2016年02月01日

「実は私は」第145話「朱美みかんと黒峰朝陽」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第145話「朱美みかんと黒峰朝陽」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あっ、はい、決まったんですね。ありがとうございます」
電話口の相手に向けて感謝の言葉を述べるみかん、その表情は何処までも明るい。
だが、通話を終えた途端に曇ってしまった。
何やら考え込むみかんだが……。

その日の夕方、みかんは凛と結香相手にお手製のハンバーグを振る舞っていた。
無邪気に喜ぶ凛たち、ところがみかんはハンバーグと引き換えに未来の情報について問い質す。
それは……みかんの結婚相手のことだ。

分かっていることは次の3点。

@凛の苗字は「黄龍院」。
A凛は朝陽の孫であり、みかんを「おばあちゃん」と呼ぶ。
B朝陽の妻はみかんではない。

これらから、みかんは次のように考えていた。
朝陽と妻との間に生まれた「朝陽の娘」とみかんと黄龍院姓の男子の間に生まれた「みかんの息子」が結婚して出来た孫が凛なのだ、と。

みかんはこの推測が正しいかどうか凛へと詰め寄る。
ところが、あの凛がこれに関しては頑なに情報開示を拒否することに。
何やら言いたそうな結香だが、そんな結香さえ凛は顧みない。

ハンバーグでさえ凛の口を割らせることが出来なかったことにショックを受けたみかんは飛び出してしまう。

昔から傷心を慰めて来た公園を訪れたみかん。
そんな彼女を励まそうとするフクちゃん。
だが、みかんはコレを拒否、今度はフクちゃんがみかんのもとを逃げ出すことに。

ようやく1人になったみかん、これで静かに泣ける……と感情を露にしようとするのだが。
其処へ見計らったように朝陽が現れる。

(いつも、いつも、こうなのよ)

そう、いつもこうだったのだ。
みかんが苦しみ悩んでいるとき、その傍にはいつも朝陽が居たのである。

朝陽の存在の大きさを改めて実感したみかんは思わず口にしてしまう。
就職が決まり、卒業に伴いこの町を離れてしまうことを。
すなわち、朝陽とも離れてしまうのだ。

泣きながら朝陽の胸へ飛び込んだみかん。
そんなみかんに胸を貸しつつも、声をかけられない朝陽。
同情では駄目だ、朝陽はみかんに対して何も約束出来ないことに気付いてしまったのだ。

朝陽の態度の意味を理解したみかんはその場を逃げるように立ち去る。
無言でみかんを見送る朝陽。

一方、そんな2人を見守る人影が居た。
岡である。
みかんの行動を目にした岡の胸に去来する想いとは―――146話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻も重版出来とのことで目出度い。さらに15巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

その145話。
サブタイは「朱美みかんと黒峰朝陽」。

以前から仄めかされていたみかんの進路が確定。
これにより、朝陽との別れが示唆されました。
これがみかんの焦りを募らせ、本音を呼び起こしたか。

しかし、朝陽も成長していました。
葉子とならば未来を約束出来てもみかんには出来ないことを理解しており、安易な同情には走らないことに。
そんな朝陽の真意を汲み取り、みかんもまた彼の傍を離れました。

そして、これを目撃した岡。
さくらの例もあり、いよいよ岡が動くか。

此の展開だと、思ったよりも岡に脈がありそうな印象。
「すぐには無理だがいつか振り向かせて見せる」で現状を維持しつつ良い関係を築ける可能性もある!?
また、結香の態度からするとみかんの結婚相手には何か秘密がありそうな予感。
みかんの予想が敢えて読者に提示されたことでソレを裏切る何かがあるかも……いずれにしても此処が2人の関係を分けると思われる。
果たしてどうなる!?

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス15巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子に!!
そして15巻は獅穂たち三人娘に!!ああ、嶋よ……。
こうなると16巻は「明里とさくら」か「明里、茜、華恋」かなぁ。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第140話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第141話「紅本先生とさくらさんB」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第142話「紅本先生とさくらさんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第143話「紅本先生を取り返そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第144話「クラスメイトと仲良くしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?

稲葉:葉子のクラスメイト。
松本:葉子のクラスメイト。
佐々木:葉子のクラスメイト。彼氏と別れたばかり。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『クララ殺し』第4話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.74 DECEMBER 2015』掲載)

『クララ殺し』第4話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.74 DECEMBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

事件関係者たちの証言を集めて回るスキュデリとビル。 どうやらスキュデリは何かをつかんだらしく……
(東京創元社公式HPより)


<感想>

小林泰三先生の新作長編『クララ殺し』が『ミステリーズ!』にて連載中です。
今回はその第4話。

今回、井森により露天くららのメモが回収されました。
其処には「わたしが死んだらクララを探して、マリーはいいわ」との内容が。
これがダイイングメッセージだとすれば、くららはクララを疑っていたことになるか。

また、くららは溺死体で発見。
今回、マリーも溺死体で発見されている。

これが何を意味するか……「くららのアーヴァタールはマリー」なのではないか。

くららは自身の命を狙う真犯人の正体を突き止める為に死を偽装していたのではないでしょうか。
落とし穴に残された血はくららによる偽物とか。
ところが、マリーが殺害されてしまった為にくららも死亡した。

もしも、この仮説が正しいとすれば本作『クララ殺し』の意味は「クララが被害者」ではなく「クララによる犯行」の可能性も出て来たか。

いずれにしろ、これによりクララの友人たちのアリバイも無意味に。
何しろ、クララではなくマリーが目撃したことになるので。

おそらく、スキュデリもこの仮説に立っているように思われますが……。
もう1度どんでん返しがありそうな気もするのが……。
5話からも目が離せそうにありません。

さらに作者お馴染みの新藤礼津に続き岡崎徳三郎も登場。
『アリス殺し』での谷丸警部たちのような役割を果たすのか!?
こちらも注目!!

ちなみにネタバレあらすじは大幅に改変しています。
どちらかと言えば、かなりライトにしました。
本作はもっとヘヴィかつブラックです。
興味のある方は本作それ自体を読むことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
【地球】
井森:『アリス殺し』から再登場。大学院生。アーヴァタールは蜥蜴のビル。
露天くらら:アーヴァタールはクララらしいが……。
ドロッセルマイアー:工学部教授。本人曰く「アーヴァタールはドロッセルマイアー」。
鼠:車中で焼死していた鼠。くららを襲った車に乗っていた。
諸星:くららの知人。千秋の父。
諸星の家内:諸星の妻。諸星とは別居中。
千秋:諸星の娘。くららの教え子。
新藤礼津:謎の女性。
岡崎徳三郎:謎の男性。

【ホフマン宇宙】
蜥蜴のビル:『アリス殺し』から再登場。相変わらず場を掻き乱すことに。
クララ:ビルが出会った車椅子の少女。
ドロッセルマイアー:判事。
シュタールバウム:クララの父親。
フリッツ:クララの兄。
鼠:クララ殺しを図ったとして処刑された。
スパンツァーニ:ナターナエルの師匠。
ナターナエル:スパンツァーニの弟子。
オリンピア:スパンツァーニが作った自動人形。
コッペリウス:ドロッセルマイアーと犬猿の仲の弁護士。
マリー:クララの友人の1人。クララ宅の自動人形。
ピルリパート:クララの友人の1人。姫。
若ドロッセルマイアー:判事と同姓同名の別人。ピルリパートの恋人。
ゼルペンティーナ:クララの友人の1人。正体は蛇。
トゥルーテ:クララ宅の自動人形。
パンタローン:スキュデリの部下。
スキュデリ:ビルに協力を申し出る。
ロータル:クララの兄……の記憶を植え付けられている。

・前回はこちら。
『クララ殺し』第3話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.73 OCTOBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)


井森の提案を受けたスキュデリによりホフマン宇宙のクララ関係者に聴取が行われることとなった。
これに対しドロッセルマイアーは懐疑的な姿勢を崩さない。
特にクララの友人にも聴取すべきとするスキュデリをドロッセルマイアーは批判する。

露天くららによれば「彼女のアーヴァタールが友人たちが山車に乗る姿を目撃」している。
その後、友人たちが山車に乗っている間に露天くららが落とし穴に嵌り死亡。
つまり、くららの証言が正しければ友人たちには山車に乗っていたとのアリバイがある。

しかし、スキュデリには何やら考えがある様子で聴取を譲らない。
こうして、クララの友人であるオリンピア、ピルリパート、ゼルペンティーナたち3人たちへ聴取が行われた。
それぞれがそれぞれらしく供述する3人、ビルからすれば特に不審な点は見受けられないようだが……。

続いて、記憶を植え付けられたことで自身をクララの兄だと信じているロータルに聴取を敢行。
ロータルはナターナエルがクララを殺そうとして死亡したと主張する。
しかし、ナターナエルが死亡したのはクララが落とし穴に転落した後のことである。
つまり、ナターナエルよりもクララが先に死亡している。
その死の現場にクララが居ることは時系列上不自然なのだ。
これに気付いたロータルは自己矛盾に陥り思考停止してしまう。

現実世界でドロッセルマイアーや礼津と対策会議を行う井森。
井森は事態打開の為に現場検証を行うべきと主張、2人に冷笑されながらも単独で実行に移す。

まずは、くららと思しき遺体が発見された川だ。
ところが、待てど暮らせど特に収穫はない。
肩を落とす井森を見かねて声をかける人物が居た。
岡崎徳三郎と名乗った相手は井森に助言を授ける。

岡崎の言葉に感銘を受けた井森は落とし穴の現場へ。
すると、落とし穴の其処にある例の白い物が目に付いた。
拾い上げてみると、其処にはくららの筆跡で「わたしが死んだらクララを探して、マリーはいいわ」との文字が。
直後、井森はまたも何者かの襲撃を受けて絞殺されてしまう。

ビルから事の顛末を伝え聞いたドロッセルマイアーは繰り返される井森の死を嘲笑う。
一方、スキュデリは緊張の表情を崩さず、メモの件からもマリーに秘密が隠されていると主張。

其処に若ドロッセルマイアーが来訪。
なんと、当のマリーが溺死体で発見されたことを伝えて来る。

これを聞いたスキュデリは何やら確信した様子でビルに井森への伝言を託すが―――5話に続く。

◆「小林泰三先生」関連過去記事
【書籍関連】
『アリス殺し』(小林泰三著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第1話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.71 JUNE 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第2話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.72 AUGUST 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第3話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.73 OCTOBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『愛玩』(小林泰三著、新潮社刊『小説新潮 2015年3月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

「ドッキリチューブ(『完全・犯罪』収録)」(小林泰三著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
【2014年】「啓文堂書店文芸書大賞」が決定!!栄冠は小林泰三先生『アリス殺し』(東京創元社刊)に輝く!!

『クララ殺し』第4話が掲載された「ミステリーズ! vol.74」です!!
ミステリーズ! vol.74



『クララ殺し』第3話が掲載された「ミステリーズ! vol.73」です!!
ミステリーズ! vol.73





『クララ殺し』第2話が掲載された「ミステリーズ! vol.72」です!!
ミステリーズ! vol.72





『クララ殺し』第1話が掲載された「ミステリーズ!vol.71」です!!
ミステリーズ!vol.71





『愛玩』が掲載された「小説新潮 2015年 03 月号 [雑誌]」です!!
小説新潮 2015年 03 月号 [雑誌]





「アリス殺し (創元クライム・クラブ)」です!!
アリス殺し (創元クライム・クラブ)





キンドル版「アリス殺し」です!!
アリス殺し



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