【第一のトリック考察】「黒霊ホテル殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!
「金田一少年の事件簿R」第10弾は「黒霊ホテル殺人事件」!!
速水玲香が5年ぶりに再登場!!【「黒霊ホテル殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
真北葉子:玲香のマネージャー
絵上小鳩:女性AD
宇津木剣二:プロデューサー
光山圭吾:カメラマン
志月豹馬:映画「黒霊ホテル」監督
深松美鶴:女優、第一の被害者
沖田新:美鶴の男性マネージャー
西樹晶:アイドル俳優
岩屋菊之介:黒い悪霊を目撃した老優
速水玲香:人気アイドル、彼女もまた事件と共にある存在……。
<あらすじ>
女優の深松美鶴が映画「黒霊ホテル」撮影中に落下したシャンデリアにより圧死してしまった。
事故として処理されそうになる美鶴の死。
だが、金田一はこれに疑惑を抱き捜査を開始。
一方、想定外の事態に撮影中止は余儀ないと思われたが宇津木と志月は撮影続行を主張。
眉を顰める美雪に「よくあること」と語るADの小鳩。
とはいえ、その表情は何やら苦痛に満ちていた。
その頃、シャンデリアが吊られていた天井に注目する金田一。
落下したシャンデリアは天井に金具で接続されるタイプの品。
金具自体は自然に外れた物かどうか判別しづらい状態であった。
だが、金田一はシャンデリアに繋がっていたと思われる千切れた電源ケーブルを発見。
其処に不審な切れ目らしき物を見出す。
これが人為的なものだとすれば……やはり他殺の疑いが濃い。
天井のさらに上にある屋根裏を気に掛け始めた金田一は美雪と共に小鳩の案内で屋根裏部屋へ。
大きな空き部屋と化していたソレ。
しかし、シャンデリアの真上にあたる箇所には段ボール箱が幾つか積まれていた。
念の為、取り除いてみるも現れたのは電源コンセントのみであった。
他に不審な点は無いようだ。
小鳩によれば屋根裏にはご覧の通り何も無し。
また、天井と屋根裏の間には20センチほどの隙間しか無く人が隠れるスペースは存在しないのだそうだ。
何かに違和感を抱きつつ階下へ戻った金田一を玲香が自室に誘う。
これに負けじと同行する美雪。
3人で玲香の部屋に入室したところ、金田一は部屋が暖かいことに気付く。
玲香によれば、マネージャーの真北が部屋に備え付けのセラミックファンヒーターを動かしてくれたからだそうだ。
「流石、アイドルの部屋は違う」と唸る金田一であったが、周囲の部屋を確認してみたところ全室で同様にヒーターの電源が入れられていた。
「小鳩さんがスイッチを入れたのかしら」と語る美雪。
これに、金田一は「なるほど」と頷く。
どうやら、美鶴殺害直前の停電の原因が分かったようだ。
これだけの部屋でヒーターを一斉に動かせばブレーカーの許容量ギリギリになっている筈。
この状態で何か新たに電化製品を使用すればブレーカーが落ちて停電に繋がる。
あのとき、美鶴はピアノ演奏前にスタンドライトの電源を入れていた。
其処でブレーカーが落ち停電になったのだろう。
何者かによる作為を感じ取った金田一は美鶴の死が他殺だと考えることに―――3話に続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第10弾は「黒霊ホテル殺人事件」です!!
今回はその第2話でした。
小鳩の台詞から「黒霊ホテル」を舞台に似たような事故が起こっていたことが想像出来ますね。
これを宇津木、志月、美鶴らが隠蔽したものか。
其処で事故の被害者の関係者が復讐しているとのストーリーが浮かびそうです。
だとすれば、今回の標的はこの面々か。
また、此処からトリックについて考察を。
ポイントとなりそうなのは「犯人はどうしてブレーカーを落としてまで停電させる必要があったのか」。
「停電」により生じる事柄は次の2つ。
1.電気で動いていた物が止まる。
2.暗闇に乗じて行動可能。
この2つで今回のトリックに見合いそうなのは「1.電気で動いていた物が止まる」か。
2の場合だと「暗闇に乗じて犯人が手裏剣でも投げてケーブルを切断した」になっちゃうし。
今回の場合だと忍者でも無いと無理だろう。
で、「1.電気で動いていた物が止まる」だと何が起こるか。
電気で動いていて止まるとシャンデリアが落下するもの。
つまり、電動式の何かがシャンデリアを天井に繋ぎ止めていたと考えられる。
おそらく、それが天井と屋根裏の間の20センチスペースに収まっておりシャンデリアを繋ぎ止めたのだろう。
では、それは何か。
例を上げれば「電磁石」の類ではないか。
犯人は予めシャンデリアの留め具を天井から外しておく。
同時にケーブルに切れ目を入れておく。
この状態だとケーブルのみでシャンデリアは吊られることになる。
通常だと支え切れないだろう。
此処で「電磁石」の出番だ。
電磁石の磁力でシャンデリア自体あるいは鎖を引き上げることで天井に固定したのではないか。
だが、ブレーカーが落ち電源が止まるとケーブルのみとなりシャンデリアの重さに耐え兼ねて落下する。
これが美鶴殺害のトリックと考える。
では、誰が犯行可能なのか。
事前に映画の内容さえ知っていれば美鶴を狙うことは誰でも可能だろう。
とはいえ、今回の描写だと小鳩がかなり怪しい。
過去にも同様の死亡事故(美鶴は他殺だが)が起こったことを知っていた。
天井と屋根裏に詳しいのも小鳩。
美雪によればファンヒーターを入れたのも小鳩と考えられるらしい。
それと、メタ的には「美鶴」と「小鳩」と鳥の名があるのも気になる。
ただ、そのどれもが確定ではないのが……。
正直、今のところはまだ誰が犯人とは言い切れない。
それと「スタンドライトに電源を入れるシーンがあったから、このトリックだったのか」。
「このトリックだったからこそ、スタンドライトに電源を入れるシーンを加えたのか」。
此の点によっては犯人は別の人物の可能性もありそうだ。
そして、気になる「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」。
ちなみに「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」とは次の通り。
高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツ(父親)がマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。
さて、既にご存知のことと思われますが2015年10月よりアニメ「金田一少年の事件簿R」が日本テレビ系にて放送中。
次回(2016年3月5日)は「狐火流し殺人事件」が放送予定とのこと注目すべし!!
ちなみに、2016年4月から同枠ではアニメ版「逆転裁判」の放送が予定されています。
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「逆転裁判」がアニメ化!!2016年4月より日本テレビ系毎週土曜日17時30分から放送とのこと!!そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
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綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?また、樹林伸先生による連続ドラマ「石川五右衛門」がテレビ東京系にて放送予定。
こちらも注目です!!
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