2015年11月08日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第47話「ミステリアスな死」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第47話「ミステリアスな死」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第47話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
逸見:楓の知人の刑事。

赤沼茂樹:工学部の院生、ミステリーマニア。
広重将美:赤沼の同期、テレビで一躍大ブレイクを遂げた著名人。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第46話「ザ・ボディーガード2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その夜、流星群が去って行くと同時刻のことである。
マンション屋上から銃声が響き、1人の男性が流星のように地上へ転落した。

転落した男性の名は赤沼茂樹、大学工学部の院生。
だが、彼の死因は転落死では無かった。
眉間に鉛玉を撃ち込まれたことによる射殺だったのだ。

凶器が拳銃であることから事故は無い。
此の場合、状況は自殺と他殺が考えられた。
しかし、捜査に乗り出した逸見は首を傾げることとなった。

屋上の扉には屋上側から鍵がかかっており、何者かが逃げた痕跡はない。
弾から推測される銃は狙撃用の物ではなく、せいぜい有効射程は20メートル。
また、現場の屋上に比肩する高さのビルは付近に存在しない。
当然、遠距離狙撃も考えられない。
此の時点で他殺は考えづらい。

かといって、凶器と思われる拳銃は屋上にもマンション付近にも見つからない。
これでは自殺も考えづらい。

果たして、赤沼はどのようにして死を迎えることとなったのか!?

その翌日、この事件について蛍に協力を依頼する楓の姿があった。
逸見に依頼されたこの難事件を共に解決しようと語る楓だが……。

とりあえず楓の協力要請を引き受けることにした蛍。
ところが、現場で楓ともども逸見に叱られてしまう。
どうやら、楓は逸見に依頼されておらず、手柄を欲して独断で調査に乗り出したようだ。
結果、蛍はこれに巻き込まれたことになる。

やっぱりね……と心の中で納得する蛍だが、その視線が霊体となり彷徨う赤沼を捉える。
そうだ、赤沼に事情を聞けば良いのだ!!

早速、圭一に事情を聞き出すよう頼む蛍。
しかし、圭一によれば赤沼とコミュニケーションが成立しないらしい。
それどころか避けられている節があるそうだ。
それは死を認められていないのか、それとも眉間を撃ち抜かれた故に混乱しているのか。

もっとも確実な方法を失った蛍だが、赤沼の死の真相を明らかにすべく動き出した。

まずは現場を捉えた映像が無いか調べることに。
周辺の防犯カメラ映像などを片っ端から当たって行ったところ、当夜が流星群だったことが判明。
これを撮影する為にマンションの屋上付近を写した写真を発見する。
其処には降り注ぐ流星群を背景に、何か円盤のような物がマンションから飛び出す光景が残されていた。

一方、楓はと言えば赤沼の周辺を調べていた。
赤沼は工学部の院生であったが、影が薄く実力がありながらも手柄を他人に奪われるなど不遇だったらしい。
特に同期でテレビで一躍大ブレイクを果たした広重将美とはあまりに対照的な為に比較されがちだったそうだ。
そんな赤沼の唯一の趣味と言えば「ミステリー小説」、かなりのフリークだったそうだが……。

矢先、広重宅の庭から凶器と思われる拳銃が発見、容疑は広重へ向かう。

だが、これを聞いた蛍は入手した写真の意味に気付く。
円盤と思しきソレを拡大してみたところ、正体はドローンであった。

蛍は赤沼が工学部の院生であったことから予めプログラムを入力したドローンを用いて自殺したと推理。
赤沼はマンションの屋上に移動すると、拳銃を固定したドローンの引き金を引き自殺。
ドローンは入力されたプログラムに従い、屋上を離れ広重宅へ。
其処で拳銃を切り離すと何処かへと移動したのだろう。
おそらく、人知れず海にでも没している筈だ。

つまり、蛍は「赤沼が華やかな広重に罪を着せるべく自殺した」と考えたのだ。
ところが、これに楓が反論する。

もしも、その間に広重にアリバイがあったらどうするのか?
そんな不確かなことに自身の生命を懸ける筈がない、と。
さらに、赤沼ではなく他者がドローンを利用した可能性についても触れだした。

なるほど、楓の指摘はもっともである。
これに困惑する蛍、そっと赤沼の霊体に目を向けるが……。

「いや、もう十分。それだけ見抜かれてしまえばどうしようもない」
赤沼は蛍の推理の正しさを認めるや、何やら満足そうに微笑んでいるではないか。

赤沼によれば広重の件はおまけに過ぎず、あくまでも「影が薄く注目されなかった自身が、せめて最後だけは注目を集めたいとの動機で行ったことだった」と言う。
また、ミステリーフリークとしての集大成でもあったようだ。

えっ、そんな理由!?と呆気に取られる蛍を前に何度も頷く赤沼。

「いや、マニアとしては満足したよ。何しろ、2人の美少女探偵が謎に挑んでくれたのだから」
そう言い残すや、未練を断ったのかあっさりと昇天してしまった。
もちろん、彼の言う「2人の美少女探偵」とは蛍と楓のことだ。

事態に付いて行けず呆然とする蛍と圭一、未だに蛍の推理について指摘を続ける楓。
蛍は「これをどう説明しよう」と途方に暮れるのであった―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻に続き、早くも4巻が発売!!

さて、その47話。
サブタイは「ミステリアスな死」。

赤沼は「犯人」であり、「被害者」であり、「事件の幕引き人」であり、「蛍の推理の判定人」でもありました。
何しろ本人が認めているのですから、これ以上、蛍の推理を保証するものはありません。
此の点、なかなかにエスプリの効いたストーリー。

また、今回は「どうやって赤沼が死を迎えることになったか」について「その方法」である「ハウダニット」と「其処に至る動機」である「ホワイダニット」が並行して描かれました。
ある種「実現出来るか試してみたかった」的なその動機は、まさに「ミステリーフリークの業の深さ」とでも言うべきか。

同時に「(トリックを弄し、意図せず)結果としてミステリアスな死となった」のではなく「結果としてミステリアスな死を求めた(為に意図してトリックを弄した)」点も特筆すべきでしょう。
原因と結果が逆転しているワケです。

そして、サブタイトルが非常にフェアです。
「ミステリアスな殺害」ではなく「ミステリアスな死」、これにより他殺では無いことを匂わせています。
此の点も好ましいですね。

そして以前に本ブログの記事で取り上げた「ドローン」の意外な使い方もポイントでした。
なるほど、こう言った用い方もあったか。

これでミステリの可能性も広がる!?空を飛ぶ「ドローン」に注目せよ!!

やっぱり、本作は面白い!!
次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第46話「ザ・ボディーガード2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」「母の父」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

紀理香:真知恵の姉、長女。
陽香:真知恵の姉、次女。
おじいちゃん:真知恵の父、蛍にとっては母方の祖父。44話で死去。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」に登場。
青葉:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。

志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
郷里良子:「聖マルス学園」の女子生徒。「ザ・ボディーガード」に登場。
垣木:「聖マルス学園」の女子生徒。柔道部の猛者だが……。「ザ・ボディーガード」に登場。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。
赤沼茂樹:工学部の院生、ミステリーマニア。
広重将美:赤沼の同期、テレビで一躍大ブレイクを遂げた著名人。

「兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿(4): 少年チャンピオン・コミックス」です!!
兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿(4): 少年チャンピオン・コミックス





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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

土曜ワイド劇場「新ヤメ検の女 〜情熱弁護士&機関銃トークのクセ者検事!水と油のNEWコンビが挑む復讐殺人と青い蝶の謎〜」(11月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「新ヤメ検の女 〜情熱弁護士&機関銃トークのクセ者検事!水と油のNEWコンビが挑む復讐殺人と青い蝶の謎〜」(11月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

葵あかね(賀来千香子)は、検察庁を辞めて弁護士に転身した“ヤメ検”。利益を求めず国選弁護を専門に引き受けると心に決め、心機一転、家賃タダのプレハブ小屋に事務所を移転するなど、一本気で志の高い女性だ。あかねをサポートするのはかつての依頼人で、あかねを「姐さん」と慕う元ヤンキーで、今は小劇団の女優をしている矢吹真緒(雛形あきこ)。大家の奥本健三(竜雷太)もちょくちょく顔を出してはあかねたちの世話を焼く。

新体制となった葵事務所で最初に引き受けた案件は、阿部泰子(りりィ)による尾関紗理奈(多岐川華子)殺害事件。居酒屋チェーン『友民亭』の清掃スタッフだった泰子が、お客様相談室勤務の紗理奈を果物ナイフで刺殺。凶器を手にしたまま交番に出頭した泰子は、清掃について紗理奈から叱られたことを恨んで殺したと自供していた。
泰子に接見したあかねは、視線を合わせようとしない泰子の態度を不自然に思う。また、捜査に関わる若手刑事の野瀬(市川知宏)は、泰子が同じ銘柄のハンドクリームを2つ所持していたことがひっかかっていた。さらに、あかねと逆の立場から事件を扱う検事の剣崎十志男(川平慈英)は、「被疑者は左手で刺したあと、凶器に付いた指紋を拭き取ってから、右手に凶器を持ち替えて交番に出頭した」という警察の不自然な見解をこっそりあかねに伝えてくる。
剣崎はあかねと司法修習の同期生。組織に属する切れ者ながら、口数が多く本人が言うところのユーモアは誰にも通じない、あかねにとって敵か味方かさっぱりわからない変わり種だ。ただ分かっているのは、剣崎も泰子の犯行を疑っているということ。剣崎から内緒で捜査資料一式を受け取ったあかねは、泰子の真犯人説を覆す証拠探しを始める!
泰子は26年前に結婚し娘を一人もうけるも、夫の暴力から逃れるように離婚。その娘の梨花(前田希美)も2年前に事故で亡くなり、現在は独り身で質素な生活を送っていたという。
一方の紗理奈は、高級ブランド品を身につけたりホストクラブに通ったりと、居酒屋の給料に見合わない派手な暮らしを送っており、不倫相手の上司、飯塚誠(宮川一朗太)からお金をもらっていたとの噂があった。
また、お客様相談室の同僚の話では、半年程前に紗理奈を指名する脅迫まがいの電話があったという。
そんな中、紗理奈がホストクラブでいつも指名していたアキラ(山口翔悟)が突然姿を消す。また、剣崎の調べで、2年前に亡くなった梨花が友民亭でアルバイトをしていた事実が判明する。当時、本社から管理者として派遣されていたのは、なんと紗理奈だった!
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)

葵あかねは検事から弁護士に転身した、いわゆる「ヤメ検」である。
あかねは弱者救済をモットーに今日も多くの人々を救っている。

あかねの今回の依頼者は阿部泰子。
泰子は大手居酒屋チェーン『友民亭』の清掃スタッフであったが、同社のお客様相談窓口を担当していた尾関紗理奈を殺害したとされていた。
泰子が出頭したことで事件は解決したと思われていたが、あかねは泰子の犯行を不審に思う。

同じ頃、泰子の担当検事となった剣崎十志男もその犯行を疑問に思っていた。
紗理奈の傷口からは「凶器が左手に持たれていた」と思われたが、実際に検出された指紋は「泰子の右手のものだけ」だったのだ。
すなわち、泰子は左手で凶器を手にし紗理奈を刺殺した後に、指紋を拭い右手で持ちかえたことになる。
明らかに不自然だ。

あかねと司法修習の同期であった剣崎は真実を明らかにすべく立場を超えて共闘を約束。
密かにあかねにこの疑問を教えることに。

あかねは泰子の背景を調査。
泰子は26年前に結婚し1人娘・梨花をもうけるも、夫からDVを受けて離婚。
当の梨花も2年前に事故死し、孤独に暮らしていた。

紗理奈はと言えば給与に見合わぬ派手な生活ぶりで上司の飯塚誠と不倫しているとの噂さえあった。
さらに、紗理奈はホストクラブのアキラと懇意にしていたらしい。

その翌日、あかねは『友民亭』の事務員・井坂英子と出会う。
何やら影のある英子を不思議に思うあかねだが……。

そんな中、梨花が『友民亭』でアルバイトしていたことが判明。
しかも、その上司が紗理奈であった。
どうやら、紗理奈が梨花にアルバイトの職責以上に責任を負わせたことが事故の原因らしい。
つまり、泰子には紗理奈を殺害する動機があったのだ。

矢先、アキラが姿を消してしまった。
アキラに注目したあかねは、彼が梨花の元恋人であったことを突き止める。
その数日後、当のアキラが何者かに殺害されてしまった。

紗理奈殺害とアキラ殺害に関連があると考えるあかねは若手刑事の野瀬から「泰子がハンドクリームを2つ所持していたこと」を教えられる。
何か意味があるのだろうか!?

さらに、梨花の友人・嶋村未久から彼女の死が事故ではなく、紗理奈により精神的に追い詰められての自殺であったことが明らかに。
また、梨花が「モルフォ蝶」が好きであったことも教えられる。

英子と再会したあかねは英子から「モルフォ蝶」の話を聞き驚くことに。
英子は泰子とも顔見知りで、彼女から教えて貰ったらしい。
どうやら、泰子は梨花の好きな蝶の話を明かすほど英子に心を開いていたようだ。

一方、『友民亭』に横領事件が発生していたことも判明。
なんと、その金額3億円らしい。
これも紗理奈やアキラの死に関連しているのか!?

直後、剣崎から紗理奈やアキラが「レイナ」なる人物が運営するブログを頻繁に閲覧していたことを教えられる。
レイナはかなり贅沢な暮らしを送り、その様子をブログにアップすることで多くの人々から支持を得ていた。
そのレイナの写真を目にしたあかねは大いに驚くことに。

数日後、レイナの前にあかねと剣崎が立ちはだかっていた。
2人はレイナが横領犯であり、紗理奈とアキラを殺害した犯人と告発する。
レイナの正体は変装した英子であった。

孤独を感じていた英子は会社の金を横領し、レイナとして華やかな自分を演出していたのだ。
ところが、これを紗理奈に知られ口封じに殺害。
その現場を泰子が目撃し庇ったのである。
さらに、アキラにも脅迫された為にこれも口封じに殺害したのだ。

では、どうして泰子が英子を庇ったのか?

紗理奈を梨花の仇として恨んでいた泰子は「自分に代わって復讐してくれた」と考えた。
実は、英子は紗理奈殺害時にハンドクリームを現場に残しており、泰子はこれを自身の所持品と偽装することで彼女を庇おうとしたのだ。
2本のハンドクリームは泰子と英子の品であった。

いや、それだけでは無かった。
以前、泰子が荒れた手を眺めていたところを英子にハンドクリームを塗って貰ったことがあったのだ。
そのハンドクリームは奇しくも梨花と同じ物であった。
泰子は英子に梨花を重ねて庇ったのである。

これを知った英子は1人では無かったと知り、泰子に感謝すると共に罪を償う決心をするのであった―――エンド。

<感想>

「ヤメ検の女」がシリーズ第6弾にてリニューアルされました「新ヤメ検の女」の開幕です。
引き続き原作なし、オリジナル作品。
なお、この変更に伴いあかねを除くレギュラーキャストが一新されました。
また、「フィギュアグランプリ2015」により21時30分から放送されています。

早速、感想を。

きっと英子は何処かで誰かに認めて貰いたいとの承認欲求を抱えていたのだろう。
それを埋めてくれたのがレイナブログだったのだろうなぁ……。
おそらく変身願望もあったのだと思う。
片や泰子も孤独を抱えていたし、この2つの孤独な魂が出会ったことは何かの計らいだった筈。
もっと早く泰子と出会えていれば、いや、互いに気持ちを伝えていればもっと良い結末を迎えることも出来たのかもしれない。
此の点、なかなかに余韻を残す作りでした。

此のテーマ、かなり興味深いだけにもっと掘り下げて欲しかった。
「フーダニット」は早々に切り上げて中盤から英子と泰子の心の交流の物語に切り替えても良かったほど。
むしろ「倒叙物でも面白くなったのではないか」と思うと勿体ない。

また、他にもいろいろと気にかかる点が……いや、正直に述べると不満が残る点があった。

注意!!
此処から管理人の愚痴が始まります。
久しぶりながらのアレです。
目にすると不快になる恐れがあります、気を付けられたし!!
また、あくまで本日このときの管理人の主観に基づくアレとご理解ください。


何と言っても、一番はもはや新シリーズと言っても良いほどの変化だろう。
リブートではなく、いっそのこと全く別の新シリーズにした方が良かった気もする。
なまじ、これまでの「あかねのイメージ」が残っているだけにいろいろ気になって仕方がない。
これまでの本シリーズを知っている人ほど困惑するところが大きかったのではないか。

また、驚くぐらい意味の無いアイテムやワードが多過ぎ。
「五種の胃薬(紗理奈の所持品)」や「ポケベルの語呂合わせ(野瀬が指定したコインロッカーのパス)」や「お茶で困る(アキラの存在を示唆もそれで終わり)」とか全く本編に関わらないし……。
これらが後の伏線になるかと思ったのに放置かぁ……。

だったら、そもそも使う必要が無いような。
現にあらすじをご覧頂ければお分かりの通り、端折っても全く不都合ないし。
と言うか、脅迫すら辞さない神経を持つ紗理奈が「五種の胃薬」を所持していた方が驚きだ。
これ何か真実が隠されているのではないか!?

「モルフォ蝶」はと言えば確かに泰子と英子を繋ぎはしたがかなり細い線だったし。
どちらかと言えば「レイナブログ」1つで強引に物語を畳んだと言えなくもない。
その割に最重要の「レイナブログ」の登場が残り30分を切ってからなんだもんなぁ……。

それと、何だか無理矢理登場キャラを増やしているようにも見えた。
これについては諸事情あると勘案するが、それにしても視聴者の立場からでは首を傾げる。
ただ、役者さんは好演されていたと思う。

また、此処からは完全に管理人による独断と偏見による考察となるが、本作は「最初と最後が決まっていて間を埋めた感じ」。
「泰子による紗理奈殺害疑惑から始まり、英子が横領犯かつ真犯人でレイナブログが決め手となる結末」がある、これを大筋とした上で其処に肉付けして行ったような印象。
もしかすると「レイナブログ」ですら後からなのかもしれない。
少なくともそう感じられるほど最初と結末を除き、その間が浮いていた。

いっそのこと、レギュラーと見せかけて掟破りの「矢吹真緒犯人」とか「奥本健三犯人」の方がサプライズはあっただろう。
実はコレ、本シリーズ1作目の構造でもある。
すなわち、不満があった本シリーズ1作目の方が評価は高い。
何だったら、これまでとはパラレルワールドということで「あかね犯人」でも良かったぐらいだ。
それくらいショックだった。

とはいえ、折角始まったリブート作。
次回に期待したい。

ちなみに、次回11月14日は「ゴーストライターの殺人取材」第2弾を予定とのこと。
こちらも注目です!!

「2015年11月14日」の「土曜ワイド劇場」は「ゴーストライターの殺人取材2」が放送予定とのこと!!

でもって、11月24日が「ショカツの女11」となるワケですね。

2015年11月21日の「土曜ワイド劇場」は「ショカツの女11」が放送予定とのこと!!

2015年11月8日追記

一晩経過して本作に対して改めて考えてみたところ「少し思うところ」があったので追記しておきます。

「英子のレイナブログでの豪遊」については「瑞枝が仕事のストレスをボクササイズや腕時計購入で発散していたこと」が伏線と捉えられなくもない。
この視点で見れば本作は「『友民亭』の従業員たちが会社から適切なフォローを受けられなかった為にストレスを抱えイジメや横領が発生し、結果として殺人にまで発展した」との「企業の従業員への適切なケアがテーマ」と見ることも出来るだろう。
ただ、この視点だとあかねが『友民亭』について全くアクションを起こしていないことが説明出来ないんだよなぁ……。

追記終わり


◆関連過去記事
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<キャスト>

葵 あかね:賀来千香子
剣崎十志男:川平慈英
矢吹真緒:雛形あきこ
野瀬剛史:市川知宏
井坂英子:菜葉菜
飯塚 誠:宮川一朗太
アキラ・山瀬陽二:山口翔悟
尾関紗理奈:多岐川華子
嶋村美久:おのののか
牛島里美:井上晴美
藤塚瑞枝:川村亜紀
阿部梨花:前田希美
田上道明:小木茂光
阿部泰子:りりィ
奥本健三:竜 雷太 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


「検事はその時」です!!
検事はその時





「女検事ほど面白い仕事はない (講談社文庫)」です!!
女検事ほど面白い仕事はない (講談社文庫)



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