ネタバレあります、注意!!
第43話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
逸見:楓の知人の刑事。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第42話「フックマン3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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地域4校による成績優秀者合同交流会の参加者が謎の人物に襲撃を受けて次々と入院する事件が発生。
これに蛍が関わっていると知った楓は独自の調査を開始し、蛍から能美一郎の犯行であると聞かされる。
楓は蛍に勝つ為に先行して能美一郎を追うことに。
自身の立場を利用した楓は能美一郎が行きつけにしていた居酒屋を突き止めた。
一郎の手掛かりを求めた楓は居酒屋へ。
居酒屋のおやじによれば、能美と親しかった三橋ならば何か知っているかもしれないらしい。
居酒屋のおやじに懇願されて居酒屋のバイトをこなしつつ三橋を待つ楓。
何度となくセクハラを連発され「もう耐えられない……」と諦めかけた頃、ようやく三橋が来店した。
ところが、三橋は能美一郎の居所は知らないと口にする。
今まで何の為に我慢したのか……しょげ返る楓に若い男が声をかけた。
彼は「能美一郎がフード男と共に居た」と証言し、その行先も案内したいと申し出る。
まさに渡りに船。
楓は一も二もなく男に付いて行く。
向かった先は例の展望台。
男によれば能美一郎とフード男は此処で何かしていたらしい。
展望台から下を覗き込んだ楓は以前に足を運んだ「崖の下の呪い家」を発見。
能美一郎失踪に蛍が絡んでいるのではないかと疑う。
ところが直後に想定外の事態が発生。
ふと振り返ると周囲を若い男たちに囲まれていたのだ。
楓はうら若き女性、そして此処は夜間には人気の無い展望台。
相手の狙いは明らかであった。
その証拠に男たちは口元に嗜虐心を隠した薄ら笑いを貼りつかせている。
「ああ、上手く行ったねぇ。とはいえ、教えたことは本当さ。フード男も居たよ」
此処まで案内して来た男は態度を豹変させると余裕の表情で楓を見詰める。
その視線は獲物を捕らえたハンターのもの、彼が楓を罠に嵌めたのだ。
これに楓は抵抗すべくスタンガンで応戦しようとする。
だが、男に足を取られ転倒してしまった。
其処に上から圧し掛かる男。
さらに別の男がスカートを捲り上げる。
手には何やら注射器が握られていた。
どうやら薬物のようだ。
「すぐに気持ち良くなるからねぇ〜〜〜」
嫌らしい笑いを浮かべた男に身を竦める楓。
危機一髪……と、突然最後尾の男たちが呻き声を挙げて倒れ出した。
見ればフード男が乱入して来たのだ。
フード男はたちまちのうちに周囲の男たちを叩きのめして行く。
その強さは圧倒的だ。
楓を抑え付けていた男もあっさりと気絶させられてしまった。
呆然とする楓の前で颯爽と去って行くフード男。
その姿に楓は頬を染める。
「大丈夫かい!?」
少ししてフード男と入替りに逸見が駆け付けた。
どうやら、誰かが楓の危機を報せたようだ。
助かった……安堵の息を吐く楓。
その翌日、楓は前夜の出来事は伏せつつ、蛍に能美一郎について重ねて問い質す。
物凄い剣幕の楓に「いやぁ……どうも海外へ行ったらしいよ、ハハハ」と笑って誤魔化す蛍。
そんな2人の遣り取りを「仲が良いなぁ……」と評する圭一なのであった―――次話に続く。
ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻に続き、早くも4巻が発売!!
さて、その43話。
サブタイは「緑川楓の冒険」。
エピソード「フックマン(40話から43話)」を緑川楓視点で描いた言わばスピンオフ的な回。
同時に楓が「十二人委員」に触れるエピソードともなりました。
蛍の視点から見れば「圭一の死に関与した敵」と思われるフード男。
だが、楓の視点で見れば「窮地を救ったダークヒーロー」である。
もともと、これまでの作中での描写によれば「十二人委員」は「法で裁けぬ悪を私的制裁にかけるグループ」。
言わば「必殺仕事人」や「ハングマン」に近い。
その正義の基準が些か不明ではあるものの、彼らが圭一の死にさえ関与して居なければ蛍としても敵対する理由は無さそうなんだけどなぁ……。
本当に「十二人委員」が圭一を殺害したのかも検討の余地がありそうか。
むしろ「十二人委員」に対抗する者が圭一を手に掛けた可能性もありそう?
また、今回のフード男は楓に暴行を働こうとした男たちを阻止したものの処刑にまでは及んでいない。
これが何を意味するのか?
「十二人委員」の中でも処刑基準が定められているのか?
楓に凄惨なシーンを見せないように配慮したのか?
後者だとすればフード男が個人的に楓と知人、あるいは緑川宗達の関係者となるが……。
そもそも、楓の危機に駆け付けた点も気になるなぁ。
緑川宗達と「十二人委員」には関連性があるのか!?
今回の描写を見る限り、入替るように現れた逸見も怪しいんだよなぁ。
ただ、逸見があれほどの大立ち回りが出来るのかと問われれば疑問も残る。
何しろ、フード男は年齢的にももう少し若く思えるし。
だとすると、全く別の人物なのだろうか?
フード男がフードで顔を隠しているのも、既に登場した人物だからなのか。
あるいは、これから登場する人物だからなのか。
また、フード男がメカニックのように複数存在する可能性も考慮すべきかもしれない。
そんな中、40話では重要と思われる新キャラが登場しました、その名も青葉。
これにより赤木蛍(赤)、緑川楓(緑)、桃園霧子(桃)に次ぐ色つきキャラが登場することに。
おそらく、キーとなるキャラでしょう。
どちらかと言えば、前作の枯野の女性バージョンと言った感じかな。
どうやら、先の蛍、楓、桃園、青葉ら色つきのキャラが集結し「十二人委員会」と対決して行く形となるのか。
だとすれば、もう1人黄色のメンバーを加えて5人になりそうな予感。
次回にも注目です!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第41話「フックマン2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第42話「フックマン3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。
【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」に登場。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。