2016年01月21日

『生活安全課0係 ファイヤーボール』(富樫倫太郎著、祥伝社刊)

『生活安全課0係 ファイヤーボール』(富樫倫太郎著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

KY(空気読めない)キャリア刑事が非常識捜査で真相を暴く新・警察小説

杉並(すぎなみ)中央署生活安全課に突如(とつじょ)誕生した「何でも相談室」。通称0(ゼロ)係。署内の役立たずが集まる島流し部署だ。そこへ科警研から異動してきたキャリアの小早川冬彦(こばやかわふゆひこ)警部。マイペースで、無礼千万な男だが知識と観察眼で人の心を次々と読みとっていく。そんな彼がボヤ事件で興味を示した手掛かり、ファイヤーボールとは? KY(空気が読めない)刑事の非常識捜査が真相を暴くシリーズ第1弾!
(祥伝社公式HPより)


<感想>

富樫倫太郎先生による警察小説の新シリーズです。
2016年1月時点でシリーズには本作の他に『生活安全課0係 ヘッドゲーム』が存在しています。

そんな本作ですが、基本「SROシリーズ」の雰囲気が受け継がれており小早川冬彦は新九郎と重なる人物造形となっています。
いや、冬彦の毒舌ぶりを考えると……違うかな!?
ともかく冬彦の毒舌は凄いです。
これだけでも一読の価値あり。

また、冬彦の急な異動にはどうやら彼が書いた「報告書」が関わっている様子。
これがシリーズに影響を与えるのか!?

さらに、プロローグとエピローグでは「SROシリーズ」でもお馴染みのあの人の名が!?
きっと「SROシリーズ」ファンの方も満足出来るのでは!?

ドラマ版と比較してもいろいろと差異がありますね。
特に原作だと男性だった寺田がドラマ版では女性に変更されています。
こういった比較もまた本作を楽しむ要素ではないでしょうか。

ちなみにネタバレあらすじは大幅に改変しています。
興味のある方は本作それ自体を読むことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
小早川冬彦:キャリア警視。
寺田高虎:ノンキャリアのベテラン刑事。
安智:格闘好きな刑事
樋村:昇進試験を目指す刑事

杉内:生活安全課長、あだ名は「コバンザメ」

南郷:組長、違法カジノ運営の疑惑がある
中曽根:南郷の部下だが……
崎山:連続放火犯

近藤房子:ご存知「キラークィーン」。


警視庁杉並中央署生活安全課に、副署長こと「ダルマ」とその側近で「コバンザメ」と呼ばれる生活安全課長・杉内により新設部署が設立された。
その名は「なんでも相談室」。

メンバーは異例の科捜研から異動となったキャリア警視・小早川冬彦。
そんな冬彦とコンビを組むノンキャリアのベテラン刑事・寺田高虎。
さらに格闘大好きな安智刑事や、昇進試験を目指す樋村刑事などが所属している。

この「なんでも相談室」、表向きは「市民の声に迅速に対応する為に新設された部署」との触れ込みであったが、その実態は「各部署で持て余した人材を集めただけ」であった。
例えば、高虎の場合は出世に興味がなく上司への無礼な言動が原因である。

しかし、新設には真の理由が存在したのだ。
それはキャリア警視・小早川冬彦を飼い殺しにする為であった。
冬彦はある報告書を作成したことで上層部の反発を買ってしまい、警戒されることとなったのだ。
とはいえ、この真の理由を知る者は数少ない……。

左遷されたことで不貞腐れる相談室の面々。
ところが、冬彦だけは勝手が違っていた。
彼はこの異動を現場を体験する良い機会と大喜びし、率先して事件解決に挑んで行く。

矢先、連続放火事件が発生し冬彦は犯人を追うことに。
実はこの犯人、ストレス発散を目的とした崎山による犯行であった。

冬彦は高虎と共に崎山を追う中で、南郷が部下の中曽根と共に違法カジノを経営している疑いがあると知らされる。
ところが、高虎によれば南郷たちはいつも踏み込む直前に知っているかのように撤収してしまい証拠が掴めないらしい。

そんな中、冬彦は中曽根がカジノ会場を用意した現場に遭遇する。
結局、摘発にまでは発展しなかったのだが、驚き慌てる中曽根はパニックに陥り南郷に相談を……。

その夜、南郷は何者かと連絡を取り合い善後策について協議する。
翌朝、中曽根が焼死体で発見されてしまった。
この容疑が崎山へと向かう。

だが、冬彦はこれに疑惑を抱くことに。
南郷が崎山の犯行に偽装し中曽根を口封じしたと考えたのだ。
さらに、これを可能にする為に崎山も南郷に拘束されていると考える。

しかし、これを実現するには1つだけ問題があった。
冬彦たちの動きを南郷に報せた内通者が居るのだ。
冬彦は「相談室」のメンバーを疑うことに。

とはいえ、急がなければ拘束されている崎山の命も危ない。
冬彦は囮となって南郷を揺さぶり、これにワザと捕まる。
冬彦と崎山を殺害しようとした南郷であったが、駆け付けた高虎や安智らにより現行犯逮捕された。

翌朝、冬彦は杉内や高虎らを前に内通者を告発する。

まず、冬彦は内通者を突き止めた推理の経緯を語り出す。
冬彦は内通者にとってのメリットを考えた。
南郷が内通者に用意できる物は金しかない。
つまり、金に弱い者が内通者である。

高虎は出世に興味が無い以上、金にも興味が無いから違う。
安智は格闘大好きで、金よりも暴力を好むから違う。

そして樋村だが……昇進を狙っているものの、冬彦が見る限りでは試験合格はあり得ない。
昇進を諦め自分を見つめ直した方が良いのだが、それに気付かないぐらいなので南郷にとってどれだけ価値がある情報を流せるかも怪しいものだ。
従って南郷が買収の対象に選ぶとは思えない。

此処で考えて欲しい。
そもそも、今回の事件では生活安全課が担当する「違法カジノ摘発」情報以外に刑事課が担当する「連続放火事件」の情報も必要であった。
すなわち、生活安全課と刑事課の情報を知ることが出来なければならないのだ。

これが可能なのは両課の上に立つ副署長しかあり得ない。
では、副署長なのか?
いやいや、もう1人居たではないか。
それこそ、副署長の「コバンザメ」が!!
そう、内通者の正体は「コバンザメ」こと杉内であった。

こうして杉内が逮捕され事件は真の解決を見たのであった。

今回の事件を機に冬彦に一目置くこととなった副署長。
その数日後、当の冬彦から「キラークィーン」こと近藤房子が管轄内に潜伏中であるとの報を受けてローラー作戦を実施することに。
ところが、これが空振りに終わってしまう。
首を傾げる冬彦であったが、こうして折角築いた信頼を早々に失ってしまうのであった―――エンド。

◆関連過去記事
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「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」2話「誘拐犯の謎の指令…!真の目的とは」(1月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」2話「誘拐犯の謎の指令…!真の目的とは」(1月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

テレビなどでも活躍中の有名弁護士・桐谷(辻義人)が誘拐された。犯人は3千万円の身代金の受け渡し役に、桐谷の娘で女子高生の可南(川栄李奈)を指名。捜査一課の北条(平山浩行)から可南の“代理”に選ばれた渚(堀北真希)が、可南の制服を着て犯人が指定した場所に赴くことになった。
犯人の指示で身代金を持ったまま次々と場所を移動させられる中、行く先々で渦巻いている“強い感情”に襲われる渚。女子高生向けの情報サイトでその様子が“実況”されているのを目にした謙人(DAIGO)は、渚が可南に化けていることをひと目で見抜き、事件の発生を直感していた。
一方、可南から実況サイトの存在を教えられた雪乃(檀れい)も、渚の行方を見守るが…。警察の尾行を振り切り、ある空きビルにたどり着いた渚は、何者かの強烈な感情とシンクロし、「もう限界です…許してください…」とつぶやき、意識を失ってしまった。
まんまと身代金を奪われた責任を問われ、捜査から外されてしまった七課。しかしすみれ(大地真央)は、渚の記憶を頼りに独自捜査を進めるよう指示する。可南と母・由香里(山本未來)の様子に違和感を抱いた雪乃は、再び桐谷家へ。
一方、実況動画が投稿されたサイトを調べていた渚と凜(高梨臨)、幸子(YOU)たちは、渚が行かされたのと全く同じ場所を別の少女が歩いている動画を発見。その動画の投稿者が可南であることが判明する中、犯人から二度目の身代金要求の連絡が届き、ある暴力団関係者が容疑者として浮上する。
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

捜査七課に所属する渚は高い共感能力を用いて被害者とシンクロすることが出来る刑事である。

そんな渚たちが今回担当した事件は有名弁護士・桐谷の誘拐事件。
犯人は3千万円の身代金を要求し、この運び役として桐谷の娘で女子高生の可南を指名して来た。

渚は可南に化けて運び役を演じることに。
タクシー移動を皮切りに、犯人の指示に従い次々と場所を移動して行く渚だがその先々で悪意を感じ取る。
それもその筈、渚の様子は女子高生向け情報サイトで実況されていたのだ。

振り回される渚はある空きビルへ。
ところが、其処で強烈な意志をシンクロしてしまい「もう限界です」と呟くや意識を失ってしまう。
結果、渚は犯人に身代金を奪われてしまう。

失態を犯したことで叱責される渚。
だが、課長のすみれは渚に引き続いての捜査を命じる。

雪乃は可南とその母・由香里の様子を不審に思い桐谷家を調べる。
一方、渚は自身が移動した場所を別の女子高生が歩き実況されている動画を発見。
動画の中では少女が周囲から罵られ万引きを強いられるなどイジメを受けていた。
驚くべきことに、この動画の投稿者こそ可南だったのだ。
しかも、被写体の少女・真由は例の空きビルで謎の転落死を遂げていたのだ。

同じ頃、犯人から二度目の身代金要求が行われていた。
さらに捜査本部では鳥山なる男性が容疑者として浮上していた。

これを知った渚と雪乃は真相を察し桐谷家へ。

渚は動画の投稿者である可南が真由をイジメていたと断言。
今回の誘拐事件は真由の両親が復讐すべく行ったことと告げる。

シラを切ろうとする由香里だが、可南が全てを打ち明けた。
可南は家族仲睦まじい真由に嫉妬し、これをイジメてその様子をサイトに投稿していた。

ところが、これを可南と親しかった鳥山が目にし興味を抱いた。
鳥山は真由を呼び出すと男たちを使って暴行し、その様子を撮影しようと目論んだのだ。
流石に其処までは考えていなかった可南は真由を助けたのだが、ショックを受けた真由は「もう限界です」と叫ぶや窓から身を投げてしまった。
謎の転落死の真相は事故ではなく追い詰められた自殺だったのだ。

渚は桐谷を取り戻す為には、全てを明かすしかないと主張。
怯える可南に代わり由香里が謝罪会見を行うこととなった。
その翌日、桐谷は解放されることに。

数日後、タクシーに乗った渚はそれがあの日のタクシーであることに気付く。
そして運転手が真由の父親であることにも。
その助手席には真由の母親が乗っていた。
彼らは渚に感謝すると出頭すると宣言するのであった。

同じ頃、事の経緯を知った謙人は「怪物め……」と呟く。
その視線の先には渚の写真が貼られていた―――エンド。

<感想>

「ヒガンバナ〜女たちの犯罪ファイル」が遂に連続ドラマ化!!
その名も「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」、その2話です。

ポイントは「誘拐犯の動機」でしたね。
目的を達成した真由の両親の何処かほっとした表情が印象的でした。
あれはやり遂げた故の表情だったのでしょうか。

やはり、気になるのはラストの謙人か。
渚の過去に繋がる人物の様子で注目すべきか。
3話にも期待!!

◆関連過去記事
「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」1話「殺害現場に残る真実の声」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【2016年1月】日本テレビ系「ヒガンバナ」が連続ドラマ化されるとのこと!!

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水曜ミステリー9「新・旅行作家 茶屋次郎 富嶽三十六景殺人事件  旅行作家茶屋次郎の新シリーズ登場!新たな旅行記を執筆するため富士山へ向かった茶屋は、偶然崖下で男性遺体を発見する。男の手にはなぜか富嶽三十六景の絵が…」(1月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「新・旅行作家 茶屋次郎 富嶽三十六景殺人事件  旅行作家茶屋次郎の新シリーズ登場!新たな旅行記を執筆するため富士山へ向かった茶屋は、偶然崖下で男性遺体を発見する。男の手にはなぜか富嶽三十六景の絵が…」(1月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

旅行作家の茶屋次郎(橋爪功)は、『週刊ロイヤル』の新編集長・烏丸桂子(高畑淳子)から、世界遺産を巡る新シリーズの企画書を渡される。その第一弾が富士山と聞いた茶屋は、葛飾北斎の富嶽三十六景をテーマにすることを思いつき、富士山の世界遺産登録の功労者だという『藤尾開発』社長・藤尾泰三(石丸謙二郎)に会いに行く。社長室に入ると、泰三と息子・藤尾憲之(草野康太)と共に、なぜか銀座で画廊を経営している元妻の袋田英恵(宮崎美子)がいた。助手として烏丸から依頼を受けたという。茶屋は困惑しつつも、熱い思いを抱く泰三が、開発に熱心な人がいると悩んでいることを知る。

図らずも、旅館に泊まることになった元夫婦。しかもロビーに現れた女(西原亜希)に「見てて欲しい」と赤ん坊を託されたかと思うと、その女はそのままタクシーに乗り行方をくらませてしまう。

タクシー会社を突き止めた茶屋は、女が降りた大蔵山の入口に向かうが、そこで見つけたのは、崖の下に倒れている男性の遺体だった。被害者は『松金不動産』社長・松金耕一(志賀圭二郎)。右後頭部に大きな傷があり、腕時計が『2時43分』で止まっている。しかも右手にはなぜか絵が握られていた。それは『藤尾開発』の社長室にあった富嶽三十六景の絵『広州伊沢暁』――。

そんな中、茶屋は旅館の女将から、『松金不動産』と『藤尾開発』がライバル関係にあったとの情報を得る。地元では有名な話で、大蔵山の土地をめぐってもめていたという。甲府南署の刑事が藤尾親子のもとへ訪ねると、泰三は松金社長との対立は認めたものの、あの土地は我々が買い上げたと主張する。また秘書の香坂高文(大浦龍宇一)は、社長の方針で、社員全員が富嶽三十六景のレプリカを持ち歩いていると証言する。しかし憲之のアリバイは曖昧で…。

そんな中、茶屋は、事件を探っている地元の新聞記者・黒川治夫(加藤虎ノ介)に、“面白いものを見せる”と呼び出される。そこでは『富士山の自然を守る会』がボランティア活動をしていた。泰三の隣には、守る会の会長で県会議員の宍戸大二郎(佐藤B作)の姿も。しかも一人娘の美香(多岐川華子)は、『松金不動産』の跡取り息子・智也(山口翔悟)と婚約中だという。「富嶽三十六景を使ってPRしたい」と得意げに取材に応える大二郎を、泰三は冷ややかな目で見ていた――。

ところが翌朝、泰三を迎えに行った憲之が、泰三の遺体を発見する。しかも手にはまたもや北斎の絵が。富嶽三十六景が繋ぐふたつの事件。果たしてこれは連続殺人なのか?
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

茶屋次郎は著名な旅行作家である。
そんな茶屋だが、今回は『週刊ロイヤル』の新編集長・烏丸桂子から世界遺産を巡る新企画を依頼されることとなった。

その第一弾は富士山。
其処で世界遺産登録の功労者である「藤尾開発」社長の藤尾泰三と息子・憲之を訪ねることに。
すると、其処には茶屋の元妻・袋田英恵までもが……どうやら、烏丸が助手として招いたようだ。

実は英恵に苦手意識を抱く茶屋。
戸惑いつつも、藤尾へ取材を開始する。
すると、富士山とその周囲の環境を守りたいと願う藤尾に反し、強硬な開発を訴える人々が存在することが判明する。

矢先、宿泊先の旅館でロビーに居た女から赤ん坊を預けられてしまう。
しかも、赤ん坊の母親らしき女はその場を逃げ出してしまった。

彼女を追った茶屋は大蔵山へ。
すると、崖下に男性の遺体を発見してしまう。

遺体は「松金不動産」社長・松金耕一であった。
右後頭部に大きな傷があったことから殺人事件と思われた。
しかも、松金の遺体は『富嶽三十六景』の1つ『広州伊沢暁』を握り締めて死亡していたのである。
奇しくも絵の描写と死体の状況が合致していることに意味を見出す茶屋。

「松金不動産」と「藤尾開発」とが富士山周辺の開発に伴い揉めていたことが判明。
さらに、藤尾の秘書である香坂高文により社長である藤尾の方針で社員全員が『富嶽三十六景』のレプリカを持ち歩いていたことも分かる。
だとすれば「藤尾開発」の人間が松金を殺害したのか!?

矢先、茶屋は地元の新聞記者・黒川治夫に誘われ「富士山の自然を守る会」の活動に参加する。
其処には藤尾や「守る会の会長」で代議士の宍戸大二郎、その娘の美香、美香の婚約者で松金の息子である智也らが参加していた。
宍戸は「富嶽三十六景を使ってPRしたい」と『甲州石班澤』の絵を手にアピールしていた。
絵に描かれた海に勢いがあると評する宍戸だが……。

その翌朝、藤尾までもが遺体で発見される。
死因は毒殺、ボトルからは毒が検出されなかったことからグラスに毒を盛られたものと思われた。
つまり、犯人は藤尾と酒を飲み交わしていたことになる。

直後、香坂が乗っ取り屋であることが判明。
香坂は「藤尾開発」を乗っ取ろうとしていたのだ。
しかし、当の香坂には藤尾の死亡推定時刻にアリバイがあった。
グラスに毒を盛ることは不可能だ。

そんな中、当の香坂が沼津の海岸で刺殺体で発見される。
ところが、手には『甲州石班澤』が握られていた。
茶屋は犯人がある勘違いをしていると考える。

一方、赤ん坊の母親の行方が突き止められた。
その正体は小嶋早紀なる女性、実は智也の恋人であり赤ん坊は彼との間の子供らしい。
だが、智也は美香を選んだ。
其処で智也の父である松金と今後について相談しようと大蔵山へ向かったのだと言う。
ところが、松金にも冷たい態度を取られた為にその場を立ち去ったのであった。

これから茶屋は松金の死が他殺ではなく事故による転落死だと判断する。
早紀が立ち去った後に、何者かが他殺に偽装したと考える。

此処で茶屋が思い浮かべたのは香坂である。
おそらく、香坂と松金は共謀していたのだろう。
藤尾により乗っ取りが上手く進まない香坂は松金に相談を行おうとして、その死体を発見した。
このとき、香坂は松金の手に『富嶽三十六景』を握らせることで藤尾も殺害し連続殺人に偽装出来ることに気付いた。
其処で松金の手に『広州伊沢暁』を握らせたのである。

その後、香坂は藤尾を毒殺した。
香坂のアリバイだが毒をグラスに盛ったと考えるから成立するのであって、ボトルに仕込んだ上でボトル自体を摩り替えてしまえば成立しないものだったのだ。

では、当の香坂を殺害したのは誰なのか?
茶屋にはある心当たりがあった。

茶屋が訪れたのは宍戸のもとだ。
香坂殺害について問われた宍戸はあっさりと罪を認める。
何でも、香坂は松金のスマホから裏帳簿のデータを手に入れていた。
其処には松金から宍戸への不正献金の流れも記録されていたのである。
宍戸によれば香坂に脅されたことが動機だそうだが……。

しかし、茶屋は静かに首を横に振る。
犯行当日には黒川が宍戸を見張っており、犯行は不可能だったのだ。

そして茶屋は指摘する。
犯人は宍戸同様に『甲州石班澤』について勘違いしている人物だ、と。

その正体は宍戸の娘・美香であった。
実は香坂は宍戸を脅迫した際に美香との結婚を要求していた。
香坂は宍戸の後継者になろうとしていたのだ。
これを知った美香は香坂を殺害したのである。

ところが、此処で美香は悩んでしまった。
連続殺人事件に偽装したいが『富嶽三十六景』のどの絵を用いるべきか困ってしまったのだ。
其処で父である宍戸が説明していた『甲州石班澤』を思い出し、沼津の海へと死体を遺棄した。

しかし、美香は大きなミスを犯していた。
『甲州石班澤』は海ではなく川を描いた作品なのである。
これを海と誤認したのは宍戸の評を聞いた人間だけであった。

こうして美香が逮捕され、事件は解決した。

烏丸へと報告に戻った英恵。
そんな英恵に意味ありげに目配せする烏丸。
実は、今回の件は烏丸が仕組んだ茶屋と英恵の復縁テストだったのである。
これに虚しく首を横に振る英恵。
どうやら、茶屋の復縁はまだまだ遠いようだ―――エンド。

<感想>

「旅行作家・茶屋次郎」シリーズ第13弾。
とはいえ、本作から一部キャストに変更があり「新・旅行作家 茶屋次郎」シリーズとなりました。
原作は「山岳刑事シリーズ」で知られる梓林太郎先生。

では、ドラマ版の感想を!!

一部に設定も変更となっていました。
茶屋の妻の名が袋田英恵へと変更になっていますね。
娘・沙織の設定はどうなんだろ……。

そして、三件の犯行が全てバラバラだったのは予想外でしたね。

1件目、松金の死は事故死。
2件目、藤尾の死は香坂による毒殺。
3件目、香坂の死は美香による刺殺。

そして、香坂が自身の計画を利用されて殺害される点も因果応報か。
また、あくまで美香自身ではなく香坂から借りた計画だった為に肝心の解釈を誤り露見へと繋がってしまった点も印象的でしたね。

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<キャスト>

茶屋次郎:橋爪功
袋田英恵:宮崎美子
烏丸桂子:高畑淳子
宍戸大二郎:佐藤B作
勝又哲郎:相島一之
藤尾泰三:石丸謙二郎
香坂高文:大浦龍宇一
女(小嶋早紀):西原亜希
黒川治夫:加藤虎ノ介
宍戸美香:多岐川華子
松金智也:山口翔悟
藤尾憲之:草野康太
広瀬巡査:遠山俊也
旅館女将:元井須美子
松金耕一:志賀圭二郎 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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