2015年11月20日

【2016年1月】カズオ・イシグロ先生『わたしを離さないで』がTBS系「金曜ドラマ」枠にてドラマ化!!

朗報です!!
「Never Let Me Go」として映画化もされたカズオ・イシグロ先生『わたしを離さないで』(早川書房刊)がTBS系「金曜ドラマ」枠にて連続ドラマ化されることが明らかになりました。

ドラマ版の気になるキャストは綾瀬はるかさん、三浦春馬さん、水川あさみさん他。

連続ドラマ化される原作『わたしを離さないで』のあらすじは次の通り。

<あらすじ>

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。
(早川書房公式HPより)


あらすじからもお分かりの通り、ヘールシャムにはある大きな秘密が隠されています。
その秘密自体ももちろん重要ですが、本作のテーマは「その境遇のもとに生きる彼ら彼女たち」にこそある。
いわば、その秘密を知ってからの極限状況下での切ない人間ドラマこそが本作のメイン。

そんなドラマ版は舞台を日本に移し替えているようです。
気になるドラマ版のあらすじは次の通り。

<あらすじ>

手術台の男性を見つめる女性・保科恭子(綾瀬はるか)。その表情は、感情が抜け落ち、全てを諦めているかの様に見える。彼女にはとある使命があった。その使命とは…

20年前、山の中にある陽光学苑で生活していた恭子(子ども時代・鈴木梨央)。この学苑では子どもたちが寄宿舎で生活を共にし、教育を受けていた。ある時、恭子は同級生の土井友彦(子ども時代・中川翼/大人時代・三浦春馬)が男子たちからからかわれ、かんしゃくを起こしているところを見つける。女子のリーダー・酒井美和(子ども時代・瑞城さくら/大人時代・水川あさみ)には「放っておけば?」と言われるが思わず駆け寄る恭子。友彦のかんしゃくは治まらず、恭子を突き飛ばして女子たちの顰蹙をかってしまう。

ある日、学苑に新しい教師・堀江龍子(伊藤歩)が赴任してくる。校長の神川恵美子(麻生祐未)の教育理念に魅かれて志望したという龍子だったが、子どもたちの教育を目の当たりにして何か違和感を覚える。

そんな時、恭子たちは神川校長から“大事なこと”を教えられる。

「あなたたちは生まれながらにして『使命』を持っているのです」―。
(公式HPより)


さあ、あなたは「ヘールシャム」と「陽光学苑」の秘密に気付かれたでしょうか?
ちなみに、その秘密ですが東野圭吾先生『分身』に、先頃放送されたドラマ版「デザイナーベイビー」を加えたような感じです。
気になる方は『わたしを離さないで』を読み、ドラマ版を視聴すべし!!

『分身』(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「デザイナーベイビー〜速水刑事、産休前の難事件〜」(NHK系、2015年)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

◆関連過去記事
カズオ・イシグロの傑作「わたしを離さないで」が映画化!!タイトルは「Never Let Me Go(原題)」!!

ETV特集にて「カズオ・イシグロをさがして」 が放送!!

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『冬、来たる』(降田天著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)

『冬、来たる』(降田天著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

密室で突然死した大学教授、海上で起きた殺人事件、父親の連れ子に隠された秘密――『このミス』大賞作家による豪華書き下ろし3編!

密室で大学教授が突然死を遂げた。果たして単なる病死なのか(喜多喜久「リケジョ探偵の謎解きラボ」)。海上で殺害されたデベロッパー企業の社長は、周囲の誰からも恨まれていた(中山七里「ポセイドンの罰」)。父親が連れ帰ってきた少年が、“冬”のない温かな家庭に影を落とす(降田天「冬、来たる」)。人気『このミステリーがすごい!』大賞作家3名の手による、書き下ろしミステリー・アンソロジー!
(宝島社公式HPより)


<感想>

『女王はかえらない』にて第13回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞された降田天先生の受賞後第一作。

『女王はかえらない』(降田天著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

作者である降田天先生は鮎川颯先生と萩野瑛先生の二人からなる作家ユニット名。
お2人は早稲田大学の同級生で共に30代の方、プロットを萩野先生が、執筆を鮎川先生が担当されているそうです。
そして、萩野先生と鮎川先生は「降田天」名義以外にも「鮎川はぎの」と「高瀬ゆのか」2つのユニット名で活躍中。
まず「鮎川はぎの」名義では「聖グリセルダ学院シリーズ」などライトノベル系作品を、続いて「高瀬ゆのか」名義にて漫画や映画のノベライズ作品(『今日、恋をはじめます』『花にけだものシリーズ』)を世に送り出しています。

そんな本作『冬、来たる』。
春菜、夏依、智秋ら三姉妹、その名の通り冬を知らない温かい家族のもとに父が見知らぬ少年・冬留を連れて来たことから一家に長い冬が始まる。

話者(三姉妹)によって真相が二転三転して行く構成が面白いですね。
それにより作品の色調が陰から陽に、陽から陰にと移りつつ、最終的に家族愛を高らかに歌い上げている点も良し。
降田先生はやはり「構成が巧みな作家さん」だと改めて思いました。

まず物語は「少年時代の冬留が姿を消して十数年後に冬留を名乗る男性が登場する」ところから始まる。
しかし、此処から物語は急展開を見せる。

「春菜」により「母が冬留を殺害したこと」を匂わせ「冬留を名乗る男が偽物」と思わせる。
「夏依」により「春菜の疑惑が間違いであること」を明かし「冬留を名乗る男が本物」と思わせる。
「智秋」により「夏依の知る事実は正しいが不足があること」を明かし「冬留を名乗る男の真偽」が判明する。

このように話者3人がそれぞれ知る事実の断片から「母の姿が変わる」と同時に「冬留の真偽も変わる」のだ。
また、これが「起承転結」にも通じている。

起:冬留を名乗る男が登場、果たして真偽は?
承:それを受けて「春菜」が知る事実から「偽」との主張。
転:転じて「夏依」が知る事実から「真」との主張。
結:最後に「智秋」が知る事実から真偽判明。

この流れと並行して智秋たち3姉妹、ひいては「家族の絆」を描くことにも成功している。

特に家族の絆を描く重要なアイテムが「資生堂パーラーのビスケット」。
これは同時に母と冬留の絆を描いた物でもある。
智秋が姉たちの棺に入れたのもコレでしょう。

さらにタイトル『冬、来たる』の意味。
それは「冬を知らない温かい家族に冬留が加わることで影を落とす様」と「冬が欠けていた一家に冬が加わったことで家族として完成した様」の2つを示す。
逆境を乗り越えたことで智秋たちは家族としての繋がりをより深めたのでしょう。
是非、本作をご覧頂きこの意味について考えて欲しい。

ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変しています。
興味をお持ちの方は本作をお読みになることをオススメします。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
智秋:三姉妹の末っ子。
春菜:三姉妹の長女。
夏依:三姉妹の次女。
冬留:父が連れて来た弟を名乗る少年。


一家には三姉妹があった。
長女・春菜、次女・夏依、三女・智秋だ。
だが、実はもう1人だけ彼女たちには人知れない弟が居た。

それから数十年が経過し、年老いた智秋は2人の姉妹を送り出すこととなった。
智秋は姉たちの棺に「ある物」を入れる。
それは彼女たちの母の棺にも供えられた物、また家族の秘密であり絆でもあった。

ふと、母の通夜当時を思い出す智秋だが……。

その夜、母の死に際し久方ぶりに三姉妹が集まっていた。
智秋が母の棺に「ある物」を供える中、春菜は母を悪しざまに罵る。
春菜と母はある日を境に折り合いを欠いていたのである。
逆に母と仲の良い夏依はそんな春菜に反発していた。

と、其処へ1人の男性が現れた。
彼は智秋たちを姉と呼び、自身を弟の冬留だと明かす。

「冬留」の名にそれぞれの想いを抱く三姉妹。
男をその場に残した彼女たちは密かに話し合う。
特に春菜は男が冬留ではあり得ないと主張する。
こうして春菜が彼女の知る事実を語り出した。

・「春菜」の章

十数年前のこと、幼い三姉妹の前に父が1人の少年を連れて来た。
その名は冬留、冬を知らない三姉妹にとってまさに冬の訪れであった。

父は冬留を弟して扱うよう家族に厳命した。
母は表向きそんな父の意向に沿いつつ、冬留に対して激しく憎悪を燃やした。
三姉妹も父から贔屓される冬留に激しい嫉妬を繰り返した。

そんなある日、冬留は忽然と姿を消した。
周囲は神隠しだと噂したが……春菜は知っていた。
その日の夜のこと、母が冬留に何かを飲ませていたことを。
春菜は母が冬留を殺したと疑っていた。
そして、春菜の疑惑を母は最期まで否定しなかったのである。

冬留は既に死亡している。
ならば、冬留を名乗って現れた男は偽物でしかあり得ない。
春菜はそう主張する。
ところが、これを聞いた夏依が笑い出した。
どうやら春菜も知らない事実を知っているらしい。

こうして、今度は夏依が語り出した。

・「夏依」の章

夏依はその晩に冬留が飲んでいた物が彼の好物のサイダーだと知っていた。
それはその日が冬留との別れになると母も知っていたからだと言う。
とはいえ、その別れとは殺害ではなく実の両親のもとに返す為であった。

そもそも、冬留は三姉妹の弟ではなかったのだ。
実は父には生き別れの弟が居た。
その出生には祖父の後ろめたい過去が関わっていることもあって、祖父はもちろん親族一同から疎まれた存在だった。
そんな中、父だけは弟と密かに交流し可愛がっていたのだ。

ところが弟が行方不明となった。
これにより、弟の妻は1人で息子を抱えなければならなくなった。
見かねた父がその子供を「冬留」として育てることにしたのだ。
しかし、直後に弟の生存が確認され息子を返して欲しいと頼まれた。
親族の手前、弟の存在を明かせなかった母は「神隠し」として親元に冬留を返したのである。
当初こそ、冬留の素性を知らなかった母も知ってからはこれを可愛がっていたのだそうだ。

これを聞かされた春菜は母への誤解を解いた。
冬留が生きているのだとすれば、こうして現れたあの男性こそ冬留に違いない。
旧交を温めようとする春菜と夏依だが……真相を知る智秋は考え込む。

・「智秋」の章

それは母が亡くなる直前のこととなる。
介護をしていた智秋の前に見知らぬ年老いた男女が訪れた。
彼らこそ父の弟とその妻であり、冬留の両親だ。

彼らによれば、母は冬留を両親のもとに返してからも密かに交流を重ねていたらしい。
それはそれは冬留を可愛がっていたのだそうだ。

冬留もその恩に報いるべく、いつかご馳走すると約束していたらしい。
だが、それは叶わぬ物となってしまった。
何故なら、母に先立ち冬留が死亡してしまったのだ。
不慮の事故だったと言う。

冬留の両親は彼の想いを果たすべく「資生堂パーラーのビスケット」を持参していた。

直後、母は逝った。
智秋は冬留の想いを果たさせるべく「資生堂パーラーのビスケット」をその棺に供えた。

だから、智秋は知っている。
冬留を名乗る男が偽物であることを。

おそらく男は冬留の友人なのだろう。
少なくとも、冬留から彼の事情を聞かされる程には親しかったに違いない。
冬留を騙ったのは遺産相続を狙ってのことだろう。

智秋は春菜と夏依の想い出を壊さないように気を付けつつ、そっと男の傍に近寄ると「正体を知っている」と囁いた。
男は驚いたように智秋を見返すと、免れえないと知るや慌てて逃げ出した。
春菜と夏依には智秋から「急用が出来たのだそうだ」と伝えておいた。
2人は残念がったものだ。

こうして春菜と夏依も真相を知らぬうちに時が過ぎ、それぞれ此の世を去った。
真相を知るのは智秋1人である。

冬留はもう居ない。
しかし、先に逝ってしまった春菜や夏依と共にきっとあちらの世界で家族仲良くしていることだろう。

そして、直ぐ其処に本物の冬がやって来ようとしていた―――エンド。

・ドラマ版はこちら。
「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
『女王はかえらない』(降田天著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「【テレビドラマ原作】このミステリーがすごい! 三つの迷宮 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)」です!!
【テレビドラマ原作】このミステリーがすごい! 三つの迷宮 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)



『女王はかえらない (「このミス」大賞シリーズ)』です!!
女王はかえらない (「このミス」大賞シリーズ)





◆「このミステリーがすごい!」関連書籍はこちら。
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2015年11月19日

『ポセイドンの罰』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)

『ポセイドンの罰』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

密室で突然死した大学教授、海上で起きた殺人事件、父親の連れ子に隠された秘密――『このミス』大賞作家による豪華書き下ろし3編!

密室で大学教授が突然死を遂げた。果たして単なる病死なのか(喜多喜久「リケジョ探偵の謎解きラボ」)。海上で殺害されたデベロッパー企業の社長は、周囲の誰からも恨まれていた(中山七里「ポセイドンの罰」)。父親が連れ帰ってきた少年が、“冬”のない温かな家庭に影を落とす(降田天「冬、来たる」)。人気『このミステリーがすごい!』大賞作家3名の手による、書き下ろしミステリー・アンソロジー!
(宝島社公式HPより)


<感想>

本作は「海上のクルーザー」内で発生した殺人事件の顛末を描いた作品。
犯行現場はクローズドサークルとなっており、容疑者は限られる。
そんな中で誰が被害者を殺害したか、すなわち「フーダニット」がポイントです。

一読した限りでは中山先生版『オリエント急行の殺人』と『カーテン』(共にアガサ・クリスティー著)か。
終盤までが『オリエント急行の殺人』で終盤以降が『カーテン』の「犯人X」になってますね。
その意味はネタバレあらすじをご覧頂ければ分かる筈。
ただ、こうなると「ポセイドンの罰」と言うよりは「あの人による人為的な罰」な気がしないでもない。

『オリエント急行の殺人』(アガサ・クリスティー著・山本やよい訳 、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

『カーテン』(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

ちなみに、ネタバレあらすじは管理人によりかなり改変されています。
本作を楽しんで頂くには直接お読み頂くことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
響子:刑事。
鏑木:響子の後輩刑事。
工藤:大手不動産会社社長、被害者。
美波:慰安会に招かれた4人の1人。
成田:慰安会に招かれた4人の1人。
斉藤雪菜:人事部の担当者。


洋上で殺人事件が発生した、被害者は大手不動産会社社長の工藤である。

その日、工藤は人事部の担当社員・斉藤雪菜に選ばせた成績優秀者4人をクルーザーに招き慰安会を行っていた。
集められたのは美波や成田ら4人。
ところが、彼ら4人は揃いも揃って工藤に対して殺意を滾らせていた。

工藤は普段から素行が悪く学生時代も親の権威を嵩に、気に入った女子学生に乱暴を働き続けていたが誰も彼を罰することが出来なかった。
その素行は社会人となってからも改められることはなく、部下の妻や恋人にまで手を出す漁色家として知られていた。
挙句に、部下の手柄は自分の栄誉、自分のミスは部下の責任となるのだから性質が悪い。

当然、過去に工藤に弄ばれ強制的に堕胎を強いられた美波や意見具申しただけで降格処分の憂き目に遭った成田らの恨みは骨髄であった。
そんな彼らが集まったのだから何かが起きない筈が無い。

港を出発したクルーザーが帰港したところ、手足を拘束された工藤の刺殺体と泥酔した4人が発見されたのである。
どうやら、飲み物に睡眠薬が混ぜられていたようだが……。

海上での殺人事件だけに、容疑者は限られる。
すなわち、慰安会の参加者4人だ。
ところが、誰も誰が犯人かは分からないと言う。

こうして、事件の捜査に響子と後輩刑事の鏑木が乗り出した。
響子は工藤が海上への不法投棄を行っていたことを知るや「ポセイドンの罰だ」と呟くが……。

美波らへの取調べを開始した響子。
だが、彼らは一様に犯行を否認する。

矢先、美波が投身自殺してしまう。
目撃者も存在しており、彼女が自ら死を選んだことも明らかであった。
すなわち、工藤殺害の罪を悔いての自殺と思われたのだが……。

雪菜によれば「工藤を殺して罪を後悔する者など居ない」らしい。

直後、工藤の司法解剖の結果から意外な事実が明らかになり事件は急展開を見せることに。

響子は成田ら3人を呼び出すと、美波も含めた4人全員の共謀であることを告発する。
工藤はアイスピックで刺殺されていたのだが、刺し傷が4段階に分かれていたのだ。
すなわち、成田ら4人が順番に工藤を刺したのである。
4人はこの機会を天佑と思ったのだそうだ。
結果は無事成功し工藤は死亡した。
しかし、美波だけは嫌疑を向けられることに耐えられず自殺してしまったのだ。

響子から「美波と同じように3人共が罰を受けるべきだ」と諭された成田たちは罪を認めることに。
だが、まだ事件は解決していなかった。

そもそも、4人がどうして一同に会することとなったのか?
響子は雪菜の作為を問い詰める。
雪菜の妹も工藤の毒牙にかかり自殺していたのである。
雪菜もまた工藤を恨んでいた。
其処で雪菜は工藤に恨みを持つ美波たちを選び出すことで事件を起こすことを狙ったのであった。

とはいえ、これを立証する術は無い。
憤然とする響子は素直な鏑木に癒しを求めるのであった―――エンド。

・ドラマ版はこちら。
「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第五話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.10』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【刑事犬養隼人シリーズ】
『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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【ドラマ版】
土曜ワイド劇場「切り裂きジャックの告白 〜刑事 犬養隼人〜 嘘を見抜く刑事VS甦る連続殺人鬼!?テレビ局を巻き込む劇場型犯罪!どんでん返しの帝王が挑む衝撃のラストとは!?」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「【テレビドラマ原作】このミステリーがすごい! 三つの迷宮 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)」です!!
【テレビドラマ原作】このミステリーがすごい! 三つの迷宮 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)



「どこかでベートーヴェン 第五話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.10」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.10





「どこかでベートーヴェン 第四話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.9」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.9





「どこかでベートーヴェン 第三話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.8」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.8





「どこかでベートーヴェン 第二話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7





「どこかでベートーヴェン 第一話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6





「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)





「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
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さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





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このミステリーがすごい! 2013年版



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