ネタバレあります、注意!!
<5話あらすじ>
峠則孝(柿沢勇人)が川に投げ落としたノゾミは行方不明のまま。一方、息子の責任をとって職を辞した緑郎(柴俊夫)の代わりに須佐見(渡部篤郎)が病院長代理に就任。須佐見は誘拐事件の裏には、生殖医療プロジェクトの行き過ぎがあったと崎山(渡辺いっけい)の責任を追求する。一方、速水(黒木メイサ)は緑郎からプロジェクトの真相を教えられる。スーパー不妊治療として、禁断の生殖技術、卵子の核移植を行っていたという。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
速水悠里:妊娠中の刑事。夫・浩介との間には彼の連れ子・雄介が居る。
日村健吾:悠里の上司。
近森優子:新、望の母親。
近森新:優子の長男。
近森望:優子の長女、誘拐被害者。
岸田裕也:トモの夫。
岸田トモ:岸田の妻。優子の赤ん坊を誘拐した。
崎山典彦:優子の担当医。不妊治療に新たな手法を持ち込もうとしている。
須佐見誠二郎:城南大学病院産婦人科の教授、崎山とは対立している様子。
皆本順:城南大学病院産婦人科講師。トータルケアプロジェクトのメンバー。
柊奈留:城南大学附属病院医師。須佐見を尊敬している。
山原あけみ:胚培養室の担当者。
峠緑郎:城南大学病院院長。
峠則孝:峠院長の息子。製薬会社勤務。
有吉久美:城南大学病院院長秘書。
〜〜〜前回のあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
近森優子が出産したばかりの娘・望が岸田夫妻に誘拐された。
岸田夫妻は長年の間、不妊治療を続けようやく子宝を授かっていた。
ところが、須佐見医師が担当した直後に流産していた。
これに対し感情的な行き違いから、岸田夫妻は望を誘拐したのである。
この捜査に妊娠中の速水悠里刑事が加わることに。
何やら病院側の様子を不審に思いながらも捜査を続ける悠里であったが、追い詰められた岸田夫妻は優子に身代金を要求する。
結局、岸田の妻・トモが逮捕され望は保護されることとなったが別の赤ん坊であった。
本物の望はと言えば、峠院長の息子・則孝の手にあったのである。
則孝は峠院長に身代金を要求するが、受渡しに失敗。
追い詰められたことで望殺害を実行に移そうとする……。
・「デザイナーベイビー〜速水刑事、産休前の難事件〜」4話「爆弾」(10月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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新たなる誘拐犯の正体は峠院長の息子・則孝であった。
則孝は身代金を要求すると見せかけて捜査陣を誘導すると、その目の前の桟橋から赤ん坊らしき白い物体を川へと投げ落とした。
この事態に捜査陣は大混乱。
ただ1人、事あるを予期していた悠里は峠院長を連れ別行動を取る。
同じ頃、身代金取引に失敗したことを知った城南大学病院では院長代理の座を巡り揉めていた。
此処で院長代理になることは批難の矢面に立つことである、誰もが避けようとしていた。
そんな中、須佐見が率先して院長代理に就任し事態の収拾を図る。
須佐見は「トータルケアプロジェクト」の中止を宣言し、事実を隠蔽すべく崎山へ異動するよう迫る。
その頃、悠里は峠からトモが行われていた治療の正体を聞き出す。
それは「核移植」であった。
他人の卵子から核を抜き出し自身の卵子に用いることで自身のDNAを継ぎつつ不妊治療が行えるのである。
だが、現代医学界では未だ認められていない施術であった。
其処で当のトモですらこの事実を知らされなかった。
他人の精子を用いたとばかり信じていたトモは岸田との仲が険悪になりよもやの結末に繋がったのだ。
さらに、峠から周辺に別荘があったことを知らされた悠里は則孝に土地勘があると踏み潜伏していると考える。
悠里の予測は的中、逃走途中に負傷した則孝は付近の小屋に潜んでいた。
地元の子供・亮太を人質にしようとした則孝だが、駆け付けた悠里によって取り押さえられることに。
連行される則孝は亮太から「今からでもやり直せる」と励まされる。
一方、望を失ったと信じた優子は「もう一度、治療を施して欲しい」と主張していた。
その瞳には望を失ったことの悲しみはない。
その頃、悠里は「則孝が望を桟橋から遺棄していないのではないか」と考えていた。
つまり、則孝はダミーを投げ捨て望を殺害したと偽装したのだ。
おそらく望は則孝の共犯者である久美と共に居るのだろう。
この悠里の推測も的中していた。
当の久美は望を抱え、街中を彷徨う。
同時刻、崎山はチームメンバーの1人・皆本順のデスクに置かれた資料を目にして首を傾げる。
其処には「制限酵素」との名が記されていた。
それは本来、彼には不要な代物だったのだが……。
崎山がこれに気付いた頃、山原あけみも崎山が気付いたことを察していた。
そんな崎山のもとへ久美から連絡が入った。
望の生存を知った崎山は久美に指示を出す。
悠里たちの動きを察した須佐見は崎山の異動を中止させる。
事実を事実として認めた上で早期解決を狙うことにしたのだ。
そんな須佐見に対し崎山は「もう遅い、核移植を超えるモノを既に行った。すべてを公表する」と宣言。
一方、近森夫妻の1人息子・新が倒れた。
新は白血病だったのだ。
彷徨っていた久美の身柄が確保された。
ところが、肝心の望の姿が無い。
聞けば崎山から乳児院へ預けろと指示を受けたらしい。
急ぎ乳児院へ駆け付けた日村たち。
しかし、望の姿は其処には無かった。
またも何者かに連れ出されたのである。
矢先、崎山が城南大学病院から謎の転落を遂げる。
果たして事故か事件か―――5話へ続く。
<感想>
ドラマ原作は岡井崇先生による同名作品。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。
とはいえ、ドラマ版はほぼオリジナル展開を見せています。
・『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
タイトルにもなっている「デザイナーベイビー」の意味は「生まれて来る前に遺伝子に調整を施し両親が望む子供を手に入れる方法」のこと。
此処での調整は「健康」であったり「身体能力の向上」であったりします。
この方法ならば両親が望む子供が得られることに。
この手法は既にSF世界やアニメなどでは一般的となっており、例えば森岡浩之先生「星界シリーズ」(早川書房刊)に登場するアーヴや「機動戦士ガンダムSEED」のコーディネーターなどが挙げられます。
・「機動戦士ガンダムSEED」(2002年、日本)
・ディスティニープラン発動!!
ちなみに出産を取り扱ったサスペンス系ドラマでは同じNHK系火曜22時枠にて海堂尊先生原作ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」も放送されています。
・『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・NHKドラマ10「マドンナ・ヴェルデ」第1話(第1回)「希望の卵」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、ドラマ版5話の感想を。
特別な出生ゆえに流されて行く望。
おそらく崎山が語る「爆弾」とは「彼女が兄・新の為に作られたデザイナーベイビーである」ことでしょう。
望は「白血病を患う新のドナーとなるべくして生まれた存在」なのだと思われます。
そんな望ですが、果たして今は誰のもとに居るのか?
考えられるのは5話にて存在が急浮上した皆本順か。
実を言うと彼についてはこれまで完全ノーマーク。
5話で名前が出て慌てて「誰だっけ?」と公式HPを確認したほど。
なので、登場人物一覧への登場も今回からになってます。
崎山が目を留めたのは「制限酵素」の文字。
DNAを切断し遺伝子組み換えに用いられる酵素。
それこそ、デザイナーベイビーの為に必要な品。
これが皆本のデスクにあった意味とは!?
とはいえ、未だ山原あけみも気になる存在ではあります。
山原あけみと皆本が共謀しているか、山原が皆本の行動を知りつつ支持しているのか!?
いずれにしろ、6話で彼女の真意も明らかになりそうか。
しかし、こうして振り返ってみると城南大学病院の関係者は見事に「デザイナーベイビー」の関係者ばかりとなりそう。
加わっていなかったのは須佐見と柊奈瑠ぐらいかも。
6話にも注目ですね!!
◆関連過去記事
・『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「デザイナーベイビー」1話「ノゾミ」(9月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「デザイナーベイビー〜速水刑事、産休前の難事件〜」2話「身代金」(9月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「デザイナーベイビー〜速水刑事、産休前の難事件〜」3話「チェンジリング」(10月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「デザイナーベイビー〜速水刑事、産休前の難事件〜」4話「爆弾」(10月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・NHKドラマ10「マドンナ・ヴェルデ」第1話(第1回)「希望の卵」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)