月曜ゴールデン「MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所 砕かれた過去編」(12月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
大杉探偵事務所に現れた美しいお天気キャスター(早見あかり)。 彼女から、死んだはずの妹が姿を現したという相談を受けた大杉(香川照之)は、鳴宮(伊藤淳史)と共に謎に包まれた施設を調査する。 大杉が過去に警察を辞めるきっかけとなった苦い経験がオーバーラップするなか、驚愕の真相に辿り着くストーリー。 時間と記憶、そして真実と虚像が巧みに交差する新機軸サスペンス!
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……警察を退職した大杉は探偵事務所を開業していた。
妻・恵子とは離婚が進められており、娘・めぐみとの仲もしっくりとは行っていない。
おそらく親権は恵子のものとなるだろう。
何よりのネックは大杉が刑事を辞めた理由である。
だが、大杉はこれについて誰にも明かそうとしない。
其処には深い事情があった……。
そんな大杉のもとにお天気お姉さんで知られる小池リサが依頼を持ち込んで来た。
彼女の双子の妹・リナの行方を調べて欲しいと言うのだ。
だが、リナは18年前に死んでいた筈であった。
当時、高名な心理学者として知られる両親のもとで育っていたリサとリナ。
ところが、連続した女児殺害事件が発生し、これにリナも巻き込まれて死亡したのだそうだ。
少なくとも、リサは両親である小池夫妻からそう聞かされていた。
そう言えば……と気になることについて語るリサ。
小池夫妻は何故か幼いリナに夜空を直視することを禁止していたのだそうだ。
しかし、1年前に小池夫妻が謎の不審死を遂げた。
その遺体は心臓を抜かれるとの凄惨な物、この犯人としてリサに疑いが向かったのだ。
何でも、目撃者が逃げ去る犯人を目にしたのだがリサそっくりだったらしい。
とはいえ、リサにはその時間に仕事をしていたとの完璧なアリバイが存在していた。
其処でリサは目撃された人物が死亡したとされるリナではないかと疑ったのだ。
死を偽装されていたとすれば、その背景には何か事情があるに違いない。
こうして、リサは大杉にリナについて調べるように依頼する。
大杉は戸惑いながらも、この依頼を引き受けることに。
そんな大杉の胸に、自身が刑事を辞めることとなった事件の記憶が甦る。
それは後輩の三島刑事が関わる事件だ。
大杉は三島刑事を大変に可愛がっていた。
三島には妻・結衣と4歳になる娘・雪菜がおり、大杉も自身と重ねていたのだ。
ただ、大杉と違い三島は家族サービスを欠かすことが無かったが。
そんな三島には悩みの種が1つあった。
それが結衣のストーカーである。
だがこれも、正体不明の影に怯える結衣の為に引越しを行ったことで解決した筈であった。
ところが、ある日のことだ。
三島と飲んでいた大杉がその流れで三島宅を訪れたところ、其処には冷たくなった結衣と雪菜が倒れていたのである。
明らかな殺人事件であった。
この容疑者として佐藤なる男性が逮捕された。
しかし、直後にアリバイが成立し釈放されてしまった。
この事実に衝撃を受けた三島は精神的な負荷により、休職を余儀なくされてしまう。
それから少しして、三島が復帰したと同じくして百舌の模倣犯が現れた。
模倣犯は法で裁けぬ相手を殺害しつづけた。
これにより「ダーク・ヒーロー」として持て囃されるように。
大杉と三島はこの捜査に当たることとなった。
その一方で、大杉は三島の犯行を疑い始めた。
三島の単独行動が増えていたのだ。
もしかして、三島は最後に佐藤を殺害する為に犯行に及んでいるのではないか……。
此処で大杉はふと我に返った。
今はリサの依頼を果たさなければならない。
大杉は鳴宮に小池夫妻の遺体が発見された犯行現場を調べるよう依頼する。
犯行現場は心臓博士の噂がある廃病院。
其処に不用意に足を踏み入れると心臓博士に襲われるらしい。
もしかして、小池夫妻も心臓博士に襲われたのか!?
恐る恐る廃病院へ足を踏み入れた鳴宮。
すると、管理者を名乗る男性と出会う。
管理者から早く立ち去るように指示される鳴宮であったが、面白半分にあちこち写真を撮影することに。
その翌日、怯えた様子の鳴宮から大杉に調査結果が報告された。
鳴宮によれば、奇妙な女性が写り込んでしまっていたらしい。
大杉はそれがリナではないかと考えるが……。
一方で小池夫妻が秘密裏に暴力衝動について人体実験を行っていたことが判明。
大杉はある仮説を立てると廃病院へを足を運ぶ。
あちこちを見て回った大杉は地下の隠し部屋にリナの姿を見出した。
驚く大杉に、隠れていた管理者が真相を語り始める。
実はリナには暴力衝動があったのだ。
そのキーが満月を直視することであった。
これを解消するべく小池夫妻は秘密裏に実験を繰り返していたらしい。
そして管理者の正体は小池夫妻の実験唯一の成功体だそうだ。
彼は実験により暴力衝動を克服した。
其処で恩人である小池夫妻の手伝いを行っていた。
ところが、1年前にリナが満月を直視してしまい豹変。
小池夫妻を殺害してしまった。
夫妻はリナを庇うべく心臓博士の噂を利用するよう管理者に命じた。
其処で管理者が心臓を抜いたのだ。
以降、管理者はリナを守って暮らしているらしい。
「もう2度と同じことは起こさせない。だから、見逃して欲しい」
訴える管理者に大杉は三島の事件を再び思い起こす。
繰り返される模倣犯の犯行に、捜査本部でも三島を疑う声が上がり始めた。
矢先、大杉は佐藤のアリバイが偽証によるものと突き止める。
やはり、三島の目的は佐藤にある。
三島を止めようと大杉が駆け付けたとき、其処では三島が佐藤にアイスピックを突き付けていた。
「助けて〜〜〜助けて〜〜〜」
「信じて下さい、違うんです」
涙ながらに大杉に助けを求める佐藤、信じて欲しいと叫ぶ三島。
だが、大杉は三島を信じられず彼に向けて発砲し手錠をかけた。
途端、背後から鈍い一撃を受けて昏倒した……佐藤の仕業だ。
佐藤は先程までとは一転してニヤニヤと相手を蔑んだ笑いを浮かべていた。
動けない大杉から拳銃を奪うと、二度、三度と大杉へ向け発砲する。
痙攣する大杉は意識を手放しつつあった。
大杉殺害を確信した佐藤は三島へと向き直ると真相を語り出す。
佐藤こそが三島の妻・結衣のストーカーだったのだ。
だが、振り向かなかったので殺害したと言う。
そして、百舌の模倣犯も佐藤であった。
結衣の心を奪った三島を模倣犯として貶め殺害するのが目的だったらしい。
抵抗出来ない三島は佐藤にアイスピックで刺殺されてしまった。
佐藤は笑いながら現場を後にした。
大杉は一命を取り留めた。
だが、三島は大杉が信じることが出来なかった為に死んだ。
大杉は刑事として三島を疑ってしまった。
そして今、探偵となった大杉に1つの決断が求められている。
その翌日、大杉は事務所に訪れたリサに真相を教えた。
小池夫妻がリナの暴力衝動を克服させようと秘密裏に人体実験を行っていたこと。
だが、リナに殺害されてしまったこと。
また、18年前の幼児連続殺害事件が暴力衝動に目覚めたリナの犯行であること。
天体観測が禁止されたのもリナが満月を目にして衝動に目覚めることを予防する為であったこと。
そして、管理者がリナを守り、2度と罪を犯させないと語っていることを。
此処で大杉はリサに「彼らを信じて欲しい」と訴えた。
三島を信じ切れずに死なせてしまった大杉。
あの後、佐藤は百舌の模倣犯を許さない新谷和彦により裁かれていた。
津城は大杉のミスを隠蔽しようとしたが、大杉はどうしても三島を信じ切れなかった自分が許せなかった。
だからこそ、刑事を辞めたのである。
今度こそ信じたいと強く願う大杉にリサもまた管理者たちを信じようと決める。
大杉に感謝し抱き着くリサ、満更でもなく鼻の下を伸ばす大杉。
あれ……この展開、何処かで!?
「お父さんって、本当サイテー!!」
同時に降って湧いた聞き知った声、事務所の入り口を見れば愛娘・めぐみの姿が。
「いや、違うんだめぐみ、めぐみぃぃぃぃぃぃぃ」
思わぬシーンを目撃され、今回もまた大杉の悲痛な叫びが響き渡る―――エンド。
<感想>
映画公開中の「MOZU」、その中でもキーキャラクターの1人である大杉を主人公とした「スピンオフ」作品です。
「美しき標的編」と「砕かれた過去編」が存在し、本作はその「砕かれた過去編」となります。
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月曜ゴールデン「MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所 美しき標的編」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)ちなみに「MOZU」原作は逢坂剛先生「百舌シリーズ」。
「百舌シリーズ」には次の7作が既刊として存在。
『裏切りの日々』、『百舌が叫ぶ夜』、『幻の翼』、『砕かれた鍵』、『よみがえる百舌』、『鵟の巣』、『墓標なき街』。
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『百舌シリーズ(百舌の叫ぶ夜、幻の翼)』(逢坂剛著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)・
『墓標なき街』(逢坂剛著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)さて、此処でドラマの感想を。
ハードボイルドに特化していた「美しき標的編」に比べるとかなりサスペンス寄りの作品でしたね。
時間軸を入れ子構造にしつつ、善と悪を二転三転させることで複雑な物語に仕上げていました。
過去がバラバラな形で視聴者に提示されたからこそ「砕かれた過去」なのでしょう。
また「ダルマ」や「模倣犯を許さない新谷」など「映画版」に繋がる要素もありましたね。
そして、ラストが「美しき標的編」と対になっていたのもポイントでした。
さらに、こちらでは倉木も登場。
やっぱり、渋くて良い!!
これは映画版「MOZU」も期待せざるを得ないでしょう!!
そんな「劇場版 MOZU」のあらすじはこちら。
<あらすじ>
妻子の死をめぐる謎を追い、その果てに警察内部に存在する闇を暴いた公安警察官の倉木(西島秀俊)。それから半年、ペナム大使館襲撃と高層ビル占拠爆破というテロが同時に勃発。これらの事件は、犯罪プランナーの高柳(伊勢谷友介)と暗殺のプロフェッショナルである権藤(松坂桃李)が率いるグループによるものだった。彼らは、戦後犯罪史に残る組織的犯罪や経済事件に関与しているとうわさされる人物、ダルマ(ビートたけし)の名のもとに、さらなる規模の計画を進めており……。
(公式HPより)
いよいよダルマの正体が明らかになる!?
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