2016年03月24日

水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的2 猛毒ウィルスを密かに開発していた教授が殺された。その直後、このウィルスを使った無差別連続殺人事件が発生する。犯罪科学分析室長・藤江康央が事件の巨大な闇に挑む」(3月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的2 猛毒ウィルスを密かに開発していた教授が殺された。その直後、このウィルスを使った無差別連続殺人事件が発生する。犯罪科学分析室長・藤江康央が事件の巨大な闇に挑む」(3月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

スクラップ工場の焼却炉で焼け焦げた他殺体が発見された。被害者は帝光大学医学部教授の阿武隈修(モロ師岡)と断定される。藤江康央(伊原剛志)、 倉田剛士(手塚とおる)ら警視庁捜査一課犯罪科学分析室のメンバーは教授の自宅を捜索。浴室から血液反応が出る。そこに公安部長の灘波孝二(宇梶剛士)が現れ、証拠品はすべて公安が押収すると言い放った。

その日の朝、男性が突然路上で倒れ死亡していた。検死の結果、毒性の強い新型ウィルスが検出される。これが教授の開発したウィルスと一致した、と公安は言うのだ。次々と証拠品を持ち出す公安になすすべもなく、藤江らは撤収する。

藤江らは独自捜査を続行するが、間を置かず同じウィルスによる二人目の被害者が出てしまう。警視庁は無差別連続殺人合同捜査本部を設置。そこへ犯人から直接電話が入った。

犯人の要求は2010年に起きた巨額詐欺「ヘブンゲート事件」の再捜査だった。事件の不正取引データは何者かに盗み取られ、被疑者死亡のまま所在が分からなくなっていた。午後4時までにそのデータを用意しなければまた犠牲者が出るという。猶予は5時間だ。

公安の灘波が都内の厳戒態勢を指示していると、藤江が犯罪科学分析室のメンバーらを連れて登場。感染症対策の権威、日本法医学研究所所長の克実東子(藤田朋子)の姿もあった。彼女の捜査協力を得た藤江は、二つの殺人事件から犯人の行動を鮮やかに割り出してみせる。被害者は二人とも、うさぎの着ぐるみ姿の人物と接触した30分後に死亡していたのだ。大石浩平(皆川猿時)が着ぐるみの画像をインターネットで拡散すると、目撃情報が続々と寄せられる。捜査は一気に動く。

犯行時刻まで30分に迫った土壇場で、犯人確保の一報が。しかし同様の報告が相次いで入ってくる。捜査を攪乱するため、犯人は複数のアルバイトを雇っていたのだ。着ぐるみの人物の一人が突然逃げ出す。倉田らが追いかけ身柄を確保してみると、衝撃の正体を目にする。

さらに、大量殺人の犯行が予告され…。史上最大の犯罪を食い止めるべく、科学の力で立ち向かう!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

警視庁捜査一課犯罪化学分析室、藤江康央はその室長である。
彼の部下となるメンバーは次の3人だ。

元公安メンバーで潜入捜査の達人・倉田剛士。
システムやプログラムの天才・大石浩平。
紅一点にして変装の名手・天城久美子。

これをまとめる藤江自身も完全記憶や膨大な知識量、さらに格闘のプロとの経歴を誇る。
まさに、エキスパート集団である。

矢先、スクラップ工場の焼却炉から焼死体が発見された。
被害者は所持品から帝光大学医学部教授・阿武隈修とされ、この捜査に藤江たちが乗り出した。

ゴルフの打ちっ放し場などが並ぶ通りを抜けて現場へ向かう藤江。
ニット帽を被った男性とすれ違う。

こうして阿武隈宅を調べようとした藤江たち。
ところが、公安部長の灘波が現れ捜査権を藤江から奪ってしまう。

灘波によれば、その日の朝に東なる男性が路上で突然死を遂げたらしい。
検死の結果、死因は新型ウイルスによるものと判明。
この製作者が阿武隈だったのだ。
どうやら、阿武隈の研究室から持ち出されたものだったようだ。

阿武隈殺害と東殺害は灘波が指揮権を握ることになった。
捜査一課長の岩瀬泰司はこれに不満を抱きつつも、その指示に従うことに。

ところが直後にウイルスによる第二の被害者が発生、被害者は宮本亜紀なる女性であった。
これに危機感を抱いた上層部は藤江らに捜査を許す。
此処に灘波と藤江とが競い合うように。

そんな中、犯人を名乗る人物から要求が届く。
それは「5年前に発生した巨額詐欺事件・ヘブンゲート事件について再捜査せよ」との内容であった。

「ヘブンゲート事件」とは「当時五條ミリオンバンクに勤務していた銀行システム担当の窪田が巨額の金を横領し不正な取引を行っていた」とされる事件。
だが、肝心の窪田は車による事故死を遂げ、不正取引を記録したデータも紛失していた。

実はこの事件を捜査していた人物こそ、当時の灘波とその部下であった倉田であった。
倉田は窪田の死に疑問を抱き、終結宣言を行おうとした灘波に再捜査を求めた。
ところが、灘波はそんな倉田を捜査から外したのだ。
以来、倉田は灘波に冷遇され続け、藤江のスカウトを受けるまで苦しんだ経緯があった。

藤江は感染症対策の権威である日本法医学研究所所長の克実東子の協力を得てウイルスの無害化に取り組む一方で、東と亜紀の殺害共通する人物を防犯カメラ映像から割り出すよう大石に命じる。
また、倉田は窪田の先輩社員である瀬戸に「ヘブンゲート事件」について尋ねていた。

まず、藤江は東子と共に阿武隈研究室へ。
帝光大の事務員に案内された其処には多くの研究員たちが働いていた。
東子によれば阿武隈は彼女の弟子のような存在だが、かなり危険な発想の持ち主だったそうだ。
また、藤江は研究室の壁に貼り出された素数問題を目に留める。

同じ頃、大石により犯人が「兎の着ぐるみ」を着用していることが判明。
さらにツイッターを活用した大石は「兎の着ぐるみ」画像を拡散し情報提供を求める。
実は大石は100万フォロワーを誇るアカウント「はんぺんジョニー」の主だったのだ。
その効果は凄まじくあっという間に多数の情報が寄せられた。

「兎の着ぐるみ」の居場所を突き止めた藤江は灘波と連携し確保に動く。
すぐに確保の報が届いたのだが……1人では止まらず10人前後にまでなってしまった。
どうやら、犯人は事あるを予期して複数のアルバイトを雇っていたようである。

ところが、中の1体が制止を振り切り逃亡を開始。
追跡して取り押さえたところ、死亡してしまう。

その中身は瀬戸であった。
どうやら、犯人は瀬戸を拘束しウイルスを注入すると兎の着ぐるみを着用させ紛れ込ませたようだ。

瀬戸周辺を調べたところ、谷口恵一の存在が浮上。
この谷口こそ窪田を轢き殺した張本人であった。
谷口自身は「桐生コーポレーション」社長・桐生慶二の力で罪を軽減されていた。

おそらく、桐生が谷口を使って窪田を殺害し不正データを持ち去ったに違いない。
「ヘブンゲート事件」の背後に桐生の存在を確信した藤江は「桐生コーポレーション」への内偵を開始。

桐生の不在を確認すると、大石にネットトラブルを偽装させ修理業者に変装した倉田を送り込む。
倉田は大石の指示を受けつつ桐生のPCをハッキングし、不正データをUSBで持ち出そうとするのだが……。
逃げようとしたところを桐生に目撃されUSBを奪取されてしまう。
藤江が駆け付け、倉田は這う這うの体でその場から逃げ出すことに。

データ自体は持ち出せなかったが内容からある程度の事情を察した藤江。
どうやら、窪田ではなく瀬戸から桐生に金が流れていたようだ。

また、東と亜紀も5年前の事件の関係者であった。
亜紀は五條ミリオンバンクで事務として働いていた。
東は五條ミリオンバンクで内部監査役だったのである。
2人とも事件直後に数千万円の大金を手にし退職していた。
瀬戸、東、亜紀の3人が共謀し、その罪を窪田に着せたのだ。

窪田の遺族による復讐を疑った藤江。
窪田には子供が2人居た。
1人は長女・長津紗江、もう1人は長男・長津柊也である。

紗江の写真を目にした藤江は彼女が阿武隈の大学に勤務する事務員であることを思い出した。
さらに、柊也にも阿武隈研究室でバイトをしていた過去があった。

同じ頃、紗江と柊也は窪田のことを思い出していた。
5年前のあの夜、窪田は紗江と柊也に助けを求めた。
だが、その声が届く前に桐生たちにより口封じされてしまったのだ。

こうして紗江と柊也が容疑者とされる中、犯人から次の要求が届く。
予告映像で水道施設にウイルスをばら撒くと宣言する犯人だが……。

予告動画から反響音などを用いて場所の特定を図る藤江たち。
特に藤江は特徴的な音を聞き止める。

一方、岩瀬は長津姉弟確保に動いた。
ところが、其処には意識を失い倒れ伏す柊也の姿が!!
同じ頃、紗江は水道施設で何者かに拘束されていた。

数十分前のことである。
何度となく要求したにも関わらず、進展が見られない「ヘブンゲート事件」捜査に業を煮やした柊也は次の計画に移ろうとしていた。
ところが、盗聴していた無線から犯人が新たな要求を行ったと聞き色を失う。
そんな覚えは柊也にはない。
何者かが長津姉弟たちの計画を奪ったのだ。

ふと気付くと柊也は何者かの接近を許していた。
「あなたは……」叫ぶや否や倒れ伏す柊也、ウイルスを注射されたのだ。
柊也の異変に気付いた紗江はその人物に水道施設へと連れ去られた。

その人物の正体とは……死亡した筈の阿武隈であった。
阿武隈は死を偽装し生きていたのだ。

1年前、紗江は柊也から阿武隈を紹介された。
阿武隈は窪田の一件を耳にするや協力したいと申し出た。
阿武隈は瀬戸、東、亜紀たちの犯行であることを告発すると柊也に告げ、もしも失敗したら強硬手段に出るようにと言い含めた。
そして、身代わりを用いて死を偽装したのだ。
てっきり、阿武隈が瀬戸たちに殺害されたと思い込んだ柊也は復讐殺人を開始したのである。

全ては阿武隈の狙い通りであった。
阿武隈は紗江にもウイルスを注射し、全ての罪を着せようとする。

ところが、藤江たちが飛び込んで来た。
犯行予告動画にゴルフの打ちっ放し場の音が混ざっていたのだ。
其処で場所を突き止めたのだと言う。
しかも、藤江は無意識のうちにニット帽姿の阿武隈を見かけていたのである。
これも決め手となった。
ちなみに、阿武隈の血液の飛沫痕が不自然だったこともあって藤江は最初から生存を疑っていたらしい。

逮捕された阿武隈は隙を突きウイルスを注射し倒れ込む。
残されたのは阿武隈が仕掛けたウイルス注入装置だ、時間が来れば水道水に流入してしまう。
これを止めるにはパスワードを入力しなければならない。
必死に考え込む藤江。

翌朝、病室で目を覚ました沙衣は阿武隈の計画が頓挫したことを知らされた。
パスワードの正体は阿武隈研究室にあった素数問題の解答であった。
藤江は最後の最後でこれを思い出し、自身で解答を導き出すことで阻止したのだ。

また、東子が抗ウイルス剤の生成に成功したことで、ウイルスを用いられた紗江、柊也……そして阿武隈本人も一命を取り留めた。

数日後、紗江が灘波に連れられ犯罪化学分析室へやって来た。
呼んだのは藤江である。

藤江はある実験を行うと宣言。
実は倉田が桐生にUSBを奪われたのも全て計算通りであった。
あのUSBはあくまでダミー、本来は発信機だったのだ。
電波が着信すると着信音を奏で出すと言うソレ。
早速、電波を飛ばすと灘波から音が……灘波は桐生と繋がっていたのである。

同時刻「桐生コーポレーション」に強制捜査が入った。
罪状は倉田への傷害罪である、USB奪取の際に倉田が殴られたことを利用したのだ。
こうして押収された不正データ、その中には灘波の名もあった。

さらに、藤江は阿武隈の裏に居た黒幕を名指しする。
その人物も灘波であった。
今回の事件は事実を知る関係者の口封じを目論んだ灘波が阿武隈を買収し行ったことだったのだ。

藤江は窪田の無実を高らかに主張すると再捜査を宣言する。

紗江は倉田の姿を見知っていた。
5年前、捜査終結を宣言した灘波に反発していた姿を目にしていたのだ。
「あなたに救われました」
紗江の言葉に涙を流す倉田であった―――エンド。

<感想>

「犯罪科学分析室」シリーズ第2弾。
原作は月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事シリーズ」で知られる濱嘉之先生『電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央』。
文庫版が講談社から、単行本版とキンドル版が新潮社から刊行されています。

<あらすじ>

著者は元公安部――その経験だけで、小説がこんなに面白くなるはずがない。

本庁の捜査は「24」を超えた! パスモ、Nシステム、監視カメラに偵察衛星。臨場した捜査官が発した至急報は、誘拐犯を追尾する、視えない静かな大捜査網の開幕を告げた――。華麗な一族の蹉跌、大企業が墜ちた奈落、腐臭を放つTVキー局幹部。驚愕のリアリティが疾走する、次世代警察小説の誕生!
(新潮社公式HPより)


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さて、ドラマの感想。

灘波が阿武隈を操り、阿武隈が柊也を操った―――との構図でしたね。

今回も藤江は大活躍。
メンバーも前回に引き続き個性的でした。
今回は倉田がクローズアップされていたこともあって、此の点も良し。

此処からはイロイロと。

長津姉弟は玄関に鍵を閉めるべきだな。
鍵さえ閉めていれば阿武隈の奇襲を避けることが出来たのに。

柊也は自分がどんなに調べても突き止められなかった瀬戸らの存在を阿武隈が突き止めた時点で疑わしいだろうになぁ……。
そんなに阿武隈の調査能力は高かったのだろうか。

それと、阿武隈は死んだことになってるから計画が成功しても戻れないよなぁ。
再現映像だと金額はそれほど多くは無さそうだし、研究者生命を棒に振るようなものでは無い気もする。

阿武隈と言えば、最後の水道テロは阿武隈の暴走だったんだろうか。
灘波があれを阿武隈に実行させるメリットが無いように思うが。

メリットが無いと言えば、柊也が3件目のときに複数人へのバイト代や着ぐるみを用意してまで「兎の着ぐるみ作戦」を用いた理由が不明だなぁ。
そもそも、あの作戦は兎の着ぐるみを用いていることが藤江たちに露見したことを知らないと意味がない作戦。
確かに柊也は盗聴していたけど、気付かれたことに気付いてからではあの準備は出来ない筈。
どうして、あのタイミングだったのだろうか……。
場合によっては2件目の時点で「兎の着ぐるみ作戦」が必要だったかもしれないのに。
そもそも、兎の着ぐるみの出処を探せば柊也へは辿り着けた気がする。

そう言えば、倉田の「桐生コーポレーション」潜入。
普通は企業側のシステム担当が出て来るだろうし、ネットワークの不具合ならルータの場所から動けないからあんなに歩き回れないよなぁ……。
でもって、何故か社員側にディスプレイを向けている桐生社長、開かれたオフィスだったのだろうか。
とはいえ、内容が筒抜けになりかねないような。

さて、総評。
ツッコミどころも多かったけど、エンタメ作品としては及第点だと思う。
シリーズ次回にも期待!!

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【犯罪科学分析室 電子の標的シリーズ】
水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的 科学の力で凶悪犯を追いつめる特別捜査チーム誕生!周波数の解析、ガムの付着粉…情報を武器に誘拐犯から子供救え」(5月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【世田谷駐在刑事シリーズ】
月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事 鬼コバと恐れられた刑事が世田谷の駐在に!高級住宅街に渦巻く嘘と裏切り…消えた息子が目撃した衝撃的真実!その意外な結末とは」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事2 鬼コバと怖れられた刑事が世田谷の駐在に!高級住宅街にうず巻く見栄と欲望…紙袋に2千万円!父が隠し通した衝撃的真実とは?」(4月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事3 狙われた警察官 セレブな街の凶悪殺人 復讐するから金をくれ 男が忘れた過去の罪!!人生を狂わされた姉弟 悲しい歌声の真相は」(8月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

藤江康央:伊原剛志
倉田剛士:手塚とおる
大石浩平:皆川猿時
天城久美子:佐藤めぐみ
長津紗江:早織
長津柊也:竹内寿
桐生慶二:オクイシュージ
瀬戸欣二:児玉貴志
窪田誠司:中脇樹人
捜査員1:ゆかわたかし
ホームレスA:ジジ・ぶぅ
阿武隈修:モロ師岡
克実東子:藤田朋子
灘波孝二:宇梶剛士
岩瀬泰司:西村雅彦 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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2016年03月23日

夏樹静子先生、死去……

夏樹静子先生が2016年3月19日にお亡くなりになっていたことが分かりました、享年77歳。

夏樹静子先生と言えば『第三の女』や『Wの悲劇』など数々の名作を世に送り出し、その映画化やドラマ化によりミステリの普及を推進、さらには多くの社会問題を作品中で取り上げることで問題提起を行われていました。

特に「2時間サスペンスファン」にとっては「検事・霞夕子シリーズ」や「弁護士・朝吹里矢子シリーズ」でご存知の方も多い筈。
また『Wの悲劇』は映画化、スペシャルドラマ化、連続ドラマ化を果たしただけでなく『MURDER AT MT.FUJI』のタイトルで海外でも知られているほどの作品。

月曜ゴールデン夏樹静子原作「Wの悲劇」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

著作以外にも「グリーン碁石」の開発や心因性による病気の治療についても提言されるなど活躍は枚挙に暇がありません。

夏樹静子先生、読売オンラインにて囲碁について語られる!!

2007年には「日本ミステリー文学大賞」も受賞されており、今後も更なる活躍が期待されていた中での訃報となりました。

また、奇しくもそのちょうど一ヶ月前となる2月19日には『薔薇の名前』の著者で知られるウンベルト・エーコ氏もお亡くなりになられています。
ご冥福をお祈り致します。

◆夏樹静子先生関連過去記事
【書籍】
「見えない貌」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「てのひらのメモ」(夏樹静子著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「天使が消えていく」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「第三の女」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『死なれては困る』(夏樹静子著、徳間書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

『光る崖』(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ】
【検事・霞夕子シリーズ】
金曜プレステージ 夏樹静子サスペンス・検事・霞夕子「首吊り死体が歩いた!悲劇の始まりは1年前の交通事故…歯科医の死体!残された親指の指紋の謎が解けた時…事件の真相が明らかになる(森を歩く死体)」(2月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「3週連続・罪と女とミステリー第2夜 夏樹静子サスペンス・検事霞夕子〜無関係な死〜猟銃に撃たれた老人・痴漢に間違えられた男…2つの事故に疑惑が生じた時女たちの運命が変わる…!」(9月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「検事 霞夕子3 年一回の訪問者〜ピアノの音が聞こえる日は殺人が起きる!?元女弁護士が容疑者になった理由・衝撃の過去を持つ女」(6月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 検事 霞夕子4 誤認逮捕〜もう失敗できない!1年前濡れ衣で人生を狂わされた男の周りで再び起こる怪事件…!かつてミスをした刑事はどう挑むか…?」(6月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 検事 霞夕子5 幻の罪 夫の死をイメージすることは罪なのか?夫が本当に死んだ時、死がもたらす利害と愛憎が浮かび上がる…!」(12月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 検事 霞夕子6 不能犯 同じ日の真夜中に複数の無関係な人間が同一人物を刺殺!?こんな偶然あるわけない…!法律を悪用する強敵の意外な正体」(5月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

赤と黒のゲキジョー「夏樹静子サスペンス 検事霞夕子7 死人に口あり 運び出された遺体が口を開き、男の名前を言って息絶えた 犯人の名?あるいは…死者の遺したメッセージに込められた執念」(10月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【イソベン・里村タマミの事件簿シリーズ】
月曜ゴールデン 夏樹静子サスペンス「見えない貌〜イソ弁里村タマミの事件簿〜ダムに美しき水死体!出会い系美人妻の孤独と禁断愛…真相を追う母を襲う新たな殺人…真実のカギは親子愛」(6月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「夏樹静子サスペンス 霧氷〜イソベン・里村タマミの事件簿〜我が子を殺しました 育児疲れの母が落ちたワナ!霧に消えた更なる殺人!嫉妬・愛憎…家族の秘密とは?」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【弁護士・朝吹里矢子シリーズ(フジテレビ版)】
金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス弁護士・朝吹里矢子〜古都・おさない証言にゆらぐ老舗〜能登和倉温泉・目撃者は5才児金沢−東京繋ぐ犯行のシナリオ」(12月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【弁護士・朝吹里矢子シリーズ(テレビ東京版)】
水曜ミステリー9「夏樹静子サスペンス 逆転弁護士ヤブハラ 証言拒否 資産家セレブ一族の連続殺害事件!美しき内縁の妻の2つの顔…黒い保険金6000万円と封印された謎の遺書」(2月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「夏樹静子サスペンス 逆転弁護士ヤブハラ2 京都嵐山・17年前の謎 無罪判決は誤審…!?酷似した殺人で再逮捕に 弁護士生命の危機!血染めの手袋が鍵に…完全アリバイの盲点(京都・十七年前の真実)」(10月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
月曜ゴールデン夏樹静子原作「Wの悲劇」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

NHKドラマスペシャル てのひらのメモ「あなたは本当にわが子を放置したの?裁判員に選ばれた一人の主婦がたどり着く真実」(10月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「夏樹静子作家40年記念 天使が消えていく〜小さな命を守れ!欲望の街を走る女性記者!死者からの手紙!驚愕の結末とは!?」(10月30日放送)ネタバレなし感想

土曜ワイド劇場「女刑事・左近山響子 90便緊急待避せよ 復讐殺人フライト!!ハイジャック未遂の罠隣席は、連続殺人犯!?立ち聞きされた密会」(5月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子・作家40年記念 第三の女 運命の出会いは交換殺人の幕開けフランスで愛しあったあの女は一体誰なのか禁断の恋はエリート准教授を転落させていく…」(12月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 女請負人〜仕掛けられた女の罠〜女便利屋に舞い込んだ殺人依頼!?狂わされた犯罪計画…不審死の男と暗躍するストーカーの正体は?なりすまされた容疑者 真犯人との騙し合い!哀しき女の罪を暴け!」(9月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「夏樹静子サスペンス “無敵の法律事務所”弁護士橘明日香 動機証拠も十分な依頼人の無罪を勝ち取れるか!?赤い帽子の謎…脅迫状と指輪が暴く悲しき復讐!(弁護の鉄人)」(6月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他情報】
夏樹静子先生インタビュー記事が「asahi.com」に掲載!!

夏樹静子先生、読売オンラインにて囲碁について語られる!!

キンドル版「第三の女 (角川文庫)」です!!
第三の女 (角川文庫)



キンドル版「Wの悲劇 光文社文庫」です!!
Wの悲劇 光文社文庫



キンドル版「蒸発〜ある愛の終わり〜 光文社文庫」です!!
蒸発〜ある愛の終わり〜 光文社文庫



キンドル版「光る崖 光文社文庫」です!!
光る崖 光文社文庫



「囲碁 目にやさしい グリーン碁石」です!!
囲碁 目にやさしい グリーン碁石

ラベル:夏樹静子 3月19日
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「実は私は」第152話「血を吸おう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第152話「血を吸おう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今日の朝陽は一味違っていた。
今日の朝陽には決意が漲っていた。
今日の朝陽はヤル男であった。

それもその筈、朝陽は葉子と同じ部屋で2人きりの勉強会を行っていたからである。

葉子をちらりちらりと横目にしつつドギマギする朝陽。
一方、葉子もまた同じ状態であった。

いや、葉子の場合は朝陽とは違う。
そう、葉子は吸血衝動に悩まされていたのだ。
無造作に曝け出された朝陽の首筋に沸き上がる衝動が抑え切れない葉子。

もはや、朝陽とは恋人同士である。
葉子が素直に頼み込めば朝陽も応じる筈であったが……。
「吸血はいやらしいこと」と考えている葉子はその一歩が踏み出せない。
こうして、何とか朝陽から切り出してくれないかと遠回しに伝えようと奮闘が始まった。

まずは「のどが渇いた」と訴え「赤いものが飲みたい」と繰り返した。
しかし、相手は朝陽である。
「トマトジュース飲む?」と返されてしまった。

机を叩いて悔しがる葉子。
そんな葉子の視界に驚くべき光景が飛び込んで来た。
なんと、朝陽の首筋に蚊が張り付いていたのだ。
しかも、無造作に朝陽の血を吸っていた。
その姿は葉子にとって羨ましいとしか言えないものであった。

あの野郎〜〜〜!!
憤った葉子だが、ふと思いついた。
蚊の真似をすれば朝陽も気付くのではないか!?

ボールペンを口に咥え手をパタパタと仰ぐ葉子。

突然、奇行に走った葉子に朝陽は絶句する。

そんな朝陽の様子を見て、諦めたように葉子は「蚊の真似をしていた」と教えることに。

「蚊の真似……あっ!!」

これにようやく朝陽は事態を察した。
すなわち、葉子が吸血衝動に苛まれていることに。

急に頬を赤らめてしまった朝陽だが、葉子へそっと首筋を差し出す。
こうして、葉子は思う存分衝動を満たすのであった。

さて、事を終えて……。

「それにしても蚊が多いような……」

周囲を見回す朝陽と葉子。
確かに普段に比べると数が多いようだ。
妙だなぁとまじまじ見つめたところ、中に見覚えのある角付きの蚊が。
そう、茜だ!!

「茜ちゃん!!」
事の一部始終を覗き見されたことを知った葉子は激怒するのであった―――153話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻、15巻も重版出来とのことで目出度い。さらに16巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

また、本作が遂に舞台化とのこと。
こちらも注目です!!

増田英二先生「実は私は」が舞台化とのこと!!

その152話。
サブタイは「血を吸おう!」。

何とも甘酸っぱいエピソードでしたね。
イチャラブな朝陽と葉子、蚊に化けた「お邪魔虫」の茜。
とはいえ、茜の行動はデバガメでもありつつ老婆心も含んでいるのかも。
そんな日常の一幕でした。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス15巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子に!!
そして15巻は獅穂たち三人娘に!!ああ、嶋よ……。
こうなると16巻は「明里とさくら」か「明里、茜、華恋」かなぁ。
と思いきや16巻表紙は「ウェディングドレス姿の明里」に、一瞬誰だか戸惑うほどの変身ぶりを見せる表紙となっていますね。
どうやら、17巻は「みかんと岡」か「みかん単独」になりそうか。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第150話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第151話「焼き芋を作ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。146話にてフルネームが「岡田奏」と判明。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?

稲葉:葉子のクラスメイト。
松本:葉子のクラスメイト。
佐々木:葉子のクラスメイト。彼氏と別れたばかり。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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