2015年10月09日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第43話「緑川楓の冒険」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第43話「緑川楓の冒険」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第43話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
逸見:楓の知人の刑事。

能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。

フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第42話「フックマン3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

地域4校による成績優秀者合同交流会の参加者が謎の人物に襲撃を受けて次々と入院する事件が発生。
これに蛍が関わっていると知った楓は独自の調査を開始し、蛍から能美一郎の犯行であると聞かされる。
楓は蛍に勝つ為に先行して能美一郎を追うことに。

自身の立場を利用した楓は能美一郎が行きつけにしていた居酒屋を突き止めた。
一郎の手掛かりを求めた楓は居酒屋へ。

居酒屋のおやじによれば、能美と親しかった三橋ならば何か知っているかもしれないらしい。
居酒屋のおやじに懇願されて居酒屋のバイトをこなしつつ三橋を待つ楓。
何度となくセクハラを連発され「もう耐えられない……」と諦めかけた頃、ようやく三橋が来店した。
ところが、三橋は能美一郎の居所は知らないと口にする。

今まで何の為に我慢したのか……しょげ返る楓に若い男が声をかけた。
彼は「能美一郎がフード男と共に居た」と証言し、その行先も案内したいと申し出る。

まさに渡りに船。
楓は一も二もなく男に付いて行く。
向かった先は例の展望台。
男によれば能美一郎とフード男は此処で何かしていたらしい。

展望台から下を覗き込んだ楓は以前に足を運んだ「崖の下の呪い家」を発見。
能美一郎失踪に蛍が絡んでいるのではないかと疑う。

ところが直後に想定外の事態が発生。
ふと振り返ると周囲を若い男たちに囲まれていたのだ。
楓はうら若き女性、そして此処は夜間には人気の無い展望台。
相手の狙いは明らかであった。
その証拠に男たちは口元に嗜虐心を隠した薄ら笑いを貼りつかせている。

「ああ、上手く行ったねぇ。とはいえ、教えたことは本当さ。フード男も居たよ」
此処まで案内して来た男は態度を豹変させると余裕の表情で楓を見詰める。
その視線は獲物を捕らえたハンターのもの、彼が楓を罠に嵌めたのだ。

これに楓は抵抗すべくスタンガンで応戦しようとする。
だが、男に足を取られ転倒してしまった。

其処に上から圧し掛かる男。
さらに別の男がスカートを捲り上げる。
手には何やら注射器が握られていた。
どうやら薬物のようだ。

「すぐに気持ち良くなるからねぇ〜〜〜」
嫌らしい笑いを浮かべた男に身を竦める楓。

危機一髪……と、突然最後尾の男たちが呻き声を挙げて倒れ出した。
見ればフード男が乱入して来たのだ。

フード男はたちまちのうちに周囲の男たちを叩きのめして行く。
その強さは圧倒的だ。
楓を抑え付けていた男もあっさりと気絶させられてしまった。

呆然とする楓の前で颯爽と去って行くフード男。
その姿に楓は頬を染める。

「大丈夫かい!?」
少ししてフード男と入替りに逸見が駆け付けた。
どうやら、誰かが楓の危機を報せたようだ。
助かった……安堵の息を吐く楓。

その翌日、楓は前夜の出来事は伏せつつ、蛍に能美一郎について重ねて問い質す。
物凄い剣幕の楓に「いやぁ……どうも海外へ行ったらしいよ、ハハハ」と笑って誤魔化す蛍。
そんな2人の遣り取りを「仲が良いなぁ……」と評する圭一なのであった―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻に続き、早くも4巻が発売!!

さて、その43話。
サブタイは「緑川楓の冒険」。

エピソード「フックマン(40話から43話)」を緑川楓視点で描いた言わばスピンオフ的な回。
同時に楓が「十二人委員」に触れるエピソードともなりました。

蛍の視点から見れば「圭一の死に関与した敵」と思われるフード男。
だが、楓の視点で見れば「窮地を救ったダークヒーロー」である。

もともと、これまでの作中での描写によれば「十二人委員」は「法で裁けぬ悪を私的制裁にかけるグループ」。
言わば「必殺仕事人」や「ハングマン」に近い。
その正義の基準が些か不明ではあるものの、彼らが圭一の死にさえ関与して居なければ蛍としても敵対する理由は無さそうなんだけどなぁ……。
本当に「十二人委員」が圭一を殺害したのかも検討の余地がありそうか。
むしろ「十二人委員」に対抗する者が圭一を手に掛けた可能性もありそう?

また、今回のフード男は楓に暴行を働こうとした男たちを阻止したものの処刑にまでは及んでいない。
これが何を意味するのか?

「十二人委員」の中でも処刑基準が定められているのか?
楓に凄惨なシーンを見せないように配慮したのか?

後者だとすればフード男が個人的に楓と知人、あるいは緑川宗達の関係者となるが……。
そもそも、楓の危機に駆け付けた点も気になるなぁ。
緑川宗達と「十二人委員」には関連性があるのか!?

今回の描写を見る限り、入替るように現れた逸見も怪しいんだよなぁ。
ただ、逸見があれほどの大立ち回りが出来るのかと問われれば疑問も残る。
何しろ、フード男は年齢的にももう少し若く思えるし。
だとすると、全く別の人物なのだろうか?
フード男がフードで顔を隠しているのも、既に登場した人物だからなのか。
あるいは、これから登場する人物だからなのか。
また、フード男がメカニックのように複数存在する可能性も考慮すべきかもしれない。

そんな中、40話では重要と思われる新キャラが登場しました、その名も葉。
これにより木蛍(赤)、川楓(緑)、園霧子(桃)に次ぐ色つきキャラが登場することに。
おそらく、キーとなるキャラでしょう。
どちらかと言えば、前作の枯野の女性バージョンと言った感じかな。

どうやら、先の蛍、楓、桃園、青葉ら色つきのキャラが集結し「十二人委員会」と対決して行く形となるのか。
だとすれば、もう1人黄色のメンバーを加えて5人になりそうな予感。

次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第41話「フックマン2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第42話「フックマン3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」に登場。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【新章開幕】「人形島殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【新章開幕】「人形島殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第8弾は「人形島殺人事件」!!
新たなる殺人事件に金田一少年が挑むことに!!


【「人形島殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

朱鷺田忍:不動高校の日本史教師。
ペルソナドール:まさに「覆面作家」の3人組。アンティークドール、日本人形、道化師人形の姿である。
星坂花梨:ミステリー雑誌の編集者。
雨野影近:金田一が出会った青年。
詩村瞳:金田一が出会った少女。

まことちゃん:金田一と美雪の幼馴染。

いつき陽介:ご存知、ルポライター。
剣持警部:金田一のもう1人のベストパートナー。

<あらすじ>

場所は不動高校、時間は日本史の授業中。
今日も今日とてお気楽な様子で授業を受けるのは金田一少年である。
これに呆れ返る美雪と思いきや、金田一少年はそもそも授業を受けていない。
それもその筈、堂々と居眠りを決め込んでいたのだ。

しか〜〜〜し、天網恢恢疎にして洩らさず。
そんな金田一少年の姿は教師である朱鷺田忍にしっかりと目撃されていた。

こうして呼び出しを受けた金田一。
すっかりお叱りを受けるものと覚悟していたが……どうも忍の様子がおかしい。
どうやら、忍は金田一の評判を聞き付けある依頼をしたいようだ。

忍によれば亡き祖母の遺品として預かった日本人形から奇妙な暗号文が出て来たのだそうだ。
それは奇妙な漢字とアルファベットが入り混じった9文字。
これを金田一に解読して欲しいらしい。

暗号文を一目見るなりあっさりと解読した金田一。
コツは縦と横の画数にあった。
それを「あいうえお50音表」に当て嵌めると出て来た言葉は「ひとがたじまにいけ」。
内容に従い金田一と忍は「火吐潟島」へと向かうことに。

「火吐潟島」と聞いた美雪は「島に住む幼馴染のまことちゃんに会いたい」と要望。
こうして、金田一と同行することとなった。

いよいよ島へ向かう当日のこと。
船着き場に先行した金田一と美雪は忍から「遅れることとなった」との報を受ける。
こうして、忍を欠きつつ船に乗り込む2人。

船はクルーザータイプのもの。
最大定員は10人といったところだろうか。

其処には奇妙な先客が居た。
それぞれアンティークドール、日本人形、道化師人形のコスプレをした3人組が居たのである。

ぎょっとする金田一に声をかける人物が。
その正体はいつきであった。

知人の顔を見つけて安堵する金田一に、いつきは3人組の正体を教える。
その正体は「ペルソナドール」なる売れっ子の覆面作家であった。
さらに、いつきの古い知り合いの雑誌編集者・星坂花梨も乗船して来た。
花梨は「ペルソナドール」に興味があるらしい。

此処で周囲を見回した金田一は「ペルソナドール」のインパクトに見落としていた別の乗客を目に留める。
若い男性・雨野影近と若い女性・詩村瞳である。

何やら影のある2人に訝しむ金田一。
その背中に聞き覚えのある陽気な声が届く。
振り返った先には剣持までもが居たのである。

こうして、金田一、美雪、剣持、いつきらは海路を「火吐潟島」へ向かうことに―――2話へ続く。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第8弾は「人形島殺人事件」です!!

今回はその第1話でした。
設定紹介と言った雰囲気の回でしたね。
次回以降、本格化しそうかな。

それにしても「ペルソナドール」のインパクトと来たら……。
どうにもトリックに用いられそうなか・ほ・り。
何しろ、彼女(彼?)の存在で3人ほど正体不明の人物が生じることに。
そもそも性別も不詳だし。

当然、中身が確認出来ないので「1人2役」や「2人1役」もありそうだなぁ。
あるいは「椅子に座っているけど中身は居ない」=「空蝉の術」とかありそう。

他にも「ペルソナドール」の遺体が密室で発見されるも中身は「ペルソナドール」に扮した犯人であり、密室解除後に遺体と入替って脱出とかもありそう。

併せて、急に欠席した朱鷺田忍も気になるなぁ……。
シンプルに考えれば「ペルソナドール」の中に忍が居ても不思議ではない。

その場合、次のようなトリックが考えられる。

ペルソナドールに扮して島に上陸した忍は殺人を決行。
被害者の遺体発見後、島に到着したふりをしつつ現れる。
これにより、第一の殺人についてアリバイ完成。
その後も「ペルソナドール」と「朱鷺田忍」の1人2役を続けるとか。
この際に島外あるいは島内に事前に身代わりを用意出来ていれば「入島者数と島民の人口」に変動が出ないので尚良し。

どうだろ、あるかな!?

そして、「ペルソナドール」の1人「道化師人形」が気になる。
そう言えば過去には「道化人形」なる犯人が居たなぁ……。
あの時は確か高遠が関与していた筈、今回はどうなのだろうか。
あの暗号文自体がどうもきな臭いだけに彼の関与は充分に考え得るが。

暗号文と言えば、あの内容だと金田一の解法だけではない気がするが……。
別の意味があるような気もする。

そう言えば「蟻地獄壕殺人事件」でも高遠はいつきを利用して金田一を呼び出していた。
そのいつきが今回も登場している点が気になる。
他にも「道化師」が出てるし、同じく「蟻地獄壕殺人事件」にて高遠のパーソナルカラーとされていた「赤」=「朱鷺田先生」をイメージさせる点も気になるか。
何より、メタ的にはアニメ版で放送中の「金田一少年の決死行」に高遠が登場しているから原作も足並みを揃える可能性があるのではないか。

・「金田一少年の事件簿R」より「蟻地獄壕殺人事件」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

もしも、高遠が関与しているとなれば「火吐潟島」に彼のルーツが眠っているのか!?
ただ一方で「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」を唱えている立場からすると、カフェふくろうのマスターが登場しなかった以上、高遠も登場しないのではないかとも思うのだが……。

「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」とは次の通り。

高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。

果たして、この法則は守られるのか!?

さて、既にご存知のことと思われますが2015年10月よりアニメ「金田一少年の事件簿R」が日本テレビ系にて放送中。
現在のエピソードは「金田一少年の決死行」。
また、「血溜之間殺人事件」もアニメ化されるとのこと。
ちなみに「金田一少年の決死行」はドラマ化もされていますね。

「金田一少年の事件簿N」第6話「12年分の憎悪と愛…犯人はお前だ!決死行壮絶完結編(金田一少年の決死行 後編)」(8月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【2015年10月】アニメ「金田一少年の事件簿R」が「RETURNS」の名の通り帰還を果たす!!さらに「魍邪ノ館殺人事件」とは!?

そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!

綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「なぜ暖炉は燃えていたか?」のまとめはこちら。
「なぜ暖炉は燃えていたか?」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「吸血桜殺人事件」のまとめはこちら。
「吸血桜殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「蟻地獄壕殺人事件」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ

「金田一少年の事件簿R(7): 週刊少年マガジン」です!!
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