」であったり「身体能力の向上」であったりします。
この方法ならば両親が望む子供が得られることに。

この手法は既にSF世界やアニメなどでは一般的となっており、例えば森岡浩之先生「星界シリーズ」(早川書房刊)に登場するアーヴや「機動戦士ガンダムSEED」のコーディネーターなどが挙げられます。

「機動戦士ガンダムSEED」(2002年、日本)

ディスティニープラン発動!!

ちなみに出産を取り扱ったサスペンス系ドラマでは同じNHK系火曜22時枠にて海堂尊先生原作ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」も放送されています。

『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

NHKドラマ10「マドンナ・ヴェルデ」第1話(第1回)「希望の卵」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、ドラマ版の感想を。
ドラマ1話や公式HPを視た限りではかなりアレンジが加わっている様子。
いや、むしろ原作よりは原案に近いかもしれない。
それほど異なっています。

例えば、悠里を取り巻く環境自体が別物だし。
近森夫妻の設定も異なるし、そもそも望関連もかなり違う。
望が誘拐された点こそ同じであるものの、むしろ共通する点を探す方が難しいくらいか。

つまり、原作既読者であっても新鮮な気持ちで楽しめるドラマと言えそうです。
そんな視点から本ドラマ版を視聴したところ、次のような点がポイントとなりそうです。

まず、優子が新に述べた「望が新の為の存在」であると言うこと。
これは「新」が何か病気を患っており「望」がその臓器のドナーとして生まれた存在であることを指すのではないでしょうか。
ただ、それだとタイトル「デザイナーベイビー」の意味が弱くなるので他にも何かありそうか?

岸田夫妻たちが口にする「絶対にあり得なかった」は「それこそ遺伝子調整を施された子供だった為に流産はあり得なかった」との意味でしょうか?

でもって、誘拐事件は岸田から謎の男に引き継がれそうな感じですね。
ちなみに「謎の男」の正体ですが、公式HP上から該当しそうなキャラは病院長の息子・峠則孝かなぁ……。

さらに、悠里と夫の連れ子・悠介の関係。
望誘拐事件を通じ、生さぬ仲から悠里のお腹の子供も含めて家族を構築する様子を描くのではないかと思われる以上、此処もポイントでしょう。
それにしても、どうして名前に同じ「悠」が入っているのでしょうか……これも意味があるのか。

2話にも注目ですね!!

◆関連過去記事
『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

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