2015年10月19日

「破裂」2話「ベールをぬぐ戦慄の陰謀…ぴんぴんポックリで老人の数を減らす?」(10月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「破裂」2話「ベールをぬぐ戦慄の陰謀…ぴんぴんポックリで老人の数を減らす?」(10月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<2話あらすじ>

倉木(仲代達矢)の治験が成功したかに見えた矢先、心臓破裂という副作用が判明し、香村(椎名桔平)は動揺する。倉木の「奇跡の復活」が世間の注目を浴びる裏で、必死に副作用の改善を図る香村。だが医療ミスの怪文書騒ぎも訴訟にまで発展しそうになり、遺族側の弁護士・松野公子(坂井真紀)の攻勢もあって追いつめられていく。そんな中、佐久間(滝藤賢一)は改めて香村をネオ医療センターにスカウトし、恐るべき計画を明かす。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
香村鷹一郎:エリート医師。
佐久間和尚:官僚。
倉木蓮太郎:国民的名優。
松野公子:弁護士、香村の元彼女。


香村が開発した新療法により倉木が劇的な回復を見せた。
国民的名優の知名度は凄まじく倉木の回復により香村の新療法は一躍注目の的に。

だが、この新療法には落とし穴があった。
なんと、半年ほどで心臓破裂に追いやられてしまう副作用が存在したのだ。
香村は此の副作用を極秘にし、急ぎ改善を果たそうと目論むが困難を極めていた。

さらに、官僚の佐久間は何処からかこの情報を掴むと香村に協力するよう脅迫する。
佐久間は「プロジェクト天寿」を推進しており、その内容は「寝たきりで生き続けるより、楽に死ぬ方が良い」との主旨のもと「増え続ける老齢人口を新療法を用いて減らす」との口減らし策であった。
これを聞いた香村は佐久間への協力を拒否する。

一方、香村の医療ミスについて元恋人の弁護士・松野公子が立ちはだかる。
公子は証拠の手術針を入手し、香村に迫る。

まさに八方塞がりの状況の中、追い詰められた香村は愛憎半ばする倉木に副作用について打ち明ける。
すなわち、それは余命半年との宣告に他ならないが―――3話へ続く。

<感想>

ドラマ原作は久坂部羊先生による同名作品。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『破裂』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

タイトルにもなっている「破裂」の意味は香村が開発した「ペプタイド療法の副作用」を示しています。
また、様々な関係者の複雑な繋がりが破裂するさまをも示す。

では、ドラマ版2話の感想を。

原作を香村視点で再編集したと言った印象のドラマ版。
とはいえ「香村と倉木」、「香村と公子」の関係は完全にオリジナル。

遂に明かされた「プロジェクト天寿」。
これに香村はどう挑むのか!?

それにしても、本作も原作を活かしたキャストの良さを感じさせます。
香村を演ずる椎名桔平さんの苦悩を抱える研究者ぶり、倉木を演じる仲代達矢さんの重厚さ。
そして、佐久間を演ずる滝藤賢一さんの怪演ぶりも素晴らしかった。
やっぱり、佐久間はドラマを引っ張る人物だけにあれくらいの方が良い。
次回にも期待出来ると思います。

原作通りならば物語はさらに加速して行く筈、3話にも注目ですね!!

◆関連過去記事
【久坂部羊先生著作関連】
『無痛』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『第五番 無痛2』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『破裂』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ関連】
「ドラマ版破裂」
「破裂」1話「超高齢化をめぐる問題作、始動…エリート医師に国家的陰謀が迫る」(10月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ドラマ版無痛」
「無痛 診える眼」1話「新ヒーロー誕生…!?病気を見抜く天才は、犯罪を見抜けるか?」(10月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「無痛 診える眼」2話「同じ能力を持つ男が天才に迫る」(10月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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「名探偵ポワロ」の名声優・熊倉一雄さん、死去……

ドラマ版「名探偵ポワロ」と聞いて管理人が真っ先に思い浮かぶのは「デビッド・スーシェ版ポワロ(日本語吹替え版)」。
あのビジュアルに特徴的な声が組み合わさり、これ以上ないインパクトと知性を感じさせるポワロが誕生しました。

原作を目にした場合でも思い浮かぶのはあの姿、そしてポワロの台詞に思い浮かぶのはあの声です。
どちらが欠けても管理人が知るポワロではありません。

例えば、ドラマ版で印象的だった「モナミ!!」や「ヘイスティングズ!!」。
この文字列を読み上げる時、脳裏で再生されるのはやはりあの声ではないでしょうか。
言わば、デビット・スーシェの容姿にあの声があってのポワロ。

その「デビッド・スーシェ版ポワロ」に声優として多大な貢献を果たしていた熊倉一雄さんが2015年10月12日に死去されていたことが明らかになりました。

奇しくも「デビッド・スーシェ版ポワロ」も1年前となる2014年10月6日に放送された最終話「カーテン」を以て完結しており、その中で描かれた「ポワロの死」と共に去られたことになります。
まさに、日本のファンにとってはデビッド・スーシェと並びポワロそのものとも言える方でした。

遂にデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」が最終シーズンに突入!!最終話「カーテン」はNHKさんBSプレミアムにて2014年10月6日21時より放送予定!!

この悲報を受けてツイッター上では多くの追悼の声が上がっています。
また、ポワロ以外にも親しみやすいキャラクターの声を多数担当されており、此の点でも多くのファンが衝撃を受けているようです。
それだけ影響力の大きな方でした、ご冥福をお祈り致します。

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『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)

『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

私は今、県警本部の捜査に必要とされていない――大人気警察小説シリーズ、再始動!
(光文社公式HPより)


<感想>

遂にクロハシリーズ最新作が『小説宝石 2015年6月号』より連載開始されました。
そのタイトルは『アルゴリズム・キル』。
『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続く長編です。

『アルゴリズム・キル』、直訳すると「殺しの手法(解法)」か。
なかなかに意味深長。

そして、『プラ・バロック』では姉と、『エコイック・メモリ』では姉の忘れ形見・アイと、それぞれ形は違えど大切な存在と離れることとなったクロハ。
そんな彼女はそのショックの後遺症から所轄署の警務係に異動。
此の状態で埋もれることも考えていたクロハ。
だが、周囲はともかく事件が彼女を捨て置かなかった。
またも、事件と関わることに。

今回はそんな『アルゴリズム・キル』の第5話。

物語は大きく2つの軸で進行中。

1.イマイが探している「戸籍の無い少年」(2人おり、1人は事故死か)。
2.クロハが遭遇したイベント会場での女性殺害事件(「Kiru」はこちらに関係しているらしい)。

少なくとも2については「Kiru」を名乗る人物が関与しているようですが、彼の興味が「事件に未成年者が関与しているものに限られる」らしいので1にも関わって来そうな予感。
そもそも「Kiru」が興味を持つ対象がソレに限られているとすれば、2の事件にも未成年者が関与していることは想像に難くないでしょう。

「Kiru」自身が未成年者で犯人なのか、あるいはあくまで傍観者に過ぎないのか?
それとも『プラ・バロック』での「鼓動」のように黒幕となっているのか?
いろいろ気になる状況です。

何より「Kiru」の正体は何者なのか?
現在のところ、登場済みの人物ではイマイが怪しくはあるが……果たして。
さらに「Kiru」を罠にかけようとするシイナの身の安全も危ぶまれますが……これまた果たして。

そして、クロハが思い起こすのはアイのこと。
アイは実父のもとですくすくと育っているようです。
これも本編の関わって来るのか?
だとすれば、クロハとアイが再び共に生活する日もやって来るのか?
次話も注目です!!

ちなみに、ネタバレあらすじはかなり改変を加えているので注意!!
あらすじを読んで興味を持たれたら本作にチャレンジすべし!!

<ネタバレあらすじ>

◆前回までのあらすじ

『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』と2つの事件により所轄署の警務課へ異動となったクロハ。
続けて大切な者を失ったことで半ば自暴自棄の状態であった。

矢先、イベントの警護に駆り出されたクロハは女性の遺体を発見する。
その遺体は激しい暴行を加えられ、全ての歯を折られた無惨なものであった。
とはいえ、クロハが捜査に携わることは無い―――少なくとも此の時点ではその筈であった。

そんなある日、警務課に出動要請がもたらされた。
児童相談所から児童虐待の現場に同行する人手を出すように依頼されたのだ。
これに応じたクロハは区役所職員のイマイと出会う。

保護対象は「戸籍上存在が確認されていながらも実社会で存在が確認出来ない児童」であった。
イマイと連携し無事に虐待児童と見られる少年を保護したクロハ。

その数日後、イマイから今度は「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護を求められる。
クロハは微力ながら児童の保護を約束することに。

一方、シイナから「バーチャル陣取りゲーム」こと「侵×抗」に関与している「Kiru」なる人物の情報がもたらされた。
どうやら、その人物には事件関係者の疑いが……。

・前回はこちら。
『アルゴリズム・キル』3話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年8月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

◆5話あらすじ

区役所職員であるイマイから「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護について協力を求められ、これを約束したクロハ。
ところが、当の少年には既に交通事故死していた疑惑が浮上する。

これについて調べたクロハは当該児童が2人居たことを突き止める。
どうやら、2人で常に遊んでいたらしい。
では、1人が死亡し、もう1人が行方不明なのだろうか?

一方、「侵×抗」の「Kiru」についての捜査も続行。
クロハは再びバーチャル世界に身を投じ、シイナ、レゴと協議する―――6話に続く。

◆関連過去記事
『アルゴリズム・キル』1話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年6月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』2話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年7月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』3話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年8月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『エコイック・メモリ』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」1話「秘密機関1」(10月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」1話「秘密機関1」(10月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

第二次世界大戦後の1952年。ロンドン在住の夫婦、トミーとタペンスはパリに出かける。帰りの列車の中で乗り合わせた若い女性が食堂車に行った後、タペンスは銃声と悲鳴を聞いたような気がした。女性はそのまま戻らなかった…。不審に思ったタペンスは、女性が残した1冊の本を手掛かりに行方を調べようとするが、次々と危険な目にあう。
(公式HPより)


では、続きから(一部に重複アリ)……

1952年、ロンドン在住のトミーとタペンス夫妻はトミーの提案で新事業として養蜂を始めるべくパリへ。
その帰路、電車の中で若い女性と乗り合う。

ところが、若い女性は食堂車へ行くと席を外したきり戻って来なかった。
しかも、食堂車から銃声が聞こえて来たのである。
タペンスは事件の匂いを嗅ぎ付け、興味津々。
女性が残した本を調べ、彼女の名がジェーン・フィンであると突き止めた。

実はその頃、食堂車では熾烈な戦いが行われていた。
ジェーンは恋人・ドミニクと落ち合うと何やら相談していたのだが、其処へ妨害者が襲来しドミニクを射殺したのだ。
ジェーンは這う這うの体でその場を逃げ出すことに。

数日後、自宅で寛ぐトミーとタペンス。
寄宿生活に出ていた息子・ジョージも一時帰宅していたが、話題は専ら仕事の事だ。
なにしろ、トミーは確証の無い養蜂事業に夢中である。
タペンスはこれが気が気ではない。

タペンスはトミーに叔父であるカーター少佐から仕事を貰うよう主張。
こうしてトミーはカーター少佐のもとへ。
だが、カーターは何やら非常事態が起こったそうで相手にして貰えない。

一方、タペンスはジェーンの残した本を辿ってとある賭博場へ。
其処で顔役らしき男が「ブラウン」なる名を口にする場面に遭遇する。
しかも、当の男から6週間ほどパリで生活してみないかと誘われることに。
男によればスーツケースを持って滞在し、たまに手紙を出してくれれば良いらしい。
しかも、その間はジェーンと名乗るように指示される。
つまり、タペンスにジェーンに成り済ますよう依頼しているのだ。

これを聞いたタペンスは例の本を差し出し、何が起こっているのかと問い質す。
すると、男の態度が豹変し「リタの手先か!?」と脅し付けられてしまう。

命からがらその場を逃げ出したタペンスはトミーと合流するが、何者かの襲撃を受けることに。

何とかこれをやり過ごしたトミーたち。
やはり秘密があると考えたタペンスは顔の知られた自身ではなく、今度はトミーを賭博場へ送り込む。
しかし、其処はもぬけの空であった。

トミーからこれを聞かされたタペンスも賭博場へ。
其処でタペンスは「ホテル・デュ・マルブル」の明細書を拾う。
どうやら「バンドメイヤー」なる人物の宿泊明細らしい。

さらに事件に首を突っ込もうとするタペンスを押し留めようとするトミー。
だが、タペンスは止まらない。

タペンスはカーター少佐にジェーンの名を明かすと「何か知らないか」と問い詰める。
これに「関係ない」と突っぱねるカーター少佐。

ところが、タペンスは「それがそうでもないんです」と言い切る。
なんと、カーター少佐と会う前に「ジェーン・フィン失踪に関する情報を求む」との広告を新聞に出していたのだ。

この事態にカーター少佐は狼狽する。
実はカーターは諜報部の幹部、どうやらジェーンは機密に属する人物らしい。
既に抜け出せないところまでトミーたちが関わっていると察したカーターは渋々事情を語り出した。

何でも某国のトップ工作員が英国に滞在しており、暗殺を続けているらしい。
そのトップ工作員の名こそがブラウンだったのである。
だが、その正体を知る者は数少ない。
しかも、ブラウンはさらなる重要人物暗殺に乗り出す予定らしい。

そして、射殺されたドミニクはカーター少佐の部下だったのだ。
ドミニクはブラウンの正体を掴み、それを録音テープに残した。
これをカーターへ渡す途中で襲撃を受けて殺害されたのであった。

ジェーンはドミニクの協力者となっており、カーター少佐は彼女がドミニクから録音テープを預かっているのではないかと考え、その行方を追っていた。

カーターはトミーとタペンスに協力を依頼。
連絡先「379」と合言葉「200オールアウト」を教え、ジェーンについて調査を要請する。

その翌日、広告の反響が現れた。
反響は2件ほどで、1つはジェーンの伯父を名乗るジュリアス、もう1つは匿名の何者かであった。

まずはジュリアスのもとへ。
ジュリアスによればジェーンの安否を気にかけているらしい。
2ヶ月ほど前に見かけた姿が最後になったのだそうだ。
さらに、ジュリアスはブラウン警部に捜査を依頼したと語る。
奇しくも出て来たブラウンの名に驚くタペンス。
一方、ジュリアスお奨めの新しいスイーツ、スイートレルを口にし顔を顰めるトミー。
トミーはどうもジュリアスが気に喰わないようだ。

次いで匿名の人物との待ち合わせ場所を訪れたところ、奇妙な手紙を受け取ることに。
その中からは何やら機械音が……。

爆弾ではないかと疑ったトミーは聖バーナスグラマースクールへ爆弾処理班に所属していた戦友・アルバートを訪ねる。
旧交を温める2人、早速封筒の中身を確認するが懐中時計であった。
其処には「ジェーンへ愛を込めて ジュリアスより」刻まれていた。
さらに、数枚の写真が封入されており「ドミニクとジェーン」、「トミーとタペンス」が撮影されていた。

どうやら警告のようだ。
監視者の存在を確信したトミーとタペンスはカーター少佐に助けを求める。

トミーたちの不手際にカーター少佐は激怒するが、これがトミーたちの意欲を刺激した。
さらに、アルバートもトミーたちに合流し、改めて調査を開始。

アルバートは警告用の写真に共通点を見出す。
其処には「額に痣のある男」と「派手な女」が写り込んでいたのである。
女性の所持品からRVの文字を拾ったトミーたち。
其処からタペンスは「RV」の示すものがこれまでに聞いた名前を組み合わせた「リタ・バンドメイヤー」ではないかと推測する。

タペンスはメイドに変装して「ホテル・デュ・マルブル」へリタを訪ねる。
メイド姿のタペンスにトミーは妻の意外な側面を見出しトキメキを覚え、すかさず迫ろうとするが拒否されてしまうことに。

トミーを一蹴したタペンスはケリーを名乗りリタに接近。
リタの隙を突き、家捜しを行う。

同じ頃、トミーはリタのホテルから出て来た男を尾行していた。
男はあのタペンスに仕事を依頼しようとした人物だ。
やがて男は「のぞき部屋」にて「スペイン人の従兄弟に会いに来た」と合言葉を口にし姿を消す。
これを追うべく同じように合言葉を伝え、中へ入るトミー。

すると近付いて来た女性に「ドレナン」なる男性と間違えられ、何やら会合の場を案内される。
ところが、会合の参加者に見咎められてしまい大ピンチに!!
参加者たちは「ウィティントンを呼べ」と騒ぎ出すが……。

一方、タペンスもまたリタを訪ねて来た男に見咎められてしまった。

こうして別々の場所で同時にピンチに陥ったトミーとタペンス。
2人はどうなってしまうのか―――2話に続く。

<感想>

本ドラマは2015年7月から8月にかけて英国にて放送されていたものだそうで、日本版では2つのエピソードをそれぞれ3話ずつ全6話で放送予定。

まず、第1話から第3話までの原作はアガサ・クリスティー著「トミーとタペンス」シリーズの第1弾『秘密機関』(早川書房刊)。
あらすじは次の通り。

<『秘密機関』あらすじ>

戦争も終わり平和が戻ったロンドンで再会した幼なじみのトミーとタペンス。ふたりはヤング・アドベンチャラーズなる会社を設立し探偵業を始めるが、怪しげな依頼をきっかけに英国を揺るがす極秘文書争奪戦に巻き込まれてしまう。冒険また冒険の展開にふたりの運命は? 名コンビ誕生の記念碑的作品(解説:杉江松恋/装幀:和田誠)

・上巻

おさななじみの名コンビ、トミーとタペンスが巻きこまれたのは、戦争中に消えてしまった重要書類の争奪戦。大西洋に沈んだ豪華客船から救出された女性ジェーン・フィンが、書類を持ったまま行方不明になっているのだ。何年もたった今ごろになって、その書類が国の安全を揺るがせる可能性が出てきたらしい。書類をねらうなぞめいた悪の組織のボス、正体不明の怪人ブラウンを向こうにまわして、胸おどる大冒険がはじまった。

・下巻

ますます激しくなる重要書類争奪戦。敵につかまっていたトミーがなんとか脱出したと思ったら、今度はタペンスが敵の手に! 若い冒険家たちをアシストするのは、大金持ちのジュリアスと、名弁護士のジェームズ卿。行方不明のジェーン・フィンとタペンスをさがして飛びまわるうち、悪の組織のボス、なぞの怪人ブラウンとの対決もせまっていた……元気いっぱいの名コンビ、トミーとタペンスがいどむ冒険また冒険の大活劇!
(早川書房公式HPより)


続いて、第3話から第6話までの原作は『NかMか』(早川書房刊)。

<『NかMか』あらすじ>

情報部からナチの大物スパイ〈NかM〉の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに……スリル満点の冒険ミステリ(解説 渡辺武信)
(早川書房公式HPより)


詳しくは下記過去記事をご覧ください。

【朗報】英国ドラマ「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」がNHKさん日曜23時枠にて放送開始とのこと!!

では、ドラマの内容を。

あらすじをご覧頂ければお分かりの通り、かなり原作にアレンジを加えて来た印象ですね。
とはいえ、ドラマ版として世界観の構築には成功しているのではないでしょうか。
もちろん割と恣意的な手掛かりが多いですが、これは原作も同じですし。
本シリーズは怒涛の展開を楽しむべき作品だと思います。

果たして、トミーとタペンスの運命は!?
2話にも期待ですね!!

ちなみに『そして誰もいなくなった』がミニドラマ化されるそうです。

【2015年】『そして誰もいなくなった』ミニドラマシリーズ版が製作中とのこと!!

他にも「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」を製作した米CBSが「ミス・マープル」を大幅にアレンジした「Marple」製作決定とのこと。
こちらも注目です!!

ホームズに続きミス・マープルも現代へ!?米国にて「Marple」製作決定とのこと!!

◆関連過去記事
【書評(レビュー)】
・「ホロー荘の殺人」ネタバレ書評(レビュー)
「ホロー荘の殺人」(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、早川書房刊)

『オリエント急行の殺人』(アガサ・クリスティー著・山本やよい訳 、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

・ポアロシリーズ最終作「カーテン」ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
「カーテン」(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)

「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

【映像化作品】
フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第1夜(前編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 史上最も豪華な容疑者たち・世紀の話題作は今夜発進!」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件 第2夜(後編) 原作アガサ・クリスティ 黒幕三谷幸喜 犯人側から事件を描く世界が初めて目にする復讐劇・今夜完結!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【映画化関連情報】
【速報】ミス・マープルものがディズニーで映画化されるとのこと!!

アガサ・クリスティ原作「ねじれた家(Crooked House)」が映画化!!

シュワちゃんがアガサ・クリスティ原作映画に出演!?「そして(敵が)誰もいなくなった」な映画のタイトルは「サボタージュ(原題)」!!

映画「オリエント急行殺人事件」がリメイクとのこと!!

【イベントその他】
アガサ・クリスティー生誕120年展覧会開催中!!

金沢にてアガサ・クリスティー原作「検察側の証人」舞台上演決定!!

舞台「検察側の証人」東京公演決定!!

アガサ・クリスティ「ポアロにうんざり」発言にファン「え〜〜〜っ!!」と叫ぶ

「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて「アガサ・クリスティー ナイト」開催!!

【注目】「アガサ・クリスティ大事典」が話題に

2014年の今もポアロシリーズ続編が刊行されていた!?その名も『モノグラム殺人事件』(早川書房刊)に注目せよ!!

2015年はポアロがブームに!?先駆けとなる「カフェ・ポアロ」が期間限定でオープンとのこと!!

やっぱりポアロブーム!!幻のポアロシリーズ続編『ポアロとグリーンショアの阿房宮』が2015年1月9日発売!!

【注目せよ】遂にデビッド・スーシェ版「名探偵ポワロ」Blu-ray BOXが発売決定とのこと!!

【2015年】『そして誰もいなくなった』ミニドラマシリーズ版が製作中とのこと!!

【朗報】英国ドラマ「トミーとタペンス ―2人で探偵を―」がNHKさん日曜23時枠にて放送開始とのこと!!

ホームズに続きミス・マープルも現代へ!?米国にて「Marple」製作決定とのこと!!

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