2016年02月04日

『ポイズン・ドーター』(湊かなえ著、光文社刊『宝石 ザ ミステリー 2016』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『ポイズン・ドーター』(湊かなえ著、光文社刊『宝石 ザ ミステリー 2016』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<感想>

湊かなえ先生の短編作品です。

ラストの理穂のメールや、タイトル『ポイズン・ドーター』の意味を考えるに「弓香の心構え、被害者意識にこそ問題があった」となるのでしょうか。
ただ、本作は他にも捉え方がありますね。

例えばラストのメールの意味は「母に代わり理穂らが弓香の新たな頭痛の種になる」。
あるいはメールの内容自体が理穂の誘導であり「理穂こそが全ての黒幕である」とも捉えられそうです。
答えは読者の数だけあるのかもしれません。

あらすじはまとめ易いようにかなり改変しています。
興味を持たれた方は本作それ自体を是非ご覧頂きたい!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
弓香:主人公、女優
理穂:弓香の同級生

女優としてブレイクを遂げた弓香。
だが、彼女は常に頭痛に悩まされていた。
頭痛の原因は母だ。

弓香は常に母に支配されていた。
友達も母に選ばれてしまった。
進路も母に押し付けられたのだ。

だが、弓香はこれに反発し女優を目指して上京した。
母はこれに悲劇の母親を演じ続けた。
弓香は常に苛立ちを感じつつ、黙認せざるを得なかった。
弓香は母のことを思い出すたびに頭痛を抱えるのだ。
いっそのこと、全てを暴露してしまえばどうだろうか……。

そんな弓香を癒すのは理穂だ。
理穂は弓香の同級生、亥年と子年の集まりで「イノチュー会」を主催している。

数日後、理穂から「イノチュー会」メンバーにメールが配信された。
其処には弓香の母が事故死を遂げたこと。
世間ではテレビ出演した弓香が母を一方的に批判したことが原因だとされていること。
だが、弓香の母は最期まで弓香を想っていたこと。
その意志を継ぎ、今後は「イノチュー会」が弓香を支援して行こうと記されていた―――エンド。

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【その他情報】
“本の雑誌”こと「ダ・ヴィンチ」にて湊かなえ先生特集が掲載、しかも古屋兎丸先生によるコミック版「贖罪」も!!

2010年公開ミステリ系映画(「告白」、「悪人」、「インシテミル」)、DVD化続々

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【ドラマ情報】湊かなえ先生『夜行観覧車』(双葉社刊)がTBS系金曜23時枠にて連続ドラマ化決定!!

湊かなえ先生原作『花の鎖』がスペシャルドラマ化か!!

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「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」4話「愛の悲劇…女性科学者が謎の爆死!」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」4話「愛の悲劇…女性科学者が謎の爆死!」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

深夜、ある公園の池で突然爆発が起こり、池の中を歩いていた女性が遺体で発見された。死亡したのは、先端科学研究所の研究員・曜子(月船さらら)。爆発現場からも遺体からも爆薬は発見されず、手がかりは近くに落ちていたライターと謎の人影の目撃証言のみだ。
曜子が最期までお金に執着していた声をシンクロで“聞いた”渚(堀北真希)は、彼女が誰かに貢いでいたのではないかと、上司の堂ヶ島教授(中原丈雄)に事情を聞きに行くことに。渚と共に研究所に向かった雪乃(檀れい)は、最近図書館で運命的に出会った好青年・三岡(萩原聖人)と再会する。曜子の同期だという三岡たちの証言から、曜子が事件当日、一級建築士とデートしていたこと、酒を飲んでいないのに具合が悪そうだったことが判明。そして、研究所のホープだった良美(西山繭子)が1年前に失踪していたことも明らかになる。
好きな本を通じて三岡と距離を縮め、急激に女性らしさを増していく雪乃に警視庁の面々が騒然とする中、捜査七課の調べで曜子が結婚詐欺に遭っていた可能性が浮上。婚活仲間の話によると、曜子は相手に一千万円以上貢いでいたらしい。一課は曜子を騙していた詐欺師の金沢(渋江譲二)を逮捕し、事情を聞くが、金沢は殺人容疑を否認する。
三岡から2月3日に会いたいと言われ、プロポーズではないかと心躍らせる雪乃。一方の渚は、独自に失踪した良美の周辺を調べ始める。そんな中、曜子と不倫関係にあった堂ヶ島が、事件当日、出張先の名古屋から密かに東京に戻っていたことがわかり…!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

捜査七課に所属する渚は高い共感能力を用いて被害者とシンクロすることが出来る刑事である。

そんな渚たちが今回担当した事件は「先端科学研究所に勤務する研究員・曜子の爆殺事件」。
深夜、公園内の人工池で爆発が起こり、何故か池の中に入っていた曜子が爆死したのだ。
池の中からは爆発物が検出されず、此の点が謎となっていた。

早速、曜子にシンクロした渚は彼女がお金に執着していたことから誰かに貢いでいたとの仮説を立てる。
曜子について上司の堂ヶ島教授に聴取を行う渚たちだが、其処で雪乃は三岡と再会する。
三岡は曜子の同僚、実は雪乃は数日前に図書館痴漢事件の捜査で彼と出会い好意を抱いていた。
思わぬ再会に運命を感じる雪乃は三岡へ猛アタック!!
普段と異なる雪乃の姿に渚たちは驚くことに。

一方、三岡らから曜子が複数の男性と交際していたことが判明。
その数、なんと5人である。
しかも、その中には堂ヶ島教授も含まれていたのだ。
とはいえ、曜子の本命は一級建築士・成川和仁だったらしい。
どうやら、曜子は成川に貢いでいたようだ。

ところが、成川和仁なる一級建築士は実在しなかった。
どうやら、成川の正体は結婚詐欺師のようだ。

一方、堂ヶ島教授の周辺で相馬良美なる研究員が消えていることが明らかに。
良美もまた堂ヶ島教授との関係が噂されており、出張先にも同行していたほどであったそうだ。
良美の日記には姿を消す前日に「Dと会う」と記載されていた。

そんな中、堂ヶ島教授が曜子をメールで呼び出していたことが判明し彼に容疑が集中する。

同じ頃、三岡は雪乃に「2月3日に話したいことがある」と告げられ、胸をときめかせていた。

矢先、成川を騙っていた金沢が逮捕された。
金沢は曜子から1千万円を騙し取っていたことは認めるが、殺害は否定する。
金沢によれば、曜子は「金のなる木を手に入れていた」らしい。
しかも、「ガジロウがどうとか言っていた」のだそうだ。

これを聞いた雪乃は「ガジロウ」ではなく「梶井基次郎」であると指摘。
梶井基次郎による『桜の樹の下には』の一節「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる」から良美が研究所裏の桜の樹の下に埋められていると考えるように。
掘り返したところ、良美の白骨死体が発見された。

その頃、渚は謙人から曜子殺害当日に堂ヶ島にアリバイがあることを聞かされる。
堂ヶ島は癒着を行っており、不正相手と密会していたのだ。

さらに良美とシンクロした渚は真相に至る。

渚たちが呼び出したのは三岡だ。
三岡は堂ヶ島教授のメールソフトを用いて曜子を呼び出すと水に触れると爆発する薬品を用いて爆殺したのである。

これを突き付けられた三岡は「2月3日まで待ってくれ!!」と土下座する。
全ては良美への贖罪の為であった。
良美の日記にあった「D」の正体はドイツ語で「ドライ」を指す「三」、すなわち「三岡」だったのだ。
良美殺害も三岡の犯行だったのである。

1年前、良美と交際していた三岡。
2人は結婚を約束していたが、良美が堂ヶ島と親密になってしまった。
これを危惧した三岡が何度となく窘めたのだが、良美は何故か聞こうとしない。
三岡は良美が堂ヶ島と交際していると考え、彼女を研究所の裏に呼び出し問い詰めた。
すると、良美が三岡の研究データを持ち出していたことが判明。
「全て三岡の為だ」と語る良美であったが、堂ヶ島に渡すつもりだと考えた三岡は良美を絞殺してしまう。

ところが、この現場を曜子に目撃されてしまった。
自首しようとした三岡だが、曜子がこれを押し留め裏山に埋めた。
以降、三岡は曜子に脅され1千万円を渡していたのだ。

その間、冷静になった三岡は良美の言葉を信じるように。
こうなると罪の意識がもたげてきた。
其処でせめて良美の論文を完成させ、彼女の名前で発表しようと考え始めた。
発表後は出頭するつもりなのだ。

しかし、この良美の論文を曜子が狙い始めたのだ。
進退窮まった三岡は堂ヶ島の名を用いて曜子を池へ誘き出すと爆殺したのであった。

2月3日とは良美の論文が完成する日。
三岡の雪乃への話とは出頭であった。

こうして三岡は逮捕された。

その夜、警視庁刑事部長の神藤がホテルから出て来たところに謙人が現れる。
謙人は神藤に「カノウユウジを知っているか!?」と問うが、彼は答えようとしない。
仕方なくその場を去る謙人、その様子をホテル内から七課長のすみれが見ていた―――5話へ続く。

<感想>

「ヒガンバナ〜女たちの犯罪ファイル」が遂に連続ドラマ化!!
その名も「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」、その4話です。

今回は「雪乃に恋人登場!?」な回でしたね。
雪乃の元恋人である北条もかなり気にかけている様子が窺えましたが復縁なるのか!?

そして曜子と良美、共に愛する人の為に動き命を落とすことに。

曜子は騙されていたとも知らず詐欺師の金沢の為に金を必要とし、その為に落命した。
良美は三岡との将来の為に堂ヶ島の弱味を握ろうと彼に近付き、逆に三岡に疑念を抱かれ落命した。
なんとも皮肉な結末と言えそうです。

ただ、曜子は幾ら三岡の為とはいえやり過ぎかなぁ……あれでは本末転倒だし誤解されても仕方がないような。
少なくとも三岡に真意を伝えておけばあんなことにはならなかっただろうし。
それを伝えなかったのは三岡を信じられなかったからなのか、それとも本当に言えないことがあったからか。
何しろ堂ヶ島の弱味を狙うだけなら、特に三岡に隠す必要も無いし。
あの態度では裏があったと勘繰られかねないとは思うのだが。

また、この曜子と良美の姿はその交際相手である金沢と三岡の姿にも繋がっているのかもしれないね。

一方、謙人の過去に神藤が関わっているらしいことも判明。
とはいえ、何処まで関わっているのかは不明ですね。
また、其処には渚も関わっている筈です。
でもって、神藤が出て来たホテルに居たすみれ―――その意味とは!?
5話にも期待!!

◆関連過去記事
「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」1話「殺害現場に残る真実の声」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」2話「誘拐犯の謎の指令…!真の目的とは」(1月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課」3話(1月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【2016年1月】日本テレビ系「ヒガンバナ」が連続ドラマ化されるとのこと!!

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「相棒season14」第14話「スポットライト」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season14」第14話「スポットライト」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season14」第14話「スポットライト」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

スポットライトの下、ステージの中央に立つマイクの前には2人の男性の姿があった。
その名は「でんすけ」。
「でん」の桑島伝(渋谷謙人)、「すけ」の原田コースケ(駒木根隆介)からなるコンビ芸人である。
2人はステージの上から多くの観衆へ向けて漫才を始める―――。

ある朝、都内の廃倉庫街にある駐車場で武田芳彦(木川淳一)が刺殺体で発見された。
捜査に乗り出した右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)は武田の遺体の出血量が刺された割には少ないことを気に掛ける。
すなわち、実際の犯行現場は別の場所のようだ。

さらに、右京は付近の壁に描かれた奇妙な円と棒からコンビ漫才を想起し聞き込みを開始。
すると、「でんすけ」の2人が現場付近を練習場としていたことを突き止める。

早速、劇場に「でんすけ」を訪ねた右京たち。
ところが、肝心の「でんすけ」は舞台に現れない。
代わりに現れたのはピンチヒッターの「リッパーズ」であった。

事情を探るべく舞台裏に潜り込んだ右京。
すると、伝が「リッパーズ」に「次はもっと早く連絡くださいよ。朝一から叩き起こされるのはキツイんで」と釘を刺されていた。
どうやら、今朝方に交代を依頼していたようだ。
それもその筈、伝の相方であるコースケが行方をくらましていたのだ。
残された伝に事情を尋ねようとする右京たちだが、これに1人の女性が猛反発する。
伝によれば「でんすけ」唯一のファンらしい。
どうも「でんすけ」はあまり売れていないようだ。

さらに女性は「でんすけ」の立ち位置にも言及する。
彼女によれば、伝の右に立てるのはコースケだけらしい。

続いて、右京たちは武田の妻・リオ(小林麻子)を訪ねる。
リオによれば武田とは数年前から別居状態、武田は愛人の谷志桜里(荻野友里)と同棲しているらしい。
その為に武田について詳しくは知らないとのことであった。
それを証明するように写真立てにはリオ1人の写真ばかり。
写真の中のリオは煌びやかな衣装に身を包み、親指と薬指でハサミを握りテープカットを行っていた。
しかも、手には派手なネイルが輝いていた。
ちなみに目の前のリオの手からはネイルが消えている。
流石に疎遠にしていたとは言え夫の死を受けて外したようだ。

そんな中、米沢(六角精児)が犯行現場を特定。
それは武田と志桜里が経営する温室であった。
しかも、その温室はコースケのアルバイト先である配送センターの得意先でもあったのだ。
さらに、凶器と思われるナイフも発見されコースケの指紋が検出されていた。

此処から伊丹たちは志桜里とコースケが共謀して武田を殺害したのでは……と仮説を立てる。

一方、犯行現場を訪れた右京は米沢から新情報を耳にする。
凶器のナイフを収めていたサックが温室の植木鉢の隙間から見つかったのだ。
どうやら、犯人は現場にあったナイフを使用したらしい。

これを聞いた右京は疑問を抱く。
温室が犯行現場ならば咄嗟の凶器としてはサックから抜く手間があるナイフより剪定用のハサミの方が早い筈だ。
ところが、犯人はナイフを選んでいる。
これはどうしてなのだろうか!?

さらに、コースケの指紋はサックから検出されずナイフのみであった。

右京たちは改めて話を聞くべく伝のバイト先へ。
すると、伝は「でんすけ」について語り出す。
「でんすけ」は11年前に結成されたコンビだが、未だに売れずに苦しんでいるらしい。
「売れない芸人は2分で結果を出さなければならないんですよ」と洩らす伝だが……。

そんな伝に対し、右京はある疑問をぶつける。
それは「リッパーズ」へのピンチヒッター依頼の件だ。
「リッパーズ」は「朝一からピンチヒッターを依頼された」と語っていた。
つまり、伝はコースケが事件に関わっていると判明する前の時点から、まるで舞台に来られないことを知っているかのようにピンチヒッターを用意していたことになる。
これに対し黙秘を貫く伝。

その夜、右京たちは伝を尾行することに。
すると、伝はファンの女性が勤務する夜間保育所へ足を運ぶ。
その奥にはコースケが匿われていたのだ。
伝を見るなり、彼の右こそが定位置のように駆け寄るコースケ。

あの夜、コースケは伝と別れた後に練習場で座り込んでいた。
すると、近くで何やら音がするではないか。
気になって駐車場を覗き込んでみると、何やら足に当たるものが。
拾い上げてみると血塗れのナイフであった。
さらに、奥には武田の遺体が転がっていた!!
驚くコースケの左肩に誰かが手を置く。
慌てたコースケはスマホを落としてその場を逃げ出したのだ。

逃げたコースケは伝の自宅へ駆け込んだ。
其処で伝から身を隠すように言い含められ、この隠れ家に潜んでいたのだ。
伝は「でんすけ」を売り出すべく、コースケを犯人に狙われた目撃者として話題作りするつもりだったのだ。

と、其処へ何者かの足音が迫る。
何者かは扉を開けるとそっと隠れ家の中へ入り込む。

「犯人だ、捕まえれば大手柄だ!!」
叫ぶ伝に促されコースケが飛び掛かった先に居たのは……志桜里であった。

こうして「でんすけ」の2人により志桜里が犯人として突き出された。
しかし、逮捕された志桜里は「何者かに呼び出されただけ」と主張する。

一方、右京はコースケの隠れ家を訪れ、扉の鍵が開いていたことに疑問を呈する。
招き入れた人物が居ると考える右京だが……。

今回の事件により「でんすけ」はスターダムへと駆け上がった。
舞台はもとよりテレビでも引っ張りだこだ。
テレビの中でも「でんすけ」はコースケが伝の右に立っている。
改めて、コンビにとっての立ち位置の重要性を知る右京。

その日の夜、「でんすけ」の2人はいつもの練習場に居た。
コースケは事件当日にある物を拾ったことを思い出した。
ところが、伝にそれを口止めされてしまう。

同じ頃、花の里では右京たちが幸子からある客についての話を聞いていた。
何でも、その客は爪を忘れたらしい。
「つめ!?」
驚く冠城だが、爪の正体は「ネイルチップ」であった。
これを聞いた右京は「お手柄です!!」と何かに気付く。

翌日、「でんすけ」の単独公演が行われていた。
その場で、コースケは伝の知らない新ネタを演じ始めた。
それはこの事件について触れたもので……。

同時刻、リオのもとを右京が訪れる。
右京は犯人がハサミではなくナイフを凶器に用いた理由について語り出す。
普通、ハサミは親指と人差し指か親指と中指で握るものだ。
しかし、写真の中でリオは親指と薬指でハサミを握っていた。
これは美容師に顕著な特徴である。
そして、美容師にとってハサミは商売道具。
犯人が枝切りナイフを凶器にした理由が此処に在る。
犯人にとってハサミが特別な道具だった為に用いることが出来なかったのだ。

右京はリオこそが犯人だと告発する。
さらに、リオと伝がコースケが落としたスマホで連絡を取り合い密かに共謀していたことも。

「証拠を見せてよ」
「ありません……ですが、それこそが証拠です」

リオの爪を指摘する右京。
その意味するところはネイルチップだ。
爪からは写真にあったネイルチップが全て消えていた。

右京はリオのネイルサロンを訪問し、彼女が事件の翌日にネイルチップを外したことを確認していた。
それは9枚であった。
残る1枚こそがリオと伝を繋いだのだ。

「単に落としただけ」と否定しようとするリオ。
だが、右京から「残された9枚から武田さんの血液反応が出るでしょう」と指摘されるや罪を認める。

武田との結婚前、リオは美容師のトップを目指していた。
しかし、その夢を捨ててでも武田との結婚を選んだのだ。
ところが、武田はリオを捨てて志桜里と再婚しようとしていた。
これに逆上したリオは武田を殺害してしまう。

リオは行きずりの犯行に偽装すべく倉庫街の駐車場に遺体を移した。
ところが、コースケが現れた。
リオは乱入者に驚きつつもコースケの左肩を叩いた、するとコースケはその場を逃げ出したのだ。
この際にネイルチップが外れ、コースケの肩に残されてしまったのである。

伝の自宅へ逃げ込んだコースケ。
その肩にネイルチップを見出した伝は犯人の遺留品だと気付いた。
そして、コースケのスマホ宛に脅迫の連絡を入れて来た。

当初、伝は金を要求した。
これに、リオはもっと良い物があると今回の方法を提案したのだ。

その頃、舞台上ではコースケが事件の真相をギャグで明かしていた。
だが、観客はこれが真相であることに気付く様子はない。
そんな中、全てを暴露された伝にコースケは止めとばかりに笑い泣きしながら叫ぶ。
「売れるんだったら何でもするよ!!」
コースケの言葉に逆上した伝は頭突きを入れて応じる。

「お前、あのネタどうやって考えた?」
楽屋にてコースケに尋ねる伝、そんな伝にコースケは顎で入口を指す。
其処には右京と冠城が立っていた。

「お前、ピンでやれ」
すべてが露見したことを察した伝はコースケに言い残す。
伝は犯人隠避の罪に問われるのだ。

其処に「でんすけ」コールが鳴り響く。
アンコールの声に誘われ舞台へ飛び出した2人。
「逮捕されることになりました」
「まだまだ暴れるぜ!!」
伝とコースケは何処までも芸人を貫く、その最期の時まで。

「あれだけやってあいつらが手に入れたのはチャンスだけです。なんで伝はコースケの為に破滅してまでチャンスを作ろうとしたんでしょうか」
冠城が疑問を口にする。これに対し右京がその想いを語り出す。

「でんすけ」の中で真に才覚に恵まれていたのはコースケであった。
伝はこれに早くから気付いており、コースケの足を引いていることを自覚していた。
しかし、それを認めることがどうしても出来なかった。
その内に、いつしかコースケへ負い目を抱くようになってしまった。
だからこそ、伝は身を滅ぼしてまでもコースケにチャンスを与えたのだ。

「無茶苦茶だからこそ笑えるのかもしれません。それにしても夢は残酷ですねぇ……見れば見るほど見た物を蝕む」
それは伝やリオに対する言葉である。
右京は静かに紅茶を口にするのであった―――14話了。

<感想>

シーズン14第14話。
脚本は宮村優子さん。

サブタイトルは「スポットライト」。
「スポットライト(栄光)の下で輝くのは一握りのみ」であることを示したエピソードでした。
しかも「スポットライトの下に立てたとしても何時まで立てるかも分からない」。
そんな厳しい世界を示した言葉で、まさに「夢(理想)」と「現実」を示したソレ。
そんな「夢」と「現実」が「コースケと伝のコンビ」や「武田とリオの夫婦」を通じて描かれました。

リオは美容師の夢を捨ててまで武田を選んだ。
続いて武田と共にやって行く夢を見たにも関わらず、その武田に裏切られた。
2度までも武田によって夢を捨てさせられたことになるワケです。

そして、伝。
伝はと言えば「でんすけとしてスポットライトを浴びる夢」を叶えようとしました。
とはいえ、此処こそが「武田とリオ夫婦」とは異なるのですが、この夢はコースケの夢でもありました。
「武田とリオ夫婦」の場合はリオだけの夢だったワケですが、「コースケと伝コンビ」にとっては共通の夢だったワケです。
此の点が2組の相違点となったのでしょう。
片や「リオは武田と殺すこと」となり、「伝はコースケにチャンスを残すこと」となりました。
2人の夢か、個人の夢かが分けたと言えそうです。

ちなみに、伝について作中ラストでは「コースケに負い目を感じていた伝が我が身を捨ててまでチャンスを作った」とされていましが、管理人の理解は些か異なりますね。
だとしたら「でんすけ」としてコースケと共に伝が舞台に上がる必要が無い。
やはり、伝もまた如何なる方法を以てしてもスポットライトを浴びたかったのでしょう。
たとえ、それが瞬時のことであったとしても。
それこそが「でんすけ」としてコースケの相方を務めた彼の矜持だった。

とはいえ、伝にはコースケに比べて劣っているとの自覚がある。
其処で「でんすけ」としてコースケと共に肩を並べてスポットライトを浴びる為にリオの申出に応じた。
コースケが実力ならば、伝はプロデュース力でコンビに貢献しようとしたワケです。
伝には手段を選ぶ余裕が無かったのでしょう、コースケとの差を埋めるには危急の手段でも縋るしかなかった。
これこそ「夢(理想)」と「現実」の非情さか。

これはある意味で右京さんとその相棒の姿に似ていますね。
右京さんの相棒足らんとして無理を犯せば身を滅ぼす。
まさに「ダークナイト」に繋がる心なのかもしれません。

そして、本作で3回ほど取り上げられていた「立ち位置」。
あれもまたプロの心を示している。
あれは「でんすけ」の2人のプロの心意気を示すと共に、同じくその心意気故にハサミを凶器に用いられなかったリオの心も示しているものか。

とはいえ、てっきり「立ち位置」が伏線で「コースケが武田の遺体を発見した際に、犯人がその右ではなく左に自然に回ったのは相方の伝だから」に繋がるのかと思っていただけに意外でした。
此の点もサプライズでしたね。

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