ネタバレあります、注意!!
第42話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第41話「フックマン2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地域4校による成績優秀者合同交流会の参加者が謎の人物に襲撃を受けて次々と入院する事件が発生。
凶器が特徴的なフックだと知った蛍は、参加者の1人・能美功次に注目する。
圭一が功次の背後にフックマンの姿を見ていたのだ。
蛍を警戒する楓から何とか情報を得たところ、功次の父親・一郎が37歳当時に小学校襲撃事件を引き起こし行方不明になっていることが判明する。
この際の凶器もフックであった。
どうやら、一郎は既に死亡しフックマンとして功次の傍に居るらしい。
周囲を調べられていることを察し、奇襲を仕掛けた一郎から蛍を護る圭一。
蛍はと言えば楓に能美一郎が戻って来たのかも……と敢えて偽情報を教えつつ能美宅へ急ぐ。
すると、其処には功次の頭頂部にフックを突き立てる一郎の姿が。
まさか、功次までもが標的だったのか……と思いきや、一郎のフックは功次に栄養らしきものを注ぎ込んでいる。
いや、あれは知識を注いでいるのだ!!
どうやら、一郎は成績優秀者からフックで知識を吸い上げると功次に注ぎ込むことで学力を移行出来るらしい。
だからこそ、功次は「城町西学園」で成績優秀者となれたのだ。
おそらく、今回の事件は功次が「成績優秀者合同交流会」で引け目を感じていた為に一郎が引き起こしたのだろう。
事のカラクリを見抜いた蛍。
だが、その気配に気付いた一郎が再び襲撃を仕掛けて来た。
これに銃弾で酬いる圭一。
しかし、一郎は霧に姿を変え回避してしまう。
どうやら、本体は別に存在しているようだ。
蛍の髪飾りが鈍い光を放ち、一郎の周囲を照らし出す。
其処には飛び回る羽虫が。
此処で蛍は羽虫が消えるたびに一郎の身体が削れていることに気付く。
羽虫を倒せば一郎にダメージを与えることが出来るのだ。
だが、羽虫は小さく圭一の銃弾では補足し切れない。
羽虫の発生源こそ、一郎の本体なのだ。
それを捉えねば一郎を倒すことは出来ないだろう。
「なんだ!?」
騒ぎを聞き付け、部屋から顔を出した功次。
そのとき、蛍は発生源を捉えた。
功次の首に掛けられたネックレス、それは一郎の指輪を加工した物だったのだ。
それこそが一郎の本体だったのである。
圭一は一郎の功次への愛情を感じつつ、それはエゴに過ぎないと言い捨てる。
同時に圭一の弾丸が一郎の指輪を貫き、指輪が砕け散った。
指輪を失ったことで一郎の身体は崩壊し消え去った。
蛍は功次に交流会参加者が狙われる事件が発生したので心配になって駆け付けたと説明。
その場を収めることに。
蛍は一郎が戻って来たと楓に教えたことで、それから数日にも渡り責められた。
とはいえ結局、犯人は捕まることなく事件は迷宮入りすることとなった。
当然である、当の一郎は既に消滅したのだから。
だが、蛍の気分は落ち込んでいた。
その原因は一郎が消える瞬間に圭一が目にした光景にあった。
そもそも、小学校襲撃後に一郎が行方不明になっていたのは何故か!?
一郎もまた「十二人委員」により例の展望台から処刑されていたからである―――次話に続く。
ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻。3巻に続き、早くも4巻が発売予定!!
さて、その42話。
サブタイは「フックマン3」。
今回により、能美のフルネームが明らかに。
その名は能美功次でした。
また、父である能美一郎による単独犯でしたね。
親の愛情は重要ですが、一郎の場合はそれが独善的に過ぎました。
そもそも功次が周囲に引け目を感じることとなったのは一郎の過去の犯行が原因でもあるワケだしなぁ。
それを考えれば一郎の罪は重い。
そして、独善的とは言え父の加護を失った能美功次がこれからどうなってしまうのか……。
さらに今回により「一郎の本体が指輪だった」ように「圭一の本体が蛍の髪飾り」の可能性も浮上。
だからこそ、圭一は蛍のもとに戻って来たのかもしれません。
そして、再び姿を現した「十二人委員」。
展望台を処刑に使っていたことが此処でクローズアップされましたね。
どうやら一郎は「崖の下の家」には囚われなかったようです。
これがその後の犯行に繋がったことを考えると……。
そんな中、40話では重要と思われる新キャラが登場しました、その名も青葉。
これにより赤木蛍(赤)、緑川楓(緑)、桃園霧子(桃)に次ぐ色つきキャラが登場することに。
おそらく、キーとなるキャラでしょう。
どちらかと言えば、前作の枯野の女性バージョンと言った感じかな。
どうやら、先の蛍、楓、桃園、青葉ら色つきのキャラが集結し「十二人委員会」と対決して行く形となるのか。
だとすれば、もう1人黄色のメンバーを加えて5人になりそうな予感。
次回にも注目です!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第41話「フックマン2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。
【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」に登場。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。