2015年10月12日

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第21話「阿部の不安」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第21話「阿部の不安」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)です!!

登場人物一覧:
英玖保嘉門:往年の名探偵、引退を考えていたが……。ポアロポジション。
朝倉平助:英玖保の元助手、ブラジルから帰国した。ヘイスティングズポジション。
日之元警部:英玖保や朝倉と知己の警部。共に多くの事件を解決した英玖保を信頼している。
布村女史:英玖保嘉門の古馴染、ライバルにして同志。

ABC:英玖保に挑戦状を送り付けた犯人。
阿部力:『歯車』に執着する男。
馬老大人:華僑の元締。英玖保の依頼人。

芦屋留三:安の別れた夫。
芦屋安:煙草屋を経営する老女、第一の被害者。
土浦まり子:安の姪。

坂東美代:弁天島のカフェに勤める女給。第二の被害者。
鳴門降三:美代の婚約者。
たま:美代の姉。
灰川善太郎:静岡県警察部長。
片山清:浜松署署長。
黒武:浜松署の刑事。実は英玖保のファン。

千代田千寿郎:千倉に住む富豪。第三の被害者。
千代田祐司郎:千寿郎の弟。
ソーラ・グレコワ:千寿郎の女性秘書。

<21話あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

バーバラ・アレンの死の真相を暴いた名探偵・英玖保嘉門。
そんな英玖保に「ABC」を名乗る人物から挑戦状が届く!!

犯行を阻止しようとする英玖保だが「ABC」からの挑戦状通り3件の連続殺人が発生。

「A」で「浅草」の「芦屋安」。
「B」で「弁天島」の「坂東美代」。
「C」で「千倉」の「千代田千寿郎」。

既に3人もの被害者が出てしまった。
此処で英玖保は被害者遺族から情報を募り、共通点として化粧水セールスの阿部力に注目する。

同じ頃、阿部は安の姪・まり子に接触していた。

・前回はこちら。
「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第20話「化粧水」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

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阿部と再会したまり子。
狼狽する阿部は「自身がABCなのではないか」との不安をまり子に訴える。
阿部の人柄に触れ、彼を信頼していたまり子はこれを否定するのだが……。

同じ頃、英玖保はソーラから阿部の存在を聞き出していた。
直後、「ABC」から4通目の挑戦状が届く。
其処には「D」として「田園調布」の名が!!

当の阿部はまり子の隙を突き、田園調布へ向かう―――22話に続く。

<感想>

エルキュール・ポワロが名探偵・英玖保嘉門として我々ファンの前に再臨しました!!
この英玖保嘉門、まさにポアロそのものの容姿です。
そして、その助手である朝倉もまた、まさに和製ヘイスティングズとの風貌。
これはかなり期待出来そうな作品ではないでしょうか。

遂にそんな本作の1巻と2巻が発売予定、見逃すな!!

その21話、サブタイは「阿部の不安」。
なんと「D」は「田園調布」と判明。
さらに、いよいよ阿部がクローズアップされることに。
とはいえ、原作通りだとすれば真犯人の狙い通りか。

祐司郎が懸賞金導入を口にしたことからも分かる通り現状は未だ「ABC」の計画通り。
そもそも、三件目に限って予告状到着に差異が出たのは何故か?
その意味は明瞭です、三件目の犯行のみは何としても阻止されるワケにはいかなかったから。
英玖保は「ABC」の奸智を破ることが出来るのか!?

次回にも注目です!!

なお、3話までの原作『厩舎街の殺人』は早川書房『死人の鏡』収録作品なので興味のある方はチェックするべし!!

そうそう、ポアロと言えばデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」のBlu-ray BOX化が明らかになりました。
なんと、2ボックス構成でそれぞれ「BOX1」が2015年11月3日、「BOX2」が2015年12月18日発売予定とのこと。

【注目せよ】遂にデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」Blu-ray BOXが発売決定とのこと!!

さらに、アガサ・クリスティーと言えば2015年末に『そして誰もいなくなった』がミニドラマシリーズ化されることも判明!!

【2015年】『そして誰もいなくなった』ミニドラマシリーズ版が製作中とのこと!!

さらにさらに「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」が2015年10月からNHKさんで放送開始!!

【朗報】英国ドラマ「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」がNHKさん日曜23時枠にて放送開始とのこと!!

他にも2015年1月には三谷幸喜先生版「オリエント急行の殺人」が2夜に渡って放送されました。
こちらでのポアロポジションは「勝呂武尊」。

フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第1夜(前編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 史上最も豪華な容疑者たち・世紀の話題作は今夜発進!」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第2夜(後編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 犯人側から事件を描く世界が初めて目にする復讐劇・今夜完結!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

過去には赤冨士鷹も居ましたし、今度は勝呂武尊に英玖保嘉門とポアロこそ、まさに八面六臂の活躍を示す怪人物となりつつあるようです。
同時にこれはシャーロック・ホームズに続くエルキュール・ポアロブーム到来の兆しか!?

それを証明するように「カフェ・ポアロ」も期間限定オープン。
こちらは2015年2月27日(金)まででした。

さらに幻のシリーズ続編『ポアロとグリーンショアの阿房宮』も2015年1月9日に発売!!

2015年はポアロがブームに!?先駆けとなる「カフェ・ポアロ」が期間限定でオープンとのこと!!

やっぱりポアロブーム!!幻のポアロシリーズ続編『ポアロとグリーンショアの阿房宮』が2015年1月9日発売!!

ポアロシリーズと言えば、公式に正統続編として認められた『モノグラム殺人事件』もあります。
ファンはチェックせよ!!

これまでの登場人物一覧:
英玖保嘉門:往年の名探偵、引退を考えていたが……。ポアロポジション。
朝倉平助:英玖保の元助手、ブラジルから帰国した。ヘイスティングズポジション。

・「厩舎街の殺人」編(1話から3話まで)
馬老大人:華僑の元締。英玖保の依頼人。
加藤警部:地元の警部。
バーバラ・アレン:被害者。
プレンダーリース:バーバラと同居していた女性。
西喜一郎:バーバラの婚約者。
ユースタス:バーバラの元夫。貿易商。

・「ABC殺人事件」編(4話以降)
日之元警部:英玖保や朝倉と知己の警部。共に多くの事件を解決した英玖保を信頼している。
布村女史:英玖保嘉門の古馴染、ライバルにして同志。
ABC:英玖保に挑戦状を送り付けた犯人。
阿部力:『歯車』に執着する男。
馬老大人:華僑の元締。英玖保の依頼人。
芦屋留三:安の別れた夫。
芦屋安:煙草屋を経営する老女、第一の被害者。
土浦まり子:安の姪。
坂東美代:弁天島のカフェに勤める女給。第二の被害者。
鳴門降三:美代の婚約者。
たま:美代の姉。
灰川善太郎:静岡県警察部長。
片山清:浜松署署長。
黒武:浜松署の刑事。実は英玖保のファン。
千代田千寿郎:千倉に住む富豪。第三の被害者。
千代田祐司郎:千寿郎の弟。
ソーラ・グレコワ:千寿郎の女性秘書。

◆関連過去記事
「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第1話(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第2話「南京街の事件」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

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「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第5話「戒厳令下の殺人」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第6話「英玖保の憂い」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第7話「歯車の男」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第8話「第二の手紙」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第9話「弁天島へ」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

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「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第11話「第二の被害者」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第12話「捜査方針」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第13話「第三の手紙」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第14話「第三の被害者」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第15話「秘書の証言」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第16話「千代田千寿郎の妻」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第17話「遺族会議」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第18話「遺書」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第19話「ソーラの失踪」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

「ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖」第20話「化粧水」(作画・星野泰視 原作・アガサ・クリスティー、小学館刊『ビッグコミックオリジナル』連載中)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
【書評(レビュー)】
・「ホロー荘の殺人」ネタバレ書評(レビュー)
「ホロー荘の殺人」(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、早川書房刊)

『オリエント急行の殺人』(アガサ・クリスティー著・山本やよい訳 、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

・ポアロシリーズ最終作「カーテン」ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
「カーテン」(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)

「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

【映像化作品】
フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第1夜(前編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 史上最も豪華な容疑者たち・世紀の話題作は今夜発進!」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第2夜(後編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 犯人側から事件を描く世界が初めて目にする復讐劇・今夜完結!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【映画化関連情報】
【速報】ミス・マープルものがディズニーで映画化されるとのこと!!

アガサ・クリスティ原作「ねじれた家(Crooked House)」が映画化!!

アガサ・クリスティー原作映画「ねじれた家」キャスト発表!!

シュワちゃんがアガサ・クリスティ原作映画に出演!?「そして(敵が)誰もいなくなった」な映画のタイトルは「サボタージュ(原題)」!!

映画「オリエント急行殺人事件」がリメイクとのこと!!

【イベントその他】
アガサ・クリスティー生誕120年展覧会開催中!!

金沢にてアガサ・クリスティー原作「検察側の証人」舞台上演決定!!

舞台「検察側の証人」東京公演決定!!

「名探偵ポワロ」ニュー・シーズン DVD-BOX3は2010年12月3日発売開始!!

アガサ・クリスティ「ポアロにうんざり」発言にファン「え〜〜〜っ!!」と叫ぶ

「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて「アガサ・クリスティー ナイト」開催!!

【注目】「アガサ・クリスティ大事典」が話題に

「名探偵ポワロ DVDコレクション」刊行中!!

アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』が初の邦版翻案ドラマ化!!その名は「オリエント急行殺人事件」!!

2014年の今もポアロシリーズ続編が刊行されていた!?その名も『モノグラム殺人事件』(早川書房刊)に注目せよ!!

2015年はポアロがブームに!?先駆けとなる「カフェ・ポアロ」が期間限定でオープンとのこと!!

やっぱりポアロブーム!!幻のポアロシリーズ続編『ポアロとグリーンショアの阿房宮』が2015年1月9日発売!!

【注目せよ】遂にデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」Blu-ray BOXが発売決定とのこと!!

「ABC殺人事件 名探偵・英久保嘉門の推理手帖(1): ビッグ コミックス」です!!
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これを読めばあなたもアガサ・クリスティー通!!
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こちらもアガサ通必読の書!!
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こちらは「名探偵ポワロ 全巻DVD-SET」です!!
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「怪しい彼女」(2014年、韓国)

「怪しい彼女」(2014年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

70歳のマルスン(ナ・ムニ)は、向かうところ敵なしの口の悪さと頑固さで近所でも有名なおばあさんだった。国立大教授に出世した一人息子(ソン・ドンイル)を女手一つで育て上げたものの、アクの強い性格が災いし最近は嫁にも煙たがられる始末。ある日、彼女が写真館で遺影のつもりで写真を撮ると、不思議なことに20歳のころの自分(シム・ウンギョン)に戻っていた。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
オ・ドゥリ:正体は20代に若返ったマルスン。
オ・マルスン:70代のおばあちゃん。歌が上手い。
パク氏:マルスンを慕う老人。
パン・ヒョンチョル:マルスンの息子。福祉問題を扱う教授。
パン・ハナ:マルスンの孫娘。
パン・ジハ:マルスンの孫。半地下バンドのメンバー。
ハン・スンウ:音楽プロデューサー。
チュ・オクチャ:パク氏を巡るマルスンの恋敵。


オ・マルスンは70代の女性である。
夫を早くに亡くし、女手1つで息子・ヒョンチョルを大学教授にまで育て上げた。
今は、息子夫婦と同居し孫娘のハナや孫のジハに囲まれて暮らしている。
さらに、マルスンの元使用人であったパク氏が営む喫茶店でバイトする毎日だ。

ちなみに、マルスンは歌が大得意でハナもその血を引いたのか歌が上手い。
ジハも半地下バンドなるバンドを結成しメジャーデビューに向け活動している。

そんなマルスンだが大きな悪癖があった。
少々、いや、かなり口が悪かったのだ。
当然、あちこちで衝突を繰り返しており敵も多い。

例えば、マルスンに熱烈なアプローチを繰り返すパク氏を巡り、彼に恋するチュ・オクチャとは犬猿の仲だ。
何かあればいがみあっている。

ところが、他にも意外なところで反感を買っていたのである。
なんと、嫁がマルスンの悪口雑言に耐えられず倒れてしまったのだ。

ショックを受けたマルスンは街を彷徨う内に「青春写真館」なる店を発見する。
其処で遺影にでもしようと写真を撮影して貰ったのだが……。

写真館を出てからハタと気付いた。
何処か身体が軽いのだ。
見ればマルスンは20代に若返っていた。

ワケの分からないマルスンだが、これはチャンスだと考えた。
もう1度生き直すように、とのメッセージなのだと。

マルスンはパク氏が下宿人を募集していたことを思いだし、憧れのオードリー・ヘップバーンから「オ・ドゥリ」と名乗り下宿生活を始めた。

とはいえ、中身はマルスンである。
相変わらず口は悪いのだが、若さもあってか反発は小さい。

そんな中、パク氏の喫茶店でカラオケを歌ったマルスン。
それを2人の人物が耳にした。

1人はジハ。
もう1人は売れっ子音楽プロデューサーのハン・スンウである。

2人は共にマルスンの歌に惚れた。
ジハはドゥリが祖母とも知らずバンドのボーカルに誘う。
スンウは出遅れてマルスンを見失ってしまった。

他ならぬ孫に誘われたことで意気揚々と半地下バンドに参加するマルスン。
その歌唱力は健在でキュートな容姿と相俟って、あっと言う間に人気バンドに。
遂にはテレビ番組のオーディションにまで出場するように。

そのオーディション会場にはスンウも居た。
スンウは「大人の歌を情感込めて歌い上げる若い女性ボーカル」とマルスンを絶賛する。
それはそうだ、何しろマルスンには実際に70年の人生経験があるのだから。
こうして「半地下バンド」と謎のボーカル「オ・ドゥリ」はプロデビューを果たす。

一方、パク氏はヒョンチョルと共に消えたマルスンの行方を必死に探していた。
そして、パク氏はオ・ドゥリに疑惑を向け、彼女の所持品からマルスンの入れ歯を発見する。

その夜、帰宅したマルスンを片手斧を手にしたパク氏が襲う。
ドゥリがマルスンだと知らないパク氏は仇を討とうとしたのだ。
ところが……不意討ちをかけたにも関わらずパク氏はマルスンにあっさりと倒されてしまう。
此処でマルスンは自身の正体を明かし、事情を知ったパク氏はマルスンに協力する。

同じ頃、マルスンはスンウに恋をした。
スンウもまたマルスンに「運命の女性だ」と告げ、髪飾りをプレゼントする。
喜ぶマルスンは夢見心地に。

こうして、マルスンの新たな人生は上手く行っていたのだが。
一方で、暗雲も忍び寄っていた。

ある日、プールに出掛けたマルスンは足を怪我してしまった。
すると、怪我した箇所を中心に老化していたのである。
いや、老化は正確ではない、元に戻ったのだ。
相談を受けたパク氏は「出血することにより元に戻るのではないか」との仮説を立てる。
つまり、不用意に血を流せば「オ・ドゥリ」は此の世から消えるのだ。

不安を覚えるマルスン、さらに立て続けに事件が起こる。
なんと、喧嘩仲間であったチュ・オクチャが病死したのだ。
年齢が原因だったらしい。

今ある若さに執着するマルスン。
だが、一方でヒョンチョルたちは未だにマルスンを探している。
家族のもとに戻るには若さを捨てなければならない。
思い悩むマルスンだが……。

矢先、半地下バンドを売り出す為に大規模コンサートが開催されることとなった。
ところが、会場に向かう途中でジハが事故に遭ってしまう。
マルスンはジハの無事を祈りつつ歌い抜きコンサートを成功させる。

ジハが運び込まれた入院先に駆け付けたマルスン。
しかし、ジハは危険な状況であった。
ジハが非常に珍しい血液型の為に、手術用の血液が確保出来ないらしい。

此処でマルスンは思い出す。
マルスンとジハの血液型は同じだったのだ。
だが、マルスンが血液を提供すれば元に戻ってしまう。
オ・ドゥリは消えて無くなるのである。

マルスンを想い必死に反対するパク氏。
これを立ち聞きしていたヒョンチョルも「僕を育てるのに苦労したのは知ってる。だからこそ、生き直して欲しい」と訴える。
だが、マルスンは「オ・ドゥリ」としての輝かしい人生ではなく、家族を選ぶ。
ジハは一命を取り留め、オ・ドゥリはマルスンに戻った。

そして1年が経過した。
半地下バンドは未だ健在である。
謎のボーカル「オ・ドゥリ」に代わりハナが新ボーカルとなり成功したのだ。
どうやら、ハナに流れるマルスンの血は本物だったようだ。

マルスンはヒョンチョルや嫁と和解した。
今では友達のように付き合っている。

そして……マルスンはスンウを見かける。
彼の前で髪飾りを見せるマルスン、だがスンウは全く気付かない。
どうやら「運命の相手」では無かったようだ。

その頃、パク氏は「青春写真館」に遭遇する。

数時間後、バス停に立つマルスンの前に1人のライダーが現れた。
ヘルメットを脱ぐと、其処には美青年が!!
周囲の色めき立つ女性たちに目もくれず、美青年はマルスンに声をかける。
そう、彼こそ「青春写真館」により若返ったパク氏であった。
パク氏に促されその背後に座るマルスン、バイクは2人を乗せて発進する。
2人の青春はまだまだこれからのようだ―――エンド。

<感想>

「身体は子供、中身は大人な名探偵」……ではなく「身体は20代、中身は70代の口さがないながらもキュートなおばあちゃん」が大活躍する映画―――それが本作です。

誰もが1度は思う、若返りたいとの願い。
そんな願いを叶えたなら、あなたはソレを手放せますか?
しかも、「若さ」だけではなく「名声」と「新たな恋」も手にしたとしたら……。

ところがマルスンはこちらを選ばず、苦悩しつつも「家族への愛」を選ぶのです。
此処に大きく心が動かされました。

また、マルスンにとってこの選択は決して犠牲ではありませんでした。
確かにこの選択で失った物も大きい。
だが、マルスンがこれまでに生きて来た中で既に得ていた物も同様に大きかったのです。
これを肯定出来たのが良し。

そんなマルスンが既に手に入れていた物、それが「愛する家族」と「パク氏」。
その2つを取り戻したマルスン、ラストはそんなマルスンの健在ぶりが描かれていました。

そして、マルスンと言えば忘れてはならないのがパク氏。
どんな状況下にあっても愛するマルスンに一途なパク氏がグッド!!
また、ラストで若返りながらもマルスンのみ見詰める姿も良しでした!!

ドゥリを「運命の相手」と語ったスンウ。
しかし、スンウはドゥリの本当の姿を知らなかった。
髪飾りが2人の絆として描かれながら、それに気付かないスンウの姿は象徴的です。
此の点、確かにスンウの気持ちは本物だったかもしれないが「運命の相手」では無かった。
やはり、マルスンの「運命の相手」はパク氏だったのでしょう。

あらすじからは省きましたが、ドゥリとパク氏の掛け合いも面白かった。
あれは視て欲しいなぁ。

さて、興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。

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ラベル:怪しい彼女
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