「実は私は」第129話「ヒーローショーを見よう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。
ネタバレあります、注意!!登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
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ヒーローショー会場が設置されたデパートの屋上に朝陽と獅狼の姿があった。
前回、獅穂の告白を断ってしまったことを気に病む朝陽。
そんな朝陽を励ます獅狼。
獅狼によれば獅穂の告白は彼女の成長に必要な物と前向きに捉えているらしい。
「気にするな、童心に帰ろう」と繰り返す獅狼は「とりあえずヒーローショーでも」と朝陽を誘う。
気を取り直した朝陽はステージに視線を移す。
すると其処には……司会のお姉さんに促され登場する着ぐるみが1つ。
しかし、これを目にした朝陽は思わず吹き出す。
何故なら、その着ぐるみは「魔法中年まじかる☆あかりん」のものだったからである。
同時にステージ下に集まった子供たちが叫ぶ。
「ちゅうね〜〜〜ん」と。
どうやら「あかりん」は大人気のようだ。
何が起こっているのか呆気にとられる朝陽と獅狼。
その間にもステージでは「あかりん」の着ぐるみがえっちらおっちらと動いている。
(まさか本物じゃないよね……)
着ぐるみの中身を疑う朝陽。
隣を見れば獅狼は必死に首を振っている、信じたく無いようだ。
そんな中、ステージ上の「あかりん」が口を開いた。
「良い子の皆、結婚してくれませんか〜〜〜!?」
この唐突な申し出に、司会がそっと解説を加える。
どうやら「まじかる☆あかりん」は遂に「理想の相手を見つけるよりも、理想の相手を育てる方が早い」と考えたらしい。
まさに悪魔の子孫に相応しい所業である。
ところが、それまで盛り上がっていた子供たちが一斉に気まずそうに目を逸らしてしまう。
静まり返る会場、ステージ上では「お母さん方、安心してください。私には定職があります、夫を食わせて見せます」とアピールまでもが始まっている。
此の遣り取りを涙ながらに見ていた獅狼は呟く……あれは本物だ、と。
そんなこんなでステージ上では「まじかる☆カレン」が登場。
もちろん、その正体は華恋だ。
どうやら「まじかる☆あかりん」は悪役だったようで華恋とユル〜〜〜い戦いを開始。
此処で司会のお姉さんが何故か「あかりん」に応援コールを求める。
先程までの静けさとは打って変わり「ちゅうね〜〜〜ん、どくし〜〜〜ん」との声が飛ぶ。
「さぁ、もっともっと」司会がさらに会場を煽る。
これを見ていた獅狼が涙ながらに朝陽に訴えた。
自分たちも声援を贈ろう、と。
まさに自らの身を切る「あかりん」に心打たれたらしい。
「いや、ちょっ……」
言葉を濁す朝陽だが、熱い獅狼の勢いに押し切られる。
「じゃあ」
おずおずとそのキーワードを口にしようとした朝陽は背後に立つ殺気の塊に気付いた。
そう、あくまでステージ上の「あかりん」は着ぐるみである。
決して本物とは限らないのだ。
そもそも、こんなステージ自体が不自然ではないか。
もしかして、すべては茜により仕組まれていたのではないか!?
ふと見れば、司会のお姉さんの頭部には角が!!
茜の変身である。
「し、獅狼くん……」
慌てて呼びかける朝陽だが、もう遅い。
「ちゅうね〜〜〜ん、どくし〜〜〜ん」
獅狼は魂を込めてその言葉を口にした……。
数十分後。
「「あかり〜〜〜ん」」
夕焼けに照らされるデパートの屋上に長い影が落ち、子供たちが叫びながら駆け抜けていく。
「一応、許可はしてたんだが……な」
子供たちを見送る明里の視線は何処までも優しい。
どうやら、このステージも子供たちが喜ぶならと茜に許可していたらしい。
「とはいえ、あいつは喋り過ぎた」
明里の視線の先にはズタボロにされた獅狼と茜の姿が。
「いえ、優し過ぎたんです」
ポツリと呟く朝陽の頭部には大きな瘤が膨らんでいた―――130話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、14巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!
そんな「実は私は」が遂にアニメ化。
テレビ東京系列にて2015年7月6日から放送開始とのこと見逃すなかれ!!
ちなみに、登場人物に黄龍院凛らの名前が無いことを見ると序盤をアニメ化する予定なのかな。
さらに、アニメ版は早くもブルーレイ、DVD化が発表されています。
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【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!その129話。
サブタイは「ヒーローショーを見よう!」。
再びサブタイは「!」シリーズに。
そんな今回は82話で生まれた鉄板の「中年少女まじかる☆あかりん」が再登場!!
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「実は私は」第82話「白状させよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)もう、数ページごとに笑いました。
モチーフと重ねるように「特撮物の鉄板である本物(明里)と偽物(着ぐるみあかりん)登場」から「あかりん、遂に光源氏計画発動か!?」まで悉くツボを突きまくり。
特に「光源氏計画」のくだりは面白かった。
そして、ラストの阿鼻叫喚から獅狼で締めの流れが良い!!
それまで獅狼が熱くなればなるほど、ラストのギャップが凄い。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス12巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ。
そして、13巻は桃地結香!!
となれば、次回は登場順で水奈川咲かな?
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
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「実は私は」第1話から第120話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ・
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「実は私は」第128話「紫々戸獅穂C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?