ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。
バリー:英国の考古学教授。
アナーヒタ:イランの考古学教授。
<102話あらすじ>
森羅と立樹は「C.M.B.の指輪の主」としてとある調停を依頼された。
調停すべき案件は、英国の考古学教授・バリーとイランの考古学教授・アナーヒタの争いである。
イランにて、ネアンデルタール人の白骨が発掘された。
この発掘に携わっていたのが、考古学教授のバリーとアナーヒタだ。
バリーが出資し、アナーヒタが現地で指揮を執るとの役割分担を行っていたのだが、これが仇となった。
発掘された白骨をバリーが母国へ持ち出そうとし、持ち出すべきではないと主張するアナーヒタと真っ向から対立したのだ。
バリーとしては出資している以上、自身の所有物との意識がある。
アナーヒタとしては地元で出土した以上、地元の物だとの意識がある。
こうして、互いに争いを続けていたのだ。
森羅は互いの言い分がそれぞれに有効であることを認めざるを得ない。
だが、発掘現場を訪れた際にあることに気付き結論を導き出す。
一方、現在のところ白骨を管理しているアナーヒタ。
その日も研究室に設置された蔦柄の格子が嵌った檻に白骨を収納し帰宅した。
鍵はアナーヒタが所持している、盗み出すことは不可能と思われた。
ところが、翌朝になって檻の中から白骨が消えてしまった。
其処へバリーが急に帰国の途に就こうとしているとの報が飛び込んだ。
これを知ったアナーヒタは彼が犯人だと考える。
森羅たちと共に空港へ向かったアナーヒタはバリーを見つけ、白骨が盗まれたと問い詰めるがバリーは全く動じない。
身体検査をされたが特に所持している様子もなく、悠々と帰国することに。
地団太踏むアナーヒタだがどうしようもない。
それから数日後、バリーのもとを森羅が訪れた。
森羅はバリーが白骨を盗んだ犯人だと指摘する。
あれほど、執着していた白骨が盗まれたと聞いたにも関わらず動じなかったのが証拠であった。
森羅はバリーの犯行方法についても指摘を続ける。
蔦柄格子の檻は横からの圧力に弱く、鉄の棒を差し込みたわめることで中の物を自由に取り出すことが出来たのだ。
白骨を盗み出したバリーは自身ではなく旅人にこれを託し砂漠を越えさせることで運び出すことに成功したのだ。
さらに森羅は続ける「バリーの仕事は何か」と。
バリーの仕事は考古学者、それは連綿と続く歴史の営みを今に伝え解明する者のこと。
言わば、過去と現在を照らすことで未来を照らす「歴史の灯火」なのだ。
あの後、白骨の発掘現場からはさらに子供の白骨が発見されていた。
どうやら、バリーが盗んだ白骨は子供を庇おうとした親の物らしい。
森羅が発掘現場で気付いたあることとはコレのことだ。
では、バリーはこれを受けて何をしなければならないか。
そう、真実を伝えることだ。
「子供のもとに返さないとなぁ」
森羅の言葉を認めたバリーは返却を約束するのであった―――エンド。
<感想>
「月刊少年マガジン」2016年1月号掲載「102話 灯火」です。
今回の内容について。
複雑な国際関係を描きつつ、同時にそれに所属する個人をも描いた回。
併せて「考古学者の使命」や「遥か昔から続く親子の情」などにも触れられている。
なかなかにテーマ性の高い良回でしたね。
次回にも期待!!
ちなみに、あらすじでは良さを伝え切れてません。
本作自体を読むべし!!
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【「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」シリーズ】
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・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第93話「自白」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第98話「地獄の穴」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年9月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第99話「ゴーストカー」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年10月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第100話「動き回る死体」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年11月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第101話「第27回探偵推理会議」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「C.M.B.番外編 M.A.U. “ブラック・マーケットの魔女”の事件目録 箪笥の中の幽霊」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年6号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
【「Q.E.D.証明終了」シリーズ】
・「Q.E.D.証明終了(「月刊少年マガジン+(プラス)」2012年3号掲載分)」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス)」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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・「Q.E.D.証明終了 初恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年7月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 失恋」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年6号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 巡礼」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン 2013年10月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 陽はまだ高い」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 代理人」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2014年8号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了 iff」1話(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジンR 2015年1号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了iff」2話「素っ裸の王様」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジンR 2015年2号」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「Q.E.D.証明終了iff」4話「三人の刺客」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジンR 2015年4号」連載)ネタバレ批評(レビュー)