2016年01月25日

『アルゴリズム・キル』最終話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年2月号』掲載)

『アルゴリズム・キル』最終話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年2月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

私は今、県警本部の捜査に必要とされていない――大人気警察小説シリーズ、再始動!
(光文社公式HPより)


<感想>

『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続く、2016年1月時点でのクロハシリーズ最新長編『アルゴリズム・キル』。
『小説宝石 2015年6月号』より連載開始されていた本作も遂に9話で最終話を迎えることに。

遂に事件の全貌が明らかに。
其処にはある人物の影が!!
あの人こそ黒幕と思いきや、まさかあの人が黒幕だったとは……。
この黒幕、影響力を動機として語っていましたが支配欲の強い人物だったのでしょう。

そして、クロハはジロウにこれまで救えなかった人々を重ねていたのか。
もしかすると、アイを其処に見ていたのかもしれないなぁ。

意外な展開に、意外な黒幕の登場の最終話。
ネタバレあらすじはかなり改変を加えているので注意!!
あらすじを読んで興味を持たれたら本作にチャレンジすべし!!

<ネタバレあらすじ>

◆前回までのあらすじ

『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』と2つの事件により所轄署の警務課へ異動となったクロハ。
続けて大切な者を失ったことで半ば自暴自棄の状態であった。

矢先、イベントの警護に駆り出されたクロハは女性の遺体を発見する。
その遺体は激しい暴行を加えられ、全ての歯を折られた無惨なものであった。
とはいえ、クロハが捜査に携わることは無い―――少なくとも此の時点ではその筈であった。

そんなある日、警務課に出動要請がもたらされた。
児童相談所から児童虐待の現場に同行する人手を出すように依頼されたのだ。
これに応じたクロハは区役所職員のイマイ、タカシロと出会う。
イマイから「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護を求めらたクロハ。

同じ頃、シイナから「バーチャル陣取りゲーム」こと「侵×抗」に関与している「Kiru」なる人物の情報がもたらされる。
シイナによれば「Kiru」が立てたポータルの近くには必ず他殺体が放置されているらしい。

調べを続けたクロハはイマイの依頼と「Kiru」が重なり合うことに気付く。
「Kiru」はクロハが探す少年たちが所属するグループに居るのだ。
さらに、戸籍において実在が確認出来ない子供たちが殺し合いを行っていることも判明。
これはどういうことなのか!?

一方、何者かの監視に気付いたクロハに会計課員のニシが接近。
クロハに正義を行う為に必要な品を手渡そうとするのだが射殺されてしまう。

実はクロハが所属する所轄署で不正が行われており、ニシはこれを告発しようとして口封じされたのだ。
だが、ニシが別ルートでクロハに託した証拠データにより不正は糾弾されることとなった。
これにより、クロハは捜査一課へ復帰する。

・前回はこちら。
『アルゴリズム・キル』8話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年1月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

◆最終話あらすじ

戸籍において実在を確認出来ない子供たちが互いに殺し合いを行っていることを突き止めたクロハ。
これをどうイマイに伝えるか苦しむことに。

矢先、その子供たちのグループを主導する大人が居ることが判明。
どうやら、その大人が黒幕となって殺し合いを演じさせているようだ。

しかも、子供たちのグループに所属する1人の青年が地域課の職員に助けを求めていたことも明らかに。
どうやら、その少年が「Kiru」でありポータルを立てていたらしい。
「Kiru」は黒幕により殺し合いをさせられることを嫌い、必死に存在を訴えていたのだ。

そんな中、区役所の占拠事件が発生する。
様子を見に入った刑事が3人、戻って来ないことで現場は騒然となる。

直後に犯人から指名を受けたクロハが突入したところ、中に居たのはイマイであった。
まさかイマイが犯人なのか!?
いや、イマイの視線の先を追った其処には銃を構えたタカシロが立っていた。
そう、子供たちを支配する黒幕の正体はタカシロだった。

タカシロによれば純粋に正義に生きるクロハやイマイが許せないらしい。
其処でタカシロは自身の影響力を誇示すべく、戸籍のない子供たちを集め組織化した。
その上で殺し合いを演じさせ支配欲を満足させていたのだ。

タカシロによれば「侵×抗」を通じて外部に助けを求めていた裏切り者・ジロウは今頃、死の危機にあると言う。
タカシロは見せしめにすべくジロウを何処かに監禁したのだ。
ジロウに与えられたのは通信機能の備わったゲーム機本体と水1本のみ。
クロハたちが見つけなければ確実に命を落とすのである。
さらに、タカシロはその場で拳銃自殺を行いジロウ探索の手掛かりを絶ってしまう。

焦るクロハはイチかバチか「侵×抗」に助けを求める。
ジロウの正体が「Kiru」ならばゲーム機を通してポータル申請をしている筈と考えたのだ。

早速、調べたところそれらしきアカウントを発見。
これを追跡し、箱に閉じ込められたジロウを救出することに成功するのであった
クロハはジロウの助けを求める声を今度こそ聞き届けたのだ―――『アルゴリズム・キル』了。

◆関連過去記事
『アルゴリズム・キル』1話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年6月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』2話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年7月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』3話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年8月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』6話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年11月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』7話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年12月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』8話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年1月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『エコイック・メモリ』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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ドラマスペシャル「黒の斜面 檀れい主演!映画史に輝く名作サスペンスが、豪華キャストで復活!飛行機墜落で死んだはずの夫は生きていた…1億円横領と愛人殺人容疑者として!?」(1月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマスペシャル「黒の斜面 檀れい主演!映画史に輝く名作サスペンスが、豪華キャストで復活!飛行機墜落で死んだはずの夫は生きていた…1億円横領と愛人殺人容疑者として!?」(1月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

神奈川・葉山の海岸沿いの家で、大手建設会社勤務の夫・辻井高史(原田泰造)と2人で暮らす、妻の圭子(檀れい)。結婚して10年になる2人だが、高史が圭子の誕生日にブルーサファイアのペンダントをプレゼントするほど夫婦仲はよく、周囲から理想の夫婦と思われていた。だが、いつしか互いに本音を隠し、気を遣いあって暮らすようになっていたのも事実だった。
ある日、圭子には見覚えのない紫色のキャリーバッグを持って、高史が帰宅。普段は優しい高史だが、いつになくピリピリした様子で、「熊本出張に持っていく会社の極秘書類が入っているから、キャリーバッグには絶対に触るな」と圭子に告げる。
高史は急遽その日の最終便で現地に向かうことになった。だが別れ際に圭子は、紫のキャリーバッグの中に一万円の札束が大量に詰まっているのを、偶然目にしてしまう。圭子は不吉な予感に襲われながらも、その大金について問いただすことができないまま、高史を見送った。
羽田空港に到着した高史は、思わぬ人物に声をかけられる。先日、電話で別れを告げたはずの不倫相手・川上妙子(内山理名)が待ち伏せしていたのだ。
「奥さんにすべてばらす」と妙子に脅された高史は、同僚の清水吉郎(牧田哲也)一人を最終便で先に行かせ、自分はひと晩、妙子の部屋に泊まってから、明朝の便で追いかけることにする。そして高史は余ったチケットを、婚約者の待つ熊本にどうしても行きたいと懇願する若い男・田島誠一(金子貴俊)に譲った。
ところが、高史が乗る予定だった最終便が離陸直後に墜落! 高史がシャワーを浴びている最中にそれを知った妙子は、様々な細工を施し、高史にその事実を隠すことを決意する。
墜落事故からしばらく経って、その報せをようやく妙子から聞かされた高史はがく然! しかも、生存が絶望視されている搭乗者リストの中には、高史の名前が載っていた。どうやらチケットを譲った田島が、名義変更をせずに乗ったようだ。
あわてて圭子や会社に連絡しようとする高史。だが妙子は「今さらのこのこ出て行って、この状況をどう説明するつもり?」と平然と告げる。
一方、突然の事態に動揺する圭子に追い打ちをかけるように、高史の上司・外山光司(渡辺いっけい)が、高史に関するある疑惑を打ち明けた。高史は熊本の大物議員を買収するため、経理部の女性社員・羽田美雪(遠藤久美子)が横領した1億円を紫色のキャリーバックに入れ、出張前に会社から密かに持ち出したようだ、と外山は圭子に言う。
だが圭子はその後、山名ひとみ(北原里英)と出会ったことで、高史の死に疑問を抱きはじめる。ひとみによると、彼女の婚約者・田島は熊本行き最終便が飛び立つ直前、電話で「“ツジイタカシ”という人にチケットを譲ってもらった」と話していたという。
高史は事故機に乗っていなかった…!? だとしたら生きているはずなのに、なぜ連絡してこないのか…!? 圭子の中で夫に対する“黒い疑念”がわき上がってきて…!?
その頃、墜落現場近くの海岸で、美雪の絞殺死体が見つかっていた――。同じ会社で働く人間がほぼ同時に空と陸で死を遂げたことに、本間刑事(佐野史郎)は不審を抱くが…!?
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

辻井圭子は神奈川県葉山にある海岸沿いの家に暮らす主婦だ。
夫で大手建設会社「天空建設」の営業課長・高史と2人で平穏に暮らしており、周囲からも円満な夫婦として祝福されていた。

だが、結婚して10年が経過した頃から2人の間はギクシャクし始めた。
高史に別の女の影が見え始めたのだ。
不安がる圭子だが、高史は圭子の誕生日にブルーサファイアのペンダントを贈る。

ある日、高史が圭子の見覚えの無い紫色のキャリーバッグを持って帰宅した。
高史は圭子にソレに触れないよう厳命、出張の準備を整えるやキャリーバッグを手に追われるように空港へと旅立った。

しかし、圭子は見てしまったのだ。
キャリーバッグの中に大量の現金が収められていた光景を。
圭子は高史が何かをしているのではないかと恐れ戦く。

一方、高史は空港で部下の清水吉郎と合流していた。
ところが、其処に1人の女性が現れる。

相手は川上妙子、高史の不倫相手だ。
だが、先日のこと高史は妙子に別れ話を切り出したばかりであった。
困惑する高史に対し、妙子は「奥さんに関係をばらされたくなければ一晩付き合いなさい」と脅迫する。

仕方なく妙子に従うことにした高史は清水を先に行かせることにする。
余ったチケットは予約キャンセル待ちをしていた若い男・田島誠一に譲った。

妙子のことこそ予想外だったが、その日が終わっても高史にとっては日常が続く筈であった。
ところが、高史が妙子の部屋に一泊している間に世の中は急変していた。

なんと、高史が乗る筈だった予定の飛行機が墜落したのだ。
しかも、田島が名義変更せずに搭乗していた為に高史が死亡していたことになっていた。
この事実を妙子は早期に知りながら、高史に伝えていなかったのである。
此の為に高史は生存を名乗り出る機会を失い彷徨うこととなった。

同じ頃、飛行機の墜落事故を知った圭子は搭乗者リストに高史の名を確認し放心状態に。
そんな圭子に高史の上司・外山光司が近付く。
外山によれば高史が経理部の羽田美雪と共謀し1億円を横領したと告げる。
圭子は目にした紫色のキャリーバッグの中身を思い出す。

その頃、墜落現場付近の海岸で女性の絞殺死体が発見されていた。
この被害者こそ羽田美雪だったのだ。
天空建設から横領の被害届が提出されたことで美雪と高史に容疑が向かう。
捜査を担当する本間刑事は高史が美雪を殺害したのではと考え始める。

翌日、圭子は山名ひとみと出会い驚くべき事実を知ることに。
なんと、ひとみによれば高史が田島にチケットを譲ったと言うのだ。
田島は搭乗直前にひとみに「ツジイタカシ」からチケットを譲り受けたと話していたのである。

もしかして、高史と思われているのは田島であり、高史は生きているのか!?
だとすれば、どうして名乗り出ないのか……圭子の胸を不安が過る。

その頃、当の高史はと言えば彼をからかうような妙子の言動に苛立ちを隠せず彼女のもとを去ろうとしていた。
今更ではあるが名乗り出ようと心に決めたのだ。
ところが、妙子に1億円を隠されてしまい途方に暮れることに。

翌日、圭子は高史の遺品を整理する中で宝石店の領収書を見つける。
其処にはブルーサファイアのペンダントとピンクサファイアの指輪が記載されていた。
圭子にピンクサファイアの指輪について心当たりはない。

不安が濃くなった圭子は宝石店を訪れ、高史が別の女性の為にピンクサファイアを購入していたことを突き止めた。
さらに高史が遺した名刺から妙子に辿り着くことに成功する。

圭子を前にした妙子は高史が心の癒しを求めて自分を愛したと挑発。
だが、高史の生存については頑なに否定する。

妻の勘で妙子が嘘を吐いていると察した圭子はこれを尾行し自宅を突き止めると家捜しを行う。
しかし、其処に高史は居なかった。
実は高史は妙子の態度に怯えて彼女のもとを飛び出していたのだ。

その翌朝、自宅に居た圭子を本間が部下を連れて訪れた。
本間は辻井家を家宅捜索し、敷地内の隅に隠されていた美雪の鞄を発見する。
これにより、本間は高史を美雪殺害犯と断定し公表する。

そんな本間に反発する圭子。
しかし、本間によれば外山が「高史と美雪が不倫していた」と明かしたことを教える。

これを聞いた圭子は逆に外山を疑い、本間に彼を調べるよう訴えた。
さらに高史が生きていること、また高史が愛人にピンクサファイアの指輪を贈っていたことも語り、美雪が高史の不倫相手ならばピンクサファイアの指輪を所持していなければならないと伝えた。

圭子の姿に心を動かされた本間は捜査方針を転換する。
美雪の所持していた宝石類を調べたところ、ピンクサファイアは発見されず代わりにダイヤの指輪が見つかった。
この購入者が外山だと判明。

外山は美雪への結婚の約束を餌に横領に協力させていたのだ。
どうやら、外山、高史、美雪の3人が共謀していたらしい。

この事実を突き付けられた外山は横領の事実と高史に罪を着せようとしたことまでは認めるが、美雪殺害は否定する。
美雪は内部告発をしようとしていたようだが。

一方、高史の生存を信じる圭子はテレビで彼へ向けて「帰って来て」と訴えた。
これを夫婦2人の想い出の地、恋人岬で目にした高史は耐えられず圭子へ電話を入れる。
静かに電話口の圭子の声を聞き、泣き続ける高史。
その背後に流れる鐘の音を圭子は聞き逃さなかった。

翌日、高史は妙子に連絡を入れ「一緒に生きて行く」と宣言し1億円を届けるように伝える。
これに喜んだ妙子は隠していた1億円を手に恋人岬へ。

だが、これは高史の巧妙な罠であった。
高史は1億円を手に入れると妙子を置いて出頭しようと試みる。

ところが、其処に圭子が訪れた。
鐘の音から居場所を推測したのだ。
妙子は圭子に強烈な敵意を向ける。

そんな状況の中、さらに本間刑事たちが現れる。
なんと、殺害直後に消えていた美雪の車が発見され其処から妙子の指紋が検出されたのだ。
美雪殺害犯は妙子であった。

殺害当日、内部告発を決意した美雪は高史へそのことを訴えていた。
これを妙子は密かに監視しており、美雪の告発で高史を失うことを怖れ殺害してしまったのだ。
美雪の鞄を辻井家に放置したのも妙子である。
高史に罪を着せ、圭子のもとに戻れないようにする為だ。

すべてを語った妙子は逮捕された。

圭子は高史を許し、共に生きて行くことを誓う。
高史は業務上横領の共犯で逮捕された。
夫婦が再会出来る日は何時の日か―――エンド。

<感想>

1971年に公開された映画「黒の斜面」のドラマ版リメイク作品。
映画版では加藤剛さん、岩下志麻さん、市原悦子さんが出演されていました。

では、ドラマ感想を!!

飛行機墜落事故を転機に斜面を転がるように転落する高史。
ですが、実は事故以前から横領に手を染めた段階で高史は既に闇へと転落していた。

そんな高史の周囲には2人の女性が居た。

1人は高史の妻・圭子。
彼女は誰からも好かれるが媚びることなく毅然とした女性だ。

そしてもう1人は高史の愛人・妙子。
恵まれない境遇にあることから周囲を妬み続け相手を傷付けることを厭わない女性だ。

高史の人生は妙子によって物理的に生命を救われたものの、それにより実質的な死人にされてしまった。
そんな高史に再び実質的な生命を与えたのは圭子でした。

あの飛行機に高史を乗せてしまった圭子は彼の命を間接的に奪うことになりましたが、それは「闇に堕ちた高史」を殺し再生の機会を与えることになりました。
反面、妙子は「闇に堕ちた高史」が再び生を得られる機会を何度となく奪うことに。

例えば、美雪の内部告発。
例えば、高史の出頭。
その悉くを妙子は妨害しました。

果たして妙子は本当に高史を愛していたのでしょうか?
それとも、圭子を妬むことで間接的に高史に執着していただけなのでしょうか?

対照的な圭子と妙子の姿は視聴者に様々な想いを投げかけます。

そんな本作ですが良かったですね〜〜〜思わず圭子に感情移入してしまいました。
圭子役の檀れいさんの淡々と抑えながらも感情を滲ませる演技。
妙子役の内山理名さんの演技も本当に上手くて「ぐぬぬ……コイツぅぅぅぅ」と歯噛みするほど。
結果、何度となくテレビに向かって「ソイツとは別れろって!!」と叫ぶことに。
ぐぅ、恥ずかしい……。

ただ、結末が頂けないかなぁ。
実は映画版「黒の斜面」のあらすじを「映画.COM」さんで拝見した(映画版は未視聴)のですが、そちらがかなり凄かったのです。
あくまであらすじのみでの印象となりますが、男女の愛憎がより濃く反映されていたとでも言うべきか。
個人的にはあちらだからこその「黒の斜面」とのタイトルだと思ったり。

とはいえ、本作は本作でかなり集中して視聴出来ました。
アリです!!

<キャスト>

辻井圭子(39):檀 れい
高史の妻。結婚10年目を迎え、神奈川・葉山に念願の自宅を購入、新居に引っ越したばかり。学生時代に服飾を学んだ腕を生かし、主婦業の傍ら、帽子工房でデザイナーとして働いている。高史の死を信じられず、生存の手がかりを追ううち、夫に対して疑念を抱きはじめ…!? 穏やかで控えめな性格だが、内に秘めた強さを持ち、夫の生存の可能性をひたむきに探る。

川上妙子(29):内山理名
高史の不倫相手。神奈川・鶴見のスナックに勤めるホステス。父が借金を残して自殺し、高校を中退して働かざるを得なくなった辛い過去がある。長い間、周囲に心を閉ざして生きてきたが、偶然高史に出会い、彼が自分を冴えない世界から救い出してくれる存在のように感じ、先の見えない関係にのめり込んでいく。圭子に敵意を抱き、圭子の周囲に出没する。

辻井高史(42):原田泰造
圭子の夫。天空建設本社営業部課長。お人好しだが、小心者で不器用な男。社内でも愛妻家として知られているが、日常のしがらみに嫌気がさし、ふと電車を降りた駅で妙子と出会い、妻に隠れて会うようになった。最終便の飛行機で熊本出張に発つはずが、妙子に引きとめられたことから、“死亡者扱い”となってしまい、思いもよらない運命に巻き込まれていく…。

外山光司:渡辺いっけい
天空建設本社営業部部長。高史の上司。夫・高史を亡くしたばかりの圭子を励ますが…!?

羽田美雪(35):遠藤久美子
天空建設本社経理部員。会社の内部監査で1億円を横領した疑いが明らかになった矢先、無断欠勤。その後、葉山近くの海岸で他殺体となって発見される。

本間刑事:佐野史郎
神奈川県警刑事。美雪の殺害事件を捜査するうち、高史の犯行を疑いはじめる。高史が密かに生きているのではないかと怪しむが…!? ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


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ラベル:黒の斜面 1月24日
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