金曜プレミアム「私という名の変奏曲 絶対にあなたを許さない!!完璧な美をほこるトップモデルが謎の死 殺したのは私です…自供する6人の犯人と不可能な美容整形の謎」(10月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
美織レイ子(天海祐希)は、東洋の小さな真珠とたたえられた美貌で世界を魅了するトップモデルだった。しかし同時にそのエキセントリックな言動と奔放な恋愛遍歴で、常にスキャンダルでマスコミの注目を浴びる文字通りのスターでもあった。
そんな彼女がある日、自室で死体で発見される。第1発見者は家政婦の太田道子(キムラ緑子)。レイ子の体内からは青酸カリが検出され、警察は捜査を始める。
笹原信雄(段田安則)という大病院の内科部長が容疑者として浮上。笹原はレイ子に出会ってその美貌に魅せられ妻子、そして社会的地位も捨てて婚約したが、わずか3カ月で婚約を解消されたのだった。マスコミはレイ子に振り回された愚かな中年男の末路を大々的に書き立てた。笹原は婚約解消後も度々レイ子の部屋を訪れるが相手にされず「殺してやる」と叫んでいるところを道子に目撃されていた。レイ子の死体が発見された寝室に落ちていたクラスからは笹原の指紋が検出、灰皿に残っていた吸い殻も笹原のものとの鑑定結果が出る。さらに、笹原が勤務先から青酸カリを持ち出したことも判明。動機、物的証拠、証言が揃い、警察は笹原を殺人の容疑者として逮捕。これで、本人の自白があれば事件は解決、と思われたが、笹原は容疑を頑に否認した。
そんな中、レイ子を自社のイメージキャラクターとして起用して大成功を収めたアパレル企業・ネイチャー繊維の社長、沢森英二郎(遠藤憲一)が自殺したという衝撃的な情報が飛び込んでくる。そして残された遺書には「私はレイ子に脅迫されていた。レイ子を殺したのは私だ」とあった。警察が捜査を進めると、確かに事件当夜、沢森はレイ子の部屋を訪れていたという目撃証言が出てきた。
そんなさなか、警察に匿名の手紙が届き、レイ子が脅迫していた人間は笹原を含め複数いて、彼ら全員がレイ子を殺す動機を持っている、と書かれていた…。
いったい誰がレイ子を殺したのか!?華麗なファッション業界を舞台に、世界を魅了した一人の美しい女をめぐる複雑な人間関係と衝撃の結末が待ち受ける…。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。美織レイ子は世界でも名高いトップモデルであった。
とはいえ、レイ子は華やかな活躍に比例しスキャンダルの女王でもあった。
先頃では、笹原信雄なる大病院の内科部長との婚約を一方的に破棄し世間を騒がせていた。
笹原はレイ子に溺れ、妻子や地位を捨ててまで婚約しながら捨てられたのだ。
それでもレイ子を忘れられない笹原はストーカー紛いに身をやつしてまで彼女を追い求めた。
矢先、レイ子が謎の死を遂げた。
レイ子の死因は青酸カリによる服毒死、他殺の疑いがもたれこの捜査に岡部計三刑事が乗り出した。
凶器の青酸カリが笹原が所持していた物と確認され、容疑は笹原へと向かうことに。
これに、レイ子の家政婦であった太田道子は笹原に同情的な素振りを見せる。
当の笹原はと言えば青酸カリを持参したことは認めたが容疑自体は否認する。
笹原によれば、青酸カリはレイ子を殺害する目的ではなく自身の愛を証明するべく目の前で口にする為。
だが、レイ子に青酸カリを奪われ、それも果たせなかったそうだ。
そんな中、匿名の告発状が岡部のもとに届いた。
其処にはレイ子殺害の真犯人が「沢森英二郎、間垣貴美子、北川淳、池島理沙、高木史子」の中に居ると書かれていた。
笹原も自身以外にレイ子殺害の動機を持つ者が「6人居る」と主張する。
これはレイ子自身が語っていたことらしく、告発状の5人以外にもう1人居たようだ。
直後、告発状に名前のあったネイチャー繊維の社長・沢森が自殺を遂げてしまう。
沢森は遺書を残しており、其処にはレイ子を殺害したのは自分だと記されていた。
沢森はレイ子を自社CMに起用する代わりに肉体関係を強要した。
これを恨んだレイ子は沢森の不正会計の証拠を握り脅迫していたのである。
沢森にはレイ子殺害の動機があったのだ。
あの夜、レイ子は笹原から取り上げた青酸カリを楽しそうに沢森に見せつけた。
その目の前で水槽の金魚に青酸カリを試して見せたのだと言う。
これはチャンスだと思った沢森は隙を見てレイ子にこれを飲ませた。
案の定、レイ子は苦しみ出すと隣室へと消えた。
沢森が後を追うとベッドの上でレイ子は息絶えていたと言う。
こうして沢森の犯行とされ、笹原は釈放された。
だが、この結果に納得していない男が居た―――岡部である。
岡部は告発状を重視し、残る4人について調べ始める。
まずはカメラマンの北川淳。
レイ子を発掘した恩人とのことであったが……。
実は同性愛者として有名な間垣貴美子にレイ子を斡旋し、自身の地位を確保していた。
レイ子はこれを恨みに思っていたらしい。
さらに、レイ子と共に海外へ旅行に出かけた際に轢き逃げ事故を起こしており相手を死亡させていた。
これにより、レイ子から脅迫を受けていたのだ。
指摘された北川はレイ子殺害を認める供述を始める。
状況は奇しくも沢森と同じであった。
続いて、高名なデザイナーの間垣貴美子。
貴美子は北川の斡旋を受けてレイ子と肉体関係にあった。
これをレイ子は恨んでいたらしい。
さらに、貴美子は過去に師匠である田島のデザインを剽窃しており、この事実によりレイ子から脅迫を受けていたのだ。
貴美子もまたレイ子殺害を認める供述を始める。
状況はまたも沢森、北川と同じ。
つまり、レイ子は3回殺されたことになる。
続いて、モデルの池島理沙。
理沙はルネ・マルタンのコレクションを巡り、レイ子を妨害したことで恨まれていた。
レイ子は貴美子から逃れる為に海外進出を計画していたのだが、これが邪魔されたのである。
その非道な遣り口に怒ったレイ子は理沙の父が放火殺人犯であるとの過去を突き止め、脅迫していた。
こうして、理沙もまたレイ子殺害を認めたのである。
直後、スキャンダルを怖れた理沙は自殺未遂を図ってしまう。
音楽プロデューサーの高木史子。
史子はレイ子の許可を得ず、勝手に彼女のCDを販売した。
レイ子は「招かれざる客の訪問を受けることになった」と恨んでいたらしい。
さらに、史子がライバル会社の重役・福田と不倫関係にあり情報を流していることを知るや、これで脅迫していたそうである。
こうして、史子もまたレイ子殺害を認めたのである。
遂にレイ子は5回も死亡してしまった。
岡部はレイ子の行動を訝しむ。
何故、レイ子は脅迫しながらも秘密を暴露しなかったのか。
手掛かりを求めた岡部はレイ子殺害の動機を持つ謎の6人目に注目する。
笹原を訪ねたところ、彼の部下である浜野康彦医師と出会う。
笹原医師によれば、レイ子は「その人に出会わなければレイ子になることはなかった」と語っていたらしい。
どうやら6人目はモデルになる前のレイ子を知る人物のようだ。
こうしてレイ子のルーツを求めることとなった岡部。
レイ子の本名・川田清子について調べることに。
すると、清子が石上美子なる女性に憧れていたことが分かる。
また、清子が7年前に交通事故に遭っていた事実も判明。
どうやら、清子は事故に遭い整形手術を施し憧れの美子に似せることでレイ子が生まれたらしい。
ところが、この整形を果たせる人物は1人だけ。
その名はブライアン・ロバーツ、彼の得意分野は復顔らしい。
とはいえ、ブライアン・ロバーツに依頼するには相当なコネが必要とされるようだ。
当時のレイ子には不可能であった。
ここから岡部は交通事故の加害者が事故の事実隠蔽と引き換えに整形を斡旋したと推測する。
これにより、レイ子は成功を掴んだがそれにより心身を病むことになったのだろう。
ブライアン医師と清子を繋いだ人物の正体が判明。
その人物こそ浜野であった。
また、ブライアン医師によれば最近になってレイ子に似せて欲しいとの手術を依頼されたそうだ。
此処から岡部は事件直前の段階でレイ子が2人居たと考える。
1人目は清子として、2人目は美子だろう。
美子は歌声からレイ子が清子であることを突き止め、脅迫したのだろう。
そして、清子が美子に整形を斡旋した。
だとすれば、その意味は何か!?
とはいえ、浜野の存在が分かったことは大きい。
岡部は浜野のもとへ。
同じ頃、浜野はレイ子のことを思い出していた。
レイ子は事故の事実で浜野を脅迫していた。
だから、彼もまたレイ子殺害の動機があったのだ。
岡部は浜野が他の5人を利用しレイ子を殺害したと結論付け、逮捕しようとするのだが……。
浜野もまた青酸カリにより服毒死していたのである。
浜野の死により事件の真相は藪の中になるかと思われた。
ところが、浜野が2日前に美子について調べていたらしいことが判明。
浜野が真犯人ならばそんなことをする必要は無い。
此処で岡部は現場に置かれた熱帯魚に注目する。
調べたところ、レイ子が熱帯魚を6匹購入していたことが明らかになった。
その際、「私は川田清子よ」と訴えていたそうだ。
現場で発見された熱帯魚は1匹のみ。
残る5匹は何処に消えたのか?
6人の犯人、6匹の熱帯魚、2人のレイ子―――岡部はある仮説に辿り着き笹原のもとへ。
岡部は実際に6人がレイ子を殺害したと主張する。
ただし、本当に殺害した者はただ1人も居ない。
レイ子は同じ行動、同じシチュエーションを6人に用いて犯行に及ばせたのだ。
レイ子は青酸カリを口にした演技をしつつ、隣室へ駆け込み死体と入替った。
レイ子は事前に整形した美子を殺害し「レイ子の死体」を用意することでこれを可能にしたのだ。
レイ子と美子の2人1役により6回の他殺を演じたのである。
全てはレイ子による復讐劇だったのだ。
レイ子は自身を心身ともに追い詰めた6人を殺人者とすることで精神的な復讐を果たそうとしたのだ。
しかし、これには共犯者の協力が不可欠である。
そして、それが出来るのは笹原しか居ない。
笹原は自身も容疑者の1人となることで、6人の誰か1人に容疑が集中しないように調整役を担当していたのだ。
匿名の告発状も笹原の手によるものだ。
笹原は岡部に「感謝しています」と述べる。
沢森の自殺は笹原にとって想定外の出来事であった。
もしも、あの時点で捜査が終結してしまえば他の5人は罪の意識から逃げてしまっていただろう。
「本当の共犯者は岡部さん、あなただったんですよ」
笹原の指摘に、岡部は衝撃を受ける。
笹原は真相を語り出した。
レイ子は病気により余命幾許もない状態であった。
レイ子の担当となったのは笹原であり、彼はレイ子に告知を行った。
これにレイ子は感謝し、笹原に全ての真実を打ち明けた。
そんなレイ子に笹原は同情し何時しか愛するようになっていた。
レイ子は笹原に共犯者となるよう請い、笹原が応じた。
そして計画が実行されたのだ。
後は岡部が知る通りだ。
浜野を殺害したのは笹原である。
では、レイ子は何処に居るのか?
笹原によれば計画実行後に自殺してしまったらしい。
今は清子に戻り、何処かに眠っているそうだ。
こうしてレイ子の復讐は完遂されたのである、笹原と岡部の手によって。
その傍らでは亡きレイ子が微笑んでいた―――エンド。
<感想>
ドラマ原作は連城三紀彦先生『私という名の変奏曲』(文藝春秋社刊)。
過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。
・
『私という名の変奏曲』(連城三紀彦著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)では、ドラマの内容を。
割と原作に忠実だった印象かな。
ただ、ラストのアレンジが些か蛇足だったかなぁ。
アレンジを加えるなら意外性のあった「本当の共犯者は岡部さん、あなただったんですよ」で終わらせておいても良かったかも。
あれは本当にサプライズだったなぁ……意図せず笹原たちのプランに手を貸すことになっていたとは。
もっとも、レイ子の意に反し結果が出てしまった時点で復讐は失敗なので、厳密には岡部の行動はレイ子の目論見を打破したことになるワケだけど。
あくまで、レイ子の狙いは「容疑者6人が宙ぶらりん状態で罪の意識を引き摺って行くこと」。
岡部のように結論を突き詰めることは望んでいない。
なので、あれは笹原の負け惜しみと解釈して良いでしょう。
実のところ、沢森がレイ子殺害を告白した遺書を残し自殺した時点でレイ子の計画は破綻しているのだから。
ちなみに、よりアレンジを加えるならば「実はレイ子が美子を身代わりに今も生きていた」もアリだったかなぁ。
ラストにて「レイ子が笹原と落ち合い愛の逃避行に及んだところ、その一方で岡部が逮捕状を取って2人に迫る」的な「ああ、2人は捕まってしまうんだな」と匂わす結末。
この手法、ちょっと古典的過ぎるだろうか?
また、ドラマ版の展開ならば「笹原がレイ子の共犯者に選ばれたのは、彼により素の清子に気付かされたことへの復讐も兼ねていた」的な結末もアリだったかも。ラストで生前のレイ子が登場するならこちらでも良かったかな。
例えば、笹原と別れた後で冷たい微笑みを浮かべて表現するとか。
とはいえ、先にも述べた通り割と原作に忠実。
また、ドラマ化に際し問題となりそうな点も上手くクリアしていたように思います。
例えば、原作に比べると被脅迫者の人数が7人から6人に減少。
それに伴いそれぞれの動機も異なることに、特に理沙が大幅に改変されていたかな。
比較すると次の通り。
【沢森英二郎】
ドラマ版:レイ子とは肉体関係にあった。不正会計で脅迫される。
原作:レイ子とは愛人関係にあった。不正会計で脅迫される。
【間垣貴美子】
ドラマ版:レイ子とは肉体関係にあった。剽窃で脅迫される。
原作:レイ子のモデル進出の原動力となった。剽窃で脅迫される。
【北川淳】
ドラマ版:レイ子を貴美子に斡旋した。海外で轢き逃げ事故を起こし相手を死亡させたことで脅迫される。
原作:カメラマンとしてレイ子の売り出しに尽力。海外で轢き逃げ事故を起こし相手を死亡させたことで脅迫される。
【池島理沙】
ドラマ版:レイ子のライバルで妨害したことで恨まれた。父親が放火殺人犯で脅迫される。
原作:レイ子と肉体関係にあったことで恨まれた。父親が放火殺人犯で脅迫される(実は理沙が父親に悪戯され、これを放火し殺害していた)。
【高木史子】
ドラマ版:レイ子に断りなく歌手デビューさせた。ライバル会社の重役と不倫し情報を渡していることで脅迫される。
原作:レイ子に断りなく歌手デビューさせた。ライバル会社の重役と不倫し情報を渡していることで脅迫される。
【浜野康彦】
ドラマ版:清子との事故を起こしレイ子誕生に貢献する。先の事故で脅迫される。
原作:清子との事故を起こしレイ子誕生に貢献する。医療ミスで脅迫される。
これに7人目として原作だと「稲木洋平」が居たのですが「北川(レイ子を斡旋)」に吸収された模様。
そして、貴美子が理沙の要素を受け継いでいるようです。
ちなみに「罪の意識を背負わせることが復讐と言うなら、北川は既に殺人者なのに良心の呵責を感じていないから無意味ではないか」との指摘は原作からして同じなので納得するしかない。
また、レイ子の正体の複雑さもシンプルにされていましたね。
アレを映像化でやると視聴者は混乱するだろうから正解だと思います。
実際の犯行が1日では時間的に不可能なので2日間に渡っていた点もドラマ版なら省略して正解。
ただ、レイ子の死が自殺に変更されていたのには閉口。
あの点は原作通り「容疑者たちの中の誰か」にして欲しかったかなぁ。
とはいえ、こうして振り返るとドラマ版はなかなか頑張っていたように思います。
個人的には好印象でした。
ちなみに6回と言わず「7回死んだ男」の物語はご存知でしょうか。
それが西澤保彦先生『七回死んだ男』(講談社刊)、これが面白い!!
興味のある方は下記の過去記事をご覧ください。
・
『七回死んだ男』(西澤保彦著、講談社刊)ネタバレ批評(レビュー)<キャスト>
美織レイ子(世界のトップモデル):天海祐希
その美貌で多くの人間を魅了する世界のトップモデル。華やかさとどす黒い欲望か渦巻くファッション業界で彼女のまわりには人気カメラマン、国際派デザイナー、アパレルメーカー社長、大病院の内科部長、ライバルモデル、などが集まり彼女を利用していく。次第に精神的に追い詰められたレイ子はある日、青酸カリ服毒により死体となって発見される…。
笹原信雄(大病院内科部長):段田安則
大病院の内科部長という立場にあったが、レイ子の美しさに心を奪われ妻子と別れてレイ子と婚約する。しかし数カ月後、レイ子から一方的に婚約解消を告けられる。病院も追われ、妻子にも去られ、マスコミの餌食として話題になるが、それでもレイ子への思いは断ち切ることができないでいたが…。
沢森英二郎(アパレルメーカー社長):遠藤憲一
ネイチャー繊維社長。親から引き継いた会社を斬新なビジネスプランで次々と展開させて注目を集める。レイ子の美しさに引かれ自社のイメージキャラクターに起用。自ら企画した鮮烈なCMが大きな話題をさらう。やがてレイ子とこのCM契約をたてに関係を持つ。しかし海外進出の失敗で事業は次第に行き詰まり、二重帳簿で粉飾決算を行うように。裏帳簿の存在をレイ子に知られて脅迫されていた…。
間垣貴美子(デザイナー):夏木マリ
レイ子を最初に見出したデザイナー。彼女の魅力を最大限に引き出すデザインの服でコレクションを成功させファッション業界で上り詰める。レイ子とは二人三脚でやってきたが、次第にアイデアが枯渇し行き詰まる。そんな折、自らの師であるファッション業界の長老のデザイン画を自らのデザインとして発表。コレクションは大成功に終わるか、そのことでレイ子に脅されていた…。
浜野康彦(内科医・笹原の部下):市川猿之助
笹原の病院で部下として働いていた内科医。逮捕直前の笹原がいる潜伏先に呼び出され、レイ子に殺意を抱いていた6人の人物について話を聞く。自分は殺していないと主張する笹原の意向を受けて6人の容疑者に「俺はお前が犯人だと知っている」という脅迫電話をかけ、彼らの動きを監視するが…。
北川淳(カメラマン):生瀬勝久
レイ子を最初に発掘した人気カメラマン。北川の写真がきっかけで、間垣がレイ子を自らのブランドのモデルとして起用することに。レイ子とはその後もカメラマンとモデルという関係で仕事をして成功をおさめる。撮影で訪れていた南仏の海岸でモーターボートを運転中、海水浴客を事故で死なせてしまう。その瞬間が偶然写っていた写真をレイ子に奪われてしまい、それをネタに脅迫されていた…。
池島理沙(モデル):緒川たまき
レイ子のライバルモデル。出会った当初はレイ子と良好な関係でいろいろ教えていたが、レイ子が抜てきされた世界的デザイナーのショーへの出演を妨害。そのことがきっかけでレイ子の憎悪の対象となる。複雑な生い立ちで酒乱で暴力を働く父に育てられ、その父親は自宅の火災で死亡。そのことをレイ子に知られて脅されていた…。
高木史子(音楽プロデューサー):若村麻由美
レイ子の人気に着目してCDのリリースをもちかける。レイ子は歌をだすことを拒否するがだましてデビューさせてしまう。自分の声が世の中に出たことにレイ子は激怒する。史子はライバルレコード会社の重役と長年にわたり不倫関係にあって、社内の情報をリークしたことをレイ子に知られ、脅されていた…。
太田道子(家政婦):キムラ緑子
レイ子宅の通いの家政婦。レイ子のわがままに散々振り回されるが、その高額な報酬のために我慢している。部屋のカギを持ち、自由に出入りできる。レイ子の死体の第一発見者。
岡部計三(警視庁捜査一課警部補):玉山鉄二
笹原の逮捕後に沢森が自殺したことを受け、この事件の裏に隠された複雑な人間関係に気づき、独自の捜査を進めるが次第にレイ子の闇にひきこまれていく。 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
◆関連過去記事
・
『私という名の変奏曲』(連城三紀彦著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)・
『造花の蜜』(連城三紀彦著、角川春樹事務所刊)ネタバレ書評(レビュー)・
「第18回日本ミステリー文学大賞、同特別賞、新人賞」発表。栄冠は船戸与一先生、連城三紀彦先生、直原冬明先生に!!