月曜ゴールデン「刑事夫婦2 加賀美涼子は警視庁の女刑事。加賀美太郎は現場一筋ショカツ刑事。二人は刑事夫婦。夫婦ならではの問題に焦点を当てた、ハートフル刑事ドラマです!」(3月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!
<あらすじ>
ある日、涼子の部下である榎本美香刑事(星野真里)に呼び出され、建築事務所にやって来た涼子(鈴木砂羽)と太郎(石黒賢)は、美香から結婚の報告を受け夫になる三上(須田邦裕)を紹介された。おまけに、結婚を機に自分たちの家を建てようとしている美香は、涼子たちにアドバイスをして欲しいと言うのだった。若いのに将来をしっかり考えている美香たちに感心する涼子と太郎に、突然、大曽根良治(長谷川初範)が声をかけてきた。大曽根は、この事務所の所長で涼子たちが理想とする家の話を聞きながらスケッチブックにイラストを描き「いつかこんな家が欲しいと思いながら生きれば、少し夢のある毎日を送れる」と話しそのイラストを二人に渡した。
帰宅してから、大曽根が世界的な建築物を手がける有名な建築家だと分かり感動していると、涼子と太郎の携帯が同時に鳴り出した。
「殺し」の知らせを受けた涼子と「傷害事件」との連絡を受け家を飛び出す二人。
涼子の現場は、とある公園内の階段下で遺体が発見され、その遺体の人物は篠田深雪(野村佑香)29歳だった。東森商会の社員で、半年前に同居していた兄を亡くし身寄りがないとのことだった。所持品に財布がないことから、物取りの犯行と考えられた。
一方、太郎の現場は、涼子の現場に近いいつも若者たちのたまり場になっていると言われている場所で、被害者・山本(久保酎吉)はいわゆるオヤジ狩りにあったのではと見ていた。
その現場に涼子が現れた。お互いの現場が近いこともあり、同一犯の可能性もあると思いやってきたのだ。
捜査を進めるうち、亡くなった深雪が、会社のパソコンで建築家の大曽根を調べていたことが発覚、さらに、オヤジ狩りにあった山本が深雪の財布を持っていたと分かり、二つの事件に何か関係があるのか調べ始める。早々、大曽根の事務所を調べに行った涼子たちは、美香の設計担当の真田(古澤蓮)の話から大曽根が建築界のノーベル賞とも言えるラファエル賞の候補に上がっていることや大曽根事務所の事務を取り仕切っている真鍋杏子(あめく みちこ)の存在を知ることになる。
帰り道、涼子と美香は誰かから尾行されているのに気付く。問い詰めると、高梨雄馬(鷲尾昇)と名乗る男は、亡くなった深雪と以前結婚の約束をしていたというのだ。深雪の兄がバイクに跳ねられ、下半身麻痺になってしまった時にやむなく結婚を諦めた経緯など、当時から現在までの様子を話す高梨。さらに調査を進めていくと、深雪にストーカーのように付きまとっていた刈谷アート設計の刈谷(長谷川公彦)という男が浮かび上がった。だが、その刈谷も何者かに殺害されてしまった。深雪、刈谷の殺人事件・・・山本をめぐる傷害事件・・・二つの設計事務所が関係する複雑な人間関係・・・涼子・太郎の刑事夫婦コンビが動き出す。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。加賀美涼子と加賀美太郎は新婚夫婦。
とはいえ、彼らには他の夫婦には無いある秘密があった。
彼らは2人とも刑事なのだ。
しかも、涼子は警視庁の刑事、太郎は所轄署の刑事であった。
そんなある日、涼子は後輩の榎本美香刑事に太郎と共に呼び出されることに。
呼び出された先は世界的に高名な建築家・大曽根良治の建築事務所。
其処で涼子たちは美香から彼女の婚約者である三上を引き合わされる。
それにしても、どうして建築事務所なのか?
不思議に思う涼子だが、その目前で美香が若い男性に声を掛けられる。
相手は大曽根の下で働く一級建築士の真田である。
美香は結婚と同時に一戸建てを新築する予定だったのだ。
ちなみに涼子と太郎は賃貸住まいである。
あ〜〜〜とか〜〜〜ら来ぃ〜〜〜たぁ〜〜〜のぉ〜〜〜に追い越され〜〜〜。
と「水戸黄門」のテーマが聞こえて来たかどうかは定かではないが、がっくりと肩を落とす涼子。
そんな涼子たちに、声をかける壮年の男性があった。
男性は涼子たちから理想の間取りについて聞き取りを行うと、それを短時間で具体的なデザインとして仕上げてしまった。
実はこの男性こそ、大曽根良治本人であった。
これに感動し、すっかり大曽根のファンになった涼子と太郎。
其処に事件発生の方が届く。
涼子が向かった先は公園で発生した殺人事件。
被害者は篠田深雪、階段から突き飛ばされ転落死を遂げたようだ。
所持品から財布が奪われていたことから、物取りによる犯行と思われた。
一方、太郎が向かった先は深雪が死亡した公園近くの路上。
山本という男性が何者かに襲われ負傷したのだ。
現場が近かったことから2つの事件に関係があるのではないかと考える涼子だが。
涼子は深雪の所持品に「サンデードラッグ」の買い物袋があったことに注目。
「サンデードラッグ」は深雪が通勤に用いる最寄駅とは真逆の方向にあった。
つまり、深雪はわざわざ遠回りしたことになる。
そんな中、深雪の兄・篠田正行が半年前に死亡していたことが判明。
篠田は10年前に事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされていた。
深雪の身内は正行以外に居らず、天涯孤独となっていたらしい。
続けて深雪について調べたところ新事実が明らかに。
まず、深雪は密かに大曽根について調べていたようだ。
また、深雪は男性からストーカーされていたらしい。
手掛かりを求めて大曽根の建築事務所を再訪した涼子は、事務所のナンバー2である野々村省吾や事務方として大曽根を支える真鍋杏子、大曽根の元妻で彼に復縁を迫っている葛城綾と出会う。
さらに、大曽根が彼が手がけた「国立現代美術館」のデザインにより建築界のノーベル賞と呼ばれる「ラファエル賞」候補となっていることを知る。
その帰路、涼子は何者かの尾行に気付く。
尾行者の正体は高梨雄馬なる男性、彼は深雪の元婚約者であった。
だが、10年前の篠田の事故が原因となり深雪にフラれ失意のうちに別の相手と結婚。
しかし、結局上手く行かず深雪との復縁の機会を窺っていたのだそうだ。
彼こそストーカーかと思われたのだが、高梨によれば別の人物らしい。
矢先、大曽根の元部下であった刈谷こそが深雪のストーカーと判明。
事情を問い詰めようとした直後に、刈谷が何者かに殺害されてしまう。
その翌日、刈谷の死について尋ねるべくまたも大曽根を訪問した涼子。
しかし、大曽根に相手にされず野々村と杏子から謝罪される。
野々村によれば、彼と京子と大曽根は大学時代からの同級生で事務所草創期からのメンバーなのだそうだ。
しかも、30年前に大曽根は杏子にプロポーズしたがフラれるとのエピソードがあったらしい。
とはいえ、それにより大曽根が奮起したことが事務所拡大の原動力となっているようだ。
事務所内をうろうろしていた涼子は10年前の写真に篠田の姿を見出す。
篠田もまた大曽根事務所の従業員だったのだ。
太郎と共に10年前の篠田の事故現場を調べた涼子は其処が「NC建築事務所」の前であったことを知る。
「NC建築事務所」は当時の大曽根のライバルであった。
どうやら、篠田は「NC建築事務所」のデザインをスパイしていたらしい。
その途上で事故に遭っていたのである。
事故により車椅子生活となった篠田は建築家の夢を諦めていた。
矢先、大曽根が「ラファエル賞」を受賞した。
喜びに沸く大曽根、野々村、杏子たち。
其処に現れた涼子は大曽根に篠田の名を尋ね、スパイ疑惑について問い詰めることに。
だが、大曽根は「知らない」と繰り返すばかり。
どうやら、篠田が部下であったことすら忘れているようだ。
ちなみに、大曽根は刈谷についても「知らない」と語る。
業を煮やした涼子は深雪が殺害された28日夜のアリバイを問う。
これも「知らない」と答える大曽根であったが、杏子が「一緒に居ました」と証言する。
此の間も首を傾げ続ける大曽根であったが……。
一方、殺害直前の深雪の行動を調べたところ、喫茶店で「大曽根の妻」を名乗る人物と密会していたことが明らかに。
深雪はその人物に大金を要求していたと言う。
どうやら、篠田の事故の真相を使って脅迫していたようである。
大曽根の妻と言えば綾だ。
ところが、綾は「深雪など知らない」と主張。
28日夜には「大曽根と一緒に居た」と語り出した。
しかも、この際に「杏子は居なかった」と言う。
防犯カメラ映像から綾のアリバイが確認。
同時に大曽根のアリバイも成立した。
しかし、これにより杏子のアリバイ証言が嘘であったことが分かった。
何故、杏子は嘘を吐かなければならなかったのか?
もしかして、杏子こそが深雪を殺害した犯人なのではないか?
涼子と太郎は杏子に真相を語るように迫る。
これに深雪殺害を認める杏子。
深雪は篠田を亡くしたことで孤独を抱えていた。
その内に、篠田から建築家の夢を奪い、高梨との結婚を邪魔したとして大曽根を恨み出した。
其処で大曽根を脅迫しようとしたのだ。
これに対し、深雪を応対した杏子は「大曽根を守らねばならない」と決意した。
30年前に大曽根のプロポーズを断った杏子だが、実は大曽根を愛していたのだ。
大曽根を飛躍させるべく陰ながら支え続けていたのである。
杏子は大曽根の妻を騙り、深雪と交渉。
深雪は杏子に1000万円を要求した。
要求通り1000万円を用意した杏子。
だが、深雪は3000万円に値を釣り上げて来た。
杏子はこれにも応じた。
ところが、深雪は受取を拒否すると大曽根の直接的な謝罪を要求した。
それでは意味がないと慌てた杏子は「妻として代わりに謝罪する」と訴えるが、深雪は彼女が妻ではないことに気付いていた。
「あんたに何が出来るの?奥さんでも無い癖に!!」
罵声を浴びせられた杏子は深雪と揉み合いになり、これを殺害してしまった。
この事実を知った刈谷は杏子を脅迫して来た。
要求を呑んだ杏子であったが、刈谷は意外な真相を口にした。
なんと、10年前に篠田へスパイを命じたのは大曽根ではなく刈谷だったのだ。
大曽根自身は与り知らぬことだったのである。
逆上した杏子は刈谷を殺害してしまった。
全てを打ち明けた杏子。
杏子の罪を知った大曽根は彼女を完成した「国立現代美術館」へ誘う。
30年前、杏子にフラれたことで彼女に素直になれなくなってしまった大曽根。
だが、杏子の自身への想いを知り改めて求婚する。
30年の時を過ぎ、これに応じる杏子。
これにより、何の因果か三上と美香の新築計画は延期となった。
どうやら結婚自体の雲行きも怪しくなりそうだ。
夫婦の絆について深く考えさせられる涼子と太郎であった―――エンド。
<感想>
「刑事夫婦」シリーズ第2弾。
原作はなし、オリジナル作品です。
では、ドラマの感想から。
4組のカップルを通じて「男女の愛」が描かれました。
加賀美夫妻は相思相愛、特に太郎が上手くバランスを取っている様子。
高梨と深雪も互いに互いを愛しながらも、篠田の事故を契機に報われない結果に。
大曽根は建築デザインだけを愛しているのかと思いきや、杏子と相思相愛。
大曽根の精神的支柱こそ杏子だったのだろう。
美香と三上は結婚延期と言いつつも、アレは冗談でしょう。
それだけ深い信頼関係にあると言えるか。
ちなみに、美香夫婦にはシリーズ次回あたりで子供が出来て居そうな気がする。
「生意気っ!!」とばかりに先を越されて悔しがる涼子の姿が浮かぶようだ。
此処からはイロイロ気になることを。
まず、オープニングの下着窃盗犯・丸山。
宅配便を名乗った太郎たち相手に玄関から直視出来る場所に盗品を並べて置くとは……何たる奴よ。
あれ、仮に本物の宅配便屋さんでもあの状態では荷物の受取出来ないでしょ。
何故、隠しもせずに戸を開けた!?
そして、事故により車椅子生活となり建築家を諦めたと言う篠田。
でも、建築士やデザイナーこそ車椅子でも可能な自宅で出来る仕事だと思うのだが。
そう言えば、山本の傷害事件はあらすじから省いても特に本作に影響が無さそうなことに気付いた。
とはいえ、今回も22時跨ぎの「これまでのまとめ」こと「家族会議」は健在。
太郎の「絶対記憶保持能力」も多用されていました。
シリーズの強みを活かしていたように思います。
<キャスト>
加賀美涼子:鈴木砂羽
加賀美太郎:石黒 賢
榎本美香:星野真里
小早川秀樹:井田國彦
亀田正雄:迫田孝也
内田耕二:一条 俊
野々村省吾:佐戸井けん太
篠田深雪:野村佑香
刈谷健司:長谷川公彦
葛城綾:根本りつ子
真鍋杏子:あめくみちこ
大曽根良治:長谷川初範 ほか
(公式HPより、敬称略)
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