ネタバレあります、注意!!
最終話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。「十二人委員」の創立者であった。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。「十二人委員」の現リーダーらしい。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。「十二人委員」の1人。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
御門屋恭示:圭一の幼馴染らしいが……実はフード男!?
保田:「十二人委員」の1人、宇恵多医院の院長。
目羅邦夫:「十二人委員」の1人、弁護士。
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第60話「兄の行方」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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宇恵多医院屋上、ペナントハウス前。
御門屋が圭一に自身を撃つように呼びかけていた。
御門屋によれば数日前の奇跡(第52話「黄多川達也を救え!」参照)により、圭一は劇的な改善を見せているのだそうで直に意識を取り戻すらしい。
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第52話「黄多川達也を救え!」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
戸惑う圭一だが御門屋の剣幕に押されるように発砲。
被弾した御門屋は倒れ臥すや砂となって崩れ去った。
既に、この世の者では無くなっていたのだろう。
この光景を目にし絶句する真琴、霧子、礼、楓たち。
同時に蛍の髪飾りが割れ、急な頭痛に襲われた蛍は倒れてしまう。
その数日後、手術を終えた蛍はベットに横たわっていた。
倒れた為に精密検査を行ったところ、脳内に腫瘍が発見され切除手術を行ったのだ。
切除と言っても比較的簡単な術式で処置出来たことで蛍の回復も早かった。
そんな蛍のもとへ真琴、霧子、礼、楓の4人が見舞いに訪れた。
楓によれば、蛍の髪飾りから微量の放射性物質が検知されたらしい。
楓は蛍がこれまで目にした怪異の原因ではないかと語る。
一方、真琴はと言えば御門屋の最期を見てしまったからには一様に怪異を否定も出来ないと指摘。
また、たとえそれが夢物語だったとしても実際に蛍に救われた人々が居たことは軽視すべきではないと結論付けた。
其処へ松葉杖をついた圭一が現れた。
しかし、その姿は髑髏ではなく生身の物だ。
圭一は御門屋が消えた直後から劇的な回復を見せた。
2年のブランクがあるものの、今は院内をうろつけるほどだ。
ようやく圭一を取り戻した蛍は涙ながらに彼を抱き締める。
そして「十二人委員」は揺れていた。
達也は自首を決意、リーダーである鏡二郎は罪の意識に苛まれ苦しんでいた。
御門屋は亡く、他のメンバーも二郎と同じく今後に悩んでいるようだ。
その行動を再開するかどうかは不明だろう。
数ヵ月後、街には退院した蛍の姿があった。
此処数ヶ月で蛍の環境は激変していた。
赤木興業はNASAと取引が決まり、大幅な黒字へ転換した。
これにより、真知恵は家事に専念することとなり夫婦仲も円満だ。
節と和也も成長し、家の仕事を率先するようになった。
圭一は復職し、桐島静香との結婚も秒読みだ。
そして真島慎一は少しでも蛍の傍に居ようと赤木興業へ就職すべく、その父親を説得中である。
結果、蛍は以前ほど忙しくなくなった。
今、蛍は友達と過ごすことが多くなっている。
その友達は4人、利害関係なしで付き合える欠かせない友人だ。
今日も蛍はその友人たち―――真琴、霧子、礼、楓たちと落ち合う。
それぞれに寛ぐ面々、すると蛍の携帯が鳴った。
だが……画面に表示された電話番号を見るなり蛍は切ってしまった。
見知らぬ番号からだったからだ。
そんな蛍の様子を横目にしつつ、楓がある噂について触れた。
何でも隣町で同い年くらいの女子生徒が探偵業を営んでいるらしい。
其処で自分たちも同じようなことを始めてみないかと言い出したのだ。
好奇心の強い真琴は大きく頷き、霧子も渋々了承。
礼も腕を奮えるならば……と前向きだ。
もちろん、蛍にも否やはない。
こうして、5人による少女探偵団が結成されることに。
ちなみに、隣町の探偵の名はマーニーと言うのだそうだ―――了。
ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻、4巻、5巻に続き、早くも6巻が発売!!
また、最終7巻も2016年5月に発売予定とのこと。
さて、その最終話。
サブタイは「大団円と新しい始まり」。
まさに、タイトル通りの見事な大団円でした。
蛍の61話に渡る苦労は無駄ではなかった。
圭一を取り戻し、多くの人々を救うことが出来た。
志田りかを罪から救った。
家族である父や母、節を救うことも出来た。
また、義姉となる静香の命を救うことも出来た。
それこそ、劇中での真琴の言葉通りと言えるでしょう。
そして何より、蛍自身が掛け替えのない親友を4人も得ることが出来た。
これは大きい。
きっと蛍にとって財産となる筈です。
そしてラストで蛍に入った電話。
あれは死神からだったのでしょう。
これまでならば電話に出ていた筈の蛍があっさりと電話を切ってしまったことで彼女が普通の少女に戻ったことが示されています。
これからの蛍は普通の少女として物語を紡ぎ続けて行くことでしょう。
でもって、ラストで明かされた重大な秘密。
なんと、本作は「名探偵マーニー」と同一の世界観であったこと。
しかも、蛍の住む町は隣町であった。
これまたサプライズでした。
きっと、いつかマーニーと蛍が出会うこともあるのかも。
さて、蛍たちの活躍を我々読者が目にすることは出来なくなりますが、それでも蛍の物語は続いて行く。
その隣に慎ちゃんが居るかどうか……は慎ちゃんの頑張り次第なのです。
木々津先生、連載お疲れ様でした!!
本作を毎週楽しみにしていた読者としては寂しいですが、心温まる最終回でした。
次回作も期待しております!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第50話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第51話「霊感少年と黄多川礼の事情」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第52話「黄多川達也を救え!」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第53話「十二人委員の糸口」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第54話「赤木蛍裁判」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第55話「12VS5」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第56話「フードの男の正体」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第57話「黄多川礼対黄多川達也」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第58話「鏡二郎との対決」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第59話「十二人委員の正体」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第60話「兄の行方」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【蛍とその仲間たち】
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。
死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」「母の父」に登場。
【十二人委員】
十二人委員:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。「十二人委員」の創立者であった。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。「十二人委員」の現リーダーらしい。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。「十二人委員」の1人。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
御門屋恭示:圭一の幼馴染らしいが……実はフード男!?
保田:「十二人委員」の1人、宇恵多医院の院長。
目羅邦夫:「十二人委員」の1人、弁護士。
獣を連れた男(11人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
紀理香:真知恵の姉、長女。
陽香:真知恵の姉、次女。
おじいちゃん:真知恵の父、蛍にとっては母方の祖父。44話で死去。
謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
郷里良子:「聖マルス学園」の女子生徒。「ザ・ボディーガード」に登場。
垣木:「聖マルス学園」の女子生徒。柔道部の猛者だが……。「ザ・ボディーガード」に登場。
清水宗徳:「聖マルス学園」の男子生徒。霊能力者を名乗る。
【警察関係者】
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。
赤沼茂樹:工学部の院生、ミステリーマニア。
広重将美:赤沼の同期、テレビで一躍大ブレイクを遂げた著名人。
奥宮サキ:墓地で殺害された被害女性。
荒井忠良:サキと交際していた男性、姿を消している。
君近良雄:サキと交際していた男性、姿を消している。